chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
中学受験 https://katekyox.hatenablog.jp/

長年、国語専門の塾講師、家庭教師として働いてきました。中学受験は親子の戦いですが、二人三脚で円満に進むことは少なく保護者の方からいろいろなご相談をお受けします。これまでの経験を交えていろいろつぶやいてみたいと思いました。

家庭教師のタツジン28号
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2021/04/05

arrow_drop_down
  • 友人たちの大きなひとり言

    鼻高々 こうへき、です。 仕事にかまけて、ブログを疎かにしております。 さて、今日は、ぼくの友人たちの大きなひとり言についてお話をしたいと思います。ぼくの友人には、塾の講師や家庭教師がたくさんいます。特に家庭教師は、これからが、不謹慎な表現かもしれませんが、かき入れ時です。その彼ら、特に、社会や理科が専門の友人たちは、毎年、口をそろえて「これからが、ぼくたちの出番だ」と言います。かき入れ時だから出番だという意味も多少ありますが、理科や社会を専門としている友人たちは、合否のカギを握っているのは、自分たちなんだという自負があるからこのように言うのです。 どういう意味かお話していきます。受験生たちは…

  • しろばんば

    シイタケ こうへき、です。 井上靖先生の「しろばんば」を出したS中学の問題に触れたいと思います。「しろばんば」は、ぼくの大好きな作品のうちの一つです。このあと「夏草冬濤」、「北の海」と続く、井上先生の自伝的小説です。いつもは、作者に対して「さん」づけなのに、井上靖さんには先生をつけることをお許し下さい。ぼくにとって彼は憧れの人で、とても「さん」付けする気になれません。はっきり言って、差別ですけど。 「しろばんば」は、主に井上先生が伊豆の天城山ろくに住んでいた幼少のころのことを題材にした小説です。初めて読んだのは30年以上前ですが、長編小説なのに、まるで童話を読んでいるようでした。うっとりして読…

  • 青空 こんな時、だからこそ! こうへき、です。 仕事が忙しく、久しぶりに投稿します。 今回、子どもたちを教えて感じることを書きます。コロナ禍の状態が続き、教え子たちに疲れが見えます。昨年から続いているので学校も満足に通えていません。遠足がなくなり、修学旅行がなくなり、運動会がなくなっています。どこかに出かけることも制限されています。もちろん、受験のため思い切ってゲームをすることも出来ません。でも、入試は刻一刻と近づいているので、塾に通うか、オンラインの授業を受け、勉強を続けていかなければなりません。 負のスパイラルに陥っているのでしょうか。子どもたちに覇気が感じられません。健気に努力しています…

  • 洋館の人達

    霊峰富士 こうへき、です。 仕事が立て込んでいました。久しぶりに投稿します。今回は、竹西寛子さんの「洋館の人達」が出題されたK中学の入試問題を見てみたいと思います。この作品を選んだ理由ですが、竹西文学について改めて考えてみたくなったからです。彼女の作品には、いつもですが考えさせられる内容が多いです。 この作品も考えさせられます。彼女の作品には、戦争の悲哀さに直面しながらも人としての実直な生き方が感じられます。重苦しい世界において、透明感がある生きざまを描いている作品が少なくないとでもいうのでしょうか。ぼくの心に作品の世界観がねじこまれる感じがします。 【あらすじ】 小学校に通う三人の男の子たち…

  • 中学受験生にとっての9月以降とは

    受験スケジュール こうへき、です。 新型コロナウィルスが一向に終息しません。とはいえ、2022年の中学受験は少しずつ近づいてきています。夏期講習も終盤を迎えています。受験生たちが健康のままで試験を迎えてくれることを祈るばかりです。今回は、受験生たちが迎える9月以降の流れについて考えてみたいと思います。 5年生から受験勉強を始め、一週間ごとに新しい単元をこなしてきました。6年生の夏期講習は、どこの中学受験塾も総復習の形をとります。でも、総復習が出来ていない受験生も少なくないことでしょう。そういう中で志望校の出題パターンに慣れていかなければなりません。 では、9月以降のパターンについて説明します。…

  • 国語の中学入試問題は進化している?

    テキストの山 こうへき、です。 最近、教え子たちといろいろな国語の問題を解いています。以前と異なる問題を見かけます。今回は、その傾向について話してみたいと思います。もちろんその原因は、大学の入試改革に関連していることはいうまでもありませんが。 公立の中高一貫校の入試問題には、10年以上前から国語と社会や理科を融合したような問題が出題されていました。私立中では、一部の学校を除いてはまだあまり見られませんでしたが、最近では、いろいろな私立中学校に出題されるようになっています。 では、どんな問題か。10年以上前ですが、神奈川県の男子私立中Aに出題された問題で考えてみましょう。「社会的弱者、高齢者・乳…

  • 鼓くらべ

    お城 こうへき、です。 今回は、山本周五郎の「鼓くらべ」が出題されたS学園の問題を取り上げます。あまりにも有名な物語ですが、子どもたちが時代小説に出会ったときにどう対処するのだろうということも合わせて考えてみたいと思って選びました。子どもたちにもいつも説明していますが、歴史小説と時代小説は異なることを説明します。子どもたちには、こんな説明をします。歴史小説は、完全なノンフィクションではないけれど史実に基づいて書かれたものであり、有名な作家としては吉村昭や吉川英治が挙げられます。時代小説は完全なフィクションで江戸時代が多いですが、山本周五郎や藤沢周平あたりが有名でしょうか。時代は異なるけれど人間…

  • 「私の生涯」サリバン先生

    点字ブロック こうへき、です。 おなじみのヘレンケラーの「『私の生涯』サリバン先生」が出題されたS中の過去問について見ていきたいと思います。なぜこの問題を選んだかと言いますと、サリバン先生がヘレンケラーに言葉を教えている様子が、そんないいものではありませんが、ぼくが子どもたちに教えている流れに重なったからです。子どもたちに国語の神髄を教えることは難しいことです。忍耐が必要です。教材研究をしっかりして、さぁ、気合を入れて指導するぞと思い、作者や筆者が伝えたいことを懸命に説明しながら子どもたちに向き合うと、聞いている子は聞いていますが、ノートに絵を描いている子、手紙を書いている子、隣の子と話をして…

  • 新たなステージを迎えるにあたって

    勉強に悩む子ども こうへき、です。 明日から8月です。中学受験生、特に受験学年の6年生において、新たな展開に入っていきます。どうしてそういえるかということを考えていきます。ということで、今回は6年生を中心に考えてみたいと思います。 中学入試は、主に5年生、6年生の2年間で完結します。3年生、4年生は、プレという位置づけでしょうか。一週間ごとに単元が進み、長期休暇の講習で復習と予習を繰り返します。6年生は、最後の長期的な休暇ですから、総復習ということになります。これまで勉強してきたことを総ざらいして、9月から志望校別の授業に特化していくことになります。塾によってスタイルが異なりますが、全般的な流…

  • 夏期講習で、息切れはしていませんか?

    お母さんと息子 こうへき、です。 今回は、塾に通っている子どもたちの夏期講習について説明します。なぜ、夏期講習について説明するのかというと、教え子のお母さんからこんな相談を受けたからです。塾の四科目の復習、宿題、漢字、計算練習で朝から晩まで毎日勉強ばかりで、うちの子が倒れてしまうのではないかとハラハラしていますが、どうしたらいいのでしょうか。そんな内容です。少し補足しておきますが、お母さんが自ら言っていたことですが、自分の性格からきている心配性で子どもはそれほど追い詰められていませんが、自分が参ってしまうということでした。 本人の息切れ、そばで子どもたちを見守る保護者の方の不安など悩みの種は尽…

  • ユキコボシ

    ハクサンフウロ こうへき、です。 今回は、今江祥智さんの戦争童話の「ユキコボシ」を出題したT中の問題を考えてみたいと思います。戦争に翻弄された人々の切ない物語が上手に描かれている作品です。赤本の中から見つけました。終戦記念日も近いことですし、「ユキコボシ」を見ながら考えたいと思います。 【あらすじ】 小学生のあき子は、図工の時間にタイルモザイクの作品を作ろうとします。授業中に出来上がらなかったので、家で仕上げようと考えます。弟のイタズラで赤のタイルモザイクを失ってしまい、赤い花を作るつもりが、白い細かな色になってしまいました。学校に持っていくと、藤山先生はこの花を知っているのと聞きました。あき…

  • 二番目の悪者

    ライオン こうへき、です。 今回は、林木林(はやしきりん)さんの「二番目の悪者」が出題されたS中の過去問に着目したいと思います。物語の展開が面白いだけでなく、日本の社会を皮肉っているようで改めて考えさせられる内容だったからです。自戒を含めて、改めて今の社会を見直すべきなのかもしれません。 【あらすじ】 昔のことです。みごとな金色のたてがみを持つライオンがいました。ライオンは大変お金持ちだったので、知り合いを集めては盛大なパーティを開き、たてがみを見せびらかしました。この国の王様は大変年老いていました。ある日、自分の死期を悟った王様は、次の王様を国民で決めるようにとおふれを出しました。金色のたて…

  • なんで国語の勉強なんかするんですか?

    本を読む子 こうへき、です。 これまで昼間は学校で、夕方は塾や家庭教師で国語を教えてきました。その時々ですが、上に挙げた質問をされることがありました。子どもたちの質問に考え、悩みながら、でも、真面目に答えてきました。子どもたちも、自分たちが、なぜ、このような勉強をしなければならないのか、模索しているのだろうと思います。 今回は、ぼくなりに考えてきたことを説明してみようと思います。人は、生きることができて100年程度です。これまで、さまざまな大天才が現れては亡くなっていきました。大作家が書いた小説、天才的な頭脳を持った科学者が書いた評論文やエッセイ、偉大な詩人や歌人など、本当に素晴らしい作品を残…

  • トンボをつかむ男の子 子どもの心に宿るもの こうへき、です。 今回は「子どもの心に宿るもの」というテーマで考えてみたいと思います。中学受験に長い間携わってきて、不思議に思うことがたくさんありました。でも、その前に子どものことを考えると、頭に浮かぶことが二つあります。一つは、マザーテレサの写真です。偉人の彼女が、小さな子に向かって拝んでいる写真です。その写真の文脈もなにも分かりませんが、ぼくには、彼女がそこに神を見出しているように見えたのです。もう一つは、作家の井上靖さんが書いたエッセイです。ぼくが好きだからそう思うのか分かりませんが、彼の言葉にも神が感じられました。井上さんは、こんなことを言い…

  • 創作力トレーニング

    創作 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、原和久さんの「創作力トレーニング」を出題したS中学の問題を見ていきたいと思います。筆者は、アメリカで子どもたちを対象に日本語を教える機会に恵まれました。そのような機会に現地の子どもたちが、どのように英語の勉強をするのかということに興味を持ったことが書かれていました。日本を出たことのないぼくにとって、なるほどねぇと思わされる内容だったので選びました。 【あらすじ】 せっかくのアメリカの学校教育触れる機会があったので、自分の教えるクラスだけでなくいろいろなクラスに足を運びます。現地の子どもたちがどのように英語を学んでいるのか、観察したかったからです。筆…

  • 木工少女

    伐採されたスギ 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、濱野京子さんの「木工少女」を出題したT中学校の過去問を取り上げます。子どもたちに国語を教えてずいぶんになりますが、ときどき何のために教えているのだろうと、ふと立ち止まって考えることがあります。いい中学校に行くため?いい大学に行くため?いい会社に勤めるため?そういう言葉をよく聞きます。ぼくも、そうなんだろうなぁとも思います。 でも、中学入試問題に長い間向き合っていると、それだけではない気がします。その先に何があるのか、人それぞれかもしれませんが、人が人として生きる上でこんなこと分かるといいよね。君たちは分かるかな?学校の先生方は、そんなこと…

  • 夕空晴れて

    野球少年 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、伊集院静さんの「夕空晴れて」が出題されたS中学の過去問を見ていきたいと思います。伊集院さんの作品は中学入試でも定番ですが、この「夕空晴れて」は、ずいぶん人気がありました。その魅力について考えてみたいと思いました。 【あらすじ】 由美は、夫を病気で亡くします。息子の茂は、レギュラーになれるほどでないのですが、少年野球部に所属しています。試合に出られるかどうかより、野球というスポーツそのものを心から愛しています。そんな息子の様子に由美はやきもきします。野球のことを楽しく話す息子を見て、由美は野球の試合をこっそり見に行きます。今回もベンチにずっといる…

  • 昨夜のカレー、明日のパン

    カレーライス 家庭教師のタツジン28号です 今回は、木皿泉さんの「昨夜のカレー、明日のパン」に所収されている「一樹」が出題されたS中学の問題に着目しました。高校生のときに母親と死に別れた息子の気持ちを上手に描いているのが新鮮でした。 【あらすじ】 主人公は一樹です。一樹のお母さんは、ちょっと変わっていました。息子の弁当にもらい物の巨大なマツタケの佃煮をご飯の中にそのまま埋めたりします。一樹は、母親の作る弁当が恥ずかしく、朝出かけるぎりぎりになって弁当代を請求します。母親の作る洋服もどこかぶかっこうで流行遅れのため、一人浮いてしまいます。そのため、一樹は人と関わらず一人で過ごすことが多い子どもに…

  • おとなになるってどんなこと

    未来を想像する女子高生 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、吉本ばななさんの「おとなになるってどんなこと」を出題した中学校の入試問題を取り上げてみたいと思います。中学生の「私」が周りに対して気遣いができる、大人になっていくことを描いている話です。今、このように書きますと、年齢的に大人ではあるのだけれど、周りに気遣いが出来る大人に自分はなっているのかと不安になります。同時に、胸痛むニュースを見聞きするたびに、大人としての振る舞いってなんだろうと思わされます。 【あらすじ】 中学生の「私」は、一種の鬱状態でした。母親は、「私」を生んだのち、体力がなくなり子育てが出来ないくらいの状態になりました…

  • ムーミン谷の仲間たち

    泣いている男の子 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、フィンランドの小説「ムーミン」が出題されたT中の問題を取り上げてみたいと思います。「ムーミン」は、一見童話のようにも読めますが、どうしてなかなか奥深いテーマを取り上げていることも少なくありません。T中に出題された場面展開も同様です。それで選んでみました。 【あらすじ】 ニンニは姿が見えなくなった女の子です。底意地の悪いおばさんに皮肉を言われ続けているうちに身体の輪郭がぼやけ、ついに跡かたもなく消えてしまったわけです。ニンニの姿がもとどおり見えるようになるまでムーミン屋敷に住むことになります。《姿が見えない》とは、ちびのミイが指摘したよう…

  • 感傷コンパス

    短冊と男の子 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、多島斗志之さんの「感傷コンパス」が出題されたT中の問題について考えてみたいと思います。大人にもいろいろな事情があるように、子どもたちも同じくらい事情があるのは当たり前です。その複雑な事情に翻弄されて生きる子どもたちの世界を上手に描いている点に着目してみました。 【あらすじ】 小学5年生の女の子が主人公です。名前は朱根(あかね)。女の子が生まれたときに母親が亡くなりました。父親と二人暮らしです。分校の学校で児童は18人しかいません。複式学級です。学校にいつも遅刻してきます。担任が聞いても理由を言いません。勝手な行動をすることが多く、乱暴も働き…

  • 努力すれば報われる?そうじゃないだろう。報われるまで努力するんだ。

    サッカー競技 家庭教師のタツジン28号です。 この言葉は、みなさんもご存知だと思います。サッカー界のレジェンド、メッシの言葉ですね。今回、この言葉を取り上げたのは、中学受験にも通じるよなぁ、と思わされることがたくさんあるからです。 まず、結論を言います。中学校入試の勉強をしている子どもたちは、みんな本当に努力をしているのだと思います。学校の勉強をし、他の習い事があったりしながら塾に通うわけですから、毎日、ヘトヘトになっているのが事実ではないでしょうか。 でも、その勉強方法が志望校合格に向けた勉強になっているのか、というところで疑問に思わざるを得ない受験生をよく見かけます。自習室で漢字や計算ばか…

  • 世界の果てのこどもたち

    炎 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、中脇初枝さんの「世界の果てのこどもたち」が出題されたK中の問題に着目したいと思います。その理由は、第二次世界大戦によって翻弄される子どもの心を、上手に表現しているなと思ったからです。ぼくは、思います。戦争によって苦しめられた普通の人々の心を忘れてはいけないのだと。 【あらすじ】 主人公は、八才の女の子です。空襲を受けた後、女の子は自分の家と親戚の家を探します。家は双方とも焼けていました。おばの家の焼け跡に座っていると、その家で作られていたジャガイモを近所の人が掘り出して料理します。女の子はその料理を分けてもらいますが、それを近所のおじさんがみな食べて…

  • ダリアの笑顔

    育児日誌 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、椰月美智子さんの「ダリアの笑顔」を取り上げます。椰月さんの作品は中学入試にも使われ、「しずかな日々」は一時期入試問題として流行りました。ぼくも、楽しんで子どもたちに解説してきました。それで選んでみました。 【あらすじ】 「私」は6年生。早生まれで身体が小さくのんびり屋だ。遅生まれで5年生だったら元気一杯だったのにと想像する。4年生の弟は、勉強もスポーツも出来て身体も大きく母親の自慢の子どもだ。おばあちゃんだけは、いつも「私」が一番とほめてくれたけれど、おととし亡くなってしまった。お母さんは、保険の外交員で忙しく、お父さんと仕事の件でケンカする。…

  • おうちでできる、記述練習

    ノート 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、家でも出来る記述練習を取り上げてみたいと思います。その理由は、子どもたちが記述問題に手こずっている姿を日々見るので、同じように苦労しているご家庭がきっとあるのだろうと思ったからです。選択肢問題と記述問題の解き方が分かるようになりますと、ほぼテストで七割以上の点数が取れるようになります。頑張ってほしいと思います。 【塾で解き残した問題か宿題】 さて、まず準備です。どのような問題を取り上げるべきか。塾では、全ての問題を解きません。Sなどは、Bテキを3問程度です。宿題に出された問題か、解き残した問題に手を付けるところから始めましょう。テストの点数を取る…

  • 東京タワー

    貧困 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、リリーフランキーの「東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン」が出題されたM中の問題を見ていきます。モノが巷にあふれ、自分意識が強い現代とは異なり、およそ50年前の様子とその時代に流れていた人々の意識が、コミカルに、時にはシニカルに描かれている話が面白かったから選びました。 【あらすじ】 「オカン」は、「ボク」が4歳のとき、「オトン」と別居し、「オカン」の故郷である筑豊の炭鉱町に移り住みます。近所に住む前野君の家族と親しく付き合います。「オカン」が近くの料理屋で働いていたため、前野君の家に夕飯に呼ばれることが頻繁にありました。この町は豊かでなかった…

  • 再び、選択肢問題!

    選択肢問題をご家庭で考える 家庭教師のタツジン28号です。 中学校の過去問をみなさんにご紹介しつつ、学校側が受験生に求めていることを探究しています。受験生に教えるだけでなく、自分でも過去問をたくさん分析することで、見えてくるものがあるだろうと考えています。まずは、1,000題くらい見直してみようと思います。分かったら、受験生たちに生かしていきたいと思います。 ところで、です。相変わらずタメ息を付きたくなるのは、子どもたちはどうして選択肢が苦手なのだろうかということです。今回は、問題を説明するのは止めて、選択肢問題について考えてみます。 そういえば、思い出したことがあります。時代をさかのぼること…

  • 炎 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、戦争をテーマにした角川文庫の「いまを生きるための教室」を出題したT中の問題を見ていきます。著名な方々が書かれた本で、以下の話は映画監督の大林信彦氏が書いた文章です。映画監督ならではの鋭い視点で反戦平和について触れています。 【あらすじ】 激しい戦争シーンを映画で描く場合、火薬を扱うプロが上手に火薬を爆発させていた。人間がやることだから間違いがあり、手足を失ったり命を落としたりした。現在は、コンピューターグラフィックスのおかげでどんなものも映像にすることができる。誰も怪我をしないし命を落とすこともなくなった。でも、人間にはとめどもない好奇心があるので、…

  • さがしもの

    祖母と孫 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、角田光代さんの「さがしもの」が出題されたT中の問題を考えてみたいと思います。その理由ですが、病気で余命いくばくもない祖母と孫の葛藤を上手に描いている物語が面白かったからです。家族の関係性がテーマになっている問題はよく出題されていますが、核家族化が進む現代社会にあって、改めて家族間の想像力を中学校側は試しているのでしょうか。 【あらすじ】 中学2年生の女の子「私」が主人公です。ある日、学校から帰ると母親が泣いていました。その理由は、母親の母の余命が長くないからでした。「私」は、「おばあちゃん」から一冊の本を探してほしいと頼まれます。近くの本屋から…

  • 13歳のハードワーク

    夢を持った子ども 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、小田島隆さんの「13歳のハードワーク」が出題されたK中の過去問に着目したいと思います。これを選んだ理由ですが、「夢を持つことの意味」を鋭く指摘しているのが、ぼくにとって新鮮で、改めてそうだよなぁと思わされたからです。 【あらすじ】 昨今、ものわかりのよさげな大人は、子どもに対して異口同音に自分だけの夢に向かって努力しなさいという。「夢」を中心に据えた教訓話は最近のことであり、筆者が子どものころに夢を持っていた記憶はない。子どもは、「将来の展望」や「未来への希望」を特段必要としてないし、「大人になるための準備」として運営されているわけでも…

  • ぼくたちはきっとすごい大人になる

    仏花 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、有吉玉青さんの「ぼくたちはきっとすごい大人になる」が出題されたA中の問題を選びました。その理由は、多感な時期の少年たちの心の揺れ動きが上手に描かれているからです。ちなみにこの方のお母さんも「恍惚の人」などで有名な作家の有吉佐和子さんです。 【あらすじ】 6年生の少年たちが中心メンバーです。クラスメイトのジュンが、二学期が始まって突然死します。お葬式でクラスのみんなが悲しむのですが、その翌日から、みんなはジュンの話をしなくなります。葬式の日、身体中の水分がなくなるのではないかと思われるほど泣いた女の子が翌日には、アイドル歌手の新曲を覚えたといってみん…

  • 泣き虫ハァちゃん

    兄弟 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、河合隼雄氏の「泣き虫ハァちゃん」が出題されたT中の問題を選びました。その理由ですが、兄弟が互いに思い合うこの物語は、中学受験でよく出題された話でもあるからです。この兄弟とは、かの河合兄弟で有名です。皆さんもご存知だと思います。 【あらすじ】 「ハァちゃんこと城山隼雄は、昭和初期の小学4年生。疑問に思うことは先生に何でも質問してしまい、日ごろの行い(操行)の成績が上から一つ下がってしまった。作文で名誉を挽回しようと考える。得意だったからだ。ところが、今度の担任の先生は、これまでの先生と違っていた。見たまま、聞いたまま、感じたままをそのまま書くと良い作…

  • 100点のテスト 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、定期テストの見直しについて改めて説明したいと思います。その理由は、教え子の中には、いまだに答えを写して満足している子がいるからです。 ①定期テストは何のため? 中学受験は、毎週、新しい単元に入ります。その習熟度を確認するためのテストです。間違ったところは、覚えていないところ、苦手なところ、算数でいうならばまだ理解出来ていないところということになります。もちろん、応用問題もありますので、ここまで出来るようになるといいよね、という問題も含まれています。そのような問題は、基礎的な問題が出来るようになってからチャレンジすれば良いです。 ②定期テ…

  • 生命科学者ノート

    成長記録日記 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、中村桂子さんの「生命科学者ノート」を取り上げてみたいと思います。中村さんは誰でも知っているように生命科学者としての第一人者であり、中学受験ばかりでなく高校や大学受験の入試問題でも定番で出題されます。その中村さんが家庭でのあり方を述べた珍しい箇所を入試に取り上げた過去問を取り上げました。ちなみに過去問は、T英和です。彼女には娘さんと息子さんがいますが、母親として子どもたちに深い愛情を注いできた様子が垣間見られる随筆です。改めて親子とはなんだろうと考えさせられる話でした。 【あらすじ】 中村さんは、中三になる娘さんの髪を結うことを日課にしました…

  • 幸子の庭

    庭木 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、本田明の「幸子の庭」を取り上げます。引きこもり状態の女の子が立ち直るきっかけとなった話を取り上げてます。最近、公立だけでなく、私立中でも学校やクラスに馴染むことができず、保健室通いになってしまっている生徒が増えています。特に保護者の都合で海外で暮らしていた子どもが日本に戻り、言葉や教育方針、文化などの急激な変化についていけず、引きこもり状態になってしまう子がいたりします。以前にも、保護者の仕事の都合上国内を転々とした生活を強いられる子どもたちはいました。もちろん、そこでも地域性の違いから子どもたちが戸惑いを見せた物語は普通にありました。方言や生活習…

  • 「美晴さんランナウェイ」

    セーラー服 家庭教師のタツジン28号です。 今回から、学校にこだわらずに問題を選択して説明したいと思います。その理由は、前にも言いましたが、国語にも公式めいたものがあります。そのパターンからどのように解くのかということを考えてみたくなったからです。 【あらすじ】 山本幸久作「美晴さんランナウェイ」です。12才の世宇子、両親、弟、おばの美晴さんと祖母の7人で住んでいました。祖母が亡くなります。大人なのに天真爛漫な美晴さんは、祖母(母親)の葬式のときにタバコ買いに出かけたまま行方不明になります。中学の時、お腹をこわして修学旅行に行けなかった代わりに母親が連れて行ってくれた京都と奈良の旅行を懐かしん…

  • みどりのゆび

    植物 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、A布中に出題された吉本ばななの「みどりのゆび」について考えてみたいと思います。前から何度もこの教材を取り上げてきましたが、この物語についてもっと多くの人に知ってもらいたいと思ったからです。テーマ性のある物語、それを見事に問題にする過去問。このような良い問題は、子どもたちに何回解説しても面白いものです。なんでだろう。そう自問自答しますが、子どもたちの解答が、いつも異なる反応を示すからなんだろうという結論に達します。子どもたちの心は新鮮です。その新鮮さを変にいじらないで、でも、深めていくことがぼくの課題だといつも思っています。子どもに勉強しようと言うな…

  • 振り返りと今後の計画の確認

    勉強プランニング 家庭教師のタツジン28号です。 明日から6月が始まります。前にも言いましたが、子どもと一緒に保護者の方が3か月ごとに振り返る必要があります。その理由は、勉強に慣れていない子どもたちに勉強方法と習慣化を丁寧に、確実に定着させるためです。ただし、です。 頭ごなしに𠮟りつけるように言うのは得策ではありません。家庭教師先でも、お母さんが甲高い声で子どもに怒鳴っている場面に遭遇することがあります。子どもたちは委縮したり、反発したりするだけなんだけどなぁ、と心の中で思います。勉強しなさいと言われても、子どもたちはやり方が分からないのです。だから、どのように勉強を進めるのか一緒に確認作業を…

  • 傾聴ボランティア

    引きこもりパンダ 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、G女子で出題された岩瀬成子「まつりちゃん」の問題を考えたいと思います。ところで、このように中学入試問題をあれこれ見てきますと、中学校の先生方が受験生に求めていることが分かります。今度、まとめて説明したいと思います。 さて、あらすじです。第一志望の高校に落ちたのぞみは、すべり止めに受けた女子高に入学します。自分以外の女の子たちは、ヘアスタイル、ネイル、タレント、ケータイなどのキラキラした盛り上がりについていけず、クラスメートたちと距離を置くようになり口数が減っていきます。家でも引きこもりのようになります。そんなとき、市報で傾聴ボランティア…

  • おじいちゃんが壊れていく

    おじいちゃんと孫 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、G女子に出題された今江祥智の「枯葉」を見ていきます。この作品を考えてみたいと思ったのは、中学校入試でよく出題される今江祥智の著であること、ボケがテーマになっていることから選んでみました。中学入試でボケをテーマとした問題が出題されることが、たまにあります。それまで心身共に健康であった老人が、少しずつおかしくなっていくのを子ども目線で見なければならない訳です。今、三世代で暮らす家族は減っています。大好きだったおじいちゃん、おばあちゃんが少しずつボケていくという経緯に触れる機会は、益々、少なくなっています。だから、このようなテーマを改めて考え…

  • 母の思い、子の思い-その2

    狐の親子

  • 女の子の友情

    怒る女の子 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、草野たきの「ハッピーノート」が出題された年のG女子の問題を取り上げます。その理由は、この作家は児童文学作家として若いころから活躍し、彼女の作品が中学入試で出題されることがあるからです。この作品も、女子校らしい問題として取り上げられています。女子校らしいという表現が適切かどうか分かりませんが、男子校には出ないだろうなと思われるパターンがあります。女子同士の確執とでもいえばよいのでしょうか。 あらすじです。主人公は、私立中に進学するために塾に通っている小6の女の子です。四人組の女の子のグループに所属していましたが、そのうちの一人の子が何かと命令す…

  • 親の思い、子の思い

    母親と子どもたち 家庭教師のタツジン28号です。 今回から学校を代えて中学入試の国語のテーマを考えてみたいと思います。G女子です。昔から重厚な記述問題を出す学校で、国語の講師の間では有名です。この学校に入学したい生徒が過去にいて、10年分の過去問を何度も繰り返し解かせているうちにかなり実力がついたのには驚きました。 その子の力がついたのは、本人の努力やぼくの指導方法もあるとはおもいますが、一番の要因は、G女子の問題の質の高さです。良い素材を与えて考えさせているうちに、物語の世界観を読み解くことに長けてきたのと記述問題を解く要領が分かってきたのだろうと思います。同じ過去問を繰り返し解いたからとい…

  • 赤本の模範解答と子どもの解答

    大人と子ども 今回は、赤本の模範解答について考えてみたいと思います。その理由は、大まかに二つあります。一つは、子どもが赤本のような模範解答に、全てではありませんが、なるわけないと思っているからです。もう一つは、記述問題がたくさん出題されるG女子の学校説明会で、自分たちが受験生に求める答えは、赤本のような答えではない、といっていたとある教え子のお母さんに聞いたからです。 ここで断っておきたいのは、中学受験の過去問を出版している会社がいくつかありますが、それらの過去問の模範解答が悪いと言いたいのではありません。男女の御三家をはじめとして、記述問題をよく出題する学校は、基本的には模範解答を公表しませ…

  • ライバル視する親たち

    ライバルママたち 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、E光学園の問題から親同士がライバル視する話を取り上げてみます。その理由は、親戚関係にある親同士がライバル視するという話を、子どもたちにどう伝えなければならないかということを考えてみたいと思ったからです。この問題を子どもたちに解かせると、かなりてこずります。そんな理由から選びました。 大人から見れば、大人同士がライバル視する小説やテレビドラマだけでなく、実際に体験した方も結構いることでしょう。でも、子どもたちの想像力で、大人も子どもじみた感覚で知り合いをライバル視をすることがあるというということがどこまで理解できるか。なかなか難しいです。…

  • 子どもたちの繊細な心

    高山植物 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、E光学園で出題された児童文学作家の最上一平の「雪の上の宝石」について説明します。この問題を選んだのは、出稼ぎで正月も父親に会えない女の子の繊細な心を上手に描いている作品だからです。出稼ぎは、言い換えたら単身赴任です。今でも普通に見られます。ところが、出題された箇所には時代背景についての細かい説明がありません。 この話を現代のこととして読み取る子もいるでしょう。つまり、現代の時代設定で理解してしまうということです。スマホがある、パソコンがある、ZOOMやLINEがある。交通機関も発達している。都心に住んでいて北海道や沖縄でさえ日帰りできます。モノ…

  • 「不幸な目に遭うこと」の意味について

    泣く女の子 家庭教師のタツジン28号です。 前回、父親を亡くした少女の話をしました。そのとき、不幸な目に遭った子どもの心に寄り添う想像力の話をしました。「不幸な目に遭うこと」の意味をもう少し考えてみたいと思います。その理由は、何も身内がなくなる物語だけではないからです。 例えば、クラスメイトにイジメられた子どもが命を絶つ、という痛ましいニュースをよく耳にします。自ら命を絶った子どもにとって、どれほど辛いことがあったのでしょう。大人にとっては大したことはないと思われることでも、死を選んだ子どもにとっては、イジメられることは死ぬことより辛いということになります。イジメる方は、悪気がないのでしょう。…

  • 中学入試に出る不幸な物語

    白と黒 家庭教師のタツジン28号です。 今回もE光学園の問題の問題を解説していきます。中学入試特有の不幸な話です。中学受験で、なぜこのような不幸の話ばかり多いのか。やはり、登場人物の立場で物事を考えられる想像力を試されているのでしょう。言い方を換えると、中学入試でこのような問題が出題されるということは、現代の日本社会に生きる子どもたちの感覚そのものが鈍っているからなのでしょうか。平和で物質的に豊かではありますが、人の痛みを想像する機会が減っているのかもしれません。 さて、物語のあらすじです。外国のお話です。小学校5年の女の子が主人公です。新しく引っ越した先で買い物に出かけた父親が交通事故に遭い…

  • ご家庭独自の偏差値

    偏差値表 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、偏差値について説明します。先日も似たような話をしました。ただ、学校の偏差値を妙に気にする生徒がいるので、改めて偏差値について自分なりに考えてみたいと思いました。どこそこの学校の偏差値はいくつか気にすることはいいのですが、〇〇学校は頭が悪いとか、聞くに堪えないことを平気で言う子がいます。 保護者の方にも、標準偏差値を下回る学校には通わせないという方もいらっしゃいます。家庭教師の立場で、それは違いますよとは言えません。ぼくは貝になります。 中学校は、偏差値などで簡単に表せません。伝統的な学校にも関わらず偏差値が低くなってしまっている中学校があります…

  • 子どもの可能性と規則

    川と森 家庭教師のタツジン28号です。 今回も、E光学園の問題を取り上げます。この問題を取り上げた理由ですが、学校の先生が抱える矛盾点を分かりやすい展開で書き上げているのが面白いと思ったからです。先生は、生徒を育てるという大義名分がありますが、でも、結局、自分のノルマを果たさなければならないので辛いところです。 ぼくは、夕方からは家庭教師をしていますが、昼間は某学校の国語の講師もしております。今のところ、うまく両立できていますが、先生としていつも矛盾といいますか、どこかに限界を感じます。それは、一つに規則が挙げられます。子どもたちのための規則というより、学校の都合じゃね、と思います。でも、先生…

  • 祖父と子ども 家庭教師のタツジン28号です。 E光学園の問題に戻ります。血縁関係の複雑さをテーマにしている問題なので選んでみました。現在は核家族化が進んでいます。受験生目線でいうと、両親の親、つまり、祖父母は遠い親戚で、場合によっては赤の他人かもしれません。 さて、物語の概要です。少年の健一は4才のときに父親を亡くします。母親と東京で二人暮らしをしています。毎年夏に父親の実家に遊びにいきます。いつも「魔法の木」でカブトムシやクワガタを捕ることを楽しみにしています。この木はポプラで、少年が生まれたときに父親が記念樹として植えたものです。この木に群がる虫を捕るのを楽しみにしていました。今年、母親の…

  • 記述問題の指定文字数について

    原稿用紙 家庭教師のタツジン28号です。 今日は、記述問題のときの指定文字数について説明します。その理由は、よく子どもたちから質問を受けるからです。子どもたちから指定文字数が例えば50字以内の場合、何字書かなければならないのですか、と聞かれます。30字くらいでも、50字以内に入っているのではないかと、へ理屈をいう子がいます。そのとき塾でも、家庭教師でも、生徒と一緒に考えることにしています。指定文字数の問題は、当然、入試問題にも出ます。しっかりした考えを受験生に持ってもらいたいからです。 子どもとのやり取りはこんな感じです。指定文字数は、どうやって決まったのか。問題作成者が、答えを考える。そのと…

  • 釣り船 今回も、E光学園の物語を取り上げてみたいと思います。C・アドラー作「置き去りにされた猫」です。この作品を選んだ理由も、それほど長くない物語から問題をどのように読み取るかということを考えてみたいからです。他の人に読んで頂きたのはもちろんですが、中学校がどのようなことを受験生に求めているのかということを、ぼくなりに整理してみたいからです。 さて、この学校は物語の初めに枠つきであらすじを載せます。子どもたちにいつも、あらすじから物語が始まっているのだから丁寧に読み取らなければならないと言います。朝、家族の誰かと大ゲンカしたら、気分の悪い朝から一日が始まるよね。登場人物も同じだよ、と説明します…

  • 勉強 漢字の書き取りについて 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、漢字の書き取りについて説明します。なぜ、このようなことを説明するのかというと、塾や家庭教師先でムダと言っては失礼ですが、時間の使い方が間違っているのではないかと思える例を見かけるからです。 まず、低学年に見られる例です。漢字の書き取りは、塾や家庭教師の指導時間にはやりません。指導時間のときに多少書き順などで説明することはありますが、基本的には家庭学習でやるべきことです。毎週、新しい漢字を学習するわけですから、知らない漢字がほとんどです。基本的なスタイルとしては、解答を見て写すように言います。 ただ、答えを丸写しするのではなく…

  • 男子御三家の国語の問題にチャレンジ

    青空 家庭教師のタツジン28号です。 今回はまた、K成中学の過去問について説明します。榊邦彦氏の小説「約束」が出題された過去問について触れていきます。なぜ、この過去問を取り上げたのかというと、作品も面白いのですが、この作家は母校であるK成中で教鞭を執られているということにも興味を持ちました。 まず、物語の解説をします。小学校6年生の少年が主人公です。小学校の校庭で後輩たちとサッカーに興じていると、中学生たちがやってきて同じようにサッカーを始めます。次第に中学生たちが我が物顔でプレーするようになり、小学生たちを追い出そうとします。少年は後輩たちの手前、勇気を奮い起こして半分ずつ使おうと相談するべ…

  • ゴールデンウィークの過ごし方-最終日

    スサノオノミコト 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、最終日ということでもありますのでどの年度の問題を選ぶか悩みました。結論としましては、いい作品が多いのでもう少しK成中の問題を考えてみたいという優柔不断な結末になりました。 で、今回は、高見順の作品「わが胸の底には」を選びました。その理由は、前々回に説明した下村湖人の「次郎物語」の作品と同じような世界観を持っている小説が出題されているからです。この話も古い大正時代を時代背景にした作品ですが、物語の底に流れている思想は同じです。つまり、時代や国境を超えて人々の精神に宿る「謙虚な心と正義」ということになります。 さて、作品の概略を説明します。…

  • ゴールデンウィークの過ごし方-9日目

    勉強する男の子 家庭教師のタツジン28号です。 さて、今回も引き続きK成中の過去問を取り上げたいと思います。今回は、内田樹の「もしも歴史が」が出題された年度の過去問を取り上げてみたいと思います。それは、内田樹の文章が中学入試によく出題されることと鋭い指摘をしている内容があるからです。いつも考えさせられることが多いです。 この年も教え子が1名K成中に合格しました。やはり強者でした。合格のお礼ということでお宅に呼ばれました。目がキラキラしていたことが印象に残っています。子どもたちの中には目ヂカラが強い子がいますが、この子もそんな一人でした。この子の勉強量は、大人が見てもすごいと思いました。ぼくは、…

  • ゴールデンウィークの過ごし方-7日目

    かぶと 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、K成中学の問題を解説していきます。 これまで、ぼくが教えてきてK成中学に合格してきた生徒は強者ぞろいでした。読書量も半端でない子が少なくありません。例えばこんなでした。クリスマスの時のことです。プレゼント何をもらったのと聞いた時、嬉しそうに柳田国男の「遠野物語」と答えたことは今でも忘れません。前の話ですが、当然、子どもたちの間でゲームが流行っていました。小学校6年生の男の子が、「遠野物語」をクリスマスプレゼントと思える想像力の豊かさ、知的好奇心のレベルの高さは、普通の子どもの域を超えています。 日本を代表する中学ですが、中学がすごいというより、す…

  • タオル 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、男子御三家のA布中の記述問題を説明したいと思います。今回は、「重松清」の「タオル」です。「小学5年生」に収められている短編です。ネットで文章は手に入ると思いますので音読するだけでも良いと思います。 祖父の死を通じて「少年」が死を実感していく過程が上手に描かれていることと、その重松作品をA布中の先生が見事に入試問題に仕上げている手法に惚れ込んだためにこの過去問を選びました。言い方を換えると、一流のシェフが、素晴らしい素材を活かして見事な料理を仕上げているようなものです。 さて、まず作品を簡単に説明します。地元で一番の一本釣りの漁師であった祖父が脳溢…

  • ゴールデンウィークの過ごし方-6日目

    色鉛筆 家庭教師のタツジンです。 今回からゴールデンウィーク最終日まで御三家レベルの国語の記述問題に取り組んでみたいと思います。ご家庭でも記述問題にチャレンジしてみて下さい。S塾をはじめ、記述問題に取り組む塾は少なくないですが、それだけ中学校入試の国語は書かせる問題が多くなっているということです。受験生の表現力を試す学校が増えているということでしょう。 今回は、M蔵中にチャレンジしてみます。 ある家庭の話です。お父さんは消防士です。お母さんが亡くなってしまいます。お父さんは消防士のため夜勤があります。そんなときは、お母さんの妹が泊りがけで手伝いに来てくれます。この妹は、亡くなったお母さんとは双…

  • ゴールデンウィークの過ごし方-5日目

    勉強する女の子 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、K城中学の過去問を取り上げて解説していきます。 最近、中学校入試の国語の問題傾向が変わってきています。以前は、子どもの目線で書かれた、あるいは、子どもの目線で考えることが出来た問題が主流を占めていました。ところが、最近は子どもの思考を超えているというか、子どもの想像力を働かせることができるのかと思われる小説が出題されます。 今回は、K城中の問題を取り上げました。どこまで想像力を働かせて選択肢問題を解かなければならないのかという実例で考えてみます。2018年の二回目のテストです。作品は「宮下奈都」の「つぼみ」に所収されている「まだまだ、」で…

  • ゴールデンウィークの過ごし方-4日目

    勉強する男の子 家庭教師のタツジン28号です。 昨日に続き、遠藤周作の作品「海と毒薬」が出題された学校の過去問から選択肢問題を抜粋して説明します。昨日のおさらいから確認しておきましょう。五つの流れでしたね。 ①問題確認作業 ②設問の指定範囲の言葉の意味確認作業 ③文脈確認作業・前確認 ④文脈確認作業・後確認 ⑤選択文確認作業 順を追って緻密に読み取ることの大事さについて説明しました。ですが、これらの作業はあくまでも手順に過ぎません。実践的に繰り返し緻密な練習を繰り返しつつ、読解力を鍛えなければならないのは当たり前ですね。 では、次の問題です。「オルガンの音がやみ、女の子たちの声も聞こえなくなっ…

  • ゴールデンウィークの過ごし方-3日目

    選択肢問題を教える家庭教師 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、実際に過去問を使って具体的に生徒に指導していく方法を説明します。解説だけなら赤本にも載っています。でも、ここでは子どもたちの目線まで下りてどのように説明すれば分かってくれるか実践的に説明します。ゴールデンウィーク中の前半部は選択肢問題で後半は記述の解説をします。少しずつレベルを上げていきます。 取り上げた学校は、K県にある中堅どころの共学校です。少し古い年度の出題ですが、文学作品としては評価を得ているので事例としては相応しいといえます。遠藤周作の作品「海と毒薬」です。物語の展開は割愛します。ネットでも文章は探せると思います。物…

  • ゴールデンウィークの過ごし方-2日目

    勉強する男の子 家庭教師のタツジン28号です。 さて、今回は2日目に入ります。前回、途中になってしまいましたが、選択肢問題の指導方法について具体的に説明していきます。ただし、ぼくの方法が万全とは思いません。あくまでも一例としてご理解下さい。保護者の方でも普通に出来ます。ただし、子どもたちが覚えてくれるまで時間がかかることが多いです。忍耐が必要です。 前置きが長いですが、もう一点説明させて下さい。選択肢問題の考え方は低学年にも通用します。丁寧に問題を解く方法を習得しておけば、高学年になってから苦労しません。小5から小6に上がると国語の点数が下がる生徒がいます。原因は、選択肢を手順を踏んで解く方法…

  • まずは、ゴールデンウィークの過ごし方-1日目

    カレンダー 家庭教師のタツジン28号です。 今回からゴールデンウィークの最終日の5日までの10日間、毎回、どのように過ごせば良いか考えてみたいと思います。小学4、5年生と小学6年生の受験学年は異なるので、分けて考えてみたいと思います。 まずは、小学4、5年生です。塾に通い始めて学校との両立に慣れてきたでしょうか。慣れてきたかどうかで、するべきことが異なると思います。まだ慣れていないようでしたら、この機会に一週間の流れを改めて組み立ててみて「見える化」してみることをお勧めします。エクセルで日程表を作り、そこに学校に行っている時間、塾に行っている時間を書き込みます。 次にその間隙に予習、復習、漢字…

  • 勉強の整理整頓をしていますか?

    本棚 今回は、勉強の整理整頓について説明したいと思います。 勉強の整理整頓という言い方は、不適切かもしれません。でも、ぼくがこれまで指導してきた生徒と保護者の方に説明するときは、この表現を用います。一つ例を挙げます。一例に限ったことではないですが、多くのご家庭で発生していることなので今回このテーマを取り上げました。 今から数年前のことです。お父さんは医療関係者です。聡明な方でした。お母さんも聡明な方です。大手ではないですが、老舗の著名塾に通っていました。理数系が得意な男の子でしたが、国語が苦手だということで家庭教師を頼まれました。 その塾は、膨大な宿題を出します。お父さんが理系を、お母さんが文…

  • 子どもの勉強のリズム

    とぼける女の子 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、子どもの勉強のリズムということについて考えたいと思います。 保護者の方は、四六時中、お子さんに早くしなさいと言っていませんか。子どもたちは、恐ろしく要領が悪いです。やはり、同じことを繰り返しますが、大半のことは体験したことがありません。昔の子どもたちは、今ほど時間に追われていませんでした。今は、塾や習い事など多忙を極め、分刻みというわけではありませんが、30分刻みくらいでいろいろなことを処理しなければなりません。そのために手早く判断して行動しなければなりません。そのために、保護者の方々が口癖になっているように「早くしなさい」という言葉が出…

  • 記述指導の方法

    お母さんと娘でお勉強 家庭教師のテツジン28号です。 今回は、記述指導の方法について考えたいと思います。 当たり前ですが、子どもたちが10人いれば、10人の個性があります。感性も物事の考え方も随分異なります。ですから、ぼくは指導する生徒さんのお宅に初めてお邪魔したときに、本人の個性を見極める努力をします。もちろん、人間的な個性までは見極められません。あくまでも、勉強に対する向き合い方、物事の考え方、勉強の進捗状況の意味での個性です。 定期テストも見せて頂きますが、主に塾で使用しているノートやテキストを丁寧に見ます。記述の問題を解いているノートを見ると、自分なりに懸命に問題を解いていたり、模範解…

  • 採点の基準ってなんだ?

    満点のテスト 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、塾の採点基準について考えたいと思います。その理由は、家庭教師先から子どもが解いた記述の宿題に〇をつけたいのですが、とか、このテストの採点基準はどうなっているんですか、という質問を受けることがあるからです。ただし、最近の大手塾は大体において速くテスト結果を出さなければならないため、首を傾げたくなるような点数が出ている場合も確かにあります。 入試の場合は、多くの中学でその基準を示さないです。皆さんもご存じだと思います。女子中のO友学園は採点基準を詳細に示している点において珍しい学校だと思います。本学を志望する受験生は、このように解けるようになっ…

  • 読解力をつけることについての続き

    オンライン授業を受ける子ども 家庭教師のタツジン28号です。 読解力をつけることについての続きです。 また、これまでの経験から説明します。小6男子を指導したときの話です。K東志望でした。過去問を解いていたときの話です。物語の場面は、このような内容でした。記憶違いがあるかもしれませんがお許しを。小4の男の子と女の子の話です。校内で合奏コンクールがあり、女の子はピアノが得意だったのですが、気になる男の子がマリンバを楽器に選んだので同じマリンバを選びます。教室でクラスメイトが聞いているにも関わらず、その女の子は、男の子に向かって一緒に練習しようねといいます。 問題では、そのときの男の子の顔つきを選択…

  • 読解力をつけるためには?

    勉強する子ども 家庭教師のタツジン28号です。 前回の続きです。子どもたちが文章を読むことができるためには読解力をつけることが一番だという話をしました。言い方を換えると、子どもたちは、なぜ、物語文や論説文が読めないのかということから考えます。この発想は、子どもたちと長い間向き合って気づいたことです。 これまでの自分の経験から具体的に説明します。塾に勤めていたときに子どもから教えてもらったことです。ある単元の物語は、このような話でした。外国の話です。ある夫婦に赤ちゃんが生まれることになりました。上にお兄ちゃんがいます。無事に赤ちゃんを産むためにお兄ちゃんは、親戚のおばさんの家にしばらく預けられる…

  • 文章を早く読む?

    本とお人形 家庭教師のタツジン28号です。 今回から「文章を読むのが遅い子」について考えてみたいと思います。長くなりそうです。 家庭教師先で、うちの子は文章を読むのが遅いのですが、どうしたら良いでしょう。という相談を受けることが結構あります。また塾の先生に早く読むようにして下さい、と言われたのですが、どうしたらいいでしょうという質問を受けることもあります。 言いにくいですが、塾の先生に早く読むことが出来るようになるにはどうしたらいいか逆質問をしてみたら良いのでは?と言いたくなることがあります。逆上がり出来ない子どもに、逆上がり出来るようにして下さい、と言っているように聞こえます。速く読めるよう…

  • 卒業生がやってきた。パートⅡ

    可能性を秘める高校生 家庭教師のタツジン28号です。 卒業生の話は、今回で最後にします。ゆっくり説明しようと思ったのですが、自分で説明しながら、だから何だよ感が拭えないからです。でも、中高一貫の底力は大したものだという話だけはしたいために同じテーマを選びました。 保護者の方で、偏差値が50を切っている私立には通わせないと発言される人がいます。塾によって偏差値が異なります。S塾の偏差値が低く出されていることは、多くの方がご存じだと思います。YやNによっても学校の偏差値が異なり、何ら統一感がありません。塾独自で偏差値を割り出しているのだからしょうがありませんが、塾によっては偏差値に偏りがあり、その…

  • 卒業生がやってきたーA子さんの場合

    若い男女 家庭教師のタツジン28号です。 今回からしばらく、卒業生の話をしたいと思います。その理由は、大学を卒業してから社会人となり、先生と一杯やりたいと連絡をくれる時期でもあるからです。教え子と飲めるなんて最高にシアワセ。といっても、残念ながら卒業生と毎回飲めるわけではありません。ただ現況について報告してくれるだけのOB、OGも多数です。お酒、いや食事だけでも、と心で叫びつつ話を黙って聞きます。でも、報告してくれるだけでもうれしいんですけどね。 なぜ卒業生について話をするのか。その理由は二つあります。一つ。中学校入試は途中経過なんだなということを改めて教えてくれるからです。もう一つ、中高の持…

  • 女性の家庭教師と女の子 庭教師のタツジン28号です。 前回の続きです。解答用紙を見れば子どもたちの個性が見えるという話をしました。また教え子の例から考えてみたいと思います。この子は小5の男の子です。ぼくは、はじめ選択肢の選び方を細かく説明します。あまり良い表現ではありませんが、子どもたちはやり方が分からないと選択肢をいい加減に選びます。本文に照らし合わせて細かく読み取らせてから選ばせます。答えを選ぶなら、その根拠は何か。本文のどこから読み取ったのか、他の選択肢文はどこが間違っているのか、など口うるさく説明させます。 遊ぶ教科書 その要領が分かってきますとテストの点が伸びていきます。この子も伸び…

  • ぼくの信条

    男の先生 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、家庭教師として子どもたちとどのように接しているかという説明します。 まず、自分の信条から説明します。どのような教え子たちにも固定観念を持ってはいけないということです。それと、この子は子どもだけれど、自分よりどこまでも伸びる可能性があるんだと思い続けることです。この考えは、古い記憶で、どの方が言ったのか定かではないのですが、あるスポーツの選手のコーチだったと思います。自分より下手だと見下して指導すると、自分以上の選手にはなれない、だから、指導する選手たち全員に自分より才能があるんだと思い続けて指導するのだそうです。そうすると、自分が思う以上に成果…

  • お母さんのタメ息が聞こえる

    母親と娘 家庭教師のタツジン28号です。 今日は、お母さんのタメ息について考えてみたいと思います。受験生のお母さんたちは、子どものために、日夜、努力されています。涙ぐましいです。これまで何人子どもたちを見てきたか覚えていませんが、家庭教師をやってきて一番耳にするのは、お母さんのタメ息です。その原因の一番の理由は、受験生である子どもたちが、お母さんの言うことを聞いてくれないという嘆きです。子どもの成績の伸び悩みやパートナーであるお父さんの応援が得られないなどという理由もありますが、やはり、一番多いのは自分の思うように勉強してくれず、成績が低迷することによるタメ息です。 今でも忘れません。あるご家…

  • 塾に通いはじめた子どもたち

    読書する母娘 塾に通い始めて 家庭教師のタツジン28号です。 今回は、塾に通い始めた子どもたちについて説明します。大人が思う以上に子どもたちにとって、塾に通うことは大変だということをご家庭で理解して頂きたいと思います。保護者の方の言葉や態度は、子どもたちにとって自己生活の中心になるからです。皆さんが、何気に言った言葉も、子どもたちにとって10倍以上に響くといっても過言ではありません。 大げさではありません。ぼくたちも、子ども時代がありました。両親の言葉や態度は自分たちにとって日々の幸福であったり、脅威であったりした日々を過ごしたではありませんか。 子どもたちが塾に通い始めます。学校生活と塾の時…

  • 語句の勉強の仕方

    勉強する子ども 家庭教師のテツジン28号です。 今回は、語句の勉強の仕方について考えてみたいと思います。 なぜ、語句について説明するのか。それは、国語の勉強方法が分からない子どもたちが、漢字の書きとりや語句の意味調べに時間をかけることがあるからです。ご家庭によっては、お母さんが語句にこだわり、時間をかけることもあります。語句に時間をかけることが悪いわけではありません。でも、他にやるべきこと、つまり、優先順位を考えますと、それほど語句に時間をかけるわけにはいきません。 以前、こんなことがありました。大手塾に勤めていたときの話です。大手塾には自習室のようなものがあるのが一般的です。自分が担当する5…

  • 入学して飛躍的に伸びる子どもたち

    明るい未来 家庭教師のタツジン28号です。 これまで、中学校に入ったのはいいけれど、問題が起こった話ばかりしてきました。 今度は、良い例について考えてみたいと思います。 今回は、女の子と男の子に登場してもらいます。 まず、驚くべき成果を上げた女の子です。この子は志望校に落ち続け、最後に受けた中堅の女子中学校に補欠で合格しました。繰り上がるかどうかで心配しましたが、3月に入って学校から連絡が来てなんとか入学することが出来ました。当時のぼくの正直な感想は、ホッとしたことと、中学に入って授業についていけるかなということでした。この子は文系より理系の方が成績がやや良かったけれども、ごく普通の子でした。…

  • 国語のタツジン28号です。 トンボを持つ男の子 ママと登校 今日も、入学式にちなんで教え子のことについて話したいと思います。前回は、人間万事塞翁が馬について述べました。今回は、無事に入学したけれど、うまくいかなかった事例について報告したいと思います。 最初に断っておきますが、これまでの自分の経験したことは作り話ではなく事実ですが、多少、表現を変えているのはご容赦下さい。多様なパターンを理解して自分の指導力の幅を広げようとしているのと同じように、みなさんにとっても何らかの参考になればと思っているだけです。 塾の準備 一人目に登場するのは、男の子です。この子はもともと気が強い性格でした。第一志望で…

  • 再び、人間万事塞翁が馬

    青空の下でのびのびする男の子 家庭教師のタツジン28号です。 今まさに各中学校で入学式がたけなわです。幾つかの中学校の入学式に参加したことがありますが、新しい制服に身を包みつつ、緊張した面持ちで校長先生の話を聞いている姿にはどこか微笑ましいものがあります。 そんなことを考えていると、ふと、ある一人の教え子のことを思い出しました。仮にA君とします。A君は、男子の御三家のうちの一つと著名な大学付属校、その他の学校のすべてに合格しました。塾では生真面目に勉強に取り組んでいる姿が印象的でした。子どもたちが真剣に勉学に励む姿は美しいものです。合格して保護者の方と一緒に報告に来てくれたときは、一緒になって…

  • ノートは子どもの心の声

    ノートと色鉛筆 家庭教師のタツジン28号です。 今日は、ノートの取り方について説明します。 以前、東大生のノートは美しいという表現が流行りました。その美しさとは、見た目にも美しいですが、何よりまとめ方が上手で、そのノートの内容を見ればある科目の内容まで理解できるということだろうと思います。実は、その表現は男女の御三家レベルかそれに近い子どもたちにも当てはまります。以前、桜蔭に合格した女の子のノートを譲ってもらいましたが、4科目のノートそれぞれが見事にまとまっていました。高い偏差値をたたき出す子のノートがすべて美しいかというとその逆もありました。開成に受かった男の子のノートがまるで記号のように酷…

  • 文章の音読で読解力UP

    音読する子ども 家庭教師のタツジン28号です。 今日は、国語の文章を音読する意味について考えたいと思います。 子ども達と個別に勉強するようになって、いろいろなことに気づかされます。音読はその一つです。講師時代は、音読についてそれほど深く考えませんでした。範読したり、子どもたちに読ませたり、いろいろでした。 ところが、カテキョになってから、その大切さに気づかされました。子どもたちに音読させてみてください。でも、イライラしたり、怒鳴ったりはしないで下さい。 大人が思う以上に、子どもたちが文章を適当に読んでいることに気づかされます。適当というと子どもたちに失礼な言い方になりますが、平仮名の文章が続く…

  • 親でもできる家庭教師ー国語

    家庭教師のタツジン28号です 。 今回から、親でもできる国語の家庭教師について説明します。 まず、教える前にやらないことは、親子は感情的になりやすいという現実を見つめ直すということです。家庭教師先で保護者の方のグチをよく聞くのは、先生のことはよく 親子ゲンカ 聞くけれど、親の言うことは全く聞いてくれないということです。その通りだと思いますが、でも、保護者の方の子どもに対する言葉かけを聞いていると、かなり感情的に話すことが多いです。例えば、こんなです。うちの子は、読書もしないから国語が全くダメだ。いつも本を読め、本を読めと言っているのに親の言うことを聞かないからこの通りなんだ。というようなことを…

  • 家庭教師の使い方

    家庭教師のタツジン28号です。 先生 前回は、家庭教師の使い方を説明してきました。その続きです。 出身大学が優秀でも想像力に欠ける家庭教師は少なくありません。その原因は何だろうと考えたことがあります。もちろん、優秀な上に塾の講師として、家庭教師としても超一流な人もいます。やはり、そういう先生に限って想像力が豊かなため、話題も豊富で謙虚に振る舞います。人間的にも、先生としても素晴らしい人たちは、ぼくにとっては人生の師です。残念ながら少数派ですが。 で、その原因ですが、やはり、昨今の受験事情にあるようです。これは、企業の人事担当の方からも同じようなことを聞いたことがあります。子どものころから受験で…

  • 家庭教師を使いこなす

    家庭教師のタツジン28号です。 前回の続きですが、今回は、家庭教師を使いこなす考え方を説明します。 家庭教師 「使いこなす」という表現は、上から目線であまりふさわしい言葉ではありませんが、長い間、家庭教師をやってきますと、この生徒のためにこのように使ってくれたならば、もっと費用対効果が上がるのではないかと思うことがあります。ですから、ご家庭とコミュニケーションが取れてくると、こちらからいろいろと提案をさせて頂きます。そのような意味で「使いこなす」発送を考えてみたいと思います。 前回、塾の家庭学習が膨大過ぎててんてこまいになっている話をしました。お父さんは、医療関係者で聡明な方でした。それでも、…

  • 家庭教師の選び方

    家庭教師のタンジン28号です。 家庭教師 今回は家庭教師の選び方について説明します。 多くのご家庭が、家庭教師紹介所(家庭教師センター)を通じて家庭教師を派遣してもらうのが一般的です。ですから、ここではそのセンターとそこからやってきた先生の選び方について説明します。 どこか良いセンターはありませんか、という質問をよく受けます。事務上の手続き方法や値段などが会社によって異なりますが、登録している講師の質には違いはありません。なぜなら、多くの家庭教師が、複数のセンターに登録しているからです。センターは登録講師に定期的に仕事を回さなければならず、人気講師は紹介される回数は多いですが、それでも限界はあ…

  • 塾の探し方ーその3

    家庭教師のタツジン28号です。 今回は、高学年の塾の探し方について説明致します。これまで、小学校低学年、中学年と見てきました。保護者の方も苦労されると思いますが、小さな子たちが間違った方向に進まないためにも、気を遣って頂きたいと思います。 高学年は、塾選びの失敗が許されません。なぜなら、5年生の初めから6年生の終わりにかけては、中学校入試で最も重要な時期だからです。今流行りの全集中がこの時期にあたります。 これまで塾に通っていない人も以下の説明を参考にして頂けたら幸いです。 さて、高学年の塾選びについてですが、まず、塾の仕組みについて覚えておきましょう。大手塾の特徴は、能力別編成クラスを取り入…

  • 塾の探し方ーその2

    家庭教師のタツジン28号です。 前回の続き、塾の探し方です。今回は、中学年について説明します。この中学年は、低学年とはことなる繊細さが必要です。以下にそのことについて説明していきます。 みなさんは「小4の壁」という言葉を聞いたことがありますか。少し遠回りの説明になりますが、この「小4の壁」から説明したいと思います。簡単に言ってしまうと、このころの年齢になってくると、霧が晴れていくように世の中が少しずつ見えてくる年齢になるということです。自分の容姿から始まって、家の環境、自分の能力、その他いろいろなことが見えてくる年齢になるのですね。 勉強を教えてますと、小学校低学年は何が何だか分からないけれど…

  • 塾の探し方ーその1

    こんにちは。 家庭教師のタツジン28号です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 月額480円からの高速LiteSpeed採用クラウドレンタルサーバー https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3H83LT+5KN3N6+3JTE+61RIB ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ まもなく4月です。埼玉、千葉などは1月から中学校入試が始まりますが、東京、神奈川は2月スタートです。そのため、首都圏の大手塾では2月から新学年ということで、新しいカリキュラムが始まります。とはいえ、それぞれご家庭の事情で3月まではお子さん…

  • 新入生におくる言葉ーその2

    こんにちは。家庭教師のタツジン28号です。 あともう少しで入学式ですね。希望に満ちあふれながらも、一方で不安だらけというところが正直なところでしょうか。ムリもないことですよね。 これまで見てきた受験生たちの中で、その後の成長も見てきた人物二人を紹介します。その理由は、前回に説明した「人間万事塞翁が馬」を演じた二人だからです。 一人目の生徒です。この子は男の子です。A君としておきましょう。A君は有名私立大学の付属中学校に合格して入学しました。受験生の中では、一般的な言い方をすれば成功者に数えられます。その後、この子は学校生活をエンジョイして過ごしました。学校の勉強のスピードが速いので塾にも通いま…

  • 新入生におくる言葉ーその1

    はじめまして。初めてブログの書き込みをします。家庭教師のタツジン28号です。ぼくは、これまで中学校受験専門の塾で講師をしてきました。家庭教師もたくさんやりました。ぼくが書き込むことは主に中学受験についてです。少しでも皆さんの参考になればと思います。 人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)という言葉を聞いたことがありますか?中国の古いことわざです。簡単に言いますと、人の幸不幸は予測しがたく、幸せが不幸に、不幸が幸せに転じることがある、ということです。天寿を全うするまで人は世の中で生活していくわけですから、いろいろなことが起きるのは当たり前ですよね。でも、そのことを忘れて悪いことが起こる…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、家庭教師のタツジン28号さんをフォローしませんか?

ハンドル名
家庭教師のタツジン28号さん
ブログタイトル
中学受験
フォロー
中学受験

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用