国道212号線を南下して、再び一の宮町へと鈴木里美と真田先生を送る道中、ずっと皆沈黙が続いている。もっとも、私は井口実代子の行方がこんな形で幕を閉じてしまった…
ど素人が書くグダグダな小説モドキですが、どうぞ読んで笑ってやって下さい (´;ω;`)ウゥゥ
2025年4月
国道212号線を南下して、再び一の宮町へと鈴木里美と真田先生を送る道中、ずっと皆沈黙が続いている。もっとも、私は井口実代子の行方がこんな形で幕を閉じてしまった…
「兵隊さんが自害した後、皆は恐る恐る近くに寄って行ったばってん、もう自分の頭をブチ抜いとらしたけん、すぐにダメて分かったったい。何人かは、すぐにそん(その)女…
「…… 」 私はひとつ、小さな深呼吸をした。 「菅原さん、今日はこの時のお話を伺いたくてここへ参りました… 」 私がそう言うと、真田先生もそれに応じる様にスク…
「どうぞ…おあがんなっせ(上がって下さい) 」 菅原氏は身長160㎝くらいの小柄な老人で、私の勝手なイメージとは、真逆の男性だった。しかし、小柄な分に身軽なの…
「あの道を左に曲がって3軒目のお宅の様です」「分かりました… 」 真田先生の指示通り、通りを入ってみたが、熊本市内での3軒目と南小国での3軒目は随分感覚的に違…
真田先生から連絡が来たのは、あれから2日後の事だった。次の日曜日であれば先方の菅原さんもゆっくり話せるとの返事だったらしい。当然、私に断る理由は無く、すぐに快…
「恵子さんの話は本当だったんだ… 」 私は井口実代子の手掛かりを探す事を忘れ、その記事に目を奪われていた。新聞での扱いこそ小さかったが、これもリアルに当時を映…
「まぁどうぞ…お座り下さい」 真田先生は座布団を敷いてある場所に私を招く。私も「失礼します」と、断って座布団の上に座らせて貰う事にした。 「凄い事が分かったっ…
2025年4月
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国道212号線を南下して、再び一の宮町へと鈴木里美と真田先生を送る道中、ずっと皆沈黙が続いている。もっとも、私は井口実代子の行方がこんな形で幕を閉じてしまった…
「兵隊さんが自害した後、皆は恐る恐る近くに寄って行ったばってん、もう自分の頭をブチ抜いとらしたけん、すぐにダメて分かったったい。何人かは、すぐにそん(その)女…
「…… 」 私はひとつ、小さな深呼吸をした。 「菅原さん、今日はこの時のお話を伺いたくてここへ参りました… 」 私がそう言うと、真田先生もそれに応じる様にスク…
「どうぞ…おあがんなっせ(上がって下さい) 」 菅原氏は身長160㎝くらいの小柄な老人で、私の勝手なイメージとは、真逆の男性だった。しかし、小柄な分に身軽なの…
「あの道を左に曲がって3軒目のお宅の様です」「分かりました… 」 真田先生の指示通り、通りを入ってみたが、熊本市内での3軒目と南小国での3軒目は随分感覚的に違…
真田先生から連絡が来たのは、あれから2日後の事だった。次の日曜日であれば先方の菅原さんもゆっくり話せるとの返事だったらしい。当然、私に断る理由は無く、すぐに快…
「恵子さんの話は本当だったんだ… 」 私は井口実代子の手掛かりを探す事を忘れ、その記事に目を奪われていた。新聞での扱いこそ小さかったが、これもリアルに当時を映…
「まぁどうぞ…お座り下さい」 真田先生は座布団を敷いてある場所に私を招く。私も「失礼します」と、断って座布団の上に座らせて貰う事にした。 「凄い事が分かったっ…
「何だよ、どうした…? 」「いいから早くこっちに来て欲しいっす! 」 つい数時間前、事務所に2人でいた時とは明らかに違うYくんの様子にただならぬ気配を感じた私…
「お疲れ… 」「っす!早かったっすね」「あぁ、柿原さんとは会えなかった」「何すか?調子でも悪かったっすか? 」「いや、単に眠っていらしただけだ」 ついさっき、…
「みよちゃん… 」 柿原恵子はみよちゃんの名前を譫言で数回呼んだ後、再び静かに眠ってしまう。ハッキリとは聞こえなかったが、確かに何かを井口実代子に謝罪している…
岡山行きが決まった事で、私は柿原恵子さんにその事を報告する為に今日も彼女が暮らす「ありあけ荘」に向かっている。 井口実代子の郷里がある程度判明した事で、恵子さ…
「それでは先生、里美さん、今日はありがとうございました。私はこれで失礼致します」「どうか行方が分かるよう、頑張って下さいね」「また阿蘇にも寄って下さいね」「お…
その後私達4人は、鈴木里美が淹れてくれた珈琲を啜りながら、井口実代子の行方について様々な予想と終戦当時の状況を話し合っていた。話し合ったとは言っても、博学な真…
「あった… 」 喜びで身体が震えてしまう程だった。柿原恵子と同級生、クラスも一緒だった事がこの名簿を見れば一目瞭然だからだ。井口みよこは井口実代子が正しい漢字…
「これからどうするっすか? 」 Yくんが私に尋ねた。 「あぁ、柿原恵子さんや息子さん夫婦に聞いてみないと何とも言えないけど、場合によっては岡山まで行くつもりだ…
「何の資料ですか… 」 鈴木里美に尋ねながら私は膝を折りテーブルの前に正座した。 「あ、足は楽にして下さいね」「っす! 」「何でお前が言うんだよ… 」 目の…
「悪いが、とにかく結論を話してくれ」 盛り上がっているYくんと鈴木里美には申し訳ないとも思ったが、私は結論を急いだ。 「社長は今、どこっすか? 」「あぁ…実は…
帰る車の中で悠月氏に言われた言葉を思い出していた。 「懸命に…悔いなく生きている… 」 勿論、私達だってそうだ。何も毎日をいい加減に生きている訳じゃない。しか…
「ごめんなさい… 」 柿原恵子はそう呟いた。思わず時計を見たが、ここを訪れてまだ30分くらいの時間が経過しただけだ。これ以上無理はさせられないと思い、声を掛け…
「さぁ、先生も帰った事だし会議を続けましょうか」「…… 」 今更上手く逃げ果せる術も無く…仕方なく説教の続きをされるものとばかり思っていた私。 「それで社長、…
「なぁ、おかしいだろう? 」 狩野弁護士は少し呆れた様に言う。 「確かにそうですね… 」 会社側がどんな理由で、もう少し強気な話が出来ないのかさえ私には分から…
そんな私とSさんの仲睦まじい(?)やり取りを敏感に感じた狩野弁護士は、口角を静かに上げて私に言った。 「私が言うのも可笑しいけど、梅ちゃんも煙草…付き合ってく…
相変わらず仕事の話になると、真剣な眼差しになる狩野先生を前にして、私もそんな態度を合わせたかったのだが、どうにも恥ずかし過ぎる姿を見られた直後だったので間抜け…
「梅ちゃん、久しぶり」 そう言って静かに微笑む男性は、まさに狩野省吾先生。私は思わず歓喜する。これでやっと説教が終わるからだ! 「どうなさったんですか先生!ど…
「あのぅ…そろそろ正座やめても… 」「やかましい! 」「はひっ! 」 正座はおろか、この際、会社も辞めたいくらいだ!なんで社長の私がこんなにも叱られなくちゃな…
何故だかは分からないが、私は今まで何度となく見た。いや、正確に言えば「見慣れた」風景を見ている。 勿論、場所は事務所の中。なのに、何故こんなにも、まるで夢でも…
いつも弊社の拙いブログをお読み下さり誠にありがとうございます普通、キリの良い所で3月31日にお話を終わりたいと思っていたのですが…結局はオーバーランしてしまい…
「社長、お客様が… 」「えっ!? 」 Sさんが困惑したような表情で言うので思わず右側にある半透明のパーテーションの方を見た。確かにそこには人影があり、座ったま…
更に数日が経った。 私は相変わらず自宅と受け持ちの調査現場を往復している変わりない日常。 そもそも…私のごくごく小さな(?)不祥事が原因でスタッフ(特にSさん…
「息子がそう言ったのなら仕方がないわよ。いいじゃない、仕事に責任感を持って本人が忙しくしているのだから… 」「そんな… 」 木下幸代さんは私の振る舞いを責める…
道の途中、何かささやかな見舞いでも持って訪問しようと考えてはいたのだが、病室でどんな姿になっていらっしゃるのか分からない所に食べ物や飲み物も無いだろうと思い直…
「ぅわ!びっくりした!! 」 一瞬、眠りに堕ちていた私。思わず飛び起きてしまい、土手を転がり落ちそうになる。 「眠ってただけか… 」 ここの所、睡眠不足が続い…
何もかもが私の行き過ぎた行動で無駄になってしまった。そんな虚無感だけが私を包んでいる。 「とにかくもう話す事は無い。黙って帰ってくれ。頼む」「…… 」 最後は…
「お願いします!洲本さんが忙しい事も重々承知しています!だけど… 」「だけど何だ? 」 一段低い声でそう言われて、思わず下げていた頭を上げてみる。すると洲本啓…
「洲本ですが… 」 電話の声は友好的には聞こえない。どちらかと言えば「迷惑」を匂わせる様な暗い声だった。 「こんな時間にすみません。今、施設に来ていて… 」「…
私はもう一度改めて佐賀へと向かっていた。 九州自動車道を福岡方面へと進みながら、山の斜面を桜色に染める桜を見ても何だか今年は浮かれた気分にはなれずに、いずれ散…
「啓二が…ですか? 」「はい。そうです… 」 言ってしまった傍から、後々場合によっては「嘘つき」と非難されても仕方の無い自分の発言に嫌悪感を抱いてしまう。勢い…
買い物を終え、予定を少しオーバーした16時40分に私は町立病院に到着する。夕方近くになったせいか車も混みだして多少焦ったが、木下幸代さんに告げていた時間を10…
良かった…それが偽らざる本音だった。 電話を切る前に、互いの電話番号を交換する。これでとりあえずは彼が約束を反故にする可能性は無いと踏み、更に安堵した。 しか…