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  • さびれゆく町で『夏に、ネコをさがして』(西田 俊也)

    思い出は自分を守ってくれる大切な友達みたいなもの。(本文より) 老人の多い町に来た少年の夏休みを描く まれに出題される作家の5月の新作だわ。 そのまんまタイトル通りの話ではあるが ネコ好きにはたまらない一冊だと思うよ。 戦時中に犬猫だけでなく学校のウサギも 供出させられたというのは初耳だったよ。 認知症の老人とのかかわりも描かれてて 子供にも学びの多い読書経験になりそう。 文章は平易なので5年生でいけるだろう。 俺のレビューの始まりはこんなテイスト。 主人公は学校になじめない小6男子。不安を抱えたまま引越しすることになった彼が、亡き祖母の飼いネコの縁でとびきりの仲間に出会い、心に刻まれるひと夏…

  • 巡り合わせの妙『月の立つ林で』(青山 美智子)

    これまでにも何度か言ってきたことだが 売れてる短編集の子どもが主人公の話は 大人向け作品でも入試でよく選ばれるよ。 寺地はるな先生のコレなんかもそうだな。 さて、昨年11月に出た今回紹介の本は 本屋大賞5位だからばっちり当てはまる。 特に『ウミガメ』という短編は高校生の ささやかでぎこちない交流が沁みる話で 少なくとも3つは使えるシーンがあった。 特に、少女が少年の将来の展望を聞いて 揺れる場面は素材文適性が高そうですわ。 あとは母との大事な場面、少年との邂逅。 他の短編は大人メインだが凄く面白いよ。 それだけでなくしっかり得るものもある。 俺のレビューはこんなふうにはじまるス。 迷える誰かが…

  • 人生の幅を広げてくれる『アンドロメダの涙 久閑野高校天文部の、秋と冬』(天川 栄人)

    百人のいいね!よりたった一人の、なんてことない一言が嬉しい。(本文より) 界隈では新顔だが文学賞の受賞もあって いま勢いのある作家の9月の新作ですわ。 好評だった前作の続編が今回の紹介本だ。 序盤で前作のおさらいがあるから最初に この本を手にしても大丈夫になってるよ。 初めのほうはもの凄く取っつきやすいな。 後になるほどメッセージがビシバシ来る。 素材文適性という点でも前半低、後半高。 全7章だが4章中盤以降が使いやすそう。 楽しく読めて学びもあるんでお薦めだよ。 俺のレビューはこんな紹介からはじまる。 主人公は悩める高校一年生。進路を考えることから逃げていた彼女が、天文学一筋の先輩や個性あふ…

  • いつも心にコンパスを『波あとが白く輝いている』(蒼沼 洋人)

    講談社児童文学新人賞の佳作入選作だわ。 最近のこの賞は、今年の大賞もそうだが プロ作家が別名義で応募してる例が多い。 ゆえに最終選考にはプロがゴロゴロいる。 だから佳作でもハードルがもの凄く高い。 しかも本作は改稿で弱点を修正していて 生まれ変わったというから期待も膨らむ。 で、感想なんだけど確かにレベル高いわ。 良すぎて、何から書いていいかわかんね。 コレ、もう大賞でいいんじゃねーのか? しかも、素材文適性が極めて高いときた。 全8章だが、それぞれが綺麗に終わるし 各章の終盤が問題文に使いやすい印象だ。 具体的に挙げると、6章は全体が良素材、 次に3章の後半、1章の後半と続く感じ。 ほかにも…

  • あふれ出る本への愛『5分で本を語れ : チームでビブリオバトル!』(赤羽 じゅんこ)

    自分の好きな本について、たくさんの人に聞いてもらいたい。(本文より) 話し下手な少年が友人たちの助けなどで みるみる変わっていく爽やかストーリー。 稀に出題される作家の来週発売の新作だ。 小4あたりから読めそうな感じなんだが 中高生にとっても得るものが多そうだよ。 人との繋がりだけが尊いみたいな主張と 一線を画している部分もあって興味深い。 主人公のライバルが自分自身をはげまし 力強く踏み出す場面は胸アツだったわ~。 俺のレビューの断片はこんな感じっすよ。 主人公は目立つことが苦手な中学二年生。だめだめプレゼンターだった彼が、愉快な相棒や読書仲間の助けを受けながら、最高の舞台での勝負を目指しま…

  • どこまでも癒される『ロールキャベツ』(森沢 明夫)

    いまは、立ち止まってもええ時なんとちゃうん?(本文より) まれに出題される作家の5月の新作だわ。 出題者がこの本に気づくかは微妙だけど 学生の会話パートが多く結構使い易そう。 見晴らしの良い場所に椅子をセットして ゆるい時間を満喫する遊びが題材ですわ。 いい若いモンがじっとしてるなんて論外 とか思っちまったんだがこれには深~い ワケがあって後から納得できるんだな~。 生きていく上で役に立つ学びもあるけど 普通の小学生にはちょっと難しいだろう。 いつものマイレビューの一部は以下だよ。 人生を輝かせるヒントが詰まった作品でした。主人公は誠実すぎる男子大学生。深刻な悩みに縛られていた彼が、素晴らしい…

  • 思いやりの心をはぐくむ『ひと箱本屋とひみつの友だち』(赤羽 じゅんこ)

    友情と同情のさかいはどこにあるんだろう。(本文より) まれに出題される作家の6月の新作だわ。 タイトルだけじゃ全然わからないんだが、 読んでみたら予想外に深いテーマだった。 道徳的要素が多めなんだが読みやすくて 説教臭くもないから楽しみながら学べる。 特に終盤にいいフレーズが山盛りですわ。 ちょっと平易なんで4年生でもいけそう。 ぜひとも親子で楽しんで欲しい一冊だよ。 俺のレビュー締めくくりはこんな感じだ。 本当は特別扱いされたくない、目立つのもいや、といった車いすユーザーのせつない気持ちや生活上の困りごとが丹念に描かれていて、大人目線でも学びに満ちた一冊でした。私も心のバリアフリーを意識した…

  • 大切な人をなくさないために『最高のともだち』(草野 たき)

    人って、わからない。なんの問題もなさそうに見えても、本当は深刻な問題を抱えているのかもしれない。(本文より) たまに入試に出る作家の先月の新作だよ。 自力で受験勉強を強制させられる少年と 寂しすぎる境遇の少女が主人公の作品だ。 ひとの気持ちを尊重することの大切さを 繰り返し訴えかけてくる物語だったな~。 児童書であの展開は結構珍しい感じだわ。 大人が身構えそうなくだりなんかもある。 ま、終わり方はいいから安心して大丈夫。 文章難易度は中学入試の出題標準レベル。 俺のレビューの一部はこんな感じっすよ。 途中で「これ禁書にした方がよくないですか?」などと感じましたが、完全に誤解でした。特に終盤に込…

  • 出題されるかもしれない新刊本(2023年10月前後)

    10月も注目の作品がザクザクな印象だ。 追加で判明したらこの記事に加えてくよ。 9/21発売 『リカバリー・カバヒコ』(青山 美智子) 夢のある都市伝説にすがる人びとを描く。 9/29発売 『はじまりは一冊の本! 』(濱野 京子) 手作り本との出会いが変える少年の明日。 10/4発売 ☆先行レビュー済☆ 『アップサイクル! ぼくらの明日のために』(佐藤 まどか) 中学生3人がグループ研究で起業する ? 10/6発売 ☆先行レビュー予定☆ 『満月のとちゅう』(はんだ 浩恵) 閃きのヒントに満ちあふれたストーリー。 10/18発売 『カーテンコールはきみと』(神戸 遥真) 廃部寸前の演劇部で奮闘す…

  • 愉快、痛快『いじめにパンチ! あたしの小学校ライフ最後の戦い』(黒野 伸一)

    出題実績が無さそうな著者の今週の新作。 高学年の読書によさそうな作品だったわ。 主人公が親の権力を笠に着た嫌な男子に 知恵を絞り立ち向かっていくストーリー。 負の連鎖を止めるにはどうすればいいか。 含蓄ありまくりなおばあちゃんの言葉に ぜひとも注目して欲しいと思うんだな~。 NBAの選手の反則相手へのアピールも 被害者のメンタルには参考になりそうだ。 俺のレビューの導入部分はこんな感じよ。 爽快にして痛快な一冊ですね。子ども同士のトラブルを描きながら、過疎地の現実まで伝えてくれる逸品でした。主人公は小学六年生。都会では目立たなかった彼女が、引っ越し先の田舎で頼られる存在になり、自分らしい正義感…

  • 中受小説『中受離婚 夫婦を襲う中学受験クライシス』の話題など

    セミフィクションで家庭の危機を描いた という新刊の情報がアマゾンで出てるな。 著者は『勇者たちの中学受験』の先生だ。 前作と同様に実話をもとにして描いてる。 公式によれば以下のような紹介文ですわ。 中学受験は「夫婦」の受験だ! 首都圏の受験率は過去最高と、加熱一途の中学受験。 「合格から逆算し受験をプロジェクト化する夫、わが子を褒めることができない妻」「受験への出費をいちいち渋る夫、受験伴走も仕事も下の子の面倒もワンオペする妻」「夏期講習よりもサマーキャンプを優先したい夫、夫を透明人間のように扱う妻」 子どもは無事に合格したものの、受験期間のすれ違いから破綻してしまった3組の夫婦。徹底取材をも…

  • 子どもたちに届け『夜光貝のひかり』(遠藤 由実子)

    こういうのは知っておかなくちゃいけないことだけど、どこかでブレーキをかけないと、自分の心が持たない。(本文より) 戦争の話題を織り込んだ少年の成長物語。 出題実績のない作家の6月発売の新作だ。 奄美大島で起きた悲劇が超勉強になった。 主人公の叔父さんの言動が素晴らしいし、 島の人々のやさしさにも心をいやされる。 これは各校の図書館に置いてほしいな~。 チャラいストーリーだろうと勘違いして スルーしてきたけど、大間違いだったわ。 作問者がこの本に気づくかは微妙だけど、 出題って面では幽霊パートを外す想定で、 5章から先あたりが使えるかもしれない。 俺のレビューの始めのほうはこんな感じ。 終盤にか…

  • 名門校向け素材『百年の子』(古内 一絵)

    子どもが読んでわくわくする物語は、大人が読んでもわくわくするものなのだ。(本文より) 割と入試に出る作家の先月発売の新作だ。 出版社を舞台にしたお仕事小説なんだが 完全大人向けで普通の小学生には難しい。 教育関係者に薦めたくなる一冊だったわ。 もうね『小学一年生』みたいな学年誌の 変遷を追うストーリーが素晴らしすぎて 読んだ後、呆けたようになっちまったよ。 発売時期的にあんまし出ないだろうけど これは名門校に相応しい選書になるな~。 臨時雇用の少女が、同世代の作家の卵と 語らう戦時中のシーンとか素材によさげ。 俺の激賞レビューはこんな書き出しだよ。 世相を映した児童雑誌の長い歩みを追体験できる…

  • 芽吹くリーダーシップ『アップサイクル! ぼくらの明日のために』(佐藤 まどか)

    よきアドバイスや気づきにあふれた一冊。 割と入試に出る作家の来月発売の新作だ。 中学生達が夏休みの課題に本気で取組む という筋書きは出題者に好まれそうだよ。 テーマ的にもSDGsど真ん中で要注目。 子供たちがああでもないこうでもないと 話し合うシーンが多く素材にもよさげだ。 著者の本のなかでは特に使いやすい印象。 全体的な難易度は出題標準レベルだろう。 俺のレビューの一部はこんな感じですわ。 たかが学校の課題とハンパにせず トコトンやりぬく姿勢がアツい! 主人公はグループ学習に励む中2男子。 不用品の価値を高めて活用する “アップサイクル”の仕組み作りに 挑戦する彼らがそれぞれの長所を活かし …

  • 大人に激推しの中受小説『ギフテッド』(藤野 恵美)

    思うに、日本ではギフテッドプログラムが普及していない代わりに、中学受験とか進学塾が、その受け皿になっているんじゃないかな。(本文より) 失礼極まりないんだが読み終わった瞬間 「こいつスゲェこいつスゲェ天才だ」と 一息に言って著者略歴を凝視していたよ。 昨今の中学受験を扱った書籍のなかでは 最も素晴らしい作品というのが俺の印象。 出来る子に伴走するだけの話と誤認して 今まで後回しにしていた自分が情けない。 T大出の主人公が誤解されやすい少女に 寄り添い勉強を教えるというストーリー。 発達障害、虐待、サードプレイスなどの 様々なテーマが程よく盛り込まれていて 教育に関わるあらゆる層に薦めたくなる。…

  • 中受小説『小さな挑戦者たち』の話題

    『小さな挑戦者たち: ~サイコウの中学受験~』(騎月 孝弘) 10/4発売予定の中受小説なんだけど 既に何作品か出した実績のある小説家で かつ現役講師が描いたっていう新作だわ。 この情報だけでもそそられるじゃないの。 しかも公式によれば以下のような紹介文。 現役の塾講師が描く、「東大卒」家庭教師と中学受験に挑む、個性も学力もさまざまな4つの家庭の葛藤と奮闘の感動物語。学力が伸びる条件、成績が上がる必勝勉強法、家庭の心構えなど、中学受験を考えている親世代が知りたかったことが、小説を読みながら学ぶことができる教育エンタメ小説!(本の紹介【公式】より) う~ん、かなり期待できそうな情報だよ。 講師が…

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