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  • アメリカン・ユートピア American Utopia

    デビッド・バーンとスパイク・リーによる『アメリカン・ユートピア』を鑑賞。 公開が延びていたが、なんとか鑑賞できてよかった。 シネクイントって渋谷に2つあって、勘違いしそうになった。パルコの8階が今回の劇場。小さいながらもシートがふかくて立派な劇場でした。席を一つずつ開けてましたが、どうやら満席だったようです。そりゃそうです。これ今年1番感動した映画です。 デビッド・バーンというとトーキング・ヘッズのフロントボーカリストとして、あるいは環境音楽の先駆者ブライアン・イーノとの連作、または坂本龍一さんとともに『ラスト・エンペラー』でアカデミー賞を受賞した偉大なアーチスト。その彼がここに至ってこの映画…

  • ウィロビー家の子どもたち The Willoughbys

    ウィロビー家の子どもたち The Willoughbys www.youtube.com 原作者のロイス・ローリーは児童文学者だが、子供や若者向けの小説の内容がディストピアを暗に題材としているため、訴訟になったり図書館から排斥されたり、かなり過激な内容が多い女性作家だ。中には性同一性や差別、偏見などの内容を書いたりしているらしい。彼女のこうした辛辣な社会に対する批判的な姿勢は、どうやら幼い頃に父親の仕事の都合で世界各地を転々として(東京にも住んでたらしい)、その時の孤独を補うために読書が好きだったことなどが要因と言われている。作家に転身してからは、子供向けと思わせながら実は辛辣な社会批判、特に…

  • クルエラ Cruella

    『クルエラ』(Cruella) www.youtube.com エマ・ストーンがクルエラを演じると聞けば見ないわけにいかない。監督はクレイグ・ガレスピー。 これは驚いた。よくぞここまで緻密なドラマができたものだ。本当に驚いた。時代背景が1970年代だということもあって、バックに流れる音楽がまたワクワクさせる。ローリング・ストーンズやディープ・パープル、クイーン、レッド・ツェッペリンなど、どこかで聞いたことのある曲が延々流れるのがいい。 敵役の大御所デザイナー、バロネスに扮するのはエマ・トンプソン。エマ・エマ対決である。とにかくこの人の存在感の強さがこの映画の軸となる。なぜ彼女がクルエラの敵にな…

  • ソフィア・ローレンだったなら What Would Sophia Loren Do?

    ソフィア・ローレンだったなら(2021年製作の映画)What Would Sophia Loren Do? www.youtube.com こちらは最近Netflixからリリースされたソフィア・ローレンの新作です。彼女の息子エドアルド・ポンティが監督した映画だが、今回はこの映画のイントロデュースとも言えるドキュメンタリー映画。 ソフィア・ローレンと同じ時代を生きたイタリア移民の子が恋をして結婚して、ちょっと不倫しそうになったりして、子供が生まれ、そして残念なことに子供を一人失って、孫ができて大家族になって・・・という幸せや苦労を重ねた人生をソフィア・ローレンとソフィア・ローレンの映画作品に重ね…

  • 地獄の花園

    バカリズムの脚本を映画化した2作目。前作は『架空OL日記』で本人が主演だったが、今回はちょい役のみで、主演は永野芽郁さんや広瀬アリスさんをはじめとする旬な女優さんによるお笑いである。監督はミュージシャンの映像ディレクター関和亮氏。 www.youtube.com まあとにかく面白い。予告編からして面白い。というか予告編でほとんど語られ尽くしているので、映画はそのディテールを追うだけなのかもしれないが、OLの派閥抗争を描くドラマである。 とにかく次から次へと展開する話は、どうやら過去の学園抗争ものの漫画から集めているらしく、ありとあらゆるテーストが込められているようだ。このジャンルは全く縁がない…

  • 茜色に焼かれる

    『茜色に焼かれる』を鑑賞。ユーロスペースは満席だった。 円山町のユーロスペースの入るビルは今やイメージフォーラムや岩波ホールなどを超える聖地だ。素晴らしい企画やイベント。ホールは小さめだが快適な映画環境に感心する。 www.youtube.com あまり事前の予備情報なしで見たんですけど、オダギリジョーさんが自転車に乗ってるんですよ。そして高齢の男性が運転しているシーンがカットインして、コンピューターの事故シーンがモンタージュする。わかりやすい。これが例の池袋で起きた元高級官僚によるおぞましい交通事故を当て込んでいるのだ。よくこれを映画にしたものだと思う。朝日新聞が協賛しているのも意味があるの…

  • ミスター・ロジャースのご近所さんになろう WON'T YOU BE MY NEIGHBOR?

    フレッド・ロジャースというアメリカの子供向け番組を30年以上も続けた方のドキュメンタリー。 www.youtube.com これはトム・ハンクスがロジャースさんを演じた『幸せへのまわり道』がこのドキュメンタリー映画の翌年に公開となり、ささやかなロジャースさんブームとなった。トム・ハンクスがじつにうまくロジャースさんを演じていた。ニューヨークの地下鉄で、ロジャースさんに気がついた乗客がA BEAUTIFUL DAY IN THE NEIGHBORHOOD”を合唱するシーンに強く感動した。そこには年代と人種を超えた絆があった。 www.youtube.com この映画は、生前のロジャースさんへのイ…

  • ミッチェル家とマシンの反乱

    『ミッチェル家とマシンの反乱』めちゃめちゃ面白かった。よくできた映画だった。 ソニーのコロンビア映画が公開する予定だった3DアニメをNetflix映画としてリリースしていた。 もともとのタイトルはコネクテッド。これインターネット用語らしく、ネット接続の意味だそうだ。まさにコネクテッドの映画。いまもはや人類はネット接続なしに生きていけない。『2001年宇宙の旅』のHALがこの映画ではPALとされている。『ファーザー』のオリヴィア・コールマンが声をやっている。まさに世界の支配者。 この映画、ひとえにマイケル・リアンダ(『グラビティ・フォールズ』)のセンスが光る。彼のありとあらゆる映画愛、そして多く…

  • ファーザー THE FATHER

    監督はフランス人のフロリアン・ぜレール。映画の中でもパリについて触れられているのはこの人のって舞台劇がベースとなってるからだ。これが初めての映画作品となる。 アンソニー・ホプキンスとオリヴィア・コールマンが共演するというだけで、この映画の価値は保証されたようなものだが、結論からいうと芳醇な味わいある映画を堪能したということだ。素晴らしかった。 認知症を患った父親の目線で描かれるこの映画は、まるでホラーかサスペンス映画のようだった。何しろ娘だと思った人が次の日には別人に成り代わっているのだ。そして別れたはずの娘の夫が出てきて悪態をついたり暴力まで奮ったりする。ヘルパーの女性も次から次へと別人にな…

  • Death to 2020 Netflix

    そうか、そうなのだ。2021年も半ばに差し掛かり、未来に歴史を振り返るとき、我々はどれだけ冷静に2020年を振り返ることができるだろう。ある落語家が「未来とは修正できると思っている過去」と表現したが、この映画は過去を修正せずにそのまま記録にしようとしているようだ。 フィクションである。したがってここに出ている著名なスターたちは言うまでもなく本人の名前で出演していない。2020年をコロナでくくるのはあまりにも簡単だが、ここでは別の視点からこの年を振り返ろうとしている。 次々に起こる山火事を写す冒頭のシーンから、グレタ・トゥンベリさんのメッセージやブレグジット、王室とメーガンの関係やトランプの弾劾…

  • タイム TIME

    Amazonのドキュメンタリー映画『タイム』を鑑賞。町山智浩さんがちらっと紹介していて興味をもった。監督はギャレット・ブラッドレイとい女性。1984年生まれのち的な女性監督による作品。ある黒人家族の20年以上に及び長い長いホームビデオを編集し、それに映像を重ねたモノクロ映画。モノクロであることのに意味がある。 この夫婦はなんと「銀行強盗」である。 といっても『俺たちに明日はない』のような暴力的なものではなく、生活が苦しくてやむなく強盗をせざるを得なかった、ということらしい。このあたりはあまり映画では語られない。問題はこの夫婦が刑務所に服役して、夫のロバートがとてつもなく長い懲役に服することにな…

  • 三島喜美代展 ART FACTORY城南島

    三島喜美代展 ART FACTORY城南島 大森駅から1時間に1本のバスに乗って、大田市場を超えた先の工場群の一角にある。 三島喜美代さんのスケールのある作品がいくつか並んでいる。入り口付近の作品、これはゴミの塊だ。 こちらは新聞が山積みになっているスペースが迷路のようになっている。 これもまた面白い。ブロックが一面に並び、そのひとつひとつに新瓶記事が転写されている。いずれもメディアと環境をテーマとしてるようだ。 新聞に書かれた記事。読み捨てられた新聞紙。廃棄されるゴミ。これらを極端に結べば記事はゴミということになる。確かにそのとおりかもしれない。価値のないメディアがゴミになり環境に悪影響を及…

  • 虹をかける:原美術館/原六郎コレクション

    虹をかける:原美術館/原六郎コレクション 品川の原美術館が2021年1月に閉館した。多感な頃になんどもあの狭い空間でいろいろなインスピレーションを湧き起こすことができたが、時代の終焉である。 原六郎の個人所蔵による現代美術への進化がこの美術館のテーマだ。そしてそれは渋川の原ミュージアムへと引き継がれ、原六郎のコレクションを再度閲覧できた。 その偉大な功績は所蔵された作品群を見れば十分に理解できる。 3時間かけてここに来た価値は十分。そして展示された作品の普遍性も高い。 ミラールーム(かぼちゃ) 草間彌生 鏡を使って永遠を演出する。 ストアフロントプロジェクト クリスト 線より 李禹煥(リー・ウ…

  • パーム・スプリングス Palm Springs

    『パーム・スプリングス』(じっくり解説は←へ) タイトルはアメリカのカリフォルニアにある都市、というかここではほとんど砂漠で劇が進行する。砂漠の結婚式から始まって、そこで不思議な男女が出会って、同じ日を何度も何度も、そして何度も何度も繰り返す、というお話。何度も何度も。 なんでまたこんな映画ができたのだろう。俳優はJKシモンズ以外は全く知らない俳優ばかり。JKシモンズはここで重要な役で出てくる。彼が出てきただけで「何かありそうだ」と思わせる。実際のところ、ラストシーンのエンドロールの途中で彼は再び重要なシーンで登場する。ラストシーンの彼の表情に注目である。 とにかく同じ一日を延々と繰り返す。一…

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