(2/2) 「銀河鉄道の夜」続篇創作 「(十、)銀河ふたたび」
カムパネルラはきっと銀河のほとりで生きているのです。カムパネルラはいつもそうして少し遠くから振り返るようにしてジョバンニを導いてきたし、何かとジョバンニのことを気遣ってくれたのです。カムパネルラの友情に報いなくてはなりません。 ジョバンニはもう何も云うことができず、家を飛び出し、町のほうへ走りました。そこに立っていた天気輪の柱めがけてです。この前は、その柱を上って銀河鉄道に乗りこんだからです。でも、今度は陽はすでに沈んでいて、太陽柱は現れません。いくら待っても待っても、銀河鉄道の汽車はやってきません。 しびれを切らしたジョバンニは、今度はみんなが海岸と呼ぶ川の河岸のほうに向かって走り出しました…
2022/08/01 06:34