日々認知症診療に携わる病院スタッフのブログです。診療の中で学んだ認知症の診断、治療、ケアについて紹介していきます。
前回は、ドーパミンが少なくなっているかどうかは、パーキンソン病や発達障害の人に限らず、ドーパミンの機能が落ちることで生じる「パーキンソン症状」が認められれば、その可能性が考えられること、そしてその病態としてはレビー小体型認知症や大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺などの神経変性疾患や脳血管障害(血管性パーキンソニズム)、薬の副作用(薬剤性パーキンソニズム)なども挙げられるが、実は加齢によってもドーパミンは減少するため、高齢になるほどパーキンソン症状を呈しやすくなるというお話をしました。 また、ドーパミンが十分に機能しないためにパーキンソン症状を呈している群というのは、総じて「気分」や「気持ち…
前回は、パーキンソン病や発達障害の人は「気分」や「気持ち」に左右されやすく、それゆえ「ストレス」にも弱くなっているため、何らかの「ストレス」がきっかけになってさらにドーパミンの分泌量が減少してしまいやすく、それが「注意障害」の前景化や「覚醒度」の低下をもたらすことで、結果的に一見「もの忘れ」が出てきたかのように感じられることがあるというお話をしました。 今回は、その続きになります。 「パーキンソン症状がある」ということは「ドーパミンの機能が落ちている」ということ 前回までお話ししてきたように、パーキンソン病や発達障害の人はもともとドーパミンが少ない傾向にあるのですが、ドーパミンの分泌量が減って…
前回は、ドーパミンは体内に増えてくると「幸福感」や「やる気」が湧いてくるため、それが別名「幸せホルモン」「やる気ホルモン」ともいわれる由来になっているけれども、もともとドーパミンが不足がちなパーキンソン病や発達障害の人には、このようなドーパミンがもたらしてくれる「快楽」を求めて、ド―パミンをたくさん分泌させてくれるギャンブルやアルコール、ニコチン、カフェイン、麻薬といった「刺激的な活動や物質」に依存しやすい傾向があるというお話をしました。 また、ドーパミンは「喜ばしいこと」がこれから起こりそうだと予測される時にも分泌される性質があり、ドーパミンが不足がちなパーキンソン病や発達障害の人は、もとも…
前回は、まず発達障害の気質のある人が「もの忘れ」を訴えるようになるパターンを整理し、それは「注意障害」と「覚醒度の低下」が大きく関与していることが多いということをお話ししました。 また、注意欠陥多動性障害(ADHD)で「注意障害」や「覚醒度の低下」といった特徴的な症状が生じる原因の1つに、脳内における神経伝達物質(ホルモン)のドーパミンの「流通量」が少ないことが挙げられることや、実際にドーパミンがどのような働きをしているのかについてもお話ししました。 今回はその続きになります。 ドーパミンの別名は「幸せホルモン」「やる気ホルモン」 前回お話ししたように、精神面にも大きく関与するドーパミンは、体…
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