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どうながの映画読書ブログ https://dounagadachs.hatenablog.com/

好きな洋画作品について語ります。 映画以外にも小説、漫画などについても時々取り上げます。

好きな映画監督:ブライアン・デ・パルマ、ダリオ・アルジェント 好きな女優:ジョディ・フォスター、サンドラ・ブロック 好きな男優:ダスティン・ホフマン、ゲイリー・オールドマン ホラーサスペンス系が好きですが、アクション、SF、恋愛割となんでもみます。 ブログをはじめてから1番面白かった映画はフリードキン監督の「恐怖の報酬」です。

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2019/07/07

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  • 「ALIENS ビショップ」…2好きには堪らない!!ライトでよく出来たスピンオフ小説

    先月「エイリアン:ロムルス」を鑑賞した劇場で関連書籍コーナーが設置されていたのですが、オリジナル小説「ビショップ」が気になってしまい、読んでみました。 ALIENS ビショップ 作者:T・R・ナッパー 竹書房 Amazon 本国でも発売されたのは2023年の12月とかなり最近に出版された本。 全500ページとボリュームがありそうでしたが、内容は思ったよりもライトで読みやすかったです。 「エイリアン3」で永久に停止したはずのビショップが、生みの親であるマイケル・ビショップによって新たな身体を与えられ復活。 ビショップが有しているエイリアンに関するデータには値千金の価値があると、植民地海兵隊、ユタ…

  • 「真夜中の狂気」…デヴィッド・ヘス大暴走、デオダート監督のエロティック・サスペンス

    「食人族」のルッジェロ・デオダート監督によるエロティック・サスペンス。 真夜中の狂気 [Blu-ray] デヴィッド・A・ヘス Amazon 取り上げる順が逆になってしまいましたが、「ブラディ・キャンプ」より公開年はこちらが先。 デヴィッド・ヘスが「鮮血の美学」を思わせるレイプ魔を熱演しているらしく、とても面白そうなのを初鑑賞してみました。 女優さんが脱ぎまくり、ヘスの変態演技が炸裂…とこれまたすんごい映画でありました。 ◇◇◇ 夜のニューヨーク。ショートカット美女の後をつける不審な男。 男は車に乗り込んで女性を暴行し、激しく首を締めつけます。 リズ・オルトラーニの甘美なメロディが流れる中での…

  • 「ブラディ・キャンプ/皆殺しの森」…アメリカンでイタリアン!?ジャーロな雰囲気の楽しいスラッシャーホラー

    「食人族」のルッジェロ・デオダート監督による86年のスラッシャー映画。 全く予測のつかない珍展開、景気よく鳴り響くクラウディオ・シモネッティの音楽…アメリカのティーンスラッシャー映画とジャーロが融合したような不思議なムード。 若者たちが訪れるのがデヴィッド・ヘスとミムジー・ファーマーの夫婦が営むキャンプ場…ともう嫌な予感しかしません(笑)。 とっ散らかっていてクセありまくりの1本ですが、個人的にはとっても楽しい作品でした。 ◇◇◇ コロラド州の人里離れたキャンプ地に、ロバート&ジュリア夫妻と息子のベンが引っ越して来ました。 この土地はかつてインディアンの呪術師の墓場だったらしく、シャーマンの霊…

  • 刑事マルティン・ベック「テロリスト」…シリーズイチのスケール感、大団円を迎える最終作

    スウェーデン至高の警察小説、マルティン・ベックシリーズの最後を飾る第10作目。 今回は殺人事件ではなく、政治家を警護する任務に就くベック。 おなじみのメンバー、過去に登場したキャラクターたちが続々と集結。 地味な聞き込み捜査と渋い人間ドラマが好き…という人間には、ちょっと毛色の違うエピソードになっていましたが、最終作だからか動的な場面の多いスケールの大きな作品。 終わり方は意外とあっけなく淡々としていますが、でもそんなところもこのシリーズらしく、10作読み終えて感慨深いものが残る最終巻でした。 ◇◇◇ タカ派で知られるアメリカ上院議員がスウェーデンを訪問。 無能上司や事なかれ主義の上層部に頼ま…

  • 刑事マルティン・ベック「警官殺し」…警察官の苦悩と良心に迫るシリーズ第9作目

    平和な田舎町で発見された女性の全裸死体。 ベックは被害者宅の近くに「ロセアンナ」殺しの犯人、ベングドソンが住んでいることを知る。 前科者が犯人に違いないと上層部から強引な逮捕を迫られるベックだったが… 今年から月イチで読み続けてきた、スウェーデン至高の警察小説、刑事マルティン・ベックシリーズ。 ここへきて第1作目に出てきた犯人が再登場するという波乱の展開に、そう来るか…!!と唸らされました。 いつになく平和な田舎町が舞台で、殺人事件が起きてもどこか牧歌的な雰囲気。 ベックの案内役となる地元の警察官オーライさんが朴訥な人柄で大変魅力的なキャラクター。 女性絡みには疎いところがあるけど、それを指摘…

  • 「エイリアンネーター」…マッティ&フラガッソ、驚愕のイタリア製パチエイリアン

    ブルーノ・マッティ監督、クラウディオ・フラガッソ脚本。「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」のコンビによる89年の作品。 Terminator 2 DVD 1990 Shocking Dark Amazon 本家に先駆けて「ターミネーター2」のタイトルでアメリカで公開しようとして問題になったのだとか(笑)。 一見馬鹿げているように思える邦題「エイリアンネーター」はズバリ作品内容そのものを表していて、エイリアンとターミネーターが同時に襲ってくるという驚愕の作品でありました。 ◇◇◇ 近未来、環境汚染により荒廃したベニス。 生き残った人々はシェルターで生活していました。 ある日水質改善にあたっていた研…

  • 「プロメテウス」「エイリアン:コヴェナント」…リドスコやりたい放題!!拗らせアンドロイドの大暴走

    シリーズものをしっかり追いかけない緩い人間なのと、この頃映画をあまり観れていなかったのと…色々あって見逃していた2作品を今更初鑑賞。 ロムルスは優等生が心配りを尽くしたような良作だったけど、こっちはリドリー・スコットが「エイリアンはワシのじゃ!!」とやりたい放題した感じ(笑)。 「プロメテウス」は壮大なSFオーラがあって映像が素晴らしかったですが、「コヴェナント」はかなりめちゃくちゃ…でも大金かけたトンデモB級ホラーみたいでオモロかったです。 人間でもエイリアンでもなく、イケメンアンドロイドが主役というのにびっくりの2作でありました。 ◆「プロメテウス」 プロメテウス [DVD] ノオミ・ラパ…

  • 「エイリアン」1~4のぼんやりした感想と思い出

    ロムルスをみて久々に「エイリアン」いいなあとなったので… みた順番や思い出補正もありますが、どれが1番好きか…各作品のぼんやりした感想と思い出を呟いてみたいと思います。 ◆「エイリアン2」 エイリアン2 Sigourney Weaver Amazon 順序が逆になってしまいますが、自分が子供の頃よくテレビ放映されていたのが2。初めて見たのも2でした。 SFホラーの1に比べてアクションに振り切った作品ですが、子供の頃は2もめちゃくちゃ怖かった。 荒廃した施設で1人生き延びていたニュートの姿をみただけで、自分じゃとても生きられてないわと戦慄(笑)。 閉塞感と恐怖が同時に襲ってくる、ダクトを移動する…

  • 「エイリアン:ロムルス」…シリーズリスペクトの良作、後半から一気に面白かった

    ズボラ人間でシリーズ物をきちんと追いかけていないのですが…評判がよさそうで面白いとのこと、「エイリアン:ロムルス」を観に行ってきました。 1〜4は鑑賞済み、「プロメテウス」と「コヴェナント」は未見のまま。 時系列的には1と2の間を描いた作品らしく、復習のため1と2を大急ぎで鑑賞。 予習せずに本作からみても楽しめる内容になっていましたが、過去作とのリンクは色々あってリスペクト満載。 主人公2人以外のキャラクターに魅力がないのが残念でしたが、後半に行くほど大盛り上がりで、自分的には大変満足な良作でありました。 (以下ネタバレ) 1でリプリーが宇宙空間に放ったエイリアンがまだ生きていてユタニ社の宇宙…

  • 「スプリット・セカンド」…ルトガー・ハウアーvsエイリアン!?ジャンルごった煮のゴキゲンB級ムービー

    ルトガー・ハウアー主演、「バーニング」のトニー・メイラム監督による92年のSFホラーアクション。 2008年…温暖化と異常気象により水没したロンドン。 警官ハーリー・ストーンは3年前に相棒を惨殺した殺人鬼を追い続けていた。 新月の日、犠牲者の心臓をくり抜く謎の殺人鬼の正体は… 時々水浸しの道路が出てくるけど、水没しているようには見えないロンドン。 革のロングコートにサングラスでキメたルトガー・ハウアーと、何となく薄暗い町の雰囲気で近未来感を出そうとする荒技(笑)。 でもこれが意外に功を奏していて中々いいムードであります。 殺人現場は壁が血まみれになっているなどかなり凄惨。 五芒星のような謎のマ…

  • ホラー秘宝まつり2024「デリリウム」を観てきました

    72年制作、レナート・ポルセッリ監督によるイタリアの異色ジャーロ。 デリリウム [DVD] ミッキー・ハガティー Amazon DVDがAmazonだと18,000円くらいになっていてレアな作品っぽいのですが、かなり人を選びそうな1本。 難解で退屈な作品かも…とやや期待薄で鑑賞に臨んだのですが、自分的にはめちゃくちゃ楽しくて102分があっという間でした。 入場特典でいただいたポストカード。犯人は足フェチ…!! 高名な心理学者のリュータック教授は、妻マルツィアと深く愛し合っていましたが、インポ。 拗らせた教授はミニスカートの女性を襲う殺人鬼となってしまいます。 それを知ったマルツィアは愛する夫の…

  • ホラー秘宝まつり2024「メサイア・オブ・デッド」を観てきました

    8月末から開催のホラー秘宝まつり。 昨年「オペラ座 血の喝采」が上映されるのを知って観に行きたかったのですが、スケジュールが合わず断念。 今年は「メサイア・オブ・デッド」「悪魔のしたたり」「デリリウム」の変態ホラー3本が上映されるとのこと。すごいマニアックな選出…!! 前からタイトルだけは知っていて観たいと思っていた「メサイア・オブ・デッド」をみてきました。 消息を絶った父親を追って海沿いの小さな町を訪れたアルレッティ。やがて奇妙な人々に取り囲われ、自身も正気を失っていく… ストーリーは短編ホラーのようなシンプルな内容ですが、「ゾンゲリア」のような寂寞感が立ち込めていて大変好み。 雰囲気や色彩…

  • 「呪われた修道院」…怒涛のてんこ盛り!!マッティ&フラガッソ、初タッグ作

    「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」の監督ブルーノ・マッティと脚本家クラウディオ・フラガッソがホラーで初タッグを組んだ81年の作品。 Other Hell / [DVD] [Import] Carlo de Mejo Amazon 昨年購入した「ヘルオブ」パンフレットで解説されていて気になっていたのを初鑑賞してみました。 閉鎖的な修道院で起こる怪事件…神父がお祓いに訪れるとそこには悪魔の子が… 「サスペリア」「エクソシスト」「オーメン」を混ぜ合わせたようなプロット。 時折「サスペリア2」が混ざってきてクライマックスは「キャリー」に… さすがこのコンビの作品だわ(笑)とその節操の無さに絶句。 「ヘ…

  • 刑事マルティン・ベック「密室」…ブラックユーモア満載!?異色のシリーズ第8作目

    銃槍も癒え15ヶ月ぶりに登庁したベックは、アパートの一室で胸部を撃ち抜かれた老人の変死事件を任される。 警察は自殺だと判断を下していたが、それは杜撰な捜査によるもので、そもそも拳銃が室内になかったことが後から発覚。 一方コルベリとラーソンは連続強盗事件の捜査に駆り出され、ギャングたちの計画を事前に入手。大掛かりな逮捕作戦が始動するが… スウェーデン至高の警察小説、刑事マルティン・ベックシリーズの第8作目。 密室殺人と銀行強盗という2つの事件が交わる大掛かりなプロットですが、話の繋ぎがいつもより粗め。 いつにも増して警察の無能っぷりが描かれているも、ドタバタ劇のような有様でこれは好みが別れるかも…

  • 「恋するプリテンダー」…懐かし90年代!?お馬鹿ラブコメのようで秀逸な傑作

    「ツイスターズ」のグレン・パウエル主演、昨年全米で大ヒットしたラブコメらしく気になったのを観てみました。 恋するプリテンダー シドニー・スウィーニー Amazon 深夜に声出して爆笑、めちゃくちゃオモロかったです。 お互いの目的のために恋人同士のふりをすることになった2人がいつしか本当の恋に… 「いつの時代の映画やねん!!」とツッコミたくなるような古臭すぎるストーリー(笑)。 でもこれが見てみると筋運びが上手くて思った以上に話がよく出来ていました。 90年代ラブコメのような突きつけた明るさがありつつ、今風に洗練されてる部分もあって、おバカ映画のようで実はかなりの傑作なのでは…意外に侮れない1本…

  • 「ツイスターズ」…爽やかロマンス、あっさり優等生なディザスタームービー

    お盆休み。色々観たい作品があったのですが、頭空っぽで楽しめる映画がみたい…ということで評判が良さそうな「ツイスターズ」を観に行ってきました。 96年の「ツイスター」は子供の頃ビデオで観た記憶があるのですが、とにかく「スピード」のヤン・デ・ボンの最新作というので期待値が上がりまくり。 ハードルをあげてみたせいもあるのか、イマイチだった印象があります。 今回前作を全く覚えていない状態で鑑賞に臨みましたが、それでも問題なし!! しかしバカっぽいエンタメ映画を期待していたら、配慮があって優しくて整ってて…思っていたような作品ではなかった気がするけど、綺麗にまとまっていて面白かったです。 後半もうちょっ…

  • 「燃える昆虫軍団」…傑作な前半とグダグダな後半、それでもなんか凄い映画

    今期のホラーマニアックスのリリースタイトル。 76年のパニックホラーでこのジャンルの有名タイトルだと思いますが、未見だったのを初鑑賞。 ホラー・マニアックス第14期 燃える昆虫軍団 -HDリマスター版- [Blu-ray] ブラッドフォード・ディルマン,ジョアンナ・マイルズ,リチャード・ギリランド,ジェイミー・スミス・ジャクソン Amazon 大きい怪物が出てくる作品もいいけど、「フェイズⅣ」とか「スクワーム」みたいに大量の小さい生き物に襲われるやつもいいよね…と思っていたら、虫のサイズが思ったよりデカい(笑)。 前半と後半で大きくトーンが違っていてびっくりでしたが、見応えは抜群の作品でありま…

  • 「バッドムーン」…狼男vs忠犬シェパード…!!犬視点の異色狼人間ホラー

    「ヒッチャー」脚本のエリック・レッドが監督、マイケル・パレ主演。狼男とワンちゃんが対決を繰り広げるB級ホラー。 Bad Moon / [Blu-ray] [Import] CINEDIGM Amazon 96年にこんな作品があったのか…!!面白そうなのを初鑑賞してみました。 ◇◇◇ ネパールに取材旅行に出かけたテッドは恋人と激しく愛し合ってる最中、突然狼人間の襲撃に遭います。 ショットガンで脳天をブチ抜くも、恋人は目の前で死亡、自身も咬まれて傷を負ってしまいます。 数ヶ月後…帰国したテッドは人を避けるようにトレーラーハウスで1人暮らしていました。 しかし人恋しくなったのか姉ジャネットとその息子…

  • クジョー??クージョ!!圧倒的傑作のキング原作と、良作アニマルホラーな映画版

    炎天下、故障した車に閉じ込められた母親と4歳の息子。狂犬病となった体重約90キロのセントバーナードが2人を襲う… 自分の中で犬ホラーといえばこれ。 犬に襲われるパートは小説の後半と意外に滑り出しが遅め。 なかなかトラックが走り出さない「恐怖の報酬」のようでありますが、登場人物の日常が描かれる前半パートから濃厚でグイグイ引き込まれていきます。 原作小説と映画で結末が違っていて、本は非常に後味が悪いのですが、そこにある種の誠実さも感じて、胸に迫る作品でありました。 ◇◇◇ 専業主婦のドナは、夫の知らぬ間に近所の便利屋の男と浮気。 愚かで身勝手な女性ですが、こんな主人公であっても大いに感情移入させる…

  • 刑事マルティン・ベック「唾棄すべき男」…警察組織の腐敗を描く、シンプルで動的なシリーズ第7作目

    スウェーデン発至高の警察小説と名高い、刑事マルティン・ベックシリーズ。 自分は昨年7作目の映画化作品を鑑賞してから原作を1作目から読み始めたので、今回でやっと追いついた感じ。 dounagadachs.hatenablog.com 他エピソードの方が人気そうなのに、なんでこの7作目を映画にしたんだろう…と思ってましたが、シリーズを追って読むとこの回が1番映像化しやすかったのだと納得。 登場人物が少なく、いつもは複数ある捜査線が1つに絞られていてストーリーがシンプル。後半に展開するアクションがいかにも映画向き。 映画版は原作の空気感を見事に再現していたんだなあ…と改めてその出来栄えに感心しつつ、…

  • 「落下の解剖学」…男女逆転のバイアス、静かな大どんでん返しのラスト

    カンヌでパルムドール受賞、オスカーにもノミネートされていた話題のフランス製法廷スリラー。 2月に公開されていたのを観に行けずでしたが、U-NEXTで配信が来ていたので早速観てみました。 落下の解剖学 [Blu-ray] ザンドラ・ヒュラー Amazon フランスの山荘で不可解な転落死をした夫。 ドイツ人作家の妻が犯人だと疑われるが、有力な証拠は見つからない。 事件当日現場付近にいたのは11歳の息子だが、彼は視覚障害を抱えていた… 出てくる登場人物が皆本当のことを言っているのか、嘘を言っているのか分からない、「ヘイトフル・エイト」のような疑心暗鬼サスペンスしつつ、夫婦関係や親子関係を描いた重厚な…

  • ダリオ・アルジェント ドキュメンタリー「PANICO」を観に行ってきました

    新宿シネマカリテで今月から開催されている映画フェス「カリコレ」にて、ダリオ・アルジェントのドキュメンタリー「PANICO」が上映されるとのこと。 7回ある上映のうち土日は今週のみでしたが、無事チケットを入手できたので観に行ってきました。 2023年制作の作品で、監督は「フルチ・フォー・フェイク」のサイモン・スカフィディ。 以前みたフルチのドキュメンタリーは〝フルチ役を演じることになった男性が途中フルチに扮しつつ本人像に迫っていく”…という凝ったつくりになっていて、自分はまどろっこしい感じがしてノリにくかったのですが、今作はもっとシンプル。 新作の脚本を執筆するアルジェントにカメラが同行し、本人…

  • 「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」…不器用で誠実なおっさん主人公が愛おしかった

    今年のオスカー作品賞候補だったアレクサンダー・ペイン監督作。 評判がかなりいいみたいで、近くの映画館でもまだ上映していたので観に行ってきました。 オスカー関連作って2月〜3月に公開されてるイメージだけど、なぜか本作は6月公開とかなり遅め。 クリスマスシーズンのお話なので、なんでこんな暑い時期にと思ってしまいましたが(笑)。 冒頭のユニバーサルのロゴからレトロなデザインになっていて、作品全体がアメリカンニューシネマのような雰囲気。 ラストになんとも言えない余韻が残って、地味なおっさん主人公に愛しさが込み上げる…静かだけれどとても良い作品でした。 ◇◇◇ 1970年のクリスマス、全寮制男子校のバー…

  • 「未確認生命体 MAX」/Man's Best Friend…犬がかわいいライトなアニマルホラー

    わんわん!! [北米版DVD リージョンコード1] MAN'S BEST FRIEND (1993) New Line Home Video Amazon 「チャイルド・プレイ2」のジョン・ラフィアが手がけた93年のアニマルパニックホラー。 コメント欄で教えていただいて面白そうなのを観てみました。 VHSや輸入版のジャケットをみるとシリアスホラーっぽい印象ですが、カラッとした80年代っぽい雰囲気で良い意味でB級映画。 可愛いワンちゃんがたくさん登場して、犬好きにはとても楽しいライトなホラーになっていました。 ◇◇◇ 犬は人類の最良の友… 人間に寄り添う犬の姿を描いた中世絵画がハイテンポで映し出…

  • 「夕暮れにベルが鳴る」…スクリーム+ハロウィン!?静かに怖い異色スラッシャー

    「スクリーム」のパンフレットにて鷲巣義明さんが元ネタとして解説されていた79年のホラー。 When a Stranger Calls Amazon 74年に「暗闇にベルが鳴る」という作品があって、スラッシャーものの先駆的作品として知られていますが、おそらく本作も「暗闇~」に影響を受けたであろう作品。 電話をキーアイテムとして使っている点が2作品共通していますが、邦題もおそらく「暗闇~」に便乗して付けられたのではないかと思われます。 ヒロインが不気味な男と電話で応酬する冒頭20分が迫真…!!(スクリームの冒頭と確かに一致) 中盤以降は犯人視点のドラマに切り替わり、緊迫感はグッと落ちてしまいますが…

  • 宝物パンフレットと映画「スクリーム」の思い出

    自分がリアルタイムでみたスラッシャー映画といえばこれかも… スクリーム [Blu-ray] デイヴィッド・アークェット Amazon 子供の頃行くのが楽しみだった近所で1番大きなレンタルビデオ店。 新作入荷のコーナーに「全米で大ヒット、口コミで大評判」みたいな言葉が載ったポップが掲載されていて… 映画好きの親は格別ホラーが好きというわけではなかったけれど、店の一押しなら面白そうだと借りて帰った1本でありました。 ドリュー・バリモアの顔がジャケットに大きめで載っていたので、彼女が主役なのかなと思っていたのですが… スピード感溢れる冒頭の電話シーンからビビりまくり…!!主人公だと思っていたドリュー…

  • 「血のバレンタイン」…アンカット版→全米公開版で初鑑賞、血みどろホラーで素晴らしかった…!!

    タイトルは知っていたけど未見だった80年代スラッシャームービー。 大当たりに違いないとスティングレイさんから発売されたBlu-rayを購入、初鑑賞してみました。 血のバレンタイン Blu-ray2枚組 超・特別版 [Blu-ray] ポール・ケルマン Amazon 期待を裏切らない出来でめちゃくちゃ面白かった…!! 炭鉱の小さな町というロケーションの素晴らしさ。独創性溢れる殺しの手口と、ギョッとなる死体の見せ方。 不気味な殺人鬼のビジュアルに、犯人予想のワクワク感。 多少強引な部分もあるものの、最初から最後まで安定して見やすい作品になっていて、大当たりの1本でした。 ◇◇◇バレンタインデーのお…

  • 「大砂塵」…女同士の熾烈な争い、ホラーテイストな異色西部劇

    「理由なき反抗」のニコラス・レイ監督、ジョーン・クロフォード主演の54年西部劇。 アメリカの西部劇って普段あまりみないジャンルなのですが、レオーネの「ウエスタン」の元ネタと言われる作品の1つらしく、気になっていたのを観てみました。 大砂塵(スペシャル・プライス) [DVD] ジョーン・クロフォード Amazon 女性が主人公で、鉄道敷設という大きな時代の変わり目を背景にしている…「ウエスタン」と共通点はあるものの、作品自体はあまり似ておらず。 主演女優2人の迫力が半端なく、ホラー映画から抜け出て来たような人たちで、なんだか怖かった(笑)。 村の黒ずくめ集団がよそ者を追い立てるわ、嫉妬に狂った女…

  • 「小さな巨人」…壮大なホラ話!?どっちつかずな主人公と旅する西部開拓時代

    アーサー・ペン監督、ダスティン・ホフマン主演の70年公開作品。 何気にずっと未見だったのを初鑑賞してみました。 小さな巨人 [DVD] ダスティン・ホフマン Amazon ジャケ写をみるとフェイ・ダナウェイとダブル主演のようにみえますが、ゲスト的な出演でびっくり。 内容は全然違うけど「フォレスト・ガンプ」や「ベンジャミン・バトン」に似た雰囲気で、夢のような1人の男の人生を追っていくストーリー。 同時に先住民を虐殺した白人の蛮行などアメリカの歴史の暗部が描かれていきますが、「本当のことを語っているのか分からない主人公」からおとぎ話めいた口調で語られていき、それが只ならぬ雰囲気を醸しています。 意…

  • 刑事マルティン・ベック「サボイ・ホテルの殺人」…格差社会を描く陰鬱ムードなシリーズ第6作目

    角川文庫で刊行されたのが5作目の「消えた消防車」までだったので、旧約版を入手して第6作目を読了。 読みにくいかと危惧していましたが杞憂で、むしろ硬派な文体が作品の雰囲気にマッチ。 「モンソン→モーンソン」などキャラの名前の表記に差がありつつも、違和感なくスラスラと読むことができました。 ◇◇◇ 華やかなサボイ・ホテルの晩餐会。 実業界の大物パルムグレンがスピーチの最中、突然何者かに撃たれた。 過激派の仕業か、企業間の内紛か、それとも狂人か… 誰1人犯人の姿を憶えているものはおらず、捜査は困難を極めるが、やがてこの大資本家の冷酷な面が次々に暴かれていく… 目の前で堂々と犯行が行われたにも関わらず…

  • 「悪魔の狂暴パニック」…暴れるハゲを追え!!ユーモア炸裂のお楽しみホラー

    「スクワーム」のジェフ・リーバーマン監督による77年ホラー。 ホラー・マニアックス第14期 悪魔の狂暴パニック-4Kレストア版- [Blu-ray] ザルマン・キング ,デボラ・ウィンタース ,マーク・ゴダード ,ロバート・ウォーデン Amazon 今期のホラーマニアックスでリリースされていたのを遅ればせながら購入。未見だったのを初鑑賞してみました。 狂暴化したハゲをショーン・ペン似の主人公が追いかけるストーリー。 この監督、独特のユーモアのセンスでやっぱりオモロいです。 エンタメホラーしつつ同時に人を突き放したような鋭い目線があって、とても楽しい1本になっていました。 ◇◇◇ 夜空に浮かび上…

  • 「スクワーム」…ゴカイよりも胸に迫る、南部の青年の孤独と怒り

    ジェフ・リーバーマン監督、リック・ベイカーが特殊メイクを手がけた76年のアニマルパニックホラー。 スクワーム -HDリマスター版- [Blu-ray] ドン・スカーディノ Amazon 子供の頃レンタルビデオ店で目にしてインパクト絶大だったジャケット。 映画雑誌でも紹介されていたことがあって、ミミズまみれでなんちゅー映画やねん、と思っていましたが… 登場するのはミミズではなく正しくはゴカイ。 この手の生き物が生理的嫌悪を催すのは間違いないのですが、B級ゲテモノホラーかと思いきや意外にしっかりした作り。 南部の田舎町を舞台にじっとり〝人間〟が描かれていて、侮れない傑作でありました。 ◇◇◇ アメ…

  • 「ヒーロー/靴をなくした天使」…クズ野郎がみせる善性、シニカルでハートウォーミングな90年代コメディ

    ダスティン・ホフマン主演、スティーヴン・フリアーズ監督の92年公開アメリカ映画。 ヒーロー 靴をなくした天使 [DVD] ダスティン・ホフマン Amazon 子供の頃テレビ放送でみたのだと思いますが、いいかげんなおっさん主人公がオモロくて、ドタバタ劇に爆笑。 公開当時興行的に振るわなかったらしく、好みが分かれる作品かもしれませんが、シニカルさとハートウォーミングさがいい感じに同居。 メディアや大衆の愚かさの描き方もよく出来ていて、大人になってみても面白い、大好きな作品でした。 ◇◇◇ コソ泥のバーニーは裁判所から収監命令を待つ身。 国選弁護人の財布から金をくすねるわ、息子が届けようとした落とし…

  • 「真夜中のカーボーイ」…ラストの喪失感、現実と向き合う主人公に感じる希望

    子供の頃感動的な映画を観ても泣くことがなかった自分が号泣した映画が2本あって、それが「ポセイドン・アドベンチャー」とこの「真夜中のカーボーイ」でした。 真夜中のカーボーイ [DVD] ジョン・ボイド Amazon 映画好きだった親が「卒業」と「俺たちに明日はない」を見せてくれて、アメリカンニューシネマというジャンルがあることを知り、小学校の終わり頃だったかビデオでみた1本だったと思います。 ダスティン・ホフマンは既に知っている俳優さんだったけど、この映画の姿にはびっくり。 足の悪いセコセコと動き回る詐欺師のようなホームレス…「ホンモノだ…!!」と思ってしまうようなリアルさで、汗をじっとり肌に浮…

  • 「刑事マルティン・ベック 消えた消防車」…ラーソン活躍回、各キャラの個性際立つシリーズ5作目

    厳寒のストックホルム。警察が監視中のアパートが突如、爆発炎上した。 任務についていたラーソン警部補は住人を救うべく孤軍奮闘するが、出動したはずの消防車が一向に到着しない。 焼死者の中にはある事件の容疑者が含まれていた… 刑事マルティン・ベック 消えた消防車 (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー,柳沢 由実子 KADOKAWA Amazon 群像劇的に様々なキャラクターが登場する刑事マルティン・ベックシリーズ。 今作は際立って主人公の影が薄く、他キャラクターの活躍が楽しい回になっていました。 ◇◇◇ 大火事から始まる動的なオープニング。 大人しめ&内省的なベックとは対照的な…

  • 「ナイトメア」…病みまくりムードが堪らない80年代ホラー

    今期のホラーマニアックスシリーズ、知らない作品が多いのですが、2月に買った「キルボット」が大当たり。 もう1つジャケ写がすごーく気になってしまったのがあって… ホラー・マニアックス第14期 ナイトメア -4Kレストア最長版- [Blu-ray] ベアード・スタッフォード,シャロン・スミス,C・J・クック,マイク・クリッベン Amazon 少年が首チョンパしてる刺激的すぎるジャケット。 監督はイタリア出身のロマノ・スカヴォリーニ。 特殊効果はトム・サヴィーニが関わったとか関わってないとか一悶着あった作品のようで… 冒頭からのショックシーンが壮絶ですが、全体的にはじっとりしたムード。 監督がイタリ…

  • 「アライバル2」…チャーリー・シーン不在、ショボさに絶句のトンデモ続編

    チャーリー・シーン主演、「逃亡者」「ワーロック」のデヴィッド・トゥーヒー監督&脚本の96年のSF映画「アライバル/侵略者」。 dounagadachs.hatenablog.com 以前はよくテレビ放映もされていたように思いますが、今や知る人ぞ知る作品でしょうか… 地球温暖化という題材をいち早く取り入れたサスペンスフルな脚本、汗だく&ガンギマリの眼で全力疾走するチャーリー・シーン… 「V ビジター」「ゼイリブ」などと同じ〝静かなる侵略系SF〟ですが、自分はこの作品を先に観たというのもあってか強く印象に残っていて、光るB級映画でありました。 配信は各所でされているようなものの、長らく古ーいDVD…

  • 「誕生日はもう来ない」…まさかの大どんでん返し…!!ジャーロ風味な80年代スラッシャー映画

    ラストが衝撃的なホラーとして有名な作品。 タイトルだけは知っていて気になっていたのを初鑑賞してみました。 誕生日はもう来ない [DVD] メリッサ・スー・アンダーソン Amazon ジャケットはチープな感じですが、監督は「ナバロンの要塞」「恐怖の岬」のJ・リー・トンプソン。 主演は「大草原の小さな家」でお姉ちゃん・メアリーを演じていたメリッサ・スー・アンダーソン。 大どんでん返しに賛否両論あるようですが、イタリアのホラーをみる人間には矛盾点は大きな減点材料にはならない(笑)。 むしろ凝ってよく作られたホラーだなーと感心、ジャーロっぽい雰囲気で個人的には大変好みの作品でした。 ◇◇◇ バージニア…

  • 「ナイトメア・シティ」…疾走するゾンビとびっくり仰天のラスト

    イタリア・スペイン合作、「人喰族」のウンベルト・レンツィ監督による80年ホラー。 ナイトメア・シティ デジタル・リマスター版 [DVD] ヒューゴ・スティグリッツ Amazon 知能派ゾンビが登場する「ゾンビ3」と比べられることが多く、気になっていたのを初鑑賞してみましたが… ナイフも銃もお手のもの、猛ダッシュで動くゾンビにびっくり(笑)。 設定的には〝放射能汚染で血を求めるようになった人間〟らしく、厳密にはゾンビといえないのかもしれませんが、「バタリアン」「28日後」などの先を行っていたのではないかと思う斬新なゾンビものでありました。 ◇◇◇ 核物理学者・ハーゲンベック教授を取材するため空港…

  • 「続・夕陽のガンマン」…完全版178分と国際版162分の違いを探してみた

    先日4K復元版を劇場鑑賞、興奮冷めやらぬ素晴らしさだった「続・夕陽のガンマン」。 dounagadachs.hatenablog.com 先日上映されたのは178分の完全版でしたが、自分が初めて観たのは〝国際版〟と呼ばれる162分版。 〝夕陽コレクターズBOX〟で完全版を鑑賞した際にはテンポの良さが損なわれていて長く感じたのですが、劇場で観ると映像の迫力に圧倒されて全く気になりませんでした。 でも久々に短いバージョンが観たい…!! 自分が所持しているのは夕陽コレクターズDVD-BOXとBlu-ray-BOXで、こちらに収録されているのはどちらも完全版。 収録時間が〝162分〟と記載されているこ…

  • 「マシンガン・パニック/笑う警官」…マルティン・ベック映画化作品、完全に別物でなんじゃこりゃ⁉

    スウェーデンの警察小説、マルティン・ベックシリーズの最高傑作として名高い第4作目「笑う警官」。 なんとウォルター・マッソー主演でアメリカで映画化されているとのこと。 マシンガン・パニック/笑う警官 [DVD] ウォルター・マッソー Amazon 「サブウェイ・パニック」に便乗したかのような邦題ですが、制作されたのは73年とこちらが先のようです。 スウェーデン独特の寒々しい雰囲気ってアメリカ映画だと出すのが難しそう…自分はフィンチャーの「ドラゴンタトゥーの女」も物足りなく感じてしまって、観る前から嫌な予感がするなーと思ったら、清々しい位別モノになっていてびっくり(笑)。 舞台はサンフランシスコ。…

  • 刑事マルティン・ベック「笑う警官」…シリーズ最高傑作の呼び声高い第4作目

    警察小説の金字塔と呼ばれるマルティン・ベックシリーズの中でエドガー賞を受賞しており、最高傑作の呼び声が高い第4作目。 刑事マルティン・ベック 笑う警官 (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー 角川書店 Amazon 新訳シリーズとして刊行された角川文庫は1作目「ロセアンナ」からではなく、この4作目から出版していることからしても、1番人気の作品であることが伺えますが、個人的には1から順番に読んでいってよかったと思う次第。 群像劇要素の強いこのシリーズ、個々のキャラクターを掴んでこその面白さがあって、特に本作は〝1〟で登場した警察官がキーパーソンなっていることもあり、順番に読ま…

  • 「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」を午前十時の映画祭でみてきました

    午前十時の映画祭、今シーズンのトップバッターはインディ・ジョーンズ3作が1週間ごとに1作ずつ上映。 ゴールデンウィークは「ティファニーで朝食を」が2週上映になっていて、インディの方を連休に長めにやってくれや…この忙しい時期にドル3部作とも上映期間が重なってなかなか厳しい…と思ったけれど、なんとか1番好きな「魔宮の伝説」だけ観に行ってきました。 自分にとって「魔宮の伝説」は子供の頃テレビ放映で観て夢中になった作品。 日本語吹替で脳内再生されてしまうので、今回字幕でみるのが大変新鮮でありました。 ショート役のキー・ホイ・クァン、こんなに子供らしい高い声だったのか…とびっくり。 田中真弓さんのショー…

  • 「群盗荒野を裂く」…革命と友情、異色マカロニ・ウエスタンの傑作

    ジャン・マリア・ボロンテ主演、社会派監督として名高いダミアーノ・ダミアーニ監督による66年のマカロニ・ウエスタン。 プレミアムプライス版 群盗荒野を裂く HDマスター版《数量限定版》 [DVD] ジャン・マリア・ヴォロンテ Amazon ボロンテが「夕陽のガンマン」とまったく異なるイメージの役を演じているらしく、未見だったのを初鑑賞。 格好いいガンファイトなどはなくあまりマカロニらしくない作品だったけど、すごく面白かった…!! メキシコ革命を舞台にした作品で、奥深い。 スピーディにアクションが展開する娯楽作でありつつ、ストーリーは二転三転してサスペンスフル。 「ワイルドバンチ」が好きな人には絶…

  • ドル3部作「続・夕陽のガンマン」4K復元版を観てきました

    ♫アアアアアー 自分の人生のベストの1本、「続・夕陽のガンマン」4K復元版を劇場で観てきました。 大音量で響く黄金のエクスタシー、三角決闘の圧巻の景色…何もかも最高でありました!! 自分が「続夕陽」を初めてみたのは大学生の頃。 TSUTAYAで借りてきたのを小さなテレビで再生。バイトが終わったあと夜中1時頃から観始めて「眠くなったらそのまま寝よう」なんてぞんざいな態度で観始めたのにところがどっこい、とんでもない面白さで… トゥーコが墓を走り回って探すところからはアーチ・スタントンの墓ホンマにあるんかー!!?と大興奮で座ってみていられませんでした。 映画をみていて「何だこれは!?」と打ちのめされ…

  • 「新・夕陽のガンマン/復讐の旅」…リー・ヴァン師匠が格好いい王道復讐物なマカロニ・ウエスタン

    なんてややこしいタイトル。 英題はDeath Rides a Horse。 「夕陽のガンマン」とは全く関係ない作品ですが、リー・ヴァン・クリーフ主演ということで便乗してこんなタイトルに!? いい加減な邦題に思えますが、リー・ヴァン・クリーフが謎の凄腕ガンマンを演じているところ、音楽がエンニオ・モリコーネ、脚本家も「夕陽のガンマン」を共同で手がけたルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ…とあながち間違ったタイトルではないのかも。 タランティーノがお気に入りマカロニ・ウエスタン第8位に選び「キル・ビル」でオマージュを捧げていた作品としても知られています。 レオーネ作品のような風格はないし、他のマカロニよ…

  • ドル3部作「夕陽のガンマン」4K復元版を観てきました

    スクリーンでみるモーティマー大佐、カッコよすぎた…! 先週の「荒野の用心棒」に引き続き、「夕陽のガンマン」4K復元版を観てきました。 自分が高校生の頃、レンタルで初めて観たマカロニウエスタンが「夕陽のガンマン」。 クリント・イーストウッドよりカッコいいこの人は一体何者だ!?リー・ヴァン・クリーフのモーティマー大佐が衝撃的でありました。 聖書をのけると映し出される迫力満点のお顔。黒ずくめのコート、汽車を平然と止める只者ならぬ気配…サドルバックから取り出した長い銃身で賞金首を仕留める冒頭が何度観ても最高です。 シンプルな筋書きだった「荒野〜」に比べ、今回は主要キャラ3人の視点が入れ替わりますが、ど…

  • 今更…黒澤明の「用心棒」を観てみました

    「荒野の用心棒」の元ネタ。 実質リメイクなのに許諾を得られないままつくられてしまい著作権侵害で訴えられて…の有名エピソードは知りつつも、未見だった黒澤明の「用心棒」を今更観てみました。 用心棒 [Blu-ray] 三船敏郎 Amazon 思った以上に激似でびっくり(笑)。 「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」を観た後に「ゾンビ」を観るような不思議な感覚を味わいつつ!?敷居の高いイメージがあった黒澤作品ですが、シンプルに面白くて、まったく古臭くなかったです。 巨匠の凄さを知るとともに、ここから世界観を再構築したレオーネの凄さも改めて知れて、両方続けて観ると楽しさ倍増でありました。 ◇◇◇ 棒を放り…

  • ドル3部作「荒野の用心棒」4K復元版を観に行ってきました

    「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」の3作品がこの春4K復元版として一挙上映…!! 過去に午前10時の映画祭で上映された際には泣く泣く観に行けなかったので、貴重なチャンスに感謝。 映画館に置いてあったチラシには、「3部作の登場人物は似通っているが、物語上の繋がりは一切ないので、どの順番で観てもOKだ」と書いてありました。 「続夕陽〜」がダントツで好きな自分はとりあえず「続夕陽〜」を最優先して観よう…と考えていたのですが、劇場のプログラムを確認すると「続夕陽〜」の上映は3月29日からのよう。 今週は「荒野〜」と「夕陽〜」を2作同時公開している劇場がありつつ、1番近い映画館は「…

  • 「真夜中の処刑ゲーム」…カナダの要塞警察!?ラストのオチに戦慄

    ジョン・カーペンターの「要塞警察」と並ぶ2大籠城モノ!?として有名な作品。 リアタイ世代には淀川長治さんが解説されていた日曜洋画劇場での視聴が伝説的だそうですが、未見だったのを初鑑賞。 めちゃくちゃ面白かったし、怖かった…!! 「要塞警察」より荒削りでさらに低予算な感じがしましたが、ラストが強烈でびっくり。 これテレビでいきなり観たらさぞかし衝撃だったろうな…とレジェンド入り納得の作品でありました。 ◇◇◇ 警察のストライキで無法地帯となったカナダのハリファックス市。 自警団がゲイバーを襲撃し、誤ってバーテンダーを殺害。口封じのため目撃者を次々に処刑していくも、1人の男が逃亡に成功し古いアパー…

  • 「あなたの死後にご用心!」…ボー元ネタ!?臆病な人間が裁かれる天国

    アルバート・ブルックス主演&監督&脚本。メリル・ストリープ共演の91年のコメディ。 Defending Your Life [DVD] Albert Brooks Amazon (海外版のDVDジャケ写はカルト宗教の広告みたいですが…) 「ボーはおそれている」のパンフレットにて元ネタ作品として解説されていたのですが、クライマックスのシーンが確かに激似。 自分の生前の行いがスクリーンに映し出され「天国行きに相応しい人間」かどうか判断される…相応しくない人間はもう1度生まれ変わって現生をやり直す… 結構ブラックな内容で、キリスト教というより閻魔大王の裁き、仏教の輪廻転生に近しいものを感じて、世界観…

  • 「ポゼッション」…怖いのに惹きつけられるイザベル・アジャーニの狂気

    イザベル・アジャーニ主演、ポーランドのアンジェイ・ズラウスキー監督による81年の作品。 ポゼッション 4Kリマスター版 [Blu-ray] イザベル・アジャーニ Amazon 「ボーはおそれている」のあるシーンを観てこの映画が思い出されたのですが… 終始異常な不安感が漂っているところ、変な人ばかり出てくるところなど、共通点は色々あって影響を受けた作品なのかも…と思いました。 夫婦の不和を描いたストーリーですが、イザベル・アジャーニの狂気が鬼気迫り過ぎてて訳も分からず恐怖に叩き込まれます。 親子関係と夫婦関係では血が繋がってて選べない親子関係の方が怖そうに思えますが、こちらはボーにはないドロドロ…

  • 刑事マルティン・ベック「バルコニーの男」…一気にシリーズものの広がりをみせる第3作目

    スウェーデン発、警察小説の金字塔とよばれる「刑事マルティン・ベック」。 昨年鑑賞した映画が面白かったので、原作小説を読んでみようとシリーズを順番に追っていますが、今回は3作目。 刑事マルティン・ベック バルコニーの男 (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー,柳沢 由実子 KADOKAWA Amazon ストックホルムの公園で発見された女児の死体。 その僅か2日後には別の少女の遺体が発見され市民は戦慄。 捜査に乗り出すベックだったが、犯人を目撃していたのは強盗犯と3歳の男の子だった… 獲物を探すように早朝から往来をじっと見続けるバルコニーの男。〝犯人視点〟の大胆なオープニング…

  • 「アフター・アワーズ」…ボー元ネタ!?スコセッシの〝不思議の国のアリス〟

    「ボーはおそれている」の元ネタとしてパンフレットに挙げられていた作品。 マーティン・スコセッシによる85年のコメディだそうで… アフター・アワーズ 特別版 [DVD] グリフィン・ダン Amazon 時計のリューズになった首が捻られている、ちょっぴりホラーなビジュアルがユニーク。 仕事帰りのNYのサラリーマンが夜ソーホーに繰り出したものの、小さなトラブルが続いて中々家に帰れない…!! 自分も時々電車に乗り間違えて目的地まで辿り着かない…みたいな夢をみることがありますが、何もかも上手くいかない浮遊した感覚、どうにもならない焦燥感…まさに軽い悪夢を体験しているような97分。 ファンタジックな雰囲気…

  • 「ボーはおそれている」…過干渉な母親と父親不在の家庭で育った子供の生き辛さ

    アリ・アスター監督の最新作、前2作が好きだったので観に行ってきました。 上映時間3時間、普通に長かった(笑)。 個人的にはワンシチュエーションでしっかりホラー映画してた前2作の方が好み。 今回は主人公の精神世界を描いたドラマ要素が強めの作品でした。 ただこの監督の描く家族像は自分の家族とも重なる部分があったりして、ボーに共感もしつつ、クライマックスは観入ってしまいました。 (以下ネタバレ) ボーの住んでいるアパート周辺の治安が最悪、ゾンビものかよ!!な混乱状態でびっくり(笑)。 自分が常に攻撃されていると感じる人の意識ってこんな感じ?? 多分リアルを描いているわけではないんだろうなーと思いつつ…

  • 「ミュート・ウィットネス 殺しの撮影現場」…第2のヒッチコック!?出色サスペンス・スリラー

    「ファングルフ/月と心臓」のアンソニー・ウォラーが監督・脚本・製作を手掛けた95年のサスペンス・スリラー。 コメント欄で教えていただき、面白そうなので観てみました。 ミュート・ウィットネス 殺しの撮影現場 [DVD] マリーナ・スディナ Amazon 特殊効果を担当する口のきけない女性ビリー。映画撮影のためモスクワを訪れている最中、本物の殺人を目撃してしまう… 「裏窓」を想起させる、巻き込まれ型サスペンスのストーリー。 緊迫感が凄い前半とユーモラスな笑いとアクションが展開する後半と…途中でトーンが変わりますが、とても面白かったです。 (以下ネタバレ) 捻りが効いていて一気に引き込まれる冒頭。 …

  • 印象的な映画の食事シーンをあげてみる

    映画の中で度々描かれる食事シーン。 人物の内面を描写する重要な場面になっていることもあれば、特になんの意味もなく誰かがなんか食べてるだけのシーンもあったりして… 個人的に印象に残っている、映画の中の食事シーンをいくつかあげてみたいと思います。 ◆「フレンチ・コネクション」の高級料理vs安いピザ 麻薬取引を追跡するドイル。 あったかいレストランでステーキだのエスカルゴだのいいもの食べてる敵さんたちとは対照的に、手がかじかむような寒い中、突っ立ったまま相棒が持って来た差し入れピザに食らいつくドイル。 冷めたコーヒーをじゃーっと捨てる姿も… 執念の尾行を一層応援したくなってしまう名シーン。 ◆「殺し…

  • 映画「ゴールデンカムイ」…素晴らしい出来だったけど野間の勇姿がもっと見たかったッ…!!

    地雷に違いないと思っていたら、かなり評判がいいらしいので観に行ってきました。 隠されたアイヌの莫大な金塊の行方を追って、善玉悪玉混じっての三つ巴バトル… 原作は読んでいて、漫画の第1巻を読んだときは「続夕陽のガンマンみたいなのが始まった…!!」と頭から一気に引き込まれた作品でした。 二瓶鉄造のエピソードあたりで終わりかなと予想していたら3巻入ってすぐのところで終了、かなり序盤までの内容になっていました。 でもテンポはいいし、話が綺麗にまとまっていて、原作未読の人にも取っ付きやすそう。 金カム序盤からめちゃくちゃ濃かったよなあと思い出されて、全く退屈しない128分になっていました。 脚色もキャス…

  • 刑事マルティン・ベック「煙に消えた男」…スウェーデン至高の警察小説第2作目

    前作「ロセアンナ」に引き続き、「刑事マルティン・ベック」シリーズの第2作目を読んでみました。 刑事マルティン・ベック 煙に消えた男 (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー,柳沢 由実子 KADOKAWA Amazon 猟奇殺人系の怖さが漂っていた前作と比べると、今作はより渋い印象。 冷戦時代、東側諸国であったハンガリーを主人公が訪れるストーリー…というと取っ付きにくそうな感じがしますが、政治色はなく、単純にサスペンスとしてしっかり楽しめる内容になっていました。 地味だけど、苦々しい人間ドラマ成分が濃いめ。今作もとても面白かったです。 ◇◇◇ 夏休みを取得して家族と出掛けたマ…

  • 「キルボット」…殺人ロボとショッピングモールで地獄の決斗!!80年代ゴキゲンB級映画

    今期のホラー・マニアックスシリーズ、知らないタイトルが沢山なのですが、ジャケ写が1番気になったのがこちら。 ホラー・マニアックス第14期 キルボット-HDリマスター版- [Blu-ray] ケリー・マロニー ,トニー・オデル ,ラッセル・トッド ,バーバラ・クランプトン Amazon ショートサーキットみたいなロボットがショッピングモールで人を殺しまくるホラーっぽいのですが…(原題:Chopping Mall) 77分の作品で驚きのテンポの良さ。 80年代らしい能天気さ、「ゾンビ」よろしくな夜のショッピングモールを爆走する非日常感、散りばめられた映画の小ネタ…とにかく楽しいゴキゲンB級映画でし…

  • 「バベットの晩餐会」を午前十時の映画祭で観てきました

    普段ホラー系が好きな自分がなぜか好きだった作品。 リバイバル上映ばっかり観てる気がしますが、映画館で初鑑賞してきました。 人生のとても厳しい部分を描いているはずなのに、観終わったあとには晴れやかな気持ちになる不思議な魅力。 晩餐会のシーン、食事は楽しまないと言っていた爺さん婆さんがたちが美味しそうに食べまくるところでは笑いが起きていて、自分も大いに笑って泣きながら観てきました。 ◇◇◇ 19世紀後半、デンマークの小さな村ユトランド。 牧師の父親の下で清貧な暮らしを送るマーティーネーとフィリパの姉妹が住んでいました。 求婚者と結ばれることもなく、持っていた才を仕事に活かすこともなく、献身的に村人…

  • 「ジャガーノート」…赤か青か!?70年代激渋パニックサスペンス

    「赤と青の線どっちを切るか!?」…爆弾処理ものの元祖として知られる作品ですが、ハリウッド映画の大作と比べると圧倒的に地味…!!地味なのに物凄い緊迫感…!! 吹替シネマ2021 ジャガーノート-HDリマスター版- [Blu-ray] リチャード・ハリス Amazon イギリス映画だからなのか、通常のパニック映画とは違う味わいで、乗客が大騒ぎせず静かに怯える姿がリアル。 静かな人たちが静かに役割を果たす姿にシビれますが、何より格好いいのは爆弾処理班の隊長、リチャード・ハリス。 百戦錬磨の出来る仕事人オーラを放ちつつも時折みせる脆さ、人間らしさが切なく、何とも味わい深いキャラクターでした。 ◇◇◇ …

  • 「悪魔のシスター」デジタルリマスター版を観てきました

    ブライアン・デ・パルマ監督の73年のサスペンススリラーが期間限定公開。 なんて渋いチョイス、同じデ・パルマなら「キャリー」か「フューリー」か「殺しのドレス」が劇場で観てみたかったなーと思いつつ、改めてみたらこちらも面白かった…!! ヒッチコックや以降のデ・パルマ作品との共通点をあれこれ考えるのも楽しく、ストーリーより映像が観ていてとにかく面白い。 地味ながらキャストの面々も皆ハマり役で魅力的でした。 ◇◇◇ テレビ番組のクイズショーから始まるオープニング。 覗き見している人を覗き見ているテレビの聴衆…をさらに覗き見している私たち…と虚構に虚構を重ねた三重構造がユニークで冒頭から一気に引き込まれ…

  • 「オルカ」…全てを失った男同士の対決に涙…!!

    年末に観た「カサンドラ・クロス」が素晴らしかったので、同じリチャード・ハリス主演のこちらも鑑賞してみました。 オルカ HDリマスター版 [Blu-ray] リチャード・ハリス Amazon ジョーズに便乗したアニマルパニックものかと思いきや、感傷的で繊細な人間ドラマ。 妻子を殺されたシャチの復讐劇で、動物を傷つけた主人公は自業自得…という厳しい見方もあるようですが、自分はこの主人公、愚かだと断罪できないものがあって胸にきました。 人生のままならなさ、罪悪感と向き合って背負いこむ誠実さを感じて、リチャード・ハリスの主人公がめちゃくちゃ切なかったです。 ◇◇◇ アイルランド人の漁師ノーランはシャチ…

  • 「殺人捜査」…エリオ・ペトリ監督の異色犯罪劇

    昨年みたモリコーネのドキュメンタリーで取り上げられていて気になっていた70年のエリオ・ペトリ監督作。 Indagine Su Un Cittadino Al Di Sopra Di Ogni Sospetto [Italian Edition] [Blu-ray] Florinda Bolkan Amazon アカデミー賞外国語映画賞を受賞しているそうですが、国内では未ソフト化。 観るのが困難な作品だと思っていましたが、八点鐘さんのブログで取り上げられていてなんとAmazonで配信されているとのこと。 wedplain15.hatenablog.com これは今観るしかない!!と早速鑑賞してみ…

  • 刑事マルティン・ベック「ロセアンナ」…スウェーデン至高の警察小説、第1作目

    昨年鑑賞した「刑事マルティン・ベック」の映画がとても面白かったので原作小説を手に取ってみました。 刑事マルティン・ベック ロセアンナ (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー,柳沢 由実子 KADOKAWA Amazon 全10冊のシリーズ、自分が観た映画作品は7作目だったようですが、どうせなら順番に読んでみたい…1作目にあたるのがこの「ロセアンナ」でした。 「この本は警察官の基礎となる価値観、忍耐という美徳の物語である」…と後書きにあったけれど、全編貫くフリードキン映画のようなストイックさ。 北欧ならではの薄暗い雰囲気、少しずつ真相に迫っていく捜査のドキドキ感など「ドラゴン…

  • 「サスペリアPART2」4KレストアUHDBlu-ray/78年日本劇場公開版を鑑賞しました

    「サスペリアPART2」4Kレストア日本公開45周年記念UHDBlu-rayが昨年12月20日に発売。 4枚組のBOXの方は大ボリュームの内容で、なかなかイッキミできず特典含め少しずつの鑑賞になりましたが、ようやく目玉の部分を鑑賞し終えました。 21年に4Kレストア版が劇場公開された際にも観に行ったのですが、ダウンコンバートされたものだったらしく、さらに綺麗な映像になっていて驚き。 あまり鮮明になりすぎると「例のあのシーン」がネタバレになってしまうのでは…と心配でしたが、とても自然に溶けこんでいて、上手く撮られていたんだなーと改めて感心。 赤や黒の色が美しく、あの時代のイタリアの摩訶不思議な世…

  • 「カサンドラ・クロス」を午前十時の映画祭で観てきました

    コロナ禍で引き合いに出されることも多く、タイトルだけは知っていたのですが、ずっと未見だった作品を午前十時の映画祭で初鑑賞してきました。 パンデミックものかと思いきや後半は怒涛のアクション。まさに1粒で2度美味しい作品。 最後の橋のシーンは夏に観た「ミッションインポッシブル7」よりも迫力があって思わず声が出てしまいました。 ◇◇◇ ジェリー・ゴールドスミスの音楽が鳴り響く中、一切のセリフなくスタートする冒頭。 救急車の担架を上から追ったカメラアングルなど緊迫感があって一気に惹きつけられます。 細菌類に感染したテロリストが逃亡し国際列車に逃げ込むというシンプルなストーリー。 ワンちゃんのお皿から水…

  • 「マニトウ」…エクソシストからの呪術廻戦!?少年漫画的胸熱ホラー

    ある日女性カレンの首に謎の腫瘍が出来た。 胎児のように日に日に大きくなり、手術で除去しようとすると謎の超常現象が勃発。 なんと腫瘍は太古の呪術師・ミスカマカスが転生しようとする前兆なのだった… マニトウ HDリマスター特別版 [Blu-ray] トニー・カーティス Amazon 「グリズリー」のウィリアム・ガードラー監督による78年のホラー。 ストーリーだけみるとキワモノ感あり、「エクソシクト」亜流のB級映画かと思いきや、意外にしっかりした真面目な作り。 西洋の信仰が全く役に立たず、医者・占い師・霊媒師・呪術師が女性を救おうと集結。 先日鑑賞した「エクソシクト信じる者」とプロット的には共通する…

  • 「ミックス・ナッツ/イブに逢えたら」…自殺予防コールセンターのクリスマス

    ノーラ・エフロン監督、スティーヴ・マーティン主演の94年のコメディ映画。 全米で大コケ、最低映画と名高い1本らしいのですが… Mixed Nuts アーティスト:Martin,Kahn Columbia/Tristar Studios Amazon 自分は子供の頃、親がビデオを借りてきたのを一緒に観たのですが大爆笑だった記憶。 なにがそんなにウケたのか、1人だけ床を転がるほど笑っていて家族が驚いていました。 自殺を考える人の悩みを聞く〝いのちの電話〟のようなコールセンターが舞台。 世の中にはこんな仕事もあるんだーと新鮮で、設定だけでも惹きつけられるものがありました。 ◇◇◇ 人生相談所〝ライフ…

  • アルジェント主演「VORTEX/ヴォルテックス」を観てきました

    認知症を患う妻、心臓病を抱える夫。同時進行で映し出される老夫婦人生最期の〝死に様〟。人はどう死んでいくのか。ギャスパー・ノエ監督の新境地にして最高傑作。 ノエ監督の作品は観たことがないのですが、ダリオ・アルジェント映画初主演…!!というのに興味を惹かれて観に行ってきました。 見応えのある作品ではあったけれど、刺さったかというと微妙… 淡々とした中盤には引き込まれたけれど、冒頭と締めくくりがトゥーマッチな感じがして自分には合わなかったかも… スプリットスクリーンで画面が常に2分割されている状態で、一方の画面は夫を、もう一方の画面は妻を映し出すというかなり独特なスタイル。 画面酔いしたりはしなかっ…

  • 「ヘル・レイザー」4Kリマスター上映に行ってきました

    80年代幻想的恐怖ホラーが4Kリマスターを施されて帰ってくる…!! 12月8日から公開の「ヘルレイザー」をシネマート新宿さんで観てきました。 久々に観たけど面白かった…!! 特典付きの前売り券が売っていて2枚購入しておいたのですが、スチル写真全9種のうちランダムで2枚封入というオタク心をくすぐるアイテム。 紙封筒に入った大きめサイズでとっても仕様が豪華。これだけでもテンションが上がってしまいます。 「ヘルレイザー」、自分は子供の頃にレンタルビデオ店でピンヘッド表紙のジャケットをみて、とんでもなく怖そうな映画がある…!!とビビっていた記憶があります。 大きくなってから「ベルセルク」の元ネタらしい…

  • 「裸の十字架を持つ男」…全力でエクソシストなパロディ

    「エクソシスト」を盛大にパロディしたレスリー・ニールセン主演の90年のコメディ。 裸の十字架を持つ男 エクソシスト・フォーエバー【字幕版】 [VHS] ハピネット・ピクチャーズ Amazon 邦題とジャケ写は「裸の銃を持つ男」に便乗しまくりですが、原題は”Repossessed”。 「裸の銃〜」と比べてしまうと華やかさも切れ味も落ちますが、くっだらねーと言いつつ爆笑。 リンダ・ブレアがパロディに全力投球してくれていて迫力ある演技を再び披露。 「エクソシスト」ファンには楽しい作品になっています。 ◇◇◇ 1973年…少女ナンシーに取り憑いた悪魔を祓うため、やって来たイーデス神父。 (家の雰囲気も…

  • 「エクソシスト信じる者」…比べてゴメンなダメダメ映画

    アメリカで評判が悪かったそうで観るかどうか迷っていたのですが、近隣の映画館で回数多めで上映してくれていたので観てきました。 オリジナルとは別物と覚悟、あまり期待せずに臨みましたが…それにしても後半が酷くて、残念ながら大変ガッカリな作品でした。 ◇◇◇ ハイチの地を旅行中のヴィクターとソリーンの夫妻。妊娠中のソリーンは地元の祈祷師の祝福を受けますが、その後地震の被害に遭って重体になってしまいます。 夫ヴィクターは赤ちゃんの命か、妻の命かどちらかを選ぶことに… その13年後、ヴィクターは成長した娘・アンジェラと2人で暮らしていました。 亡くなった母に対し複雑な想いを抱いているアンジェラ。ある日キリ…

  • 「回転」…亡霊か妄想か、危ないエロスのゴシックホラー

    ジャック・クレイトン監督、デボラ・カー主演の61年のホラー映画。 TSUTAYA名盤復活コーナーで借りて以前観たのですが、心理的にゾクゾクくる怖さでとても面白かった。 回転 [DVD] デボラ・カー Amazon 上品な白黒映画なのにアブノーマルなエロスを感じてしまう… 善悪が曖昧な登場人物、幽霊は本当にいたのか考察の余地があるところなど、底知れない冷たさの残る作品でした。 ◇◇◇ 家庭教師として古い屋敷にやって来たミス・ギデンス。 愛らしいマイルスとフローラの兄妹にすっかり夢中になりますが、ある日塔から見知らぬ男が自分を見下ろしていることに気付きます。 次第にギデンスは自分にしかみえない幽霊…

  • 「神の左手悪魔の右手/影亡者」…無情な宿命のスタンドバトル

    空想の世界を行き来することができる不思議な能力を持った少年・想の活躍を描く楳図かずお先生のオカルトホラー。 神の左手悪魔の右手 (4) (小学館文庫 うC 4) 作者:楳図 かずお 小学館 Amazon 5つのエピソードから成っていて「影亡者(かげもうじゃ)」は最後に収録されているお話。 他エピソードの方が心理的な怖さやストーリーの奥行きは深かったように思いますが、こちらはシンプルな設定と圧倒的画力で強烈なインパクトが残ります。 なんでこんな怖い話思い付くんだろう…こんな風にいきなり世界がみえるようになったらどうしよう…思わず想像してしまい、童心に返らされるような恐怖がありました。 ◇◇◇ あ…

  • 「処刑教室/クラス・オブ・1984」…不良高校生vs教師、衝撃の全面対決

    「コマンドー」のマーク・L・レスター監督による高校を舞台とした82年のバイオレンスアクション。 処刑教室 [DVD] ペリー・キング Amazon 荒れまくりのアメリカの高校、おっかなさすぎる…!! 同系統の作品としてトム・ベレンジャーの「野獣教師」が思い浮かびますが、あちらほどアクションに振り切っておらず、主人公が強すぎない普通の教師なのがGOOD。 未成年ゆえ生徒がたやすく刑罰を逃れ、教師の方がジリジリと追い詰められていく展開にドキドキ。 スプラッタ映画ばりのクラマックスの〝処刑〟には仄暗いカタルシスも感じてしまいます。 ◇◇◇ 荒廃したリンカーン高校に赴任してきた音楽教師のノリス。 金属…

  • 「日の名残り」…自分を抑圧してきた執事の人生回顧が切ない

    真面目で鈍感な堅物執事と女中頭の感情を表に出さない静かな恋。 貴族の邸宅にて繰り広げられる外交会議。 2つの大戦の間で揺れ動いた激動の時代、時代遅れの遺物ともいえる執事の姿が去り行く時代への郷愁を感じさせる… 日の名残り [Blu-ray] アンソニー・ホプキンス Amazon 有名な作品ですが、初見。 歴史ドラマも含んだ奥深く重厚なストーリーでしたが、自分としては年取ってから人生を回顧することの恐ろしさみたいなものがひたひたと胸に迫ってきました。 執事・スティーブンスの″精一杯努力しているようで実は楽な方に逃げているところ”、自分にもあるかもと思ってグサグサと突き刺さるキャラクターでした。 …

  • 海外ドラマ「フレンズ」の思い出

    1994年から2004年に放送されていたアメリカのシットコム。 フレンズ-コンプリート シリーズ シーズン1-10[PAL][Blu-ray][Import] Whv Amazon 自分は完結後にレンタルで追った勢なのですが、最初こそ面白くても脱落してしまう海外ドラマが多い中、これは珍しく10シーズンを完走。 映画1本観る時間も気力もない疲れ切ったとき、アイスクリームを食べながらフレンズを観ると元気が出る…自分の心の友だった時期がありました。 各回22分で1話完結。6人のキャラクターを動かしながら複数のエピソードが同時進行、オチまで見事に構成されたシナリオが見事で毎回大爆笑。 今みると時代を感…

  • 「刑事マルティン・ベック」…スウェーデン製激渋サスペンスアクション

    スウェーデンの傑作ミステリを本国で映画化した警察映画の金字塔だそうですが… 刑事マルティン・ベック 超・特別版 [Blu-ray] カルル・グスタフ・リンドステット Amazon 「ドラゴン・タトゥーの女」のような犯人探し系ミステリを想像していたら後半全然トーンの違う作品になってびっくり(笑)。 フリードキンばりのリアリティある映像をみせてくれたかと思いきや、アメリカの刑事ものとは一味も二味も違う光景が可笑しかったり、他にはない雰囲気が面白い。 地味なのに人間味溢れる激シブの役者陣も素晴らしく、個人的にはブッ刺さる映画でした。 ◇◇◇ 脂汗を掻きながら見知らぬ天井をじっと見つめる中年男…冒頭の…

  • ダリオ・アルジェント自伝「恐怖」を読みました

    2014年にイタリアで出版、2019年に英語版が出版されていたというアルジェント初の自伝本・「恐怖」の日本語版がつい先日発売。 ハードカバー400ページ強、税抜3400円とボリューミーな内容でありますが、普通の人じゃないアルジェントの書く本が面白くないわけがない…!! テレビ作品も含め2009年の「ジャーロ」まで、監督した作品全てに言及されていますが、特に充実しているのは幼少期〜デビュー作・サスペリアあたりまで… 「おっ!」と引き込まれる劇的なエピソードを冒頭に持ってくるところもアルジェントらしく、ページを捲る手が止まりませんでした。 映画プロモーターのお父さんと写真家のお母さんに生まれ、芸術…

  • 「死んでいるのは誰?」…ヴェネツィアの迷宮彷徨うジャーロの傑作

    「サスペリアPART2」で出番は少ないながらも強い印象を残すトカゲ刺し少女、ニコレッタ・エルミが出演していることで知られる72年のジャーロ。 死んでいるのは誰? [DVD] ニコレッタ・エルミ Amazon 次から次に登場する怪しいキャラクター、曇天の暗い迷宮のようなベニス…「赤い影」「サスペリア2」よりもこちらが先に作られていることに驚き。 雰囲気を楽しむ系の作品かと思いきや、意外にドラマ性もしっかりあって素晴らしいジャーロでした。 ◇◇◇ 冒頭はフランスのスキー場。看護師の母親が娘と2人で雪遊びを楽しんでいましたが、目を話した隙に女の子は何者かに殺されてしまいます。 その4年後…ところ変わ…

  • 「ラストコンサート」…ベタだけど素朴で綺麗なラブストーリー

    70年代にヒットしたイタリアの恋愛映画だそうですが、監督が「エイリアン・ドローム」のルイジ・コッツィ、主演が「サンゲリア」のメナード医師…と何だかとても気になる布陣(笑)。 プレミアムプライス版 ラストコンサート HDニューマスター版 blu-ray&DVD BOX《数量限定版》 アーティスト:パメラ・ヴィロレージ ビデオメーカー Amazon 不治の病を抱えた少女と自信を失った中年ピアニストの愛を描く… ストーリーだけみると苦手な作品かも…と思ったのですが、くどくもなく辛気臭くもなく、普通にいい映画でした。 イタリア映画なのになぜか舞台はフランス、冒頭は美しいモン・サン・ミシェルの景色で幕を…

  • 「バーニング」…キャンプ時々殺人鬼、青春の光と影

    湖畔のキャンプ場を襲う巨大バサミを持った殺人鬼…!! バーニング HDリマスター版 [Blu-ray] ブライアン・マシューズ Amazon 「13日の金曜日」に便乗した81年のホラーですが個人的にはこちらの方が好き。 サマーキャンプの若者たちが生き生きしているのが魅力的、素人臭さが漂いつつも殺しのペースが意外で予想がつかなかったり、陽キャと相容れない陰キャの人生の悲哀が感じられたり… ありきたりなようで他とはちがう輝きのあるスラッシャームービーでした。 ◇◇◇ とあるキャンプ場…少年たちが嫌われ者の管理人・クロプシーの枕元にドクロを置く悪戯を仕掛けました。 ところが蝋燭の火が燃え移ってクロプ…

  • 「ひらいたトランプ」…カッコいいポワロと気弱だけど恐ろしい窃盗犯

    名探偵ポワロは夜ごとゲームに興じる悪い噂の絶えないシャイタナ氏のパーティーに呼ばれた。 ポワロを含めて8人の客が2部屋に分かれてブリッジに熱中している間、客間の片隅でシャイタナ氏が刺殺されてしまう。 なんと居合わせた客は殺人の前科を持つものばかりだった… 「オリエント急行〜」や「ナイルに死す」のような大作感はないけれど、コンパクトに美しくまとまっていて面白かった記憶があるのがこの「ひらいたトランプ」という作品。 ゲームのため8人の男女が集められますが、その内4人は「過去に殺人をして見事に逃げおおせた人間」。 もう4人は警官、ミステリ作家、諜報員、探偵…と捜査官にあたる人たち。 取り調べ的なもの…

  • パトリック2!?「Patrick still lives」…エログロ炸裂仰天イタリアンホラー

    リチャード・フランクリン監督の78年のホラー「パトリック」。 サイコキネシスの力を持った昏睡状態の青年と看護師女性のやり取りを描いたサイコホラー。 タランティーノのお気に入りとしても知られ、地味ながら秀逸な作品で好きだったのですが、なんとそれに便乗したイタリアンホラーがあるとのこと。 コメント欄で教えていただき、とても面白そうだったので気になって観てみました。 Patrick Still Lives [Blu-ray] Sacha Pitoeff Amazon 走っている車から投げ捨てられた酒瓶が顔に当たり、昏睡状態に陥ってしまった青年・パトリック。 その数年後…5人の男女がとあるウェルネス・…

  • 「ラッツ」…ネズミゾンビなイタリアンホラー

    この夏劇場で鑑賞してめちゃくちゃ面白かったマカロニゾンビ映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」。 監督のブルーノ・マッティと脚本家のクラウディオ・フラガッソがタッグを組んだ1984年のホラーがあるとのこと、パンフ解説によると監督自身が最高傑作と発言したとか。 国内版DVDは入手困難なアイテムと化していましたが、輸入版を購入して観てみました。 Rats: Nights of Terror [Blu-ray] Amazon 2015年に核戦争が勃発し五大陸は荒廃。 人類は地下に逃れた者とその後地上に再び出て暮らし始めた者とに分かれた。 核投下後の世界をAB(アフターボム)と呼び、現在はAB215年…

  • 「ナイルに死す」…人間の幸不幸は案外平等だという価値観

    社交界の花形であり財産家でもあるリネットと失業中のサイモンのハネムーンには暗雲がたれこめていた。 婚約者を奪われたジャクリーンが拳銃を手に2人の行く先々に現れ、いやがらせをするのだ。 同じナイル川観光船に乗り合わせたポワロは、そんな彼女の振る舞いを押し留めようと試みたが、やがて恐るべき惨劇は起こった… ナイルに死す (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,加島 祥造 早川書房 Amazon 後半の展開がてんこ盛りすぎてとっ散らかっている印象があったのですが、久々に読んだら味わい深い群像劇していて面白かった。 異国情緒&男女愛憎劇&殺人事件…非日常を味わうには最高のひととき。 クリステ…

  • 「BUG/バグ」…人生の不幸に理由を求めて狂う人

    フリードキンと「キラー・スナイパー」の脚本家トレイシー・レッツが初タッグを組んだ2006年の作品。 〝自分の身体に虫が埋め込まれている〟という妄想に取り憑かれた男女の話ですが、こういう人本当にいそう… 人間精神のバランス崩してしまうとここまで行ってしまうのかも…鬼気迫っていてめちゃくちゃ怖い映画でした。 BUG/バグ [DVD] アシュレイ・ジャッド Amazon オクラホマの安モーテルで一人暮らししている中年女性のアグネス(アシュレイ・ジャッド)。 10年前に6歳の息子が失踪、離婚したDV夫が最近仮釈放されたばかり。 度々かかってくる謎の無言電話に悩まされつつも、酒・タバコ・コカインで孤独を…

  • 「キラー・スナイパー」…衝撃のチキン、フリードキンのブラックコメディ

    ドキュメンタリー「フリードキン・アンカット」で取り上げられていて気になっていた2011年のフリードキン監督作。 キラー・スナイパー [レンタル落ち] Amazon 全盛期の作品に比べればずっと小粒ではあるけれど、善人不在の突き放したような冷たさ、リアルな暴力描写は健在。 年取ってからも元気にこんな映画撮ってたんだなーと嬉しくなるような作品でした。 麻薬組織に多額の借金をしたドラッグディーラーのクリス。 仲の悪い実母の生命保険金を手に入れようと名うてのヒットマン・キラージョーに殺しを依頼しますが、頭金を用意できず妹を担保に差し出すことに。 その後も想定外の事態に陥って… 冒頭から下半身マッパで主…

  • 追悼ウィリアム・フリードキン「恐怖の報酬」再上映に行ってきました

    先月亡くなられたフリードキン監督の訃報を受け、シネマート新宿さんが6日間限定で「恐怖の報酬」を再上映。 とても有難い企画で観に行ってきました。 愛情たっぷりのディスプレイ。 密林を再現してニトロまで設置…!! まるで一緒に酒場にいるような… 恐怖の報酒(笑)、コラボドリンクも洒落ています。 今回の上映はブーストサウンドシステム。 2018年の上映のときにはなかった音響機器が設置されたらしく超ド迫力の音。 爆破音も雨の音も縄が軋む音も身体を突き抜けてくるようで臨場感増し増し。 吊り橋のシーンは改めて観ても息が詰まるような迫力で、流木が流れてきて不気味な音が鳴り響くところでまたまたギャーッとなりま…

  • 「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」…中年女性の精神の危機を描いた家族ドラマの傑作

    合う/合わないがキッパリ分かれるようで、どんなもんかと構えて観てみたらすごく面白かったです。 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス [Blu-ray] ミシェル・ヨー Amazon 別の世界線の自分を利用して戦うの、ジョジョ7部の大統領の能力を思い出したりして面白かったのですが、〝少しずつ何かが違っている無数の並行世界が人間には知覚できていないだけで存在している〟…多元宇宙論はロマンがあって天国地獄よりも面白そうだなあと現実逃避人間には心惹かれる題材です。 SF設定を利用しつつも中身は暗さをたたえた家族ドラマになっていて、特別な自分が無双する!!みたいなストーリーを予想してたら全…

  • 「トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン」…エクソシスト原作者による哲学的思索映画

    「エクソシスト」の原作者ウィリアム・ピーター・ブラッティが原作・脚本・監督を務めた80年の作品。 前から気になっていたのを鑑賞してみました。 トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン HDマスター 《スペシャルプライス》 DVD ステイシー・キーチ Amazon 登場人物が哲学的な問答を始めるなど演劇的なトーンの作品。 作者の思想が強く打ち出されていて人を選びそうな作品ですが、中身としては真面目でしっとりした人間ドラマ。 「エクソシスト」との共通点も多く併せて観ても面白い作品だと思いました。 山奥に立つ古城の療養施設。そこにはベトナム戦争で精神に異常をきたした兵士たちが集められ治療が施されて…

  • 「エクソシスト ディレクターズカット版」午前十時の映画祭で観てきました

    劇場公開版の方が観てみたかったよ…と思いつつ、今週から午前十時の映画祭で2週間上映されている「エクソシスト ディレクターズカット版」を観てきました。 なにげにこの作品を映画館で観るのは3度目。 1度目は中学生の頃、ディレクターズカット版が公開されて、友達を誘ったのですが「怖いからやめとく」と断られて1人で劇場へ… ビデオでも観たことがなくてこのときが初見。お化け屋敷にでも入るような覚悟で恐る恐る鑑賞に臨んだのですが、思った以上に静かな作品で人間ドラマしていることにびっくり。 2度目の鑑賞は上京した大学生の頃、川崎チネチッタで「ゾンビ DC版」「死霊のはらわた」「エクソシストDC版」というとんで…

  • 「ナイト&デイ」…トム・クルーズの映画の中でこれが1番好き

    公開当時あまり評判がよくなかった気がしますが、自分が観たトム・クルーズの作品の中でこれが1番好きかも。 ナイト&デイ(エキサイティング・バージョン) [Blu-ray] トム・クルーズ Amazon 観ると元気が出る作品で何度か繰り返し観ています。 歳の離れた妹の世話をずっとしてきて自分のやりたいことは先送り、異国の地を夢見るも地元に残って暮らしてきた30半ばの女性。 ある日突然事件に巻き込まれて謎のイケメンとともに世界を駆け回る…!! 女性向けなろう小説!?みたいな薄いプロット、だがそれがいい(笑)。 こういうスター映画って本人のイメージを幾らか引きずるものかと思いますが、マット・ディロンと…

  • 「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」…熱量は感じられるけど空回り!?

    焦って観に行かなくてもまだまだ余裕で上映しているだろうと思って鑑賞を先延ばしにしていた「ミッションインポッシブル」の7作目を遅ればせながら観てきました。 このシリーズの熱心なファンというわけではなく、3と4は面白かった記憶はあるのに話の内容とかあんまり覚えてないというかなりいい加減な人間です(笑)。 自分が好きだったのは1と5で、1はデ・パルマ色がしっかりあるサスペンス。冒頭から容赦なく人が死ぬのが衝撃的で一気に引き込まれました。 5は1作目のスパイものの雰囲気を復活させ、チーム戦が板についたところ、悪役もヒロインも魅力的で最後にしっかり敵打ちするカタルシス…「報われない仕事だけど仲間がいて理…

  • 「アリゲーター」「アリゲーター2」4K&2Kレストア版観てきました

    新作も旧作も気になっている作品は沢山あるのですが、80年代パニックもののヒット作「アリゲーター」とその続編「アリゲーター2」を観てきました。 かわいいディスプレイ…!!(思いの外本編とリンクしてました) 2本まとめての鑑賞になりましたが、1はしっかり作られたアニマルパニックものとして見応え充分で大満足。 2は力が抜けるようなまったりB級映画でしたがなんか癒されました(笑)。 ちょこっと感想をまずは1作目から。 開始5秒で傑作の予感…!! 子供が露店で買って可愛がっていたアリゲーターの赤ちゃん。部屋に糞されたとイライラしたお父さんがワニをトイレに流してしまう… まったくタメがなくいきなり始まるス…

  • 「ジェーン・エア」1983年BBCドラマ版を観ました

    ツンデレおじさんと冷血イケメンにグイグイ迫られる乙女ゲーのようなときめき、ゴシックホラーのムードも堪らないイギリス名作文学「ジェーン・エア」。 以前2011年の映画版を鑑賞したのですが、1000ページほどある原作を2時間に圧縮。 ダイジェストのようでドラマが薄くなってしまい、キャストのイメージも違っていてイマイチ。 83年のBBCのドラマ版が出来が良いと伺ったので観てみました。 ジェーン・エア シャーロット・ブロンテ原作 [DVD] ティモシー・ダルトン Amazon こちらは前後編合わせて4時間。 映像や音楽は映画に比べると厚みに欠けていますが、ロチェスターとのロマンスに重点を置きつつ原作に…

  • 「死霊のはらわた ライジング」…気前のいいスプラッターと家族ドラマの悲哀

    日本劇場未公開だそうですが評価が高いようなので観てみました。 いやー、面白い!! 死霊のはらわた ライジング ブルーレイ&DVDセット(2枚組) リリー・サリバン Amazon オリジナルのエッセンスをしっかり継承しつつ、「エクソシスト」のような物哀しい家族の描写、「エイリアン2」のような母性愛、「シャイニング」もびっくりの血の洪水が拝めたりして見所てんこ盛り。 これ1作で独立して観れるのも素晴らしく、大満足の1本でした。 (以下ネタバレ) 冒頭からいきなりの頭皮引きちぎりに唖然。 タイトルバックが神々しくてあまりのカッコ良さにシビれました。 RPGのラスボスみたいでめっちゃ強そう、早くも勝て…

  • 「フリードキン・アンカット」…追悼ウィリアム・フリードキン

    ウィリアム・フリードキン監督が亡くなってしまった… 高齢と知っていてもショック、一時代が終わってしまったような感じがしてとても寂しい気持ちです。 後年の作品は観ていないのもあるしイマイチなものもあったように思うけれど、「エクソシスト」「恐怖の報酬」「フレンチ・コネクション」の3本が圧倒的に凄すぎる…!! 「恐怖の報酬」はこのブログをやるまで観ていなくて、なんで今まで観てなかったんだーと頭を床に打ちつけたくなるくらい面白くて、ド迫力の映像と異常な熱量にただただ圧倒されました。 「恐怖の報酬」を観た後すぐに最終版Blu-rayを購入したのですが、その中に特典映像として入っていたのが「フリードキン・…

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