令和6年4月27日、岸田総理は、都内で開催された第95回メーデー中央大会に出席しました。 総理は、挨拶で次のように述べました。 「内閣総理大臣の岸田文雄です。 働く人々の祭典第95回メーデーがこのように盛大に開催されますことを、心よりお慶(よろこ)びを申し上げますとともに、開催に当たり、一言御挨拶申し上げます。 年初に発生した能登半島地震については、被災者の皆様が一日も早く安心して暮らせる生活を取り戻すことができるよう、生活や生業(なりわい)の再建、地域の再生に全力で取り組んでいます。 連合の皆様におかれましても、義援金やボランティア活動等の支援を頂いており、深く敬意を表し申し上げます。 さて、岸田政権では、『経済、経済、経済』と申し上げてきておりますが、長年にわたり染みついたデフレ心理を払拭し、賃金が上がることが当たり前との方向に、社会全体の意識を一気呵成(かせい)に変えなければならない、こうした思いで、一歩も二歩も踏み込んだ政策を進めています。 今年、物価上昇を上回る所得を必ず実現する、そして、来年以降に、物価上昇を上回る賃上げを必ず定着させる。この二つを必ず果たすため全力を挙げています。 まず、今年の春季労使交渉において、昨年を大きく上回る力強い賃上げの流れができていること、大変心強く思います。連合の皆さんの御努力に心から敬意を表し申し上げます。 また、全就労者の14パーセントを占める医療や福祉の現場で働く方々、物流・建設業界の現場の方々の賃上げのための新たな仕組みも動かしていきます。 春からの賃上げに加えて、6月からは、一人4万円の所得税・住民税減税を行い、物価上昇を上回る所得を必ず実現いたします。 さらに、来年以降、持続的な賃上げ定着の鍵を握るのは、先ほど芳野会長の御挨拶の中にありましたように、中小企業、そして、地方です。労務費の価格転嫁を通じた賃上げを進めるため、独占禁止法と下請法(下請代金支払遅延等防止法)に違反する事案に対して厳正に対処するとともに、いわゆる買い叩き(たたき)による下請事業者の経営の圧迫を防ぐため、下請法の運用基準の改正に取り組みます。 また、男女間賃金格差の是正や、21万人が活用する予定の『年収の壁』対策を更に広げるとともに、被用者保険の適用拡大など次期年金制度改革に向けて精力的に検討を進めます。また、人手不足対策を始め、中小企業の稼ぐ力の後押しにも全力を