日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。
前回から、発達障害の気質が強い人で「もの忘れ」を訴えて受診されてきた実際の症例についてご紹介しています。 今回は3人目の症例についてです。 (症例3)「もの忘れ」を主訴に来院された40代女性 夫と別居中で実家で両親と3人で暮らしている方ですが、ここ数か月で記憶力と注意力の低下、イライラ感の増強があり、当院を受診されました。 以下にまず、症状や神経学的所見、画像検査結果などについてまとめます。 【症状など】 ・もともと大学卒業後、IT企業でシステムエンジニアの仕事をしていたが、仕事量が多いことに加え、年齢とともに仕事内容が高度化して残業が増えてきたことや、他人をまとめたり、指導する立場にもなった…
前回から、発達障害の気質が強い人で「もの忘れ」を訴えて受診されてきた実際の症例についてご紹介しています。 今回は2人目の症例についてです。 (症例2)「もの忘れ」を主訴に来院された40代男性 妻と子供と3人で暮らしている方ですが、この1年でもの忘れがだんだんひどくなり、仕事にも支障をきたすようになってきたため、当院を受診されました。 以下にまず、症状や神経学的所見、画像検査結果などについてまとめます。 【症状など】 ・最近、忘れ方と忘れる頻度がひどくなった。前は言われれば「あ~」と思い出したが、今は言われても記憶がすっぽり抜けていることがある。仕事面で2~3週間前のことがすっぽり抜けてしまった…
前回は、患者さん本人の訴えに家族が「共鳴」してしまうと、本人の症状をさらに「増幅」させかねないこと、本人や家族に「待てない」気質があると、目の前に表れる症状に振り回されて薬を勝手に調節してしまうことがあるため、そうなるとさらに治療が難渋しやすくなること、本人や家族が診察時に自ら良くなった点を話すようになったら、それがターニングポイントになって病状が好転していくことが多いことなどについてお話ししました。 今回からは、実際の症例をご紹介していくことにします。 (症例1)「もの忘れ」を主訴に来院された40代女性 夫と娘と3人暮らしでフルタイムで働いている方ですが、最近、仕事で前日に対応したお客さんの…
前回は、パーキンソン病の人は「暗示にかかりやすい」傾向があるため、治療ではそれを利用して得られる薬の効果を大きくするような声掛けをすることがあること、心配性の患者さんは診察時に悪いことしか言ってこないことがあり、そのような場合には治療に難渋しやすいこと、本来治療を進めていくうえで必要な協力が得られそうもない家族の場合には、スタッフはあらかじめそのことを心づもりして対応した方が良いことなどについてお話ししました。 今回はその続きになります。 家族が本人の訴えに「共鳴」することが、さらに本人の症状を「増幅」させる 前回までにお話ししてきたように、パーキンソン症状のある患者さんは総じて「ストレス」に…
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