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2020/05/16

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  • オフショア化する世界

    ジョン・アーリ(須藤廣・濱野健監訳),2018,オフショア化する世界──人・モノ・金が逃げ込む「闇の空間」とは何か?,明石書店.(4.30.2023)貧富の格差と貧困層の拡大、社会保障の後退、労働組合の瓦解、気候変動等の問題の根底には、新自由主義と、グローバル企業と富裕層の飽くなき富の独占がある。アーリは、タックス・ヘイヴンへの富のオフショア化、エネルギーと廃棄物のオフショア化等を問題視するが、この視点は、グローバリゼーションを研究対象としながら、それと貧困、気候変動等の問題とを結びつけて議論することのなかった既存の社会学への痛烈な批判ともなっている。マクロ社会学の根底に据えられるべき問題群を適切に位置づけた本書は、新たな批判理論の構築に向けた、重要な一里塚となるものであろう。1990年以降急速に進んだ新...オフショア化する世界

  • アメリカ大都市の死と生

    ジェイン・ジェイコブズ(山形浩生訳),2010,アメリカ大都市の死と生,鹿島出版会.(4.28.2023)冗長な表現が延々と続く大著を読みこなすのはたいへんではあるが、なるほど、これがリチャード・フロリダに多大な影響を与えた都市論の古典か。わたしが住む福岡都市圏は、典型的なクルマ社会で、短い街路が行き交う人々の匿名のコミュニケーションを生み出し、新旧さまざまの居住用途、商業用途混交の建物が、多様性にみちた活気ある市街地を形成しているとなると、博多区川端地区や雑餉隈地区など、ごく限られた地域しか思いうかばない。行き交う歩行者の目が、匿名性を保ちながら、都市の活気と楽しさ、そして安全性を実現するという指摘は、なるほどそのとおりと思うのだが、クルマ優先で開発された都市にそうした理想を求める余地はいまのところない...アメリカ大都市の死と生

  • 兵器を買わされる日本

    東京新聞社会部,2019,兵器を買わされる日本,文藝春秋.(4.15.2023)いまだにアメリカ合衆国政府に隷属し、国民の血税を湯水のごとくアメリカ企業からの「防衛装備品」購入に垂れ流し続ける日本政府。東京新聞社会部は、農水省、国交省、経産省、そして防衛省がからんだ自民党政権の公共財産の私物化問題を、執念で明るみに出した。政官財の癒着と公金私物化は、安倍晋三という、息を吐くように虚言を吐き、権力を悪用することになんの痛痒も感じぬサイコパスが首相であった時期に最悪のレベルに達したが、現在も問題はまったく解消されていない。消極的であっても、こういう政権を支持しているわけであるから、日本国民は救いようがないと言わざるをえない。第二次安倍政権誕生後の7年間、日本の防衛費は右肩上がりを続けている。その多くを占めるの...兵器を買わされる日本

  • あなたを殺すサイコパス

    松井住仁,2022,あなたを殺すサイコパス,幻冬舎メディアコンサルティング.(4.11.2023)快楽殺人や無差別殺傷の犯人、ヒトラー、スターリン、毛沢東、ポル・ポト等、大量殺戮の首謀者、これらすべてをサイコパスと断じるのは、さすがにそれは違うだろと思わざるをえないが、身近にいる(かもしれない)困った人たちとどう関わるかという点では、いろいろと参考になるところがあるかもしれない。会社、友人、家族―猟奇的な犯罪者予備軍は身近に潜んでいる…。事前にサイコパスを見極め身を守る方法。目次第1章精神病質者・サイコパスサイコパスが引き起こしたといわれる身近な事件サイコパスの定義ほか第2章国家崩壊させたサイコパスプーチンはサイコパスか古今東西数々のサイコパスが存在したほか第3章なぜサイコパスは成功者に多いのか?経営者、...あなたを殺すサイコパス

  • 奨学金、借りたら人生こうなった

    千駄木雄大,2022,奨学金、借りたら人生こうなった,扶桑社.(4.10.2023)いまや大学生の半数が奨学金制度を利用している時代だ。しかし、わたしも含めて、制度の詳細を知らない教員が多い現実が一方にある。本書は、奨学金=過酷な返済義務をともなう借金、という固定観念を打破すべく、奨学金の給付を受けたからこそ人生の新たな可能性を切りひらくことができた人々の体験談を収録したものだ。たんなる体験談にとどまらず、厳しい家庭環境を生きぬいてきた者のライフヒストリーとなっているところがとても良い。本書を読んで、自らの無知を反省した。収録されている対談に登場する、水戸康徳さんの動画や、松原良輔が展開するガクシーのウェブサイトを、一年生に紹介するつもりだ。サツダイ奨学金担当ガクシー大卒借金苦の片道切符か、人生逆転の救い...奨学金、借りたら人生こうなった

  • 【旧作】シティズンシップとベーシック・インカムの可能性【再読】

    武川正吾編著,2008,シティズンシップとベーシック・インカムの可能性,法律文化社.(4.8.2023)2008年前後、反貧困の言説とともに議論が白熱していたのが「ベーシック・インカムの可能性」であった。それから15年。目先の損得勘定のみに左右される政策論議、すなわち、武川さんの言う「価値論なき政策論」ばかりがはびこるようになってしまった。脱工業化と高齢化にともない、保育、看護、介護など、政府の財政支援がなければ低賃金のまま捨ておかれることになる対人サービス業の雇用が急増してきた。これら「エッセンシャル・ワーク」は、コロナ禍のなかで称揚されたものの、依然として劣悪な労働条件のまま捨ておかれ続けている。こうした趨勢のなか、所得と労働との切断の必要性はますます高まっており、それとともに、とくに部分的ベーシック...【旧作】シティズンシップとベーシック・インカムの可能性【再読】

  • 【出直して】認知症が拓くコミュニティ【こい】

    手島洋,2022,認知症が拓くコミュニティ──当事者運動と住民活動の視点から,クリエイツかもがわ.(4.4.2023)このレビューは、半分、備忘録代わりに自分のために書いている。もちろん、これを見ておもしろそうな本だなと思った人にも読んでもらえたらなという気持ちもある。したがって、とことんつまらない本は取り上げないことにしているが、銭をとって読ませるにしては不誠実な、あまりに無責任に垂れ流される駄本をやり玉に挙げることはある。本書もそうだ。語句や「てにをは」、読点の使い方、主語と述語の呼応などの文法ともに、あまりにひどすぎる。とくに、第1章はほぼ壊滅状態である。中学生レベルの文章作法さえ身についていない者が、安くないお金を出させて本を売るべきではなかろう。本書は、立命館大学に提出された博士論文を元にしたも...【出直して】認知症が拓くコミュニティ【こい】

  • シンクロと自由

    村瀨孝生,2022,シンクロと自由,医学書院.(4.2.2023)「よりあい」界隈のお年寄りとの、珍妙でなかなかに奥深い関わりが綴られている。最初から最後まで、驚きにみちた逸話の数々に圧倒された。シンクロと自由

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