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どうながの映画読書ブログ https://dounagadachs.hatenablog.com/

好きな洋画作品について語ります。 映画以外にも小説、漫画などについても時々取り上げます。

好きな映画監督:ブライアン・デ・パルマ、ダリオ・アルジェント 好きな女優:ジョディ・フォスター、サンドラ・ブロック 好きな男優:ダスティン・ホフマン、ゲイリー・オールドマン ホラーサスペンス系が好きですが、アクション、SF、恋愛割となんでもみます。 ブログをはじめてから1番面白かった映画はフリードキン監督の「恐怖の報酬」です。

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2019/07/07

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  • 「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」日本語吹替版/アクション・人情ドラマ・イケメンてんこ盛りで大満足の1本

    1月17日に公開されてから近隣の映画館でずっと上映されていて、評判がいいのかいつも席がかなり埋まっていて、どんなものかと気になっていた作品。 今月から日本語吹替上映が開始して再びスクリーンに登場。周回遅れのタイミングだけどこれはチャンス…!! 普段は決して吹替派ではないのですが、こういうアクション映画って字幕を追わずに集中してみれる吹替は案外いいのかも…と思って、観に行ってきました。 キャストはサモハン(水島裕)以外誰も知らず、内容も全く把握しないまま突撃。 冒頭、香港の裏社会の三国志みたいな説明が延々と入ってきて、「漢字だらけの登場人物がめっちゃ多い映画かー、人物相関図とかみてくればよかった…

  • 「ベスト・フレンズ・ウェディング」…刹那的ラストが美しい90年代大雑把ラブコメ

    ジュリア・ロバーツ主演、キャメロン・ディアス共演の97年公開のラブコメ。 身勝手な登場人物ばかりでツッコミどころ満載、決して秀作とは言い難いのですが、なぜか心に残っている1本。 ベスト・フレンズ・ウェディング [Blu-ray] ジュリア・ロバーツ Amazon 他人の結婚式って楽しくないことが多い…っていったら暴言だけど(笑)、招待客ほったらかしの余興を冷めた気持ちでみてしまったり、式には招待されず数合わせ的に呼ばれたような気がする二次会だけの参加にモヤモヤしたり… そんな自分の隠キャマインドと嫉妬心メラメラのイタい主人公の気持ちに重なるものがあったからかもしれませんが、20代の頃に見直して…

  • 「ウィロー」…童心に返る心優しいファンタジー映画

    ジョージ・ルーカス製作総指揮、ロン・ハワード監督による88年のファンタジーアドベンチャー。 ウィロー 4K UHD + ブルーレイ セット [Blu-ray] ワーウィック・デイビス Amazon 小さい頃この映画がすごく好きで…親とレンタルビデオ店に行った際、たまに「どうながも1本好きなのを借りていいよ」と言われると大体いつも選んでいたのがこの「ウィロー」。「何回みんねん!!」と呆れられていた憶えがあります(笑)。 ビデオジャケットは主演3人が並んだ赤基調のビジュアルで、紙仕様のケースだった記憶。 ウィロー(日本語吹替版) [VHS] RCAコロンビア・ピクチャーズ・ビデオ Amazon ア…

  • 「食人族3 食人族vsコマンドー」…プレデターときどきエイリアン2、意外なアクションホラーの快作

    何度も出てくる出涸らしのお茶。 またしても「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」のブルーノ・マッティ監督作。 食人族3 [レンタル落ち] Amazon 邦題は「食人族3」となっていますが、「食人族2」と2003年にまとめ撮りされたというだけで、お話的には続編ではなく別個の作品のようです。 ロケ地も出演陣も所々被っていて2作続けてみると混乱してしまいますが、あれ、2より面白い!? 思い切りよくバトルアクションに舵切り。 「プレデター」と「食人族」の名シーンが矢継ぎ早に再生されるというだけでもうめちゃくちゃ面白い(笑)。 この2作品ってこんなに相性がよかったのか…!!と感動してしまうほど、上手くフュー…

  • 「食人族2」…ツギハギだらけのパチモン、チープで妙なノスタルジーの漂う怪作

    「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」のブルーノ・マッティ監督が撮った「食人族」の続編…というよりリメイク的な立ち位置の作品!? 食人族 2 [DVD] ヘレナ・ワグナー Amazon 英語タイトルは”CANNIBAL HOLOCAUST:THE BIGINNING”。 なんと2004年の作品らしく「食人族」から24年も経ったあとにまだこんなパチモンを撮ろうとする意気込みが凄い(笑)。 相変わらず既視感ありありの映像が流れまくる清々しいまでのバッタ物でしたが、ロケーションは案外しっかりしていて、テンポもよく、思ったより悪くない印象。 普通に見たらチープなグロ映画だと思いますが、オリジナルの「食人族…

  • 「教皇選挙」…ダメ人間な聖職者たちが人間臭くて面白かった

    「アノーラ」「ロングレッグス」「地獄の逃避行」リバイバルなど今月は気になる作品が色々あったのですが、おっさんが密室でわちゃわちゃしてる映画ってハズレなさそう… 本年度オスカー有力候補の1つだった「教皇選挙」を観に行ってきました。 激混みで週末は近隣の劇場のチケットがとれず…平日休みをとって席数の多い新宿の劇場まで行ってきましたが、大盛況。 パンフはとっくに品切れになっていました。 ポスターのビジュアルからはもっとパキッとした鮮やかな映像をイメージしていたのですが、思ったよりどんよりと暗めな重厚感のある映像。 引きの画が多く、誰が何を発言しているのか分かりにくかったりして、でもそれで一層注意を引…

  • スティーヴン・キングの「キャッツ・アイ」…遊び心満載の良作オムニバスホラー

    85年制作、スティーヴン・キング原作脚本の3話構成のオムニバス・ホラー。 監督は「クジョー」「アリゲーター」のルイス・ティーグ、製作はディノ・デ・ラウレンティス。 ドリュー・バリモアにジェームズ・ウッズと出演者も意外に豪華な作品。 「キャッツ・アイ」の名の通り猫ちゃんが各話の案内役を務める構成ですが、動物の見せ方も非常に上手く、小粒ながらよく出来たホラー作品になっていました。 ◇◇◇ 1話目は世にも恐ろしい禁煙協会の話。 友人に勧められ禁煙外来にやって来た男(ジェームズ・ウッズ)。 デスクに置いたタバコをぶっ叩き奇声をあげるクリニックの院長が初っ端からヤバすぎる(笑)。 「我々は24時間監視す…

  • フルチの犬映画「白い牙」…西部劇+動物アドベンチャーな意外と優しい1作

    昨年購入したフルチ本でも取り上げられていたフルチの犬映画!?1973年制作「白い牙」を初鑑賞。 安い輸入版DVDを発見して購入したのですが、なぜか同時収録されているのはフルチの撮った続編「名犬ホワイト 大雪原の死闘」ではなく、別監督の撮った第3弾という謎DVD(笑)。 2作品が1枚のDVDに収録されていて画質はVHS以下、英語字幕もなく画面が妙にスクイーズされているという仕様でしたが、それでも何とか鑑賞。 そり犬を題材にした「野生の呼び声」で知られるジャック・ロンドンの作品が原作らしいのですが、西部劇に動物アドベンチャーが加わったような明るめの作風。 犬が可哀想なシーンが多いと嫌だなあと懸念し…

  • 「雨に唄えば」を午前十時の映画祭で鑑賞してきました

    気になる作品がたくさん公開されている今月。 またまた旧作になってしまいますが、自分が人生で出会った最高の映画の1本、「雨に唄えば」を午前十時の映画祭にて鑑賞してきました。 雨に唄えば [DVD] ジーン・ケリー Amazon 普段ホラーサスペンス系の映画をみることが多く決してミュージカル好きではないのですが、この作品は衝撃的に面白かった記憶。 初めてみたのは確か中学1年生の頃…なぜ選んだのか全く憶えてないけど家族でビデオ屋さんに行った際に目立つスペースにあったからかレンタル。 家族全員初鑑賞でしたが、「なんだこの映画は!?」と騒然となった思い出があります。 それまでにも「ウエスト・サイド物語」…

  • 「死霊のしたたり3」…刑務所のウェスト博士、下品で愉快なシリーズ第3作目

    個人的2より3が好きな続編。 スチュアート・ゴードンが監督したのは1作目のみ、2からはプロデューサーだったブライアン・ユズナが監督を務めていますが、怪奇SFホラー要素が減りエログロだけが色濃く残った低俗な続編。 「フランケンシュタインの花嫁」をオマージュしながらも登場人物がやたら多くやや散漫な印象だった2に比べ、3は刑務所が舞台に変わって勢いと新鮮味がアップ。 2003年の作品とはとても思えない質感で特殊メイクもたっぷり。 2までコンビを組んでいたダンは退場していますが、ウェスト博士のマッドサイエンティストぶりは健在、実に愉快な作品になっていました。 ◇◇◇ 前作から13年後… 死者を蘇らせ大…

  • やっぱり「エクソシスト3」が好き!!ディレクターズカット「レギオン」及び原作小説との比較諸々

    2月26日に発売された「エクソシスト3 4KレストアUHD+Blu-ray」デラックス版。 特典盛り盛りの豪華仕様で、別バージョンであるオリジナルカット「レギオン」も丸々収録。 元々監督のブラッティが完成させたのがこの「レギオン」だったそうですが、試写で不評だったこともあり、製作陣が「悪魔祓いのシーンを入れた方がいい」となって大幅に追撮&再編集されたのが今の「エクソシスト3」なんだとか。 確かにみると後半の内容が大きく違っていてびっくり。 元々本編から浮いていたモーニング神父は不在、悪魔が登場せずクライマックスのジョージ・C・スコットの魂の雄叫びもない。 またジェイソン・ミラーが出演しておらず…

  • 「ランゴリアーズ」…異色タイムトラベル!?ロマン溢れるキングの傑作

    スティーヴン・キングが90年に発表した中編小説。 ランゴリアーズ (文春文庫 キ 2-19 FourPastMidnight 1) 作者:スティーヴン・キング 文藝春秋 Amazon ロサンゼルスからボストンへ向かう夜間フライト。眠っていた10名の乗客を残して、乗員乗客が忽然と姿を消してしまう… 掴みこそ抜群なものの話を途中でぶん投げたようなものも少なくはないこの手のSFアドベンチャーの中で、本作は1本筋がしっかり通っていて話が綺麗に完成されているのがお見事。 95年にはトム・ホランドが監督・脚本を手掛けたテレビドラマが制作。 スティーブン・キングのランゴリアーズ [DVD] パトリシア・ウェ…

  • 1と2しか知らないけど「ソウ10」を観てみました

    シリーズものをきちんと追ってないズボラ人間。 1と2しか記憶に残ってないのですが、評判が良さそうで気になっていた「ソウ10」(SAW X)を観てみました。 Chayoo Saw X 4K Ultra HD [Blu-ray] Chayoo Amazon (※以下1、2、10のネタバレあり) なんと1作目はもう20年も前。 SAW Amazon 上京してきた年に銀座シネパトスという映画館に1人で観に行った思い出があるのですが、これがとんでもない映画館で… 地下街にあって地下鉄が走る音が聞こえてくるし気のせいか時々揺れる(笑)。 そんな雰囲気抜群の劇場でみたせいかドキドキが倍増、めちゃくちゃ面白く…

  • 「穴」(1960)…至高の脱獄映画、溢れる臨場感と含みある強烈なラスト

    フランスの名匠ジャック・ベッケルの遺作。60年のモノクロ作品。 「脱走山脈」「パピヨン」と年末からみた脱走系映画が目から鱗で素晴らしかったので、同ジャンルの最高傑作と名高いらしい「穴」という作品を鑑賞してみました。 穴〈デジタルニューマスター版〉 [DVD] ジャン・ケロディ Amazon フランスのサンテ刑務所で1947年にあった脱獄事件を元に作られたそうですが、まるで脱獄を一緒に体験しているかのような迫真の映像と音。 脱獄映画といえば穴掘りですが、掘り方があまりにも大胆で衝撃的(笑)。 知らない俳優さんばかりで話の予想が全くつかずドキドキ、フランス映画らしい深い余韻を残すラストに悶絶。 手…

  • 「ブラッディ・バレンタイン3D」…スピード感&リスペクト満載の良リメイク

    昨年初めて観てめちゃくちゃ面白かった81年のスラッシャー映画「血のバレンタイン」。 2009年にはリメイクもされているとのことでこちらも鑑賞してみました。 ブラッディ・バレンタイン 完全版 3Dプレミアム・エディション (初回限定生産) [Blu-ray] ジェンセン・アクレス Amazon うーん、これは良いリメイク…!! オリジナル版のクライマックスを冒頭に持ってくる意外性と圧倒的スピード感。 3Dであることを利用し尽くした殺人シーンは今見るとバカっぽいけど竹を割ったような潔さ。 前作トレースのキャラ配置がいい感じにミスリードになっていて犯人予想も結構楽しい。 どうやったってオリジナルには…

  • 30周年記念!!「セブン」4K版 IMAX上映に行ってきました

    全米公開記念30周年を祝し4K修復でリバイバル。 館数も上映回も限られていましたが、デヴィッド・フィンチャー監督の「セブン」を週末IMAXで鑑賞してきました。 (※以下ネタバレで語っています) この映画、自分はみる前に堂々とネタバレを喰らってしまった作品。 小学生の頃、家に帰ったら母親が映画を観てきたと話していて、「何の映画?」と訊いたらそれがこの「セブン」で… 映画雑誌の「スクリーン」で紹介されていたのをみて興味津々だったので、自分も観に行きたかったと激しく落胆。 「面白かったん?」「どんな映画やったん?」ときいたら「嫌いな映画だった」と(笑)。 「途中で犯人が自分から捕まりにくんねん。でも…

  • 日本公開50周年記念「パピヨン」(1973)を観てきました

    スティーブ・マックイーン&ダスティン・ホフマン主演の伝説的映画が日本上映50周年記念を祝して1月31日から全国公開。 今週末は「セブン」「ジュラシック・パーク」のIMAXも公開されていて、どれを見に行くか迷ったのですが、時間の合いそうな「パピヨン」をシネマートさんで観てきました。 初見ではなく、中学生の頃だったか一度ビデオでみたことがあるのですが、断片的にしか覚えてなくて記憶が朧げ。 「大脱走」のような爽快感はなく、もっと重たくてしんどい映画だった印象。 独房の場面とラストシーンだけはしっかり記憶に残っていました。 150分、疲れるかなあ…などと思いつつ鑑賞に臨みましたが、めちゃくちゃ面白くて…

  • チャーリー・シーンと地獄の逃避行!?懐かし90年代MTV映画「ザ・チェイス」

    94年公開、チャーリー・シーン主演のカー・アクションムービー。 この映画、子供の頃にビデオでみて面白かった記憶があるのですが、なんとDVD未発売。 輸入版も廃盤なのか価格が高騰しているようなのですが、なんとか高くないVHSを発見。 念願の再鑑賞となりましたが、やっぱり面白い…!! ツッコミどころは多々ありつつ、「ザ・チェイス」の名の通り90分ほぼ走りっぱなしなのが凄い。 お嬢様と危険な男のラブロマンスを主軸にしつつ、2人の逃避行を追うニュース映像をノリノリの洋楽とともに挟みこんでくるのがいかにもMTV感覚。 チャーリー・シーンもハマり役ですが、ヒロインのクリスティ・スワンソンが魅力的で、「或る…

  • 「死神ジョーズ・戦慄の血しぶき」…サメときどきジャーロ!?まったりしたイタリアの偽ジョーズ

    DVDタイトルは「ジョーズ・アタック2」になっていますが、VHS時代には「死神ジョーズ」の名でリリース。 ジョーズ・アタック2 [DVD] マイケル・ソブキウ Amazon 84年の作品ですが、88年の「ジョーズ・アタック/死海からの脱出」に便乗してあとから付けられたタイトルのようです。 2010年には「シャークトパス」というタイトルでリメイクもされているらしく、知る人ぞ知るサメ映画!? 「死神ジョーズ」というタイトルだけは知っていて、こないだ「ジョーズ」をみたときにふと思い出し、未見だったのを初鑑賞してみました。 死神ジョーズ ノーブランド品 Amazon 監督はランベルト・バーヴァ。ケレン…

  • 「ルームメイト」(1992)…模倣する哀しきサイコパス

    ブリジット・フォンダ主演の92年のサイコサスペンス。 ルームメイト [DVD] ブリジット・フォンダ Amazon 子供の頃テレビ放映していたのを途中まで観て、翌朝友達と「昨日の映画怖そうだったよねー」と盛り上がった記憶があります。 男関係が絡んで友情に変化が訪れるところ…自分の思う距離感と相手の思う距離感が違っていて重苦しく思われるところ…女同士ならではの独特の空気感みたいなものがよく出ていて、大人になってからみても面白い作品。 やばいサイコパス女を演じるジェニファー・ジェイソン・リーが恐ろしいのですが、地味な不器用人間としてはちょっぴり共感!?悲哀も感じるキャラクターでした。 ◇◇◇ ニュ…

  • 「スキャナーズ2」…比べなければ悪くない!?軽い口当たりのB級エンタメ続編

    タイトル横にでかでかとデビッド・クローネンバーグと書かれているのに、監督クローネンバーグじゃないのかよ(笑)。 気前のいいVHSジャケ写で期待させるも、なんとマイケル・アイアンサイドも不在。 スタッフ・キャストともに一新して、前作から9年経ってつくられた続編。 クローネンバーグと同じくカナダ出身の「スクリーマーズ」のクリスチャン・デュゲイが監督を務めています。 1作目のベイルとキムの息子が主人公という設定ですが、作品のトーンは1とはまるで別物…比べなければそれなりに楽しめる、まあまあな出来の続編になっていました。 ◇◇◇ なぜかタイトーのゲームセンターが舞台のオープニング。 情緒不安定そうな謎…

  • スピルバーグIMAX映画祭「ジョーズ」を観てきました

    今月10日から開催のスティーヴン・スピルバーグIMAX映画祭。 プログラムはジョーズ、ET、ジュラシック・パークの3本のようで… とりあえずジョーズがめっちゃ観たい…!!ということで連休最終日に観に行ってきました。 何度もみていて内容も覚えているけど、クライマックス、涙が出てくるほど面白かった…!! 署長がぶつくさ言いながら餌を海に撒いていたら、とうとう姿を現す鮫。 You're gonna need a bigger boat(船が小さすぎる)の名台詞。 あそこからずっとクライマックスで面白すぎる…!! 知性を感じさせる得体の知れなさ。樽3個付けても潜る無尽蔵のパワー。 序盤からなかなか姿を…

  • 「デッドゾーン」(映画/原作)…中年が自分の人生を受け入れる切なさみたいなもの

    子供の頃に家族でビデオを鑑賞。その後しばらく経ってから図書館で原作を借りて読みましたが、どっちもめちゃくちゃ面白かったです。 予知能力者というと、筒井康隆の「七瀬ふたたび」に登場した青年のキャラクターがすごく好きだったのですが、見たくもない暗い未来をみては1人抱え込む姿が悲劇的。 想い人と結ばれない結末といい、本作のジョニーの姿となんだか重なりました。 クローネンバーグ作品は先に幾つかみていましたが、強烈な印象を残した「ザ・フライ」や「戦慄の絆」に比べるとかなり大人しめ。 けれど、己の肉体に変化が起きる恐怖、寒々とした景色と共に描かれるアウトサイダーの孤独など、改めてみると〝らしさ〟に満ちてい…

  • 「ゾンビ4」…駄作ゾンビ、驚愕のラストだけなんか凄かった

    「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」の脚本家クラウディオ・フラガッソがメガホンをとった89年の作品。 楽しかった「ヘル・オブ〜」の感動が忘れられず、定価超えしたDVDを買うなんてどうかしてるぜ!!と思いながら、「ゾンビ4」といういい加減なタイトルも気になって仕方なく、ついに鑑賞。 「サンゲリア2」に引き続きそのままフィリピンロケを決行したらしく、なんとなく「サンゲリア2」に似た雰囲気。 なんでもフラガッソ、昼は「ストライク・コマンドー2」、夜はこの「ゾンビ4」を撮るという超過密スケジュールだったそうで… 相当低予算なことが伺えますが、マカロニゾンビ終焉の時代に放たれ、マカロニゾンビにトドメを刺し…

  • 「脱走山脈」…ゾウと大脱走!!ほのぼのムードな異色戦争アドベンチャー

    マイケル・ウィナー監督、オリヴァー・リード主演の69年イギリス映画。 吹替シネマ2021 脱走山脈-2Kレストア版- [Blu-ray] オリヴァー・リード Amazon 「ゾウを連れた連合軍捕虜が脱走」という大戦中の信じられないような実話をベースにつくられた戦争アドベンチャー。 普段あまりみないジャンルの作品ですが、めちゃくちゃ面白かったです。 硬派なアクションシーンもありつつ、ゾウとともに「サウンド・オブ・ミュージック」のような絶景を駆け抜けていく様がどこか牧歌的。 コミカルで爽やかなのに、戦争の愚かさや恐怖もしっかりと伝わってきて、只ならぬものを感じる傑作でした。 ◇◇◇ 第二次世界大戦…

  • 「ヘルバランス」…老いゆく殺人鬼の悲哀を描く異色ジャーロ

    マイケル・ヨーク主演、88年制作のルッジェロ・デオダート監督作。 今年購入したフルチ本の〝イタリア血みどろ職人列伝〟デオダート監督のコーナーでタイトルがあげられていて面白そうだったのを初鑑賞。 前情報なしにみるのが1番な作品かもしれませんが、以下ジャケット写真とともに内容をネタバレ。 早老症の病に罹った主人公が殺人鬼と化す悲劇のホラー。 「犯人がどんどん老けて容姿が変わっていくため、目撃情報と一致せずなかなか捕まえられない」というプロットがとにかく秀逸。 主人公を追う刑事を演じているのはドナルド・プレザンス。音楽はピノ・ドナッジオ。 単なるスリラー映画にとどまらず、年を取ることの辛さ、人生の儚…

  • 「レインディア・ゲーム」…間抜けなベン・アフレックと過ごす愛と裏切りのクリスマス

    2000年公開、ジョン・フランケンハイマーの最後の劇場監督作となったサスペンス・アクション。 レインディア・ゲーム [Blu-ray] べン・アフレック Amazon 1級のエンタメ作品とは言い難くむしろB級風味。 けれどキャストそれぞれの個性が生きていて、まずまずの良質娯楽作に仕上がっていたように思います。 自分はこの映画、クリスマスではなかったと思うけど年末年始シーズンに深夜のテレビでみたような記憶があって、やけに楽しかった憶えがあります。 気忙しい季節にポテチでもつまみながらボーッとみるには最適の映画。 たまーに観たくなる、なんか好きなクリスマス映画でした。 ◇◇◇ 車泥棒の罪で刑務所に…

  • 「暴行列車」…ロロトマシ…胸糞クリスマスなイタリアンホラー

    「死んでいるのは誰?」のアルド・ラド監督による75年のサスペンスホラー。 タイトルからはイロモノっぽい印象を受けますが、意外に侮れない傑作。 Night Train Murders [Blu-ray] Amazon 「鮮血の美学」に便乗して作られたらしく内容が酷似していますが、単なるパクリに終わっておらず、より洗練された印象。 ラストのオリジナル展開は本家を上回る胸糞度でびっくり。 社会派といってはなんだけど、より深みのあるストーリーに仕上がっている気がします。 「サスペリアPART2」のマーシャ・メリルをはじめアルジェント作品でおなじみの俳優がたくさん出演しているのも嬉しいところ。 鬱なクリ…

  • 「バクダッド・カフェ」4Kレストア版を観に行ってきました

    1989年に劇場公開されミニシアターブームの火付け役となった「バグダッド・カフェ」。 この度4Kレストア版が35年ぶりに劇場公開されるとのこと、近くの映画館でも掛かるようだったので早速観に行ってきました。 自分はこの作品、高校生の頃にビデオを借りて深夜ひっそりと1人で鑑賞した記憶があります。 おじいちゃん・おばあちゃんのご夫婦が営まれていた地元の小さなレンタルビデオ店で「おすすめ作品」とシールが貼られていて目立つ位置にあったのを、たまたま借りてみた思い出。(そのビデオ屋さんは町にTSUTAYAが来てまもなく閉店) お話はぼんやりとしか憶えてないのですが、一度聞いたら忘れられない「コーリングユー…

  • 「探偵<スルース>」…男のプライドがぶつかり合う究極の騙し合いゲーム

    「イヴの総て」のジョーゼフ・L・マンキーウィッツ最後の監督作。 傑作ミステリと名高くタイトルだけは知っていたのですが、VHSしか出ておらず長らく鑑賞が困難だった作品。 この度めでたく初ソフト化、Blu-rayを購入して初鑑賞してみました。 吹替シネマCLASSICS 探偵〈スルース〉 -TV吹替音声収録版- [Blu-ray] ローレンス・オリヴィエ Amazon 元は舞台劇だそうですが、名優2人の応酬がとにかく凄い。 軽快な音楽に合わせて名前が出て来るオープニングクレジットがお洒落、ミステリ小説の世界を映し出した紙人形のアートから一気に心掴まれました。 予想がつくところもあったけど、どんでん…

  • ジャーロなローマの休日…!マリオ・バーヴァ「知りすぎた少女」をみてみました

    ジャーロ映画の原点といわれる、マリオ・バーヴァ監督の代表作の1つ。 先月「4匹の蝿」を観に行った際、トークイベントでアルジェントに影響を与えた作品としてあげられていて、気になったのを初鑑賞してみました。 知りすぎた少女 [DVD] キングレコード Amazon アルジェントやフルチが好きだというのにほぼ全く見ていないバーヴァ。 「ザ・ショック」だけ大分前に観たはずなのですが、なぜかあまり記憶に残っていなくて… とっつきにくい作品かと思ったら、小難しいことを考えず思い切り楽しめるサスペンス映画で面白かった…!! 白黒作品でホラーの雰囲気抜群、「歓びの毒牙」「サスペリアPART2」に似ているところ…

  • 「核戦士シャノン」…超能力者と怒りのデスロード!!人間讃歌のラストに悶絶するイタリア製B級SF

    ジョー・ダマト監督による、83年のイタリア製SFアクション。 「サンゲリア」の旅の仲間、「ビヨンド」で死体に脳波計をつけていた謎の医者…フルチ作品の常連俳優アル・クライヴァーが主演だからか、先日発売されたフルチ本で大きく取り上げられていて面白そうだったのを初鑑賞。 「バトルランナー」と「マッドマックス2」と「ニューヨーク1997」を混ぜ合わせたような内容ですが、テンポよくアクションが続く快作。 時々ホラーな場面が出てきてニッコリ、ラストシーンは謎のカッコ良さ…!! チープだけどとても楽しい映画でした。 ◇◇◇ 2025年…核戦争により荒廃した世界。 人々は「デスゲーム」と呼ばれるゲームに熱狂し…

  • 「グラディエーター1」の記憶と「グラディエーター2」を観に行ってきた感想

    2000年に公開された「グラディエーター」の1作目。 グラディエーター [DVD] ラッセル・クロウ Amazon 昨今ではオスカー関連作は授賞式のタイミングに合わせて1月〜3月にかけて公開されることが多い気がしますが、「グラディエーター」は公開当初オスカーとは無縁と思われていたからか、米国では5月公開、日本では6月公開と全くノーマークの作品でした。 「ベン・ハー」が好きだった親が観に行きたいと言って、中学生のころ一緒に連れて行ってもらった思い出。 監督はリドリー・スコットだったけど、リドスコのコスチュームもの「レジェンド/光と闇の伝説」がかなり人を選ぶ作品だったのもあって、そんなに期待値は高…

  • 「歓びの毒牙」元ネタ!?フレドリック・ブラウン「通り魔」を読んでみました

    ダリオ・アルジェントの「歓びの毒牙」の元ネタだと言われている小説、フレドリック・ブラウンの「通り魔」。 前から気になっていたのですが、映画を再鑑賞するタイミングで比較してみようと、図書館を探してあったのを読んでみました。 元はベルナルド・ベルトリッチが持っていた本をアルジェントが借りて大層気に入ったそうで… 原作料は高くて払えずあくまでベースにしたということらしいですが、一体どこまでセーフなのか…いざ読んでみるととてもよく似ていてびっくり。 ブラウンは短編SFが有名な作家さんらしいのですが、しっかりミステリしていてフィルムノワールの雰囲気。 映画を見ていると話の予想はついてしまいますが、映画に…

  • アルジェント動物3部作「4匹の蝿」をみてきました

    今月8日から公開されているダリオ・アルジェントの動物3部作。 1番みたかった「歓びの毒牙」を先週鑑賞できたけど、あとの2作もみたいなあ…でも時間的にどっちか1本しかみれなさそうだなあ…果たしてどっちを選ぶべきか… 「わたしは目撃者」は昔ビデオで見て、その後DVDで鑑賞。 磨きのかかった殺人シーンが楽しく、合間に挟まるカーチェイスシーンなども華麗でユニーク。 けれど全体的にはかなりとっ散らかっていて、面白ポイントが点で味わえる作品といった印象。 「4匹の蝿」は長いことずっとみれていなくて、数年前にDVDで初鑑賞。 ジャーロから超自然の世界へ…アルジェントの進化を感じられるような作品だった気がしま…

  • フリードキンvsアルジェント…!!「クルージング」「歓びの毒牙」をみてきました

    ウィリアム・フリードキンが全米を震撼させた大問題作「クルージング」が11日8日から全国順次公開。 そしてなんと時を同じくして、ダリオ・アルジェントの初期作品である〝動物3部作〟も一挙公開…!! この令和にフリードキンとアルジェントの作品が一気に公開されるなんて…盆と正月が一気に来たような祭り状態。(午前十時の映画祭では「スカーフェイス」もやっていて何だかすごい) 今週はひとまず「クルージング」と3部作の中で1番好きな「歓びの毒牙」をみるのに注力。 週末に2本とも鑑賞することができました。 まずは「クルージング」から。 この作品はTOHOシネマズとか全然似合わなそう(笑)。シネマートさんの大画面…

  • 「イアラ」…追悼楳図かずお先生/時空を超える男女の愛を描く哲学的傑作

    5日のニュースで知りましたが、楳図かずお先生がお亡くなりになられたとのこと。 88歳とご高齢でしたが、一昨年には大美術展で新作もみせてくださっていて、まだまだお元気だとばかり思っていたので寂しいです。 高校生の頃ドラマがやっていた影響で読んだ「漂流教室」の衝撃…子供にも情け容赦ない残酷な世界に驚愕、飢えや病で狂う集団の姿に戦慄。真に迫る未来への危機感、時間を超える母子愛が壮大で圧倒されました。 1番好きだったのは「洗礼」で、どんでん返しに唖然、母と娘の複雑な心理に迫るスリラー。底知れぬ恐怖とともに深く切ない愛を感じて打ちのめされました。 美しく緻密な絵もさることながら、セカイ系の走りのような「…

  • 「シルバー・サドル 新・復讐の用心棒」…子役が天使!!フルチのハートフルマカロニ・ウエスタン

    ジュリアーノ・ジェンマ主演、78年公開、フルチが最後に撮ったマカロニ・ウエスタン。未見だったのを初鑑賞してみました。 シルバー・サドル~新・復讐の用心棒 スペシャル・エディション [DVD] ジュリアーノ・ジェンマ Amazon マカロニ後期の作品ということもあってか、伸び伸びした明るいムード。 ジェンマ本人は最も好きな西部劇だと語っていたのだとか。 フルチのマカロニ3作の中では最もフルチらしさを感じにくい作品でしたが、子役の子供がめちゃくちゃ可愛くてにっこり。 話は意外と考えられていて、クライマックスは突然ジャーロに(笑)。 スッキリしたあっさりめの作品でしたが、楽しくて元気の出る1本でした…

  • 「荒野の処刑」…異色の傑作、無常な死生観が迫るフルチのマカロニ・ウエスタン

    75年公開、ルチオ・フルチが2番目に撮ったマカロニ・ウエスタン。 荒野の処刑 MWX-105 [DVD] ファビオ・テスティ Amazon この作品は前にも観たことがあるのですが、マカロニっぽくなくて、ホラーのフルチのイメージとも違っていてびっくり。 フォークソングみたいな曲がじゃんじゃんかかって、ロードムービーのような雰囲気。かなり変わった映画だったのですが、印象に残っていてなんだか好みの作品でした。 改めて久々にみたら、あら、ビックリする位とってもいい映画…!! 残酷な死が迫ってくる不条理なこの世界を生きていかねばならない切なさ…〝らしくない〟かと思いきや、フルチの死生観が色濃く出ているよ…

  • 「真昼の用心棒」…時々光る残酷描写…!!フルチのマカロニ・ウエスタン第1作目

    先月、別冊映画秘宝でなんとルチオ・フルチ本が発売…!! ネットで品切れになったりしていたようですが、ヨドバシで無事購入することができて、まずはざっと一気読み。 そのあと少しずつじっくり読ませてもらっています。 (裏表紙も最高だぁ〜♫) フルチの経歴から始まって時系列順に作品が取り上げられていて、とても読みやすい。 これまでもBlu-rayの特典映像やドキュメンタリーでフルチのバックグラウンドを知れる機会はあったものの、話が飛び飛びでエピソードがぶつ切り…この本は初心者にはとっても有難いです。 世間一般には評価が低くあまりスポットの当たらない晩年の作品も俄然みたくなりました。 フルチ以外のイタリ…

  • 「ALIENS ビショップ」…2好きには堪らない!!ライトでよく出来たスピンオフ小説

    先月「エイリアン:ロムルス」を鑑賞した劇場で関連書籍コーナーが設置されていたのですが、オリジナル小説「ビショップ」が気になってしまい、読んでみました。 ALIENS ビショップ 作者:T・R・ナッパー 竹書房 Amazon 本国でも発売されたのは2023年の12月とかなり最近に出版された本。 全500ページとボリュームがありそうでしたが、内容は思ったよりもライトで読みやすかったです。 「エイリアン3」で永久に停止したはずのビショップが、生みの親であるマイケル・ビショップによって新たな身体を与えられ復活。 ビショップが有しているエイリアンに関するデータには値千金の価値があると、植民地海兵隊、ユタ…

  • 「真夜中の狂気」…デヴィッド・ヘス大暴走、デオダート監督のエロティック・サスペンス

    「食人族」のルッジェロ・デオダート監督によるエロティック・サスペンス。 真夜中の狂気 [Blu-ray] デヴィッド・A・ヘス Amazon 取り上げる順が逆になってしまいましたが、「ブラディ・キャンプ」より公開年はこちらが先。 デヴィッド・ヘスが「鮮血の美学」を思わせるレイプ魔を熱演しているらしく、とても面白そうなのを初鑑賞してみました。 女優さんが脱ぎまくり、ヘスの変態演技が炸裂…とこれまたすんごい映画でありました。 ◇◇◇ 夜のニューヨーク。ショートカット美女の後をつける不審な男。 男は車に乗り込んで女性を暴行し、激しく首を締めつけます。 リズ・オルトラーニの甘美なメロディが流れる中での…

  • 「ブラディ・キャンプ/皆殺しの森」…アメリカンでイタリアン!?ジャーロな雰囲気の楽しいスラッシャーホラー

    「食人族」のルッジェロ・デオダート監督による86年のスラッシャー映画。 全く予測のつかない珍展開、景気よく鳴り響くクラウディオ・シモネッティの音楽…アメリカのティーンスラッシャー映画とジャーロが融合したような不思議なムード。 若者たちが訪れるのがデヴィッド・ヘスとミムジー・ファーマーの夫婦が営むキャンプ場…ともう嫌な予感しかしません(笑)。 とっ散らかっていてクセありまくりの1本ですが、個人的にはとっても楽しい作品でした。 ◇◇◇ コロラド州の人里離れたキャンプ地に、ロバート&ジュリア夫妻と息子のベンが引っ越して来ました。 この土地はかつてインディアンの呪術師の墓場だったらしく、シャーマンの霊…

  • 刑事マルティン・ベック「テロリスト」…シリーズイチのスケール感、大団円を迎える最終作

    スウェーデン至高の警察小説、マルティン・ベックシリーズの最後を飾る第10作目。 今回は殺人事件ではなく、政治家を警護する任務に就くベック。 おなじみのメンバー、過去に登場したキャラクターたちが続々と集結。 地味な聞き込み捜査と渋い人間ドラマが好き…という人間には、ちょっと毛色の違うエピソードになっていましたが、最終作だからか動的な場面の多いスケールの大きな作品。 終わり方は意外とあっけなく淡々としていますが、でもそんなところもこのシリーズらしく、10作読み終えて感慨深いものが残る最終巻でした。 ◇◇◇ タカ派で知られるアメリカ上院議員がスウェーデンを訪問。 無能上司や事なかれ主義の上層部に頼ま…

  • 刑事マルティン・ベック「警官殺し」…警察官の苦悩と良心に迫るシリーズ第9作目

    平和な田舎町で発見された女性の全裸死体。 ベックは被害者宅の近くに「ロセアンナ」殺しの犯人、ベングドソンが住んでいることを知る。 前科者が犯人に違いないと上層部から強引な逮捕を迫られるベックだったが… 今年から月イチで読み続けてきた、スウェーデン至高の警察小説、刑事マルティン・ベックシリーズ。 ここへきて第1作目に出てきた犯人が再登場するという波乱の展開に、そう来るか…!!と唸らされました。 いつになく平和な田舎町が舞台で、殺人事件が起きてもどこか牧歌的な雰囲気。 ベックの案内役となる地元の警察官オーライさんが朴訥な人柄で大変魅力的なキャラクター。 女性絡みには疎いところがあるけど、それを指摘…

  • 「エイリアンネーター」…マッティ&フラガッソ、驚愕のイタリア製パチエイリアン

    ブルーノ・マッティ監督、クラウディオ・フラガッソ脚本。「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」のコンビによる89年の作品。 Terminator 2 DVD 1990 Shocking Dark Amazon 本家に先駆けて「ターミネーター2」のタイトルでアメリカで公開しようとして問題になったのだとか(笑)。 一見馬鹿げているように思える邦題「エイリアンネーター」はズバリ作品内容そのものを表していて、エイリアンとターミネーターが同時に襲ってくるという驚愕の作品でありました。 ◇◇◇ 近未来、環境汚染により荒廃したベニス。 生き残った人々はシェルターで生活していました。 ある日水質改善にあたっていた研…

  • 「プロメテウス」「エイリアン:コヴェナント」…リドスコやりたい放題!!拗らせアンドロイドの大暴走

    シリーズものをしっかり追いかけない緩い人間なのと、この頃映画をあまり観れていなかったのと…色々あって見逃していた2作品を今更初鑑賞。 ロムルスは優等生が心配りを尽くしたような良作だったけど、こっちはリドリー・スコットが「エイリアンはワシのじゃ!!」とやりたい放題した感じ(笑)。 「プロメテウス」は壮大なSFオーラがあって映像が素晴らしかったですが、「コヴェナント」はかなりめちゃくちゃ…でも大金かけたトンデモB級ホラーみたいでオモロかったです。 人間でもエイリアンでもなく、イケメンアンドロイドが主役というのにびっくりの2作でありました。 ◆「プロメテウス」 プロメテウス [DVD] ノオミ・ラパ…

  • 「エイリアン」1~4のぼんやりした感想と思い出

    ロムルスをみて久々に「エイリアン」いいなあとなったので… みた順番や思い出補正もありますが、どれが1番好きか…各作品のぼんやりした感想と思い出を呟いてみたいと思います。 ◆「エイリアン2」 エイリアン2 Sigourney Weaver Amazon 順序が逆になってしまいますが、自分が子供の頃よくテレビ放映されていたのが2。初めて見たのも2でした。 SFホラーの1に比べてアクションに振り切った作品ですが、子供の頃は2もめちゃくちゃ怖かった。 荒廃した施設で1人生き延びていたニュートの姿をみただけで、自分じゃとても生きられてないわと戦慄(笑)。 閉塞感と恐怖が同時に襲ってくる、ダクトを移動する…

  • 「エイリアン:ロムルス」…シリーズリスペクトの良作、後半から一気に面白かった

    ズボラ人間でシリーズ物をきちんと追いかけていないのですが…評判がよさそうで面白いとのこと、「エイリアン:ロムルス」を観に行ってきました。 1〜4は鑑賞済み、「プロメテウス」と「コヴェナント」は未見のまま。 時系列的には1と2の間を描いた作品らしく、復習のため1と2を大急ぎで鑑賞。 予習せずに本作からみても楽しめる内容になっていましたが、過去作とのリンクは色々あってリスペクト満載。 主人公2人以外のキャラクターに魅力がないのが残念でしたが、後半に行くほど大盛り上がりで、自分的には大変満足な良作でありました。 (以下ネタバレ) 1でリプリーが宇宙空間に放ったエイリアンがまだ生きていてユタニ社の宇宙…

  • 「スプリット・セカンド」…ルトガー・ハウアーvsエイリアン!?ジャンルごった煮のゴキゲンB級ムービー

    ルトガー・ハウアー主演、「バーニング」のトニー・メイラム監督による92年のSFホラーアクション。 2008年…温暖化と異常気象により水没したロンドン。 警官ハーリー・ストーンは3年前に相棒を惨殺した殺人鬼を追い続けていた。 新月の日、犠牲者の心臓をくり抜く謎の殺人鬼の正体は… 時々水浸しの道路が出てくるけど、水没しているようには見えないロンドン。 革のロングコートにサングラスでキメたルトガー・ハウアーと、何となく薄暗い町の雰囲気で近未来感を出そうとする荒技(笑)。 でもこれが意外に功を奏していて中々いいムードであります。 殺人現場は壁が血まみれになっているなどかなり凄惨。 五芒星のような謎のマ…

  • ホラー秘宝まつり2024「デリリウム」を観てきました

    72年制作、レナート・ポルセッリ監督によるイタリアの異色ジャーロ。 デリリウム [DVD] ミッキー・ハガティー Amazon DVDがAmazonだと18,000円くらいになっていてレアな作品っぽいのですが、かなり人を選びそうな1本。 難解で退屈な作品かも…とやや期待薄で鑑賞に臨んだのですが、自分的にはめちゃくちゃ楽しくて102分があっという間でした。 入場特典でいただいたポストカード。犯人は足フェチ…!! 高名な心理学者のリュータック教授は、妻マルツィアと深く愛し合っていましたが、インポ。 拗らせた教授はミニスカートの女性を襲う殺人鬼となってしまいます。 それを知ったマルツィアは愛する夫の…

  • ホラー秘宝まつり2024「メサイア・オブ・デッド」を観てきました

    8月末から開催のホラー秘宝まつり。 昨年「オペラ座 血の喝采」が上映されるのを知って観に行きたかったのですが、スケジュールが合わず断念。 今年は「メサイア・オブ・デッド」「悪魔のしたたり」「デリリウム」の変態ホラー3本が上映されるとのこと。すごいマニアックな選出…!! 前からタイトルだけは知っていて観たいと思っていた「メサイア・オブ・デッド」をみてきました。 消息を絶った父親を追って海沿いの小さな町を訪れたアルレッティ。やがて奇妙な人々に取り囲われ、自身も正気を失っていく… ストーリーは短編ホラーのようなシンプルな内容ですが、「ゾンゲリア」のような寂寞感が立ち込めていて大変好み。 雰囲気や色彩…

  • 「呪われた修道院」…怒涛のてんこ盛り!!マッティ&フラガッソ、初タッグ作

    「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」の監督ブルーノ・マッティと脚本家クラウディオ・フラガッソがホラーで初タッグを組んだ81年の作品。 Other Hell / [DVD] [Import] Carlo de Mejo Amazon 昨年購入した「ヘルオブ」パンフレットで解説されていて気になっていたのを初鑑賞してみました。 閉鎖的な修道院で起こる怪事件…神父がお祓いに訪れるとそこには悪魔の子が… 「サスペリア」「エクソシスト」「オーメン」を混ぜ合わせたようなプロット。 時折「サスペリア2」が混ざってきてクライマックスは「キャリー」に… さすがこのコンビの作品だわ(笑)とその節操の無さに絶句。 「ヘ…

  • 刑事マルティン・ベック「密室」…ブラックユーモア満載!?異色のシリーズ第8作目

    銃槍も癒え15ヶ月ぶりに登庁したベックは、アパートの一室で胸部を撃ち抜かれた老人の変死事件を任される。 警察は自殺だと判断を下していたが、それは杜撰な捜査によるもので、そもそも拳銃が室内になかったことが後から発覚。 一方コルベリとラーソンは連続強盗事件の捜査に駆り出され、ギャングたちの計画を事前に入手。大掛かりな逮捕作戦が始動するが… スウェーデン至高の警察小説、刑事マルティン・ベックシリーズの第8作目。 密室殺人と銀行強盗という2つの事件が交わる大掛かりなプロットですが、話の繋ぎがいつもより粗め。 いつにも増して警察の無能っぷりが描かれているも、ドタバタ劇のような有様でこれは好みが別れるかも…

  • 「恋するプリテンダー」…懐かし90年代!?お馬鹿ラブコメのようで秀逸な傑作

    「ツイスターズ」のグレン・パウエル主演、昨年全米で大ヒットしたラブコメらしく気になったのを観てみました。 恋するプリテンダー シドニー・スウィーニー Amazon 深夜に声出して爆笑、めちゃくちゃオモロかったです。 お互いの目的のために恋人同士のふりをすることになった2人がいつしか本当の恋に… 「いつの時代の映画やねん!!」とツッコミたくなるような古臭すぎるストーリー(笑)。 でもこれが見てみると筋運びが上手くて思った以上に話がよく出来ていました。 90年代ラブコメのような突きつけた明るさがありつつ、今風に洗練されてる部分もあって、おバカ映画のようで実はかなりの傑作なのでは…意外に侮れない1本…

  • 「ツイスターズ」…爽やかロマンス、あっさり優等生なディザスタームービー

    お盆休み。色々観たい作品があったのですが、頭空っぽで楽しめる映画がみたい…ということで評判が良さそうな「ツイスターズ」を観に行ってきました。 96年の「ツイスター」は子供の頃ビデオで観た記憶があるのですが、とにかく「スピード」のヤン・デ・ボンの最新作というので期待値が上がりまくり。 ハードルをあげてみたせいもあるのか、イマイチだった印象があります。 今回前作を全く覚えていない状態で鑑賞に臨みましたが、それでも問題なし!! しかしバカっぽいエンタメ映画を期待していたら、配慮があって優しくて整ってて…思っていたような作品ではなかった気がするけど、綺麗にまとまっていて面白かったです。 後半もうちょっ…

  • 「燃える昆虫軍団」…傑作な前半とグダグダな後半、それでもなんか凄い映画

    今期のホラーマニアックスのリリースタイトル。 76年のパニックホラーでこのジャンルの有名タイトルだと思いますが、未見だったのを初鑑賞。 ホラー・マニアックス第14期 燃える昆虫軍団 -HDリマスター版- [Blu-ray] ブラッドフォード・ディルマン,ジョアンナ・マイルズ,リチャード・ギリランド,ジェイミー・スミス・ジャクソン Amazon 大きい怪物が出てくる作品もいいけど、「フェイズⅣ」とか「スクワーム」みたいに大量の小さい生き物に襲われるやつもいいよね…と思っていたら、虫のサイズが思ったよりデカい(笑)。 前半と後半で大きくトーンが違っていてびっくりでしたが、見応えは抜群の作品でありま…

  • 「バッドムーン」…狼男vs忠犬シェパード…!!犬視点の異色狼人間ホラー

    「ヒッチャー」脚本のエリック・レッドが監督、マイケル・パレ主演。狼男とワンちゃんが対決を繰り広げるB級ホラー。 Bad Moon / [Blu-ray] [Import] CINEDIGM Amazon 96年にこんな作品があったのか…!!面白そうなのを初鑑賞してみました。 ◇◇◇ ネパールに取材旅行に出かけたテッドは恋人と激しく愛し合ってる最中、突然狼人間の襲撃に遭います。 ショットガンで脳天をブチ抜くも、恋人は目の前で死亡、自身も咬まれて傷を負ってしまいます。 数ヶ月後…帰国したテッドは人を避けるようにトレーラーハウスで1人暮らしていました。 しかし人恋しくなったのか姉ジャネットとその息子…

  • クジョー??クージョ!!圧倒的傑作のキング原作と、良作アニマルホラーな映画版

    炎天下、故障した車に閉じ込められた母親と4歳の息子。狂犬病となった体重約90キロのセントバーナードが2人を襲う… 自分の中で犬ホラーといえばこれ。 犬に襲われるパートは小説の後半と意外に滑り出しが遅め。 なかなかトラックが走り出さない「恐怖の報酬」のようでありますが、登場人物の日常が描かれる前半パートから濃厚でグイグイ引き込まれていきます。 原作小説と映画で結末が違っていて、本は非常に後味が悪いのですが、そこにある種の誠実さも感じて、胸に迫る作品でありました。 ◇◇◇ 専業主婦のドナは、夫の知らぬ間に近所の便利屋の男と浮気。 愚かで身勝手な女性ですが、こんな主人公であっても大いに感情移入させる…

  • 刑事マルティン・ベック「唾棄すべき男」…警察組織の腐敗を描く、シンプルで動的なシリーズ第7作目

    スウェーデン発至高の警察小説と名高い、刑事マルティン・ベックシリーズ。 自分は昨年7作目の映画化作品を鑑賞してから原作を1作目から読み始めたので、今回でやっと追いついた感じ。 dounagadachs.hatenablog.com 他エピソードの方が人気そうなのに、なんでこの7作目を映画にしたんだろう…と思ってましたが、シリーズを追って読むとこの回が1番映像化しやすかったのだと納得。 登場人物が少なく、いつもは複数ある捜査線が1つに絞られていてストーリーがシンプル。後半に展開するアクションがいかにも映画向き。 映画版は原作の空気感を見事に再現していたんだなあ…と改めてその出来栄えに感心しつつ、…

  • 「落下の解剖学」…男女逆転のバイアス、静かな大どんでん返しのラスト

    カンヌでパルムドール受賞、オスカーにもノミネートされていた話題のフランス製法廷スリラー。 2月に公開されていたのを観に行けずでしたが、U-NEXTで配信が来ていたので早速観てみました。 落下の解剖学 [Blu-ray] ザンドラ・ヒュラー Amazon フランスの山荘で不可解な転落死をした夫。 ドイツ人作家の妻が犯人だと疑われるが、有力な証拠は見つからない。 事件当日現場付近にいたのは11歳の息子だが、彼は視覚障害を抱えていた… 出てくる登場人物が皆本当のことを言っているのか、嘘を言っているのか分からない、「ヘイトフル・エイト」のような疑心暗鬼サスペンスしつつ、夫婦関係や親子関係を描いた重厚な…

  • ダリオ・アルジェント ドキュメンタリー「PANICO」を観に行ってきました

    新宿シネマカリテで今月から開催されている映画フェス「カリコレ」にて、ダリオ・アルジェントのドキュメンタリー「PANICO」が上映されるとのこと。 7回ある上映のうち土日は今週のみでしたが、無事チケットを入手できたので観に行ってきました。 2023年制作の作品で、監督は「フルチ・フォー・フェイク」のサイモン・スカフィディ。 以前みたフルチのドキュメンタリーは〝フルチ役を演じることになった男性が途中フルチに扮しつつ本人像に迫っていく”…という凝ったつくりになっていて、自分はまどろっこしい感じがしてノリにくかったのですが、今作はもっとシンプル。 新作の脚本を執筆するアルジェントにカメラが同行し、本人…

  • 「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」…不器用で誠実なおっさん主人公が愛おしかった

    今年のオスカー作品賞候補だったアレクサンダー・ペイン監督作。 評判がかなりいいみたいで、近くの映画館でもまだ上映していたので観に行ってきました。 オスカー関連作って2月〜3月に公開されてるイメージだけど、なぜか本作は6月公開とかなり遅め。 クリスマスシーズンのお話なので、なんでこんな暑い時期にと思ってしまいましたが(笑)。 冒頭のユニバーサルのロゴからレトロなデザインになっていて、作品全体がアメリカンニューシネマのような雰囲気。 ラストになんとも言えない余韻が残って、地味なおっさん主人公に愛しさが込み上げる…静かだけれどとても良い作品でした。 ◇◇◇ 1970年のクリスマス、全寮制男子校のバー…

  • 「未確認生命体 MAX」/Man's Best Friend…犬がかわいいライトなアニマルホラー

    わんわん!! [北米版DVD リージョンコード1] MAN'S BEST FRIEND (1993) New Line Home Video Amazon 「チャイルド・プレイ2」のジョン・ラフィアが手がけた93年のアニマルパニックホラー。 コメント欄で教えていただいて面白そうなのを観てみました。 VHSや輸入版のジャケットをみるとシリアスホラーっぽい印象ですが、カラッとした80年代っぽい雰囲気で良い意味でB級映画。 可愛いワンちゃんがたくさん登場して、犬好きにはとても楽しいライトなホラーになっていました。 ◇◇◇ 犬は人類の最良の友… 人間に寄り添う犬の姿を描いた中世絵画がハイテンポで映し出…

  • 「夕暮れにベルが鳴る」…スクリーム+ハロウィン!?静かに怖い異色スラッシャー

    「スクリーム」のパンフレットにて鷲巣義明さんが元ネタとして解説されていた79年のホラー。 When a Stranger Calls Amazon 74年に「暗闇にベルが鳴る」という作品があって、スラッシャーものの先駆的作品として知られていますが、おそらく本作も「暗闇~」に影響を受けたであろう作品。 電話をキーアイテムとして使っている点が2作品共通していますが、邦題もおそらく「暗闇~」に便乗して付けられたのではないかと思われます。 ヒロインが不気味な男と電話で応酬する冒頭20分が迫真…!!(スクリームの冒頭と確かに一致) 中盤以降は犯人視点のドラマに切り替わり、緊迫感はグッと落ちてしまいますが…

  • 宝物パンフレットと映画「スクリーム」の思い出

    自分がリアルタイムでみたスラッシャー映画といえばこれかも… スクリーム [Blu-ray] デイヴィッド・アークェット Amazon 子供の頃行くのが楽しみだった近所で1番大きなレンタルビデオ店。 新作入荷のコーナーに「全米で大ヒット、口コミで大評判」みたいな言葉が載ったポップが掲載されていて… 映画好きの親は格別ホラーが好きというわけではなかったけれど、店の一押しなら面白そうだと借りて帰った1本でありました。 ドリュー・バリモアの顔がジャケットに大きめで載っていたので、彼女が主役なのかなと思っていたのですが… スピード感溢れる冒頭の電話シーンからビビりまくり…!!主人公だと思っていたドリュー…

  • 「血のバレンタイン」…アンカット版→全米公開版で初鑑賞、血みどろホラーで素晴らしかった…!!

    タイトルは知っていたけど未見だった80年代スラッシャームービー。 大当たりに違いないとスティングレイさんから発売されたBlu-rayを購入、初鑑賞してみました。 血のバレンタイン Blu-ray2枚組 超・特別版 [Blu-ray] ポール・ケルマン Amazon 期待を裏切らない出来でめちゃくちゃ面白かった…!! 炭鉱の小さな町というロケーションの素晴らしさ。独創性溢れる殺しの手口と、ギョッとなる死体の見せ方。 不気味な殺人鬼のビジュアルに、犯人予想のワクワク感。 多少強引な部分もあるものの、最初から最後まで安定して見やすい作品になっていて、大当たりの1本でした。 ◇◇◇バレンタインデーのお…

  • 「大砂塵」…女同士の熾烈な争い、ホラーテイストな異色西部劇

    「理由なき反抗」のニコラス・レイ監督、ジョーン・クロフォード主演の54年西部劇。 アメリカの西部劇って普段あまりみないジャンルなのですが、レオーネの「ウエスタン」の元ネタと言われる作品の1つらしく、気になっていたのを観てみました。 大砂塵(スペシャル・プライス) [DVD] ジョーン・クロフォード Amazon 女性が主人公で、鉄道敷設という大きな時代の変わり目を背景にしている…「ウエスタン」と共通点はあるものの、作品自体はあまり似ておらず。 主演女優2人の迫力が半端なく、ホラー映画から抜け出て来たような人たちで、なんだか怖かった(笑)。 村の黒ずくめ集団がよそ者を追い立てるわ、嫉妬に狂った女…

  • 「小さな巨人」…壮大なホラ話!?どっちつかずな主人公と旅する西部開拓時代

    アーサー・ペン監督、ダスティン・ホフマン主演の70年公開作品。 何気にずっと未見だったのを初鑑賞してみました。 小さな巨人 [DVD] ダスティン・ホフマン Amazon ジャケ写をみるとフェイ・ダナウェイとダブル主演のようにみえますが、ゲスト的な出演でびっくり。 内容は全然違うけど「フォレスト・ガンプ」や「ベンジャミン・バトン」に似た雰囲気で、夢のような1人の男の人生を追っていくストーリー。 同時に先住民を虐殺した白人の蛮行などアメリカの歴史の暗部が描かれていきますが、「本当のことを語っているのか分からない主人公」からおとぎ話めいた口調で語られていき、それが只ならぬ雰囲気を醸しています。 意…

  • 刑事マルティン・ベック「サボイ・ホテルの殺人」…格差社会を描く陰鬱ムードなシリーズ第6作目

    角川文庫で刊行されたのが5作目の「消えた消防車」までだったので、旧約版を入手して第6作目を読了。 読みにくいかと危惧していましたが杞憂で、むしろ硬派な文体が作品の雰囲気にマッチ。 「モンソン→モーンソン」などキャラの名前の表記に差がありつつも、違和感なくスラスラと読むことができました。 ◇◇◇ 華やかなサボイ・ホテルの晩餐会。 実業界の大物パルムグレンがスピーチの最中、突然何者かに撃たれた。 過激派の仕業か、企業間の内紛か、それとも狂人か… 誰1人犯人の姿を憶えているものはおらず、捜査は困難を極めるが、やがてこの大資本家の冷酷な面が次々に暴かれていく… 目の前で堂々と犯行が行われたにも関わらず…

  • 「悪魔の狂暴パニック」…暴れるハゲを追え!!ユーモア炸裂のお楽しみホラー

    「スクワーム」のジェフ・リーバーマン監督による77年ホラー。 ホラー・マニアックス第14期 悪魔の狂暴パニック-4Kレストア版- [Blu-ray] ザルマン・キング ,デボラ・ウィンタース ,マーク・ゴダード ,ロバート・ウォーデン Amazon 今期のホラーマニアックスでリリースされていたのを遅ればせながら購入。未見だったのを初鑑賞してみました。 狂暴化したハゲをショーン・ペン似の主人公が追いかけるストーリー。 この監督、独特のユーモアのセンスでやっぱりオモロいです。 エンタメホラーしつつ同時に人を突き放したような鋭い目線があって、とても楽しい1本になっていました。 ◇◇◇ 夜空に浮かび上…

  • 「スクワーム」…ゴカイよりも胸に迫る、南部の青年の孤独と怒り

    ジェフ・リーバーマン監督、リック・ベイカーが特殊メイクを手がけた76年のアニマルパニックホラー。 スクワーム -HDリマスター版- [Blu-ray] ドン・スカーディノ Amazon 子供の頃レンタルビデオ店で目にしてインパクト絶大だったジャケット。 映画雑誌でも紹介されていたことがあって、ミミズまみれでなんちゅー映画やねん、と思っていましたが… 登場するのはミミズではなく正しくはゴカイ。 この手の生き物が生理的嫌悪を催すのは間違いないのですが、B級ゲテモノホラーかと思いきや意外にしっかりした作り。 南部の田舎町を舞台にじっとり〝人間〟が描かれていて、侮れない傑作でありました。 ◇◇◇ アメ…

  • 「ヒーロー/靴をなくした天使」…クズ野郎がみせる善性、シニカルでハートウォーミングな90年代コメディ

    ダスティン・ホフマン主演、スティーヴン・フリアーズ監督の92年公開アメリカ映画。 ヒーロー 靴をなくした天使 [DVD] ダスティン・ホフマン Amazon 子供の頃テレビ放送でみたのだと思いますが、いいかげんなおっさん主人公がオモロくて、ドタバタ劇に爆笑。 公開当時興行的に振るわなかったらしく、好みが分かれる作品かもしれませんが、シニカルさとハートウォーミングさがいい感じに同居。 メディアや大衆の愚かさの描き方もよく出来ていて、大人になってみても面白い、大好きな作品でした。 ◇◇◇ コソ泥のバーニーは裁判所から収監命令を待つ身。 国選弁護人の財布から金をくすねるわ、息子が届けようとした落とし…

  • 「真夜中のカーボーイ」…ラストの喪失感、現実と向き合う主人公に感じる希望

    子供の頃感動的な映画を観ても泣くことがなかった自分が号泣した映画が2本あって、それが「ポセイドン・アドベンチャー」とこの「真夜中のカーボーイ」でした。 真夜中のカーボーイ [DVD] ジョン・ボイド Amazon 映画好きだった親が「卒業」と「俺たちに明日はない」を見せてくれて、アメリカンニューシネマというジャンルがあることを知り、小学校の終わり頃だったかビデオでみた1本だったと思います。 ダスティン・ホフマンは既に知っている俳優さんだったけど、この映画の姿にはびっくり。 足の悪いセコセコと動き回る詐欺師のようなホームレス…「ホンモノだ…!!」と思ってしまうようなリアルさで、汗をじっとり肌に浮…

  • 「刑事マルティン・ベック 消えた消防車」…ラーソン活躍回、各キャラの個性際立つシリーズ5作目

    厳寒のストックホルム。警察が監視中のアパートが突如、爆発炎上した。 任務についていたラーソン警部補は住人を救うべく孤軍奮闘するが、出動したはずの消防車が一向に到着しない。 焼死者の中にはある事件の容疑者が含まれていた… 刑事マルティン・ベック 消えた消防車 (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー,柳沢 由実子 KADOKAWA Amazon 群像劇的に様々なキャラクターが登場する刑事マルティン・ベックシリーズ。 今作は際立って主人公の影が薄く、他キャラクターの活躍が楽しい回になっていました。 ◇◇◇ 大火事から始まる動的なオープニング。 大人しめ&内省的なベックとは対照的な…

  • 「ナイトメア」…病みまくりムードが堪らない80年代ホラー

    今期のホラーマニアックスシリーズ、知らない作品が多いのですが、2月に買った「キルボット」が大当たり。 もう1つジャケ写がすごーく気になってしまったのがあって… ホラー・マニアックス第14期 ナイトメア -4Kレストア最長版- [Blu-ray] ベアード・スタッフォード,シャロン・スミス,C・J・クック,マイク・クリッベン Amazon 少年が首チョンパしてる刺激的すぎるジャケット。 監督はイタリア出身のロマノ・スカヴォリーニ。 特殊効果はトム・サヴィーニが関わったとか関わってないとか一悶着あった作品のようで… 冒頭からのショックシーンが壮絶ですが、全体的にはじっとりしたムード。 監督がイタリ…

  • 「アライバル2」…チャーリー・シーン不在、ショボさに絶句のトンデモ続編

    チャーリー・シーン主演、「逃亡者」「ワーロック」のデヴィッド・トゥーヒー監督&脚本の96年のSF映画「アライバル/侵略者」。 dounagadachs.hatenablog.com 以前はよくテレビ放映もされていたように思いますが、今や知る人ぞ知る作品でしょうか… 地球温暖化という題材をいち早く取り入れたサスペンスフルな脚本、汗だく&ガンギマリの眼で全力疾走するチャーリー・シーン… 「V ビジター」「ゼイリブ」などと同じ〝静かなる侵略系SF〟ですが、自分はこの作品を先に観たというのもあってか強く印象に残っていて、光るB級映画でありました。 配信は各所でされているようなものの、長らく古ーいDVD…

  • 「誕生日はもう来ない」…まさかの大どんでん返し…!!ジャーロ風味な80年代スラッシャー映画

    ラストが衝撃的なホラーとして有名な作品。 タイトルだけは知っていて気になっていたのを初鑑賞してみました。 誕生日はもう来ない [DVD] メリッサ・スー・アンダーソン Amazon ジャケットはチープな感じですが、監督は「ナバロンの要塞」「恐怖の岬」のJ・リー・トンプソン。 主演は「大草原の小さな家」でお姉ちゃん・メアリーを演じていたメリッサ・スー・アンダーソン。 大どんでん返しに賛否両論あるようですが、イタリアのホラーをみる人間には矛盾点は大きな減点材料にはならない(笑)。 むしろ凝ってよく作られたホラーだなーと感心、ジャーロっぽい雰囲気で個人的には大変好みの作品でした。 ◇◇◇ バージニア…

  • 「ナイトメア・シティ」…疾走するゾンビとびっくり仰天のラスト

    イタリア・スペイン合作、「人喰族」のウンベルト・レンツィ監督による80年ホラー。 ナイトメア・シティ デジタル・リマスター版 [DVD] ヒューゴ・スティグリッツ Amazon 知能派ゾンビが登場する「ゾンビ3」と比べられることが多く、気になっていたのを初鑑賞してみましたが… ナイフも銃もお手のもの、猛ダッシュで動くゾンビにびっくり(笑)。 設定的には〝放射能汚染で血を求めるようになった人間〟らしく、厳密にはゾンビといえないのかもしれませんが、「バタリアン」「28日後」などの先を行っていたのではないかと思う斬新なゾンビものでありました。 ◇◇◇ 核物理学者・ハーゲンベック教授を取材するため空港…

  • 「続・夕陽のガンマン」…完全版178分と国際版162分の違いを探してみた

    先日4K復元版を劇場鑑賞、興奮冷めやらぬ素晴らしさだった「続・夕陽のガンマン」。 dounagadachs.hatenablog.com 先日上映されたのは178分の完全版でしたが、自分が初めて観たのは〝国際版〟と呼ばれる162分版。 〝夕陽コレクターズBOX〟で完全版を鑑賞した際にはテンポの良さが損なわれていて長く感じたのですが、劇場で観ると映像の迫力に圧倒されて全く気になりませんでした。 でも久々に短いバージョンが観たい…!! 自分が所持しているのは夕陽コレクターズDVD-BOXとBlu-ray-BOXで、こちらに収録されているのはどちらも完全版。 収録時間が〝162分〟と記載されているこ…

  • 「マシンガン・パニック/笑う警官」…マルティン・ベック映画化作品、完全に別物でなんじゃこりゃ⁉

    スウェーデンの警察小説、マルティン・ベックシリーズの最高傑作として名高い第4作目「笑う警官」。 なんとウォルター・マッソー主演でアメリカで映画化されているとのこと。 マシンガン・パニック/笑う警官 [DVD] ウォルター・マッソー Amazon 「サブウェイ・パニック」に便乗したかのような邦題ですが、制作されたのは73年とこちらが先のようです。 スウェーデン独特の寒々しい雰囲気ってアメリカ映画だと出すのが難しそう…自分はフィンチャーの「ドラゴンタトゥーの女」も物足りなく感じてしまって、観る前から嫌な予感がするなーと思ったら、清々しい位別モノになっていてびっくり(笑)。 舞台はサンフランシスコ。…

  • 刑事マルティン・ベック「笑う警官」…シリーズ最高傑作の呼び声高い第4作目

    警察小説の金字塔と呼ばれるマルティン・ベックシリーズの中でエドガー賞を受賞しており、最高傑作の呼び声が高い第4作目。 刑事マルティン・ベック 笑う警官 (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー 角川書店 Amazon 新訳シリーズとして刊行された角川文庫は1作目「ロセアンナ」からではなく、この4作目から出版していることからしても、1番人気の作品であることが伺えますが、個人的には1から順番に読んでいってよかったと思う次第。 群像劇要素の強いこのシリーズ、個々のキャラクターを掴んでこその面白さがあって、特に本作は〝1〟で登場した警察官がキーパーソンなっていることもあり、順番に読ま…

  • 「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」を午前十時の映画祭でみてきました

    午前十時の映画祭、今シーズンのトップバッターはインディ・ジョーンズ3作が1週間ごとに1作ずつ上映。 ゴールデンウィークは「ティファニーで朝食を」が2週上映になっていて、インディの方を連休に長めにやってくれや…この忙しい時期にドル3部作とも上映期間が重なってなかなか厳しい…と思ったけれど、なんとか1番好きな「魔宮の伝説」だけ観に行ってきました。 自分にとって「魔宮の伝説」は子供の頃テレビ放映で観て夢中になった作品。 日本語吹替で脳内再生されてしまうので、今回字幕でみるのが大変新鮮でありました。 ショート役のキー・ホイ・クァン、こんなに子供らしい高い声だったのか…とびっくり。 田中真弓さんのショー…

  • 「群盗荒野を裂く」…革命と友情、異色マカロニ・ウエスタンの傑作

    ジャン・マリア・ボロンテ主演、社会派監督として名高いダミアーノ・ダミアーニ監督による66年のマカロニ・ウエスタン。 プレミアムプライス版 群盗荒野を裂く HDマスター版《数量限定版》 [DVD] ジャン・マリア・ヴォロンテ Amazon ボロンテが「夕陽のガンマン」とまったく異なるイメージの役を演じているらしく、未見だったのを初鑑賞。 格好いいガンファイトなどはなくあまりマカロニらしくない作品だったけど、すごく面白かった…!! メキシコ革命を舞台にした作品で、奥深い。 スピーディにアクションが展開する娯楽作でありつつ、ストーリーは二転三転してサスペンスフル。 「ワイルドバンチ」が好きな人には絶…

  • ドル3部作「続・夕陽のガンマン」4K復元版を観てきました

    ♫アアアアアー 自分の人生のベストの1本、「続・夕陽のガンマン」4K復元版を劇場で観てきました。 大音量で響く黄金のエクスタシー、三角決闘の圧巻の景色…何もかも最高でありました!! 自分が「続夕陽」を初めてみたのは大学生の頃。 TSUTAYAで借りてきたのを小さなテレビで再生。バイトが終わったあと夜中1時頃から観始めて「眠くなったらそのまま寝よう」なんてぞんざいな態度で観始めたのにところがどっこい、とんでもない面白さで… トゥーコが墓を走り回って探すところからはアーチ・スタントンの墓ホンマにあるんかー!!?と大興奮で座ってみていられませんでした。 映画をみていて「何だこれは!?」と打ちのめされ…

  • 「新・夕陽のガンマン/復讐の旅」…リー・ヴァン師匠が格好いい王道復讐物なマカロニ・ウエスタン

    なんてややこしいタイトル。 英題はDeath Rides a Horse。 「夕陽のガンマン」とは全く関係ない作品ですが、リー・ヴァン・クリーフ主演ということで便乗してこんなタイトルに!? いい加減な邦題に思えますが、リー・ヴァン・クリーフが謎の凄腕ガンマンを演じているところ、音楽がエンニオ・モリコーネ、脚本家も「夕陽のガンマン」を共同で手がけたルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ…とあながち間違ったタイトルではないのかも。 タランティーノがお気に入りマカロニ・ウエスタン第8位に選び「キル・ビル」でオマージュを捧げていた作品としても知られています。 レオーネ作品のような風格はないし、他のマカロニよ…

  • ドル3部作「夕陽のガンマン」4K復元版を観てきました

    スクリーンでみるモーティマー大佐、カッコよすぎた…! 先週の「荒野の用心棒」に引き続き、「夕陽のガンマン」4K復元版を観てきました。 自分が高校生の頃、レンタルで初めて観たマカロニウエスタンが「夕陽のガンマン」。 クリント・イーストウッドよりカッコいいこの人は一体何者だ!?リー・ヴァン・クリーフのモーティマー大佐が衝撃的でありました。 聖書をのけると映し出される迫力満点のお顔。黒ずくめのコート、汽車を平然と止める只者ならぬ気配…サドルバックから取り出した長い銃身で賞金首を仕留める冒頭が何度観ても最高です。 シンプルな筋書きだった「荒野〜」に比べ、今回は主要キャラ3人の視点が入れ替わりますが、ど…

  • 今更…黒澤明の「用心棒」を観てみました

    「荒野の用心棒」の元ネタ。 実質リメイクなのに許諾を得られないままつくられてしまい著作権侵害で訴えられて…の有名エピソードは知りつつも、未見だった黒澤明の「用心棒」を今更観てみました。 用心棒 [Blu-ray] 三船敏郎 Amazon 思った以上に激似でびっくり(笑)。 「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」を観た後に「ゾンビ」を観るような不思議な感覚を味わいつつ!?敷居の高いイメージがあった黒澤作品ですが、シンプルに面白くて、まったく古臭くなかったです。 巨匠の凄さを知るとともに、ここから世界観を再構築したレオーネの凄さも改めて知れて、両方続けて観ると楽しさ倍増でありました。 ◇◇◇ 棒を放り…

  • ドル3部作「荒野の用心棒」4K復元版を観に行ってきました

    「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」の3作品がこの春4K復元版として一挙上映…!! 過去に午前10時の映画祭で上映された際には泣く泣く観に行けなかったので、貴重なチャンスに感謝。 映画館に置いてあったチラシには、「3部作の登場人物は似通っているが、物語上の繋がりは一切ないので、どの順番で観てもOKだ」と書いてありました。 「続夕陽〜」がダントツで好きな自分はとりあえず「続夕陽〜」を最優先して観よう…と考えていたのですが、劇場のプログラムを確認すると「続夕陽〜」の上映は3月29日からのよう。 今週は「荒野〜」と「夕陽〜」を2作同時公開している劇場がありつつ、1番近い映画館は「…

  • 「真夜中の処刑ゲーム」…カナダの要塞警察!?ラストのオチに戦慄

    ジョン・カーペンターの「要塞警察」と並ぶ2大籠城モノ!?として有名な作品。 リアタイ世代には淀川長治さんが解説されていた日曜洋画劇場での視聴が伝説的だそうですが、未見だったのを初鑑賞。 めちゃくちゃ面白かったし、怖かった…!! 「要塞警察」より荒削りでさらに低予算な感じがしましたが、ラストが強烈でびっくり。 これテレビでいきなり観たらさぞかし衝撃だったろうな…とレジェンド入り納得の作品でありました。 ◇◇◇ 警察のストライキで無法地帯となったカナダのハリファックス市。 自警団がゲイバーを襲撃し、誤ってバーテンダーを殺害。口封じのため目撃者を次々に処刑していくも、1人の男が逃亡に成功し古いアパー…

  • 「あなたの死後にご用心!」…ボー元ネタ!?臆病な人間が裁かれる天国

    アルバート・ブルックス主演&監督&脚本。メリル・ストリープ共演の91年のコメディ。 Defending Your Life [DVD] Albert Brooks Amazon (海外版のDVDジャケ写はカルト宗教の広告みたいですが…) 「ボーはおそれている」のパンフレットにて元ネタ作品として解説されていたのですが、クライマックスのシーンが確かに激似。 自分の生前の行いがスクリーンに映し出され「天国行きに相応しい人間」かどうか判断される…相応しくない人間はもう1度生まれ変わって現生をやり直す… 結構ブラックな内容で、キリスト教というより閻魔大王の裁き、仏教の輪廻転生に近しいものを感じて、世界観…

  • 「ポゼッション」…怖いのに惹きつけられるイザベル・アジャーニの狂気

    イザベル・アジャーニ主演、ポーランドのアンジェイ・ズラウスキー監督による81年の作品。 ポゼッション 4Kリマスター版 [Blu-ray] イザベル・アジャーニ Amazon 「ボーはおそれている」のあるシーンを観てこの映画が思い出されたのですが… 終始異常な不安感が漂っているところ、変な人ばかり出てくるところなど、共通点は色々あって影響を受けた作品なのかも…と思いました。 夫婦の不和を描いたストーリーですが、イザベル・アジャーニの狂気が鬼気迫り過ぎてて訳も分からず恐怖に叩き込まれます。 親子関係と夫婦関係では血が繋がってて選べない親子関係の方が怖そうに思えますが、こちらはボーにはないドロドロ…

  • 刑事マルティン・ベック「バルコニーの男」…一気にシリーズものの広がりをみせる第3作目

    スウェーデン発、警察小説の金字塔とよばれる「刑事マルティン・ベック」。 昨年鑑賞した映画が面白かったので、原作小説を読んでみようとシリーズを順番に追っていますが、今回は3作目。 刑事マルティン・ベック バルコニーの男 (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー,柳沢 由実子 KADOKAWA Amazon ストックホルムの公園で発見された女児の死体。 その僅か2日後には別の少女の遺体が発見され市民は戦慄。 捜査に乗り出すベックだったが、犯人を目撃していたのは強盗犯と3歳の男の子だった… 獲物を探すように早朝から往来をじっと見続けるバルコニーの男。〝犯人視点〟の大胆なオープニング…

  • 「アフター・アワーズ」…ボー元ネタ!?スコセッシの〝不思議の国のアリス〟

    「ボーはおそれている」の元ネタとしてパンフレットに挙げられていた作品。 マーティン・スコセッシによる85年のコメディだそうで… アフター・アワーズ 特別版 [DVD] グリフィン・ダン Amazon 時計のリューズになった首が捻られている、ちょっぴりホラーなビジュアルがユニーク。 仕事帰りのNYのサラリーマンが夜ソーホーに繰り出したものの、小さなトラブルが続いて中々家に帰れない…!! 自分も時々電車に乗り間違えて目的地まで辿り着かない…みたいな夢をみることがありますが、何もかも上手くいかない浮遊した感覚、どうにもならない焦燥感…まさに軽い悪夢を体験しているような97分。 ファンタジックな雰囲気…

  • 「ボーはおそれている」…過干渉な母親と父親不在の家庭で育った子供の生き辛さ

    アリ・アスター監督の最新作、前2作が好きだったので観に行ってきました。 上映時間3時間、普通に長かった(笑)。 個人的にはワンシチュエーションでしっかりホラー映画してた前2作の方が好み。 今回は主人公の精神世界を描いたドラマ要素が強めの作品でした。 ただこの監督の描く家族像は自分の家族とも重なる部分があったりして、ボーに共感もしつつ、クライマックスは観入ってしまいました。 (以下ネタバレ) ボーの住んでいるアパート周辺の治安が最悪、ゾンビものかよ!!な混乱状態でびっくり(笑)。 自分が常に攻撃されていると感じる人の意識ってこんな感じ?? 多分リアルを描いているわけではないんだろうなーと思いつつ…

  • 「ミュート・ウィットネス 殺しの撮影現場」…第2のヒッチコック!?出色サスペンス・スリラー

    「ファングルフ/月と心臓」のアンソニー・ウォラーが監督・脚本・製作を手掛けた95年のサスペンス・スリラー。 コメント欄で教えていただき、面白そうなので観てみました。 ミュート・ウィットネス 殺しの撮影現場 [DVD] マリーナ・スディナ Amazon 特殊効果を担当する口のきけない女性ビリー。映画撮影のためモスクワを訪れている最中、本物の殺人を目撃してしまう… 「裏窓」を想起させる、巻き込まれ型サスペンスのストーリー。 緊迫感が凄い前半とユーモラスな笑いとアクションが展開する後半と…途中でトーンが変わりますが、とても面白かったです。 (以下ネタバレ) 捻りが効いていて一気に引き込まれる冒頭。 …

  • 印象的な映画の食事シーンをあげてみる

    映画の中で度々描かれる食事シーン。 人物の内面を描写する重要な場面になっていることもあれば、特になんの意味もなく誰かがなんか食べてるだけのシーンもあったりして… 個人的に印象に残っている、映画の中の食事シーンをいくつかあげてみたいと思います。 ◆「フレンチ・コネクション」の高級料理vs安いピザ 麻薬取引を追跡するドイル。 あったかいレストランでステーキだのエスカルゴだのいいもの食べてる敵さんたちとは対照的に、手がかじかむような寒い中、突っ立ったまま相棒が持って来た差し入れピザに食らいつくドイル。 冷めたコーヒーをじゃーっと捨てる姿も… 執念の尾行を一層応援したくなってしまう名シーン。 ◆「殺し…

  • 映画「ゴールデンカムイ」…素晴らしい出来だったけど野間の勇姿がもっと見たかったッ…!!

    地雷に違いないと思っていたら、かなり評判がいいらしいので観に行ってきました。 隠されたアイヌの莫大な金塊の行方を追って、善玉悪玉混じっての三つ巴バトル… 原作は読んでいて、漫画の第1巻を読んだときは「続夕陽のガンマンみたいなのが始まった…!!」と頭から一気に引き込まれた作品でした。 二瓶鉄造のエピソードあたりで終わりかなと予想していたら3巻入ってすぐのところで終了、かなり序盤までの内容になっていました。 でもテンポはいいし、話が綺麗にまとまっていて、原作未読の人にも取っ付きやすそう。 金カム序盤からめちゃくちゃ濃かったよなあと思い出されて、全く退屈しない128分になっていました。 脚色もキャス…

  • 刑事マルティン・ベック「煙に消えた男」…スウェーデン至高の警察小説第2作目

    前作「ロセアンナ」に引き続き、「刑事マルティン・ベック」シリーズの第2作目を読んでみました。 刑事マルティン・ベック 煙に消えた男 (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー,柳沢 由実子 KADOKAWA Amazon 猟奇殺人系の怖さが漂っていた前作と比べると、今作はより渋い印象。 冷戦時代、東側諸国であったハンガリーを主人公が訪れるストーリー…というと取っ付きにくそうな感じがしますが、政治色はなく、単純にサスペンスとしてしっかり楽しめる内容になっていました。 地味だけど、苦々しい人間ドラマ成分が濃いめ。今作もとても面白かったです。 ◇◇◇ 夏休みを取得して家族と出掛けたマ…

  • 「キルボット」…殺人ロボとショッピングモールで地獄の決斗!!80年代ゴキゲンB級映画

    今期のホラー・マニアックスシリーズ、知らないタイトルが沢山なのですが、ジャケ写が1番気になったのがこちら。 ホラー・マニアックス第14期 キルボット-HDリマスター版- [Blu-ray] ケリー・マロニー ,トニー・オデル ,ラッセル・トッド ,バーバラ・クランプトン Amazon ショートサーキットみたいなロボットがショッピングモールで人を殺しまくるホラーっぽいのですが…(原題:Chopping Mall) 77分の作品で驚きのテンポの良さ。 80年代らしい能天気さ、「ゾンビ」よろしくな夜のショッピングモールを爆走する非日常感、散りばめられた映画の小ネタ…とにかく楽しいゴキゲンB級映画でし…

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