建長寺での個展は、歴史の重さのプレッシャーという、それまで無縁であったものを味わった。また私というものの正体解明には、作ることしか策はなく、その方法は正しいとの確信も得た。それは物心ついて以来、もっとも関心のあることだったのだ、と寒山拾得を手掛けて以来幼かった頃のことを思い出されることが続いた。そこから始まった禅宗モチーフの制作だが、どうやら、たまたまの偶然ではなく〝考えるな感じろ”という我が身を水脈探しのダウジングロッド化することにより、導かれ至った結果なのだ、という確信にも。建長寺の開山蘭渓道隆のプリント3点は、開山が原型を作った庭に面して展示することだけを決めていたが、猛暑でもあるし戸を開けた。鴨居から下げたプリントが風になびくことを心配し、何かと対策を立てていたのだが、実際なびく様子を見たら。私に...建長寺より一夜明け