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2020/05/25

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  • 畜尿に使用する添加剤や保存剤

    一日に排出される尿量や尿成分を調べるために蓄尿を行う場合があります。 しかし尿を長時間放置すると、増殖した細菌が尿素を分解してアンモニアが生じ、 尿がアルカリ性となり検査に影響を及ぼす場合があります。 また尿中に含まれる酵素により成分が分解されてしまう場合があります。 そのため畜尿の際には項目に応じて添加剤や保存剤を添加します。 酸性畜尿 酸性添加剤を添加して蓄尿します。 従来使用された6N塩酸は劇物であるため、 現在ではその代替品が使用されています。 尿を酸性にすることで尿中カテコールアミンやその代謝産物の分解を防いでいます。 アルカリ性蓄尿 炭酸ナトリウムを含む安定化剤を添加して蓄尿します…

  • M蛋白と測定試薬の反応による混濁の発生

    M蛋白 正常な血液中には、様々な抗原に対応する、様々な抗体が含まれています。 これは抗原の種類に対応して、抗体を産生する形質細胞が複数存在するためです。 一方、多発性骨髄腫などでは、単一の抗原に対応する抗体のみが増えます。 これは多発性骨髄腫などでは、様々な抗原に対応する形質細胞のうち、 一種類の形質細胞のみががん化することによります。 このように単一の抗原に対応する抗体をモノクローナル抗体といい、 多発性骨髄腫などで産生される場合にはM蛋白と呼ばれます。 M蛋白と試薬の反応による混濁の発生 M蛋白は検査に使用する測定試薬と反応して混濁を生じる場合があります。 M蛋白により混濁が生じた場合、検…

  • 尿酸分解酵素製剤ラスブリカーゼによる尿酸の偽低値化

    腫瘍崩壊症候群 がん化学療法によりがん細胞を急速に破壊した際、細胞の内容物が血中に流出し、 様々な症状を生じることを腫瘍崩壊症候群と言います。 腫瘍崩壊症候群の症状の一つとして高尿酸血症が知られています。 尿酸は血中濃度が高くなると結晶化し、腎臓に蓄積して急性腎不全を生じます。 尿酸分解酵素製剤ラスブリカーゼ 腫瘍崩壊症候群に伴う高尿酸血症に対しては、 ラスブリカーゼという尿素分解酵素製剤が投与されます。 ラスブリカーゼは尿酸を分解して水溶性の高いアラントインに変えることで、 血中の尿酸値を低下させます。 市場ではラスリテックという商品名の薬剤がよく使用されています。 採血後検体におけるラスブ…

  • 特殊な検査に用いる採血管

    採血管の中には特殊な検査項目にのみ使用する採血管があります。 今回は特殊な検査項目にのみ使用される採血管について解説します。 ※使用する採血管は施設により異なるため、あくまでご参考にして下さい。 ACD-A入り採血管 抗血小板剤入り採血管 アプロチニン入り採血管 除タンパク液入り採血管 遮光採血管 ACD-A入り採血管 ・ACD(Acid-Citrate-Dextrose)とは輸血用製剤にも使用される血液保存液であり、 クエン酸、クエン酸Na、デキストロースの混合液です。 ・組成の異なるACD-AとACD-Bがあり、血液との混合比が異なります。・主に血小板の表面に結合しているIgGを測定する検…

  • 採血検体の遠心条件

    採血検体の遠心条件 血清、血漿を検体とする場合、検体を遠心分離する必要があります。 今回は採血検体の遠心条件について解説します。 ※あくまで一例ですので、遠心条件は各施設の規定にお従い下さい。 室温遠心する採血管 生化学検査 凝固検査 冷却遠心する採血管 アンモニア 室温遠心する採血管 生化学検査 採血直後に遠心すると凝固が不十分でフィブリンが析出する場合があるため、 凝固促進剤を含む場合、遠心前に5分間ほど室温放置する必要があります。 ・2500~3000rpm/5~10分 (室温) 凝固検査 血小板が血漿中に残存すると、抗リン脂質抗体症候群に関する項目が偽陰性化する場合があります。 よって…

  • 生化学検査用採血管が影響を及ぼす項目

    生化学検査用採血管が影響を及ぼす項目 血清を分離する目的で生化学検査用採血管を使用しますが、 検査項目によってはその採血管成分が影響を及ぼす場合があります。 今回は生化学検査用採血管が影響を及ぼす項目を採血管成分ごとに解説します。 ゴム栓 凝固促進剤 分離剤 ゴム栓 ・ゴム栓には亜鉛が含まれるため、亜鉛の混入が生じてしまいます。 亜鉛を測定する際は金属専用の採血管を使用する必要があります。 凝固促進剤 ・採血後の転倒混和が不十分だったり、遠心条件を守らなかった場合、 凝固促進剤によりマイクロフィブリンが生じる場合があります。 ・マイクロフィブリンが生じると、免疫測定法において偽陽性となる場合が…

  • EDTA依存性偽性血小板減少症

    EDTA依存性偽性血小板減少症 血算用採血管には抗凝固剤としてEDTA-2Kが含まれていますが、 稀にEDTAにより血小板凝集するEDTA依存性偽性血小板減少症が生じる場合があります。 EDTA依存性偽性血小板減少症 機序 対応 EDTA依存性偽性血小板減少症 機序 ・採血管内でEDTAにより血小板が凝集してしまい、血小板数が偽低値化する現象です。 ・EDTAによって血小板表面の抗原の構造が変化してしまい、 その構造と反応する免疫グロブリンが血漿中に含まれる場合、 免疫グロブリンが血小板と結合し、血小板が凝集してしまうと考えられています。 ・血球分析装置では通常は血球の大きさで血球を計り分けて…

  • 凝固検査に量不足・赤血球増加が与える影響

    凝固検査に量不足・赤血球増加が与える影響 凝固検査は血液と抗凝固剤を一定比率で混合する必要があり、 検体量や赤血球数の影響を受けます。今回は、凝固検査の量不足・赤血球数の影響について解説します。 量不足の影響 赤血球数の増加の影響 量不足の影響 ・量不足となる場合、血漿に占める抗凝固剤の割合が多くなってしまい、 検査時に添加する塩化カルシウムが抗凝固剤によってキレートされてしまいます。 そのため凝固時間は延長してしまいます。 ・量不足で規定量に満たない場合、規定量を再採血する必要があります。 赤血球数の増加の影響 ・赤血球数が増加する場合、血液に含まれる血漿が少なくなってしまい、 血漿に占める…

  • 血清と血漿の違い

    臨床検査に用いる検体として、血清と血漿があります。 血清と血漿の違いについて解説します。 血液の構成成分 血清 長所 短所 血漿 長所 短所 血液の構成成分 ・血液は血漿成分と血球成分から構成されています。 ・血漿成分にはフィブリノゲンなどの凝固因子が含まれており、 血液を凝固させ血漿成分から凝固因子を取り除いたのが血清成分になります。 ・つまり血液 = 血球 + 血漿からなり、血漿 = 血清 +凝固因子からなります。 血清 ・血液を凝固させた後、遠心分離して血清が得られます。 凝固させるので血清にはフィブリノゲンは含まれていません。 長所 ・抗抗凝固剤を含まないため、測定項目への影響を考慮し…

  • ELISA(酵素結合免疫吸着法)の原理

    新型コロナウィルスの抗体検査で使用されるELISAについて解説します。 酵素免疫測定法(EIA) 酵素結合免疫吸着法(ELISA) 間接法 サンドイッチ法 イムノクロマト法との比較 酵素免疫測定法(EIA) ・酵素免疫測定法とは抗原抗体反応を利用する免疫測定法(Immuno Assay)の一種で、 Enzyme Immuno Assay(EIA)と呼ばれています。 ・目的とする抗原or抗体を、酵素標識抗体と結合させ、 酵素の発色基質を加え、その発色を測定して目的とする抗原or抗体を定量します。 ・放射性同位体を標識抗体に用いるRadio Immuno Assay(RIA)に対し、 EIAは酵素…

  • 採血検体の保存条件の影響

    採血した検体をそのまま冷蔵保存、室温放置した場合の影響について解説します。 ※保存条件による影響は採血管、試薬の種類によりその程度が異なります。 あくまで一例として参照して下さい。 冷蔵保存の影響 室温放置の影響 採血後は直ちに遠心分離を 冷蔵保存の影響 ・全血のまま遠心分離せずに冷蔵保存すると赤血球膜のNa+/K+ATPaseが失活します。 この酵素は赤血球内外のカリウム濃度の勾配(細胞内 > 細胞外)を保っています。 よって冷蔵すると赤血球内から漏出するためカリウムが高値となります。 ・LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)のうち、LDH4とLDH5 が失活してしまいます。 室温放置の影響 ・赤血…

  • イムノクロマト法の原理

    新型コロナウィルスの抗原検査・抗体検査で話題になっている、 イムノクロマト法について解説します。 イムノクロマト法とは 抗原抗体反応 毛細管現象 イムノクロマト法の判定 イムノクロマト法で検査できる項目 感染症 その他 イムノクロマト法とは 抽出液などを滴下した後、15分程度で目視で判定できる簡易・迅速な検査です。 POCT(臨床現場即時検査)として様々な項目の検査キットに利用されています。 イムノクロマト法は抗原抗体反応と毛細管現象を組み合わせています。 ウィルス抗原検査を例にすると、検査は以下のような流れになります。 抗原抗体反応 ウィルス抗原と標識抗体が抗原抗体反応し、免疫複合体を形成し…

  • 採血管に使用する抗凝固剤

    臨床検査で使用する抗凝固剤を、対象とする検体の種類ごとに解説します。 ※各項目で使用する抗凝固剤は施設によって違いがあります。 あくまで一例としてご参照下さい。 臨床検査で使用する抗凝固剤の種類 EDTA、クエン酸Na、フッ化Na ヘパリン 検体の種類による抗凝固剤の使い分け 全血 血漿 血球 臨床検査で使用する抗凝固剤の種類 臨床検査で使用する抗凝固剤は、作用機序で大別すると2種類あります。 EDTA、クエン酸Na、フッ化Na 血液の凝固に必要なカルシウムイオンをキレートして抗凝固作用を発揮します。 ヘパリン 血液凝固を抑えるアンチトロンビンを活性化して抗凝固作用を発揮します。 ヘパリンはP…

  • 採血による凝固の影響

    採血管内での凝固を防ぐために、血算用などの採血管には、抗凝固剤が入っています。 しかし、採血後の転倒混和が不十分だと、採血管内で凝固してしまう場合があります。 凝固するとどんな影響があるの? 血球成分が低くなってしまう APTTが短縮してしまう 凝固するとどんな影響があるの? 血球成分が低くなってしまう 血液が凝固すると血餅という塊ができ、血球成分がその塊に絡めとられます。 そのため血小板数や赤血球数が低くなってしまいます。 臨床症状に合わない血小板数や赤血球数の低下が生じた際には、 血液の凝固を疑い、再採血による確認が有効な場合があります。 APTTが短縮してしまう 採血管内で血液が凝固する…

  • PCR検査の原理

    新型コロナウィルスで話題になっているPCR検査の原理について解説します。 ※概要を掴めるよう細部を削り、簡易化している点ご了承下さい。 PCR (ポリメラーゼ連鎖反応) 変性 アニーリング 伸長 PCRを用いる検査項目 感染症 悪性腫瘍 PCR (ポリメラーゼ連鎖反応) PCRとは特定のDNA領域のみを増やすための反応です。 温度を上下させ、プライマーとDNAポリメラーゼを用い、目的のDNAを増やします。 大きく分けて、変性、アニーリング、伸長の3段階からなります。 変性 温度を上げて、熱によりDNAの2本鎖をほどき、DNAを1本鎖に変性させる段階です。 簡単に書くと、2本鎖(=)を1本鎖(-…

  • 採血による溶血の影響

    採血が上手くいかず溶血してしまい、再採血する場合があります。 溶血の影響について解説します。 溶血とは? 溶血はどんな影響があるの? 漏れ出た成分の混入 漏れ出たプロテアーゼの影響 溶血とは? 赤血球が壊れて内容物が漏れ出る現象を溶血といいます。 採血が上手くいかず、無理にシリンジを引っ張ったりすると、溶血が生じます。 溶血はどんな影響があるの? 溶血してしまうと、下記のような原因で、いろんな項目に影響がおこります。 漏れ出た成分の混入 ・赤血球内にはカリウムやLDHなどの成分が、血漿よりも多く含まれています。 そのため溶血すると、これらが血漿に混ざり、濃度が高くなってしまいます。 ・溶血の影…

  • 採血管の種類

    病院で採血する時によく使われる採血管の種類について解説します。 生化学検査用採血管 血算用採血管 血糖検査用採血管 凝固検査用採血管 生化学検査用採血管 ・目的 血液から血清を分離するための採血管です。 血液には血球成分と血清成分が含まれており、 血清成分を分離するために使用します。 ・内容物 血球成分を固まらせるために、凝固促進剤が含まれています。 血球成分と血清成分を分離するために、分離剤が含まれています。 遠心により上層:血清、中間層:分離剤、下層:血球に分離します。 ・検査する項目 タンパク質、脂質、酵素、電解質、金属など 血算用採血管 ・目的 赤血球などの血球数を検査する採血管です。…

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