はるは沢山のいのちがやってくるはるは暖かい日差しにさそわれちいさないのちが産まれてくるつぶらな目ひたむきなまなざしそのいくつかは陽を浴びずに去ってもゆく幸せになるため生まれても天に愛されずに消えてゆくもの奇跡の星にはなぜか不幸せのさだめがあるこの世に永らえず沢山の命がどこかで果ててゆく頂いた小さな命を楽しみ歓びやがてみな静かに去ってゆく花は咲き空は青く陽炎がゆれる毎年やってくるいのちよ春の日のはる
今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 <br>ここはささやかな、ポエムの部屋です。
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はるは沢山のいのちがやってくるはるは暖かい日差しにさそわれちいさないのちが産まれてくるつぶらな目ひたむきなまなざしそのいくつかは陽を浴びずに去ってもゆく幸せになるため生まれても天に愛されずに消えてゆくもの奇跡の星にはなぜか不幸せのさだめがあるこの世に永らえず沢山の命がどこかで果ててゆく頂いた小さな命を楽しみ歓びやがてみな静かに去ってゆく花は咲き空は青く陽炎がゆれる毎年やってくるいのちよ春の日のはる
てまりうた(わらべうた)てんてんてん天神様のお祭りでてんてんてまりを買いましたてんてんてまりはどこでつく梅のお花の下でつく下でつくてんてんてん天神様の石段はだんだん数えていくつあるだんだん数えて二十段段の数ほどつきましょうつきましょうhttps://www.youtube.com/watch?v=JRGbCymN_TMてまりうた
よこみち通りの空き地の古い梅の木をわざわざ見に来る人はいない空き地は枯草もまばら誰の土地かもわからない閉店したばかりのパン屋のビルは空き地のそば午後の陽を浴びているささやかな空き地にも春の花は何時かは咲くだろうそ知らぬ顔で折々通る人を見下ろす沢山の花に纏われた大きな幸せの木よ人影も少ない空き地で梅の大樹は辺りに香りを漂わせ力強く丈高く立つ空き地で梅は香る
雪三好達治太郎を眠らせ太郎の家に雪降りつむ次郎を眠らせ次郎の家に雪降りつむ雪降りつむ
食べるため買った葉みどり瑞々しい葉から黄色い花が伸びる菜の花はいのちかけた春の花南の海辺の街は日差しが射し気の早い菜の花が春を告げようとするが北の海辺は哀しみばかりこの花をじっと見つめると細長いたおやかな私たちの国の島影その島の中にあるささやかな営みのあった街街雪に悶える哀しい家が浮かぶ春を運ぶ黄色い花にいのちの喜びと悲しみが交差する蜜の匂いのする花に何の罪もないが黄色い菜の花が凍り付くような如月いのち菜の花
まどろんで私は暖かい陽を浴びて眠っていた風のない静かな真昼今年という年がすでに始まり陽は天中高く少し傾き青い空には凧の上がる気配はなかったコンコン羽子板つく音もなかったラジオからきこえるにぎやかな笑い声ふわりこころに浮かぶ「お正月」は夢の中に溶け消えていた南天の赤い実が春の陽に光って揺れた今年の元旦新年
冬が来た高村光太郎きっぱりと冬が来た八つ手の白い花も消えいちょうの木も箒になったきりきりともみこむような冬が来た人にいやがられる冬草木に背かれ、虫類に逃げられる冬がきた冬よ僕に来い、僕に来い僕は冬の力、冬は僕の餌食だしみ透れ、つきぬけ火事を出せ、雪で埋めろ刃物のような冬が来た高村光太郎の冬の詩
落葉松北原白秋からまつの林を過ぎてからまつをしみじみと見きからまつはさびしかりけりたびゆくはさびしかりけりからまつの林を出でてからまつの林にいりぬからまつの林にいりてまた細く道は続けりからまつの林の奥もわが通る道はありけり霧雨のかかる道なり山風のかよう道なりからまつの林の道はわれのみかひともかよいぬほそほそと通う道なりさびさびといそぐ道なりからまつの林を過ぎてゆえしらず歩みひそめつからまつはさびしかりけりからまつとささやきにけりからまつの林を出でて浅間嶺にけぶり立つ見つ浅間嶺にけぶり立つ見つからまつのまたそのうえにからまつの林の雨はさびしけどいよよしずけしかんこ鳥鳴けるのみなるからまつの濡るるのみなる世の中よあわれなりけり常なけどうれしかりけり山川に山がわの音からまつにからまつのかぜ白秋の詩落葉松
青い空の下で風がそよぎ花が咲く赤い色は命の色黄色は裏切りの色とヒトは言う何も語らず花は咲き風に揺れる秋の空は高く青く野原は眠くなるように平和だ清涼な空気の中で咲き乱れる花たち生きる喜びの形と色に溢れる花たち世界のどこかで花の匂いも忘れ争う人々哀しみを痛みを絶望をこの花たちはひそかに知っている世界中に同じ青い空が広がっている青い空の下で
白月三木露風照る月の影みちて雁がねのさをも見えずよ吾が思う果ても知らずよただ白し秋の月夜は吹く風の音冴えて秋草の虫がすだくぞ何やらむ心も泣くぞ泣き明かせ秋の月夜は秋の月詩人のこころ
思いっきり疲れた日は青い畳の上に寝転がってあっちごろごろこっちごろごろそして腹ばいになり四肢を思いっきり伸ばして子供の頃のように猫のように人目はばからずに伸びをしてまた仰向けになり天井の見知らぬ模様を眺めたり窓からそよいでくるほのかな風をほほに感じながら生きた今日の時間をなぞり大の字になって目を閉じてふっと笑いまた伸びをして畳の柔らかい厚みの上で思いっきり息をして人間をまた続ける気力をいただくのです疲れた日は畳の上で
まだ熱の冷めやらぬあけぼのの薄い光の中に咲く朝顔は日の出とともに輝きしっかり主張し伸び伸びと開き真昼を過ぎるとはなびらを静かに閉じてゆく夏の夜明け太陽の登り切るまでの短い時間そして訪れる晩秋の冷ややかな大気にも負けず咲いて細い幹が凍って枯れるときまで青紫の美しい色と形で咲きつづける絹のように薄いあさがおの花夏の朝の花
青春の真ん中にいるときは何にも見ていなくて過ぎ去る時間の重さも知らない青春の真ん中にいるときは流れる汗も勝手に落ちて疲れるということを知らない青春の真ん中は台風の眼周りの嵐は見えなくて遠い世界をめざすだけ夏の空海の匂い湧水の山の小道はつづく青春は何処にもいて爽やかな景色に埋もれていた描きかけの絵をたくさん持ちキャンバスの白さにときめいて色を探していたミストの時代忘れかけた青春の真ん中夏の面影のシルエット青春の真ん中にいるときは
蓮の葉が繁り蓮の花が咲く薄い紅いろの花が開く蓮のうてなにじいちゃんが載って行った遠い日ねこたちが葉に載っていったあの日蓮の葉は池を青く覆い生き生きと呼吸する広い葉の上にじいちゃんも猫たちもいまは見えない姿になり住んでいる蓮は夏の空をめざしここちよい葉を広げるすがた無くしてにぎやかにいきるいのちを抱えて青い空を仰ぐ鯉や塩辛トンボらをいつくしみ夏の池は青い蓮の葉に埋もれる蓮のうてなに
雨に咲く青い花空と海を映す青い花それは心の平安を呼ぶ色切り取り花瓶に差すとはなは少し寂しそうに天を仰ぎそよぐ風落ちる雨語る仲間を探して少し体よじり運命を知って黙ってさくだけ切り取った花の声が聞こえ少し悲しい人間は青い花を傍らにみどりの茶をすするだけ青い花の優しさを感じながら青い花
可愛い小粒の実山椒の実るころふるさとは青に埋もれはじめヨシキリが梅の木に子育てを始める季節青い実大きなヒバの木の根元にさやさやと山椒の葉は茂り太陽の光がやわらかに差し込む山麓に太陽の季節が来る山椒の実に塩をまぶし透けるガラス瓶に入れみどりの色を楽しみ想い出す青葉若葉の父母の家青い実
灯台はすっかり老いてしまいましたそして今はうとうと昼寝の毎日行き交う船は増え続けても灯台はもう働くこともせず丘の上でのんびりと生き続けているのです白いコスチュームに包まれた若い王子様のような姿があまりに美しく遠くから人びとも訪れ眺めたり写真に撮って楽しんだりするので灯台はまんざらでもないのです目を細め伊達男のように襟を正しポーズしてはふっと微笑みやがて寝たふりなどするのです初夏の風そよぎ皐月の空の青に海の青明るく光る若葉の高台に灯台は昔を忍びもせず今を楽しみちょっと粋で幸せな余生をドライに生き続けているのです五月の海・灯台
桜が散れば牡丹の庭古い町の寺の庭で待っていましたと開く大きな赤い花は回り舞台の華やかな人気役者この季節の主人公多くの画人の心を乱し姿を佳人になぞらえ絵に残され痛快なほど快活に謳い舞うつややかなその花この世の春を謳歌して香りを振りまくかぐわしい大輪の牡丹花は千両役者
弥生の空薄紅の花天平の寺跡は春の陽にあふれる短い春をめでて人はさくらにほのかに寄せる想い幸せの時間空は天平の青空千年を超えても空は青く風はそよぎ今はない伽藍にこころ寄せ生きることを楽しむ日楡の大木は手を広げ人と共に憩う天平の寺国分寺跡天平の寺に
菜の花は黄色菜の花が呼ぶ春菜の花はふくふくと香る菜の花を見るとこころが躍る歳かさねても明るい黄色はこころに幸せを運び青春が蘇る柔らかな時代無垢のこころを誰もがまだ持っている菜の花が呼び覚ます幾山川の光る春菜の花は黄色風に載る菜の花の香り甘き菜の花は黄色
桜が散れば牡丹の庭古い町の寺の庭で待っていましたと開く大きな赤い花は回り舞台の華やかな人気役者この季節の主人公多くの画人の心を乱し姿を佳人になぞらえ絵に残され痛快なほど快活に謳い舞うつややかなその花この世の春を謳歌して香りを振りまくかぐわしい大輪の牡丹花は千両役者
弥生の空薄紅の花天平の寺跡は春の陽にあふれる短い春をめでて人はさくらにほのかに寄せる想い幸せの時間空は天平の青空千年を超えても空は青く風はそよぎ今はない伽藍にこころ寄せ生きることを楽しむ日楡の大木は手を広げ人と共に憩う天平の寺国分寺跡天平の寺に
菜の花は黄色菜の花が呼ぶ春菜の花はふくふくと香る菜の花を見るとこころが躍る歳かさねても明るい黄色はこころに幸せを運び青春が蘇る柔らかな時代無垢のこころを誰もがまだ持っている菜の花が呼び覚ます幾山川の光る春菜の花は黄色風に載る菜の花の香り甘き菜の花は黄色
ねこの日石ねこ石ねこのねこの日顔寄せひそひそ語りあう座蒲団に載った石ねこ陽の当たる縁側で石ねことすごせば浅い春の陽が傾く猫はいつも何処からきて何故遠くに行くの猫は単独を好み騒音を嫌い老いた人の優しさと静けさを好み幼子らをやさしさで慈しみ暖かい体で寂しい人間をなぐさめるねこの日を石ねこと過ごすと旅に出たいとしい猫たちの歌う声が聞こえる如月の二月ねこの日石ねこ
冬の陽にまどろむねこねこも怒りねこも喜びねこも驚きねこも悲しみねこも怖がり哺乳類のからだを持つじっと眼をみつめはなし声を判定し次にそなえて賢く生きる綺麗な肢体のなかま生・老・病・死の運命に乗りやがてはひともねこも全てを受容れいつかは去りゆく脚が二本でも四本でも息づかいを楽しみ生きてきた愛しい時間を想う冬の陽だまり冬の陽に猫は人とまどろむ
小さな光が歩んだ道を照らす希望のつぼみが遠くを見つめていた迷い悩むほど人は強さをつかむから夢を見る凛として旅立つ一朶(いちだ)の雲をめざしあなたと歩んだあの日の道を探すひとりの祈りが心をつないでゆく空に手を広げ降り注ぐ光集めて共に届けと放てば夢かなう果て無き想いを明日の風に乗せて私は信じる新たな時がめぐる凛として旅立つ一朶の雲をめざし*東京オペラシティコンサートホール森麻季2023.1.24スタンドアローン『坂の上の雲』より
冬が来た高村光太郎きっぱりと冬が来た八つ手の白い花も消えいちょうの木も箒になったきりきりともみこむような冬が来た人にいやがられる冬草木に背かれ、虫類に逃げられる冬がきた冬よ僕に来い、僕に来い僕は冬の力、冬は僕の餌食だしみ透れ、つきぬけ火事を出せ、雪で埋めろ刃物のような冬が来た冬の詩高村光太郎「冬が来た」
2つめの停留所でバスを降りるとそのパン屋があるグーチョキパンという名の店ではないが郊外の農家の隣のコロッケやのその隣にある小さな建物週に三日だけ開く店なのだ1.5斤のずっしり重い食パンを抱いて私の平凡な午後は嬉しく過ぎるそばの柿の木に朱色の実が残り野鳥がそれを見つめているむかし給食のコッペパンを焼く店の前を通ると既に焼くパンの香りが流れていた思い出にあるあのパンの匂い食べることは生きること戦いのない平和な国の有難いおいしい健康食パン食パン
落葉松北原白秋からまつの林を過ぎてからまつをしみじみと見きからまつはさびしかりけりたびゆくはさびしかりけりからまつの林を出でてからまつの林にいりぬからまつの林にいりてまた細く道は続けりからまつの林の奥もわが通る道はありけり霧雨のかかる道なり山風のかよう道なりからまつの林の道はわれのみかひともかよいぬほそほそと通う道なりさびさびといそぐ道なりからまつの林を過ぎてゆえしらず歩みひそめつからまつはさびしかりけりからまつとささやきにけりからまつの林を出でて浅間嶺にけぶり立つ見つ浅間嶺にけぶり立つ見つからまつのまたそのうえにからまつの林の雨はさびしけどいよよしずけしかんこ鳥鳴けるのみなるからまつの濡るるのみなる世の中よあわれなりけり常なけどうれしかりけり山川に山がわの音からまつにからまつのかぜ落葉松高原の晩秋詩
秋来れば空高く水清らかに山深く旅人の宿りの場蜜垂れるやわらかき餅をはむ在りし日の人の往き交うを思ひ地酒汲み山の獣の肉を焼き風の音を近く耳にし小寒い夜を寝明かす辺りは漆黒にも空に星人は皆眠りにつき人恋し旅の宿晩秋宿場の晩秋