第二章 世界大戦化と列強の国防力拡充工作第一節 独英国防力の比較――ゲーリング元帥の豪語―― 昭和十六年一月十一日、ベルリンではゲーリング空相が鉱山労働者を集めて、ドイツ重工業の絶対的卓越性を語り、英、独両国の実力の相違を次のように説明しました。(1) 英国
第一章 欧州戦争と東亜経済の動向第八節 超非常時の自足経済 こういう風に考えてきますと、東亜共栄圏というものの前途は決して安心のできない状態にあるのでありまして、いわば世界の大きなブロックの指導者が、最後の所属の決まっていない、未開地域として南洋及び支那
第一章 欧州戦争と東亜経済の動向第七節 ソ連外交の動向 なおここにもう一つ考えなければならないことはソ連の動きでありますが、ソ連は今日はドイツと手を握っているがごとくでありますが、これが今後どういう方面に動いてくるかということは興味ある問題で、今日のとこ
第一章 欧州戦争と東亜経済の動向第六節 日支提携の困難話が、少々枝通に入りますが、支那の民族資本が積極的に出てきて、日本と提携して支那の復興に当たるということが、日満支一体としての経済建設をやる上に非常に大事な問題なのでありますが、残念ながら今日まで支那
第一章 欧州戦争と東亜経済の動向第五節 東亜共栄圏の現状今日多くの人は漫然と、戦後世界は四つの大きなブロックになるであろうということを口にするのでありますが、これは勿論ドイツ、イタリーを盟主とするヨーロッパ・ブロック、それからアメリカ、イギリスを盟主とす
第一章 欧州戦争と東亜経済の動向第四節 独逸の東南洋市場開拓熱 先ほどちょっとドイツのことを述べましたが、ドイツも今日は戦争一段落後における東南洋進出に対しては、非常な関心を持っております。曾てドイツは日本に対して、「蘭印の問題は日本に任せるから勝手にし
第一章 欧州戦争と東亜経済の動向第三節 米国所有金の海外進路 然しながら今日アメリカには二百億弗というような厖大な金の蓄積があって、今後どこにその行く途を見出すかということは、非常に興味ある問題になって来るのであります。 アメリカはこの前の世界戦争の時に
第一章 欧州戦争と東亜経済の動向第二節 欧州の新秩序 先ほど申したドイツの経済大臣フンクの考えておりますヨーロッパ・ブロックの建て直し案というものは、大体そういう状態を予想しているようでありまして、発表しました意見の極く大掴みな筋道を申し上げますと、ヨー
第一章 欧州戦争と東亜経済の動向第一節 世界の四大ブロック化 最初に、現下の世界情勢と日本の経済界の動向について述べようと思います。ご承知の通りヨーロッパ戦争は非常に急激に発展して参りまして、今日のところでは愈々独逸の英本土に対する攻撃を待つという状態に
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