毎年、サクラの季節になると、どこもかしこもサクラの話題一色になります。私自身も毎年、何箇所かの一本桜の開花情報を頼りに出かけることはとても楽しみにしています。ところが春は、サクラばかりでなく、たくさんの花々が一斉に開花するときです。華やかさでは桜に劣るかもしれませんが、限りないほどたくさんの美しい花々をこの時期には目にすることができます。決してそれらの花々は、桜の脇役として咲いているわけではありません。それぞれが掛け替えのない役割をもって、太陽と土と風と虫たちとの絶妙の共演バランスのうえでタイミングをはかって開花しているものです。確かに日本人がサクラに対して特別の感情を持ち、それを愛でる長い歴史と文化を持っているのは素晴らしいことです。菜の花畑やダイコンノハナの群生をベースにした桜の花の美しさも格別のもの...多数派という意識こそが差別を生む