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化学と歴史のネタ帳 https://omizu-water.hatenablog.com/

身近にひそむ化学と歴史を,高校までの知識をベースに解説します. 化学は「身近な現象」を「分子レベルで」説明してくれます.本ブログでは高校までの知識をベースに,歴史的背景も含めて誰かに話したくなるような身近な化学ネタを紹介していきます.

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2022/04/01

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  • 酸と塩基(3):ブレンステッドとローリー

    酸と塩基(3):ブレンステッドとローリー

    「酸をH+を供与するもの,塩基はH+を受容するもの」という定義は,1923年にブレンステッドとローリーが独立に発表しています. 彼らは,なぜそのような定義をしたのでしょうか? ブレンステッド(左,Johannes Nicolaus Brønsted, 1879-1947)とローリー(右,Thomas Martin Lowry, 1874-1936)今回は私の論文をもとに,ブレンステッドとローリー,それぞれについて酸塩基の定義を思いつくに至った経緯を探っていきましょう. 【参考】論文発表のお知らせ:ブレンステッドからミカエリスへ

  • 酸と塩基(2):ミカエリスの酸塩基理論

    酸と塩基(2):ミカエリスの酸塩基理論

    「酸をH+を供与するもの,塩基はH+を受容するもの」という定義は,ブレンステッドによる定義として習います.しかしブレンステッドははっきりと,H+に注目した酸塩基の定義は生化学者ミカエリスによるものだと明記しています. ミカエリスの酸塩基理論とは,一体どういったものだったのでしょうか? Leonor Michaelis (1875-1949)今回は私の発表した論文をもとに,ミカエリスの半生とともに,その酸塩基理論の正体を探っていきましょう. 【参考】論文発表のお知らせ:ブレンステッドからミカエリスへ

  • 酸と塩基(1):アレニウスの博士論文

    酸と塩基(1):アレニウスの博士論文

    「酸とは水溶液中でH+イオンを与えるもので,塩基は水溶液中でOH-イオンを与えるものである.」という定義は,アレニウスの定義として習うものです. この定義は,本当にアレニウスが提唱したものでしょうか?実は彼は生涯にわたって明確に酸塩基の定義をしたことはありません. Svante Arrhenius (1859-1927) 今回はアレニウスの業績を確認しつつ,アレニウスの定義と呼ばれるようになった経緯を探っていきましょう.

  • 日本版Ask the Historianとは?

    日本版Ask the Historianとは?

    化学の教科書を読んでいて,「そういえばこの用語ってどんな経緯で生まれたんだろう?」とか,「この表記法って昔からこうだったのかな?」とか思ったことはありませんか? 実は2024年1月から,こうした疑問に対して化学史の側面から調査するワーキンググループ,「日本版Ask the Historian」を立ち上げ,活動を始めています. 今回はその内容について,ちょっとだけご紹介します.

  • 本が出版されました!

    本が出版されました!

    この度,当ブログの記事をもとに加筆修正し,本を出版されました!化学と歴史のネタ帳: I. 酸とアルカリ作者:遠藤 瑞己Amazon本記事では世界初の記載も含む,本の内容を紹介します.追加の無料ダウンロードコンテンツもあります.

  • 論文発表のお知らせ:ミハエリスからブレンステッドへ

    論文発表のお知らせ:ミハエリスからブレンステッドへ

    このたび,ついに化学史好きが高じて化学史学会の学会誌『化学史研究』に私の論文が掲載されました! 論文です!一言で言えば,「ブレンステッドの定義は彼のオリジナルではなくて,生化学者ミカエリスが考えたものだよ」という論文です. 今回はその論文のご紹介です.

  • 滴定の歴史(9):沈澱滴定

    滴定の歴史(9):沈澱滴定

    沈殿反応は見た目にはっきりと変化があらわれるので,滴定にも用いられてきました. 沈殿滴定はどのように誕生したのでしょうか?また,沈殿滴定にも指示薬はあるのでしょうか?今回は水質調査,硝石産業,貨幣鋳造,ハーブウォーターなどを題材に,沈殿滴定の歴史をみていきましょう.

  • 滴定の歴史(8):酸化還元指示薬

    滴定の歴史(8):酸化還元指示薬

    過マンガン酸カリウム溶液やヨウ素溶液のように色がはっきり変化する場合は良いですが,色が変化しない酸化還元反応はどうすれば良いでしょうか?今回は酸化還元滴定の幅を広げた,酸化還元指示薬の歴史をみてみましょう.

  • 滴定の歴史(7):過マンガン酸塩滴定

    滴定の歴史(7):過マンガン酸塩滴定

    過マンガン酸カリウムを用いる滴定,過マンガン酸塩滴定は色がはっきり変化するので化学実験でもよく取り上げられます. 過マンガン酸塩滴定はどのように誕生したのでしょうか? 今回は鉄工業や硝石産業,水質調査と関わりの深い過マンガン酸塩滴定の歴史をみていきましょう.

  • 滴定の歴史(6):ヨウ素滴定の発展

    滴定の歴史(6):ヨウ素滴定の発展

    ヨウ素滴定には大抵の場合,チオ硫酸ナトリウムが相棒として登場します. チオ硫酸ナトリウムを使うようになったのはなぜでしょうか? ダゲレオタイプのカメラ今回は写真撮影や水質調査を題材に,チオ硫酸ナトリウムとヨウ素滴定の歴史をみていきましょう.

  • 滴定の歴史(5):ヨウ素滴定の開発

    滴定の歴史(5):ヨウ素滴定の開発

    ヨウ素の酸化還元反応を用いた滴定を,ヨウ素滴定と呼びます.ヨウ素はデンプンとの反応ではっきり検出できるのが特徴です. ヨウ素デンプン反応を用いたヨウ素滴定はどのように成立したのでしょうか? 海草の収穫(北フランス) By Guy Courtois - Self-photographed, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6419590 今回は硝石産業や温泉と関わりの深い,ヨウ素やヨウ素デンプン反応の発見,そして滴定への応用の歴史をみてみましょう.

  • 滴定の歴史(4):酸化還元滴定の発明

    滴定の歴史(4):酸化還元滴定の発明

    中和滴定と並び,代表的な滴定方法が酸化還元滴定です.反応式を組み立てるのに苦労された方も多いと思います. 酸化還元滴定はどのように発明されたのでしょうか? 今回は酸化還元反応の歴史を踏まえつつ,酸化還元滴定開発の様子をみてみましょう.

  • 滴定の歴史(3):電極によるpH測定

    滴定の歴史(3):電極によるpH測定

    pHを測定するには,pHメーターを用いるのがお手軽です. pHメーターはどのように開発されたのでしょうか? Beckman M型 pHメーター (1937) 今回はpHメーターをめぐる物語を紹介します.

  • 本を出版します!【2024年3月16日発売】

    本を出版します!【2024年3月16日発売】

    この度,当ブログの記事をもとに加筆修正し,本を出版することになりました!発売日は2024年3月16日からで,予約はこちらから可能です. 【電子書籍版】 化学と歴史のネタ帳: I. 酸とアルカリ作者:遠藤 瑞己Amazon【ペーパーバック版】 kagaku-netacho.booth.pm本記事では,どんな本になるのか,その一部を公開します.

  • 滴定の歴史(2):中和滴定と水素イオン濃度

    滴定の歴史(2):中和滴定と水素イオン濃度

    滴定を行う上では,中和反応がどこまで進行したかをモニターし続けることが大事です. 有名なのは紫キャベツの煮汁やリトマス試験紙の色変化ですが,他にはどんな方法が活用されてきたのでしょうか?今回はpHメーター開発以前のモニター方法について,原理とともに見ていきましょう.

  • 滴定の歴史(1):中和滴定の誕生

    滴定の歴史(1):中和滴定の誕生

    化学工業が発展した18世紀以降,酸やアルカリの量を知ることは原材料の品質を調べるうえで非常に重要でした.中でも中和反応を利用する中和滴定は未熟練者でも使える画期的な方法でした. 理科実験でお馴染みの中和滴定は,どのように誕生したのでしょうか? By UCL - Flickr, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=45263025今回は水質調査や硝石産業などと関わりに深い中和滴定の成立過程の歴史を見てみましょう.

  • 酸の歴史(9):フッ化水素酸

    酸の歴史(9):フッ化水素酸

    フッ化水素酸はガラスを溶かすことのできる酸として非常に有名です. フッ化水素酸はどのように発見されたのでしょうか? パリ万博(1867年)で優勝した,酸エッチングを活用したガラス作品 By Andre Carrotflower - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=116226404今回はフッ化水素酸の危険と向き合い,これを利用してきた化学の歴史を見てみましょう.

  • 酸の歴史(8):リン酸

    酸の歴史(8):リン酸

    リン酸は昔,骨から作られていました. 一体どのような方法だったのでしょうか?今はどのように製造されているのでしょうか? 1870年頃の骨灰工場 "Les merveilles de l’industrie, ou Description des principales industries modernes, vol. 3" p.537今回はリン酸製造法について,リン酸活用法の歴史とともに見ていきましょう.

  • 酸の歴史(7):塩酸

    酸の歴史(7):塩酸

    塩酸はかつて「海の酸」とも呼ばれました. なぜそのように呼ばれたのでしょうか? 13世紀頃から行われているアドリア海での製塩 (スロベニア)今回は塩酸の製造方法がどのように変化してきたのか,見てみましょう.

  • 酸の歴史(6):オストワルト法

    酸の歴史(6):オストワルト法

    硝酸合成法は色々と開発されてきましたが,波に乗ることが出来たのはアンモニアを酸化するオストワルト法です. オストワルト法はどのように誕生したのでしょうか?そもそもオストワルトはどんな人なのでしょう? ファント・ホッフ(左)とオストワルト(右)今回はオストワルト本人を主人公に,オストワルト法誕生の経緯と,そのしくみを見ていきましょう.

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