屋根を覆う雪はすっかり融けて1階玄関から出入り可能でした。なぜか脚立が外に出されて倒れていたが内部は綺麗に利用されていて、皆さんありがとうございます。美女坂は所々雪塊が崩壊していてとても険悪な様子でした。雪が緩んでくる10時以降の下りは要注意です。奥長倉避難小屋
北部白山管理人&中宮温泉くろゆり館主がお届けする白山と北欧情報。白山国立公園の管理を行う傍ら中宮温泉湯宿くろゆりを経営。スカンジナビアの北極圏内900キロを単独踏破し先住民サーメとの交流を通じ気候変動の現状を紹介。
今年は梅雨明けが特定出来ないという気象庁の発表通り、高温多湿状態が続き、9月でさえまだブヨが発生して痒い思いをしている。近年の気候の変化で高山帯の植生も大きく変化したと感じている。かつて多種多様な高山植物を咲かせていたお花松原を例に取ると、最近目立つのがオンタデ、ベニバナイチゴ、イネ科(コメススキ?)である。例えばイネ科の植物は登山道に繁茂し足下にまとわりつくばかりか、チングルマやアオノツガザクラの群落に下から葉を出して、やがて花畑を包み込んでゆくだろう。ベニバナイチゴは勢力が強く上の写真のように覆い被さり、下からはイネ科(コメススキ?)が伸びて来て、アオノツガザクラやチングルマ、クロユリなどを挟込みで駆逐している。オンタデは9月上旬に葉が枯れ始めるので、この時期見つけやすい。かつてクロユリの群落も今はオ...山の法話21夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡~芭蕉~
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屋根を覆う雪はすっかり融けて1階玄関から出入り可能でした。なぜか脚立が外に出されて倒れていたが内部は綺麗に利用されていて、皆さんありがとうございます。美女坂は所々雪塊が崩壊していてとても険悪な様子でした。雪が緩んでくる10時以降の下りは要注意です。奥長倉避難小屋
新年度に入り、急に春らしくなって来ました。北部白山の情報を順次報告致します。小桜平避難小屋は昨年よりも雪が多く残っていましたが、冬季出入口から利用可能です。内部も秋に清掃してから綺麗な状況が保たれていました。トイレも問題無く利用可能です。対面の加賀禅定道を眺めると、今年はとても雪庇が小さいように見えました。2月までは少雪、暖冬だった影響でしょう。しかし本日も雪庇が崩れ落ち、雪崩を誘発している光景が見えました。雪庇の上や直下を通過することは避けて下さい。笈ヶ岳方面は、冬瓜山からシリタカにかけては、現在のところでは雪は繋がっていました。こちらは刻一刻と状況は変化します。これだけ高温が続くと融雪は早いでしょう。小桜平避難小屋巡視
今年は3月に入ってから何度も寒波に覆われ、暖冬少雪と言われた割には残雪量は例年と同じくらいの現在です。ホワイトロードは1.0~1.5mぐらいの残雪に覆われていました。しかしながら、例年大量の雪崩で埋まる谷には全く雪崩の痕跡も有りませんでした。至って穏やかな冬だったようです。さて、中宮温泉の方はどうでしょうか?くろゆり手前の斜面では最近雪崩が発生したようでアプローチ入口が少々雪崩で埋まっていました。建物は屋根雪が落ちて1階窓枠上まですっぽりと雪に埋まっていました。最も重要な温泉は大丈夫でしょうか?引湯管は冬期の雪崩被害に遭わないよう谷を渡る部分で取り外しているし、引湯管の温泉成分による詰まりを防ぐため、にしやま旅館さん脇で取り外しています。源泉からここまでも冬季間の詰まりは防げないので、やや湯量は細くなって...今年初の中宮温泉
初冬の北海道でシーズンイン。まだ雪不足だったが十勝岳は天候にも恵まれとても素晴らしい景色と雪を体験できた。初日は層雲峡から黒岳を目指したが、朝から上空はかなりの風があるようで、雲の流れが速い。ロープウェイは8:00始発、その上のスキー場は9:00運行開始なので、テンションが上がらないまま準備を進め、スキーにシールを貼って登り始めたのは10:00過ぎ。時折雪が舞い上がり地吹雪の合間に薄日が差す。9合目を目安に氷結斜面手前で登攀終了。固くパッキングされた斜面を安全に降りる。吹雪の合間に特徴的な岩山の稜線が見えてので満足する。旭川へ向かう途中、この日パン一つとウィダーしか口にしていなかったので、上川の町中へ立ち寄る。あさひ食堂というお店に入ると、この地域では有名らしい雰囲気。しかしその向かいにある「沢野オート」...大雪山系黒岳&十勝岳山スキー日記
https://www.youtube.com/watch?v=STk3xRthHoo&lc=UgwFmpJSLBe9LAQU8WF4AaABAgホワイトロード白山展望台より
本日よりサブスクで配信開始です。作詞:白泰山作曲:土門秀明MyDearHAKUSAN我が心の白山配信開始
例年オフシーズンに開催しておりました白山サミット(利用者による意見交換会)を記憶の新しい内に開催したいと思います。白山に対して将来こうあって欲しいなど、登山者目線の意見を集約して、公園管理団体であるNPO法人環白山保護利用管理協会に提言し、今後の公園管理行政に生かして貰いたいと考えています。建設的なご意見をお持ちの方の参加を求めます。この場で結論を出すものではありません。また特定の個人や団体を批判する場でもありません。趣旨をご理解の上、下記フォームよりお申し込み下さい。白山サミット(第4回)参加申込書開催日:2023年10月14日(土)開催地:石川県白山市中宮16吉野谷セミナーハウスお問い合わせ:hakusansummit@gmail.com株式会社オフィスイヌイ(076-256-7955)まで。Goog...2023白山サミット開催のお知らせ
加賀禅定道は距離が長いが水場は極めて少ない。油池下の水場はこの時期でも湧出しており、写真のような水量ではあるが、冷たい湧き水を得ることが出来た。油池の標柱から木道にそれて谷を50mぐらい下るとロープを渡してある。そこを木製看板の示す方向に約70m下った所で湧き水を得ることが出来る。加賀禅定道を登りで利用するとき、四塚への長い登りの手前で水を得ることが出来る、貴重な水場だ。加賀禅定道油池の水場
白山国立公園内に野営場は南竜にしかない。近年はソロキャンプブームで非常に混雑している。また利用者のマナー低下も心配されている。実際にこのキャンプ場に熊が出没したとして閉鎖された事も有る。キャンプの際、残飯や例えばラーメンの汁などを横の笹藪に投棄したりしている利用者が居るのではないだろうかと心配している。自分は大丈夫でも後の利用者の事を考え、利用者全員が一人残らず、熊をおびき寄せない対策をしなければ、熊と人間の接触事故を防ぐことは出来ない。さて、野営場はこの一箇所しか無いが、避難小屋は非常に充実している。避難小屋を使いながら白山の長い縦走路を歩くという計画をお勧めする。しかし大人数でのグループ占有など、他の利用者に細心の注意を払って利用頂きたい。また全てのゴミは持ち帰る(他人の残したものでも)、利用後の清掃...白山国立公園の避難小屋
上は22016年、下は2023年お花松原のクロユリの群落がオンタデに置き換わっている。このようにオンタデは花畑の至る所から発生していて、オンタデの根元を見ると元の植物を枯らせている事が分かる。コロナ時代と重なるように、ここ数年でオンタデは、山頂部のお花畑に急速に広がりを見せている。オンタデの広がり
登山においてマーキングの目的は、迷わずに帰るため、もしく自分の辿ったルートを後続者に伝えるための目的が有る。誰か分からない第三者に伝える目的は存在しない。もちろん殆どの場合、地主の許可無く設置しているものだろうから、目的が達成されたら速やかに撤去しなければ成らないという前提をここで共有して起きたい。少なくとも北部白山エリアでは鉄則として欲しい。従って、回収不能なペイントや写真のような無意味な粘着テープでの立木への貼付けなどは論外で有る。北部白山管理人として、今回の粘着テープ設置者に於いては速やかに撤去を願う。一方登山道上では、地主及び借受人が事業執行のための目印として、ペイントやマーキングを行っている例もよく見受ける。この場合、一般登山者には理解されにくいので、簡素な方法で、簡潔に事業目的分かるよう配慮し...登山道のマーキングについて
中宮道を分かり易く解説すると、白山で一番長い登山道で、上部はお花の楽園、下部は巨樹の森である。上部はお花松原や北弥陀ヶ原に代表される広大なお花畑が広がる。ちょうど中間点にゴマ平避難小屋が有り、夏でも手がかじかむくらい冷たい湧き水が有るので安心。下部はダケカンバやブナの巨樹が立ち並ぶ原生も森が魅力だ。そしてもう一つは荒々しい白山の姿を垣間見るポイントが点在する。白山の北側は、山肌に崩落の歴史を刻む急峻な岩肌が目を引く。朝日に照らされる火の御子峰。(三俣峠付近から)5月終盤でも雪が多く残り、新緑もこれからであった。(滝ヶ岳からの眺め)中宮道のみどころ
中宮道は中宮温泉登山口から室堂まで20㎞という白山の登山道では最長距離を誇る。その行程はいくつもの峰を越えたり巻いたりしていて地形も非常に複雑で、残雪期にはガスに覆われるとルートを見失う危険性が非常に高い。近年はGPSが有り安易に考えるが、数メートルの誤差程度の精度では雪庇を踏み抜いたり安心ではない。特に濃霧の時は要注意だ。急な清浄坂を登り切ると「馬のせご」に出る、ここでようやく山頂部が見え始め景色は一転する。白山の北斜面にはまだまだ大量の雪が残っている。湯谷頭の巻き道の途中、岩間道「薬師山2023m」がよく見える。みずみずしい新緑と白い山頂部。青天の空と谷筋を吹き上げてくる風に清涼感は満点だ。シナノキ平避難小屋から先は、残雪がべったり残っている。この避難小屋は老朽化が著しく補修もままならないが、長丁場の...中宮道シナノキ平
長年の念願だった羊蹄山滑降。3月の高温で本州の山々はどんどん雪が消えてしまい、4月は北海道に残雪を求めるしか無かった。そんな折、千載一遇のチャンスで羊蹄山滑降の企画が舞い込み便乗した。しかし、前の週は異常な量の黄砂に覆われ、北海道の山々とはいえ、すっかり茶色くなってしまった。しかしその直後に寒波が訪れ、日本海フェーリーが定刻より2時間遅れという大シケの中、小樽に上陸した。久しぶりに雪道を走り、晴天予報の翌日に備えた。茶色かった山は厳冬期の姿に逆戻り。長年の念願であった羊蹄山滑降を果たすことが出来た。足元に広がる北の大地に飛び込むような高度感は独立峰ならではのだいご味だった。羊蹄山滑降
2023年と同じ標高の薬師山からの眺望と、小桜平避難小屋の点検を行った。薬師山は北側に笈ヶ岳や大笠山、雄大な北部白山、遠くには北ア、眼下には荒々しい千尋の谷からそびえ立つ、火の御子が眺められる絶好のビューポイントだ。今年の山、登頂後は樅ヶ丘付近まで登り上げ、小桜平避難小屋へと向かう。一昨日の降雪が滑りやすいパウダースノーで残っていた。積雪は例年のGWあたりよりやや少ない感じだった。損傷は何も無く、内部も秋に清掃したそのままで綺麗に保たれていた。今年は北アの山小屋やテント場が大きく値上がりしたので、無料で使用できる、北部白山の各避難小屋が賑わうのでは無いかと予想するが、皆さんのご協力の下、引き続きゴミの持ち帰りや清掃などお願いしたい。薬師山(2023m)と小桜平避難小屋
2023年と同じ標高の薬師山からの眺望と、小桜平避難小屋の点検を行った。薬師山は北側に笈ヶ岳や大笠山、雄大な北部白山、遠くには北ア、眼下には荒々しい千尋の谷からそびえ立つ、火の御子が眺められる絶好のビューポイントだ。今年の山、登頂後は樅ヶ丘付近まで登り上げ、小桜平避難小屋へと向かう。一昨日の降雪が滑りやすいパウダースノーで残っていた。積雪は例年のGWあたりよりやや少ない感じだった。損傷は何も無く、内部も秋に清掃したそのままで綺麗に保たれていた。今年は北アの山小屋やテント場が大きく値上がりしたので、無料で使用できる、北部白山の各避難小屋が賑わうのでは無いかと予想するが、皆さんのご協力の下、ゴミの持ち帰りや清掃などお願いしたい。薬師山(2023m)と小桜平避難小屋
3月はとても暖かい日が続き、桜も全国各地で一斉に咲き始めた今年の春。新年度を迎えましたが気になる白山の積雪状況はどうでしょう?市ノ瀬ビジターセンター付近には軒下以外残雪はありません。別当出合には1.5mぐらい積雪がありましたが、毎年発生する雪崩は無かったようです。市ノ瀬~別当出合までの道路は日陰で所々残雪がありますが、陽当たりの良い猿壁上の路肩は融けていて歩きやすいです。甚之助から上はこの時期としては例年よりやや少ないと感じるものの、GWぐらいの量は残っていました。エコーラインから見下ろす南竜もいつものような感じです。今年の冬はシーズンインにクリスマス寒波に見舞われましたが、その後1月下旬までは雨の日も有って、融けていった量が多かったです。標高の低い所ではこの影響を受けて、現在では雪が少なくなっています。...今年の積雪状況
4/1の室堂と別山今年の冬を振り返ると、クリスマス寒波に見舞われたものの、その後1月は暖かく雨も多かった。標高の低い地域では融雪が進んだ。1月下旬から2月は再び積雪も増え始めたが3月は一転して高温が続き、山麓地域のスキー場は少雪に悩まされた。4/1時点で市ノ瀬では軒下以外駐車場の雪は殆ど消えていた。別当出合へは猿壁上付近までは所々アスファルトが見え始めていた。別当出合では積雪1.5mくらいで今年は雪崩も発生していなかった。甚之助避難小屋から上は、南竜、室堂ともGW辺りの積雪量だろう。総じて残雪量が少ないので、GW期間には更に残雪範囲は狭まっているだろう。今年の春山の傾向
先日、夕日に紅く染まる白山の写真を撮りたいと思い立ち加越国境の山に出かけました。夕日が西に沈みかけると最後の輝きを放つかのように、白山が紅く染まり、辺りは一気に冷え込み暗闇が訪れます。寒さに耐えきれず今夜の寝床となるテントに入り寝袋に包まります。夜中にテントから這い出してみると、下界には明々とした街の光が綺麗に輝いています。嗚呼、この一つひとつの灯りの中に暖かな人々の暮らしが有るのだなあ。と思うと同時に今宵の私の寝床を暖めるのは私が吐く息のみである事を自覚し、身震いしてまたすごすごと寝袋に包まり朝を待ったのです。仏遺教経には八大人覚と言って、禅の求める悟りに近づくため次の8つの目標が説かれています。1小欲(欲を少なく)、2知足(これで十分で有る事を知り)、3寂静(喧噪を離れて)、4精進(努力を続けて)、5...山の法話23八大人覚(はちだいにんがく)
写真は30年近く前から雪山で使っていたジルブレッタ404です。この頃は今では見かけなくなった細板にその幅にも満たない長細いシールを貼って歩いていました。それ以前はと言うと、このような道具も手に入らず、ゲレンデスキーとブーツをザックで担ぎ、長靴で加越国境の山々を滑っていたことを思い出します。その頃バックカントリーという言葉は無く、春スキーと言って麓のスキー場が閉鎖してからが山スキーシーズンでした。当然1月や2月の厳冬期に取立山に入る登山者さえ居ませんでした。近年では、晴れた日の取立山登山口には平日でも国道まで登山者の車が溢れかえっています。道具が進化しても、ビーコンやココヘリや山アプリがどんなに進化しようと、降雪→雪崩という自然現象が制御された訳ではありません。十分注意して雪山を楽しんで欲しいと思います。スキー用具の進化と雪山事故
中宮道は中宮温泉登山口から室堂まで20㎞という白山の登山道では最長距離を誇る。その行程はいくつもの峰を越えたり巻いたりしていて地形も非常に複雑で、残雪期にはガスに覆われるとルートを見失う危険性が非常に高い。近年はGPSが有り安易に考えるが、数メートルの誤差程度の精度では雪庇を踏み抜いたり安心ではない。特に濃霧の時は要注意だ。急な清浄坂を登り切ると「馬のせご」に出る、ここでようやく山頂部が見え始め景色は一転する。白山の北斜面にはまだまだ大量の雪が残っている。湯谷頭の巻き道の途中、岩間道「薬師山2023m」がよく見える。みずみずしい新緑と白い山頂部。青天の空と谷筋を吹き上げてくる風に清涼感は満点だ。シナノキ平避難小屋から先は、残雪がべったり残っている。この避難小屋は老朽化が著しく補修もままならないが、長丁場の...中宮道シナノキ平
長年の念願だった羊蹄山滑降。3月の高温で本州の山々はどんどん雪が消えてしまい、4月は北海道に残雪を求めるしか無かった。そんな折、千載一遇のチャンスで羊蹄山滑降の企画が舞い込み便乗した。しかし、前の週は異常な量の黄砂に覆われ、北海道の山々とはいえ、すっかり茶色くなってしまった。しかしその直後に寒波が訪れ、日本海フェーリーが定刻より2時間遅れという大シケの中、小樽に上陸した。久しぶりに雪道を走り、晴天予報の翌日に備えた。茶色かった山は厳冬期の姿に逆戻り。長年の念願であった羊蹄山滑降を果たすことが出来た。足元に広がる北の大地に飛び込むような高度感は独立峰ならではのだいご味だった。羊蹄山滑降
2023年と同じ標高の薬師山からの眺望と、小桜平避難小屋の点検を行った。薬師山は北側に笈ヶ岳や大笠山、雄大な北部白山、遠くには北ア、眼下には荒々しい千尋の谷からそびえ立つ、火の御子が眺められる絶好のビューポイントだ。今年の山、登頂後は樅ヶ丘付近まで登り上げ、小桜平避難小屋へと向かう。一昨日の降雪が滑りやすいパウダースノーで残っていた。積雪は例年のGWあたりよりやや少ない感じだった。損傷は何も無く、内部も秋に清掃したそのままで綺麗に保たれていた。今年は北アの山小屋やテント場が大きく値上がりしたので、無料で使用できる、北部白山の各避難小屋が賑わうのでは無いかと予想するが、皆さんのご協力の下、ゴミの持ち帰りや清掃などお願いしたい。薬師山(2023m)と小桜平避難小屋
2023年と同じ標高の薬師山からの眺望と、小桜平避難小屋の点検を行った。薬師山は北側に笈ヶ岳や大笠山、雄大な北部白山、遠くには北ア、眼下には荒々しい千尋の谷からそびえ立つ、火の御子が眺められる絶好のビューポイントだ。今年の山、登頂後は樅ヶ丘付近まで登り上げ、小桜平避難小屋へと向かう。一昨日の降雪が滑りやすいパウダースノーで残っていた。積雪は例年のGWあたりよりやや少ない感じだった。損傷は何も無く、内部も秋に清掃したそのままで綺麗に保たれていた。今年は北アの山小屋やテント場が大きく値上がりしたので、無料で使用できる、北部白山の各避難小屋が賑わうのでは無いかと予想するが、皆さんのご協力の下、引き続きゴミの持ち帰りや清掃などお願いしたい。薬師山(2023m)と小桜平避難小屋
3月はとても暖かい日が続き、桜も全国各地で一斉に咲き始めた今年の春。新年度を迎えましたが気になる白山の積雪状況はどうでしょう?市ノ瀬ビジターセンター付近には軒下以外残雪はありません。別当出合には1.5mぐらい積雪がありましたが、毎年発生する雪崩は無かったようです。市ノ瀬~別当出合までの道路は日陰で所々残雪がありますが、陽当たりの良い猿壁上の路肩は融けていて歩きやすいです。甚之助から上はこの時期としては例年よりやや少ないと感じるものの、GWぐらいの量は残っていました。エコーラインから見下ろす南竜もいつものような感じです。今年の冬はシーズンインにクリスマス寒波に見舞われましたが、その後1月下旬までは雨の日も有って、融けていった量が多かったです。標高の低い所ではこの影響を受けて、現在では雪が少なくなっています。...今年の積雪状況
4/1の室堂と別山今年の冬を振り返ると、クリスマス寒波に見舞われたものの、その後1月は暖かく雨も多かった。標高の低い地域では融雪が進んだ。1月下旬から2月は再び積雪も増え始めたが3月は一転して高温が続き、山麓地域のスキー場は少雪に悩まされた。4/1時点で市ノ瀬では軒下以外駐車場の雪は殆ど消えていた。別当出合へは猿壁上付近までは所々アスファルトが見え始めていた。別当出合では積雪1.5mくらいで今年は雪崩も発生していなかった。甚之助避難小屋から上は、南竜、室堂ともGW辺りの積雪量だろう。総じて残雪量が少ないので、GW期間には更に残雪範囲は狭まっているだろう。今年の春山の傾向
先日、夕日に紅く染まる白山の写真を撮りたいと思い立ち加越国境の山に出かけました。夕日が西に沈みかけると最後の輝きを放つかのように、白山が紅く染まり、辺りは一気に冷え込み暗闇が訪れます。寒さに耐えきれず今夜の寝床となるテントに入り寝袋に包まります。夜中にテントから這い出してみると、下界には明々とした街の光が綺麗に輝いています。嗚呼、この一つひとつの灯りの中に暖かな人々の暮らしが有るのだなあ。と思うと同時に今宵の私の寝床を暖めるのは私が吐く息のみである事を自覚し、身震いしてまたすごすごと寝袋に包まり朝を待ったのです。仏遺教経には八大人覚と言って、禅の求める悟りに近づくため次の8つの目標が説かれています。1小欲(欲を少なく)、2知足(これで十分で有る事を知り)、3寂静(喧噪を離れて)、4精進(努力を続けて)、5...山の法話23八大人覚(はちだいにんがく)
写真は30年近く前から雪山で使っていたジルブレッタ404です。この頃は今では見かけなくなった細板にその幅にも満たない長細いシールを貼って歩いていました。それ以前はと言うと、このような道具も手に入らず、ゲレンデスキーとブーツをザックで担ぎ、長靴で加越国境の山々を滑っていたことを思い出します。その頃バックカントリーという言葉は無く、春スキーと言って麓のスキー場が閉鎖してからが山スキーシーズンでした。当然1月や2月の厳冬期に取立山に入る登山者さえ居ませんでした。近年では、晴れた日の取立山登山口には平日でも国道まで登山者の車が溢れかえっています。道具が進化しても、ビーコンやココヘリや山アプリがどんなに進化しようと、降雪→雪崩という自然現象が制御された訳ではありません。十分注意して雪山を楽しんで欲しいと思います。スキー用具の進化と雪山事故
2023年に登りたい!西暦と同じ標高の山3選YAMAYA-ヤマケイオンライン/山と渓谷社(yamakei-online.com)昨年12月に地元及び国立公園管理関係者が集まり、北部白山地域連絡会が行われた。その中で岩間道が長い間通行止めになっているが、せめて小桜分岐から薬師山までの区間を開放すべきであると主張した。理由は薬師山は北部側から山頂部方面の眺め、反対側には笈ヶ岳・大笠山などが間近に望める非常に展望の良い場所であるからだ。その後年末にヤマケイ編集部から「来年も岩間道は通行止めだろうか??」との問合せを受けた。カクカクシカヂカの内容はWEB記事に書かれている通りだ。今年は小桜平を絡めた白山登山をお勧めしたい。また、小桜分岐から薬師山の区間を登山者が登山道整備を出来る区間にしてはどうかと考えて居る。現...2023の北部白山
12月に入り、寒気が北日本を中心に寒気が下りてきています。上志比と勝山の境である藤巻白山伏拝からも多くの積雪が有ったように遙拝できます。青空に雪をまとう白山は、威風堂々としてひときわ大きくその存在感が強調されています。12/9は山祭りの日です。この山に精霊が宿るという考え方は、自然発生的に生まれた原始宗教で、日本だけに限った事ではありません。以前ラップランド先住民サーメの友人も、木には木の精霊、石には石の精霊、何にでも神様がいて、いつも自分たちの事を見ている。と言っていました。原生自然のままの姿を残す山岳地帯は信仰の対象で、日本では古来より「高嶺には神が宿る。」という考え方があります。これは中国の六朝時代に生まれた神仙思想に影響されていて、山岳信仰が仏教と融合し発展する際に、山を御神体と考えていた事から、...山の法話22山岳信仰と登拝