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化学徒の備忘録 https://www.syero-chem.com/

化学に関することを記事にしています。大学レベルの内容が多いですが、高校や中学レベルの内容もあります。また化学であれば、無機化学、有機化学、生物化学、分析化学、物理化学、量子化学、電気化学など幅広い分野の内容の記事を書いています。

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2019/06/05

  • ビアル試験:ビアル反応によるペントースの検出とその応用例

    ビアル試験 (Bial's test) ビアル試験はペントース糖の測定に使用され、この反応はビアル反応ともいわれます。 この反応に使用するビアル試薬は、オルシノール、塩酸、塩化鉄(III)から構成されます。ただしビアル試薬の各成分の濃度は、研究者によって異なっている場合があります。 また、このビアル試薬を改良するため、塩酸の代わりにエタノールを加える方法も考案されています。(参考文献1) ビアル反応の原理 ビアル反応の原理は次のようになります。五員環のペントース糖と加熱すると、ビアル試薬はペントースを脱水してフルフラールを形成します。このフルフラールがオキシノールと縮合することで、青緑色の生成…

  • 糖類・糖質を検出する定性分析方法・判別実験

    糖類 (糖質) は、多価アルコールのアルデヒドまたはケトンとして定義されます。また、これらの生体高分子も含まれ、加水分解によって、これらの化合物が得られます。糖類 (糖質) は動物、植物、微生物にも存在し、多様な構造的および代謝的な役割を果たします。 例えば、グルコースのような糖は主要なエネルギー源の一つであり、デンプンやグリコーゲンは、それぞれ植物と動物における貯蔵多糖類として機能しています。さらに、糖類 (糖質) は細胞壁、動物の結合組織、無脊椎動物の外骨格の構造成分でもあります。他に、糖類 (糖質) は核酸やNAD(P)やFADなどの補酵素のような重要な生体分子の成分でもあります。 糖類…

  • 【錯体化学】配位子の基礎・キレートと単座配位子・多座配位子について

    錯体を大学の講義などで習う中で、登場する言葉がキレートです。キレートの名前の由来も有名な話であり、獲物をしっかりつかむために両方のハサミを使うロブスターに由来し、1920年にMorganとDrewによって研究論文で提唱されました。キレートについて基礎から学ぶため、単座配位、多座配位などの錯体の配位子に関連する内容を紹介していきます。 単純配位子とキレート 錯体に関わる古典的な単純配位子としてアンモニアが有名です。アンモニアは一対の孤立電子対を与え、一つの配位共有結合しか形成できません。(図1参照)水分子には酸素上に二対の孤立電子対がありますが、通常一つの配位共有結合しか形成しません。これは、孤…

  • 博士はいらない:博士号は専門性でもイノベーション力の指標でもない文部科学省のメッセージ

    『博士人材活躍プラン~博士をとろう~ 』はご存知だろうか? 令和6年3月26日に文部科学大臣を座長とする「博士人材の社会における活躍促進に向けたタスクフォース」において、「博士人材活躍プラン~博士をとろう~」を取りまとめました。文部科学省としては、博士を目指したい方が安心して学修できる環境を整え、高い専門性と汎用的能力を有する人材として生き生きと活躍することを後押ししていきます。引用: 文部科学省 webページ 博士号をもつ博士人材を、社会にイノベーションをもたらす人材として、博士のキャリアパスをアカデミアだけでなく、様々な分野に広げるために、日本の文部科学省・大学関係者・産業界で意識を変えて…

  • 【半導体メモリ】HBMとは何か?

    近年、急速にAIや半導体が注目されるようになってきました。そのため化学工業や材料を扱ううえでも集積回路やトランジスタなどの半導体の背景の知識の重要性も増してきています。そこで集積回路やトランジスタといった意味での半導体に関する用語などの基礎を学んで、理解を深めることを目的として記事を作成しています。 HBM (High Bandwidth Memory, 高帯域幅メモリ) とは? HBM (High Bandwidth Memory, 高帯域幅メモリ) は、一言でいうと、非常にデータ転送速度が速いDRAM (メモリ) です。HBM (高帯域幅メモリ) が登場した簡単な背景を参考文献1より紹介し…

  • 論文の回答レターの形式や具体的な参考例

    研究活動の1つとして、学術論文を投稿し、査読を経て、論文を論文誌に掲載させ、研究成果を世に公表するというものがあります。特に査読付きの論文は、研究者の業績の1つともされる重要な内容です。この論文を出版(publish)した研究者の100人中99人は対応しているだろうという過程が(データはないですが)査読者からのコメントへの回答です。 この回答レターはResponse letter(回答レター)やRebuttal letter(反論レター)と呼ばれます。この回答レター次第で、論文が採択(accept)されるか、却下(reject)されるかが決まるというケースもあるでしょう。 回答レターでまれに見…

  • 【錯体化学】配位子・リガンドの基礎

    リガンドとは? リガンド(Ligand) は中心のものなどと強く結合するものという意味があります。そのため、リガンド(Ligand) という概念は、化学の分野以外でも使われています。たとえば、生体分子とのリガンドによって形成される複合体は、イオン結合や水素結合などの弱い非共有結合性相互作用も含まれており、こういったリガンドは生物学などで用いられています。生物化学などにおいても、こういったリガンドという言葉を目にすることがあります。 リガンド(配位子)とは? 一方で、錯体化学では、リガンド (配位子) は中心原子に結合 (もしくは共有結合) できる適切なドナー基を持つ分子またはイオンです。また、…

  • ゼミ資料の参考にしたいコンサルのスライドデザイン

    ゼミ・抄読会・輪講・輪読の資料 理系の研究室に入ると、ゼミ、抄読会、輪講、輪読、論文紹介などの研究室によっていろいろな名前がつけられていますが、いわゆるゼミが行われます。内容の1つとしては、教科書や論文などを担当が読み込み、それを発表するというものです。このゼミの発表の際に、Wordなどでレポートのような形式にまとめるレジュメを用いるタイプと、Powerpoint(パワーポイント)などのスライド資料にまとめるタイプがあります。今回はスライド資料のタイプに焦点を当てます。 どういったパターンが求められているかは、研究室にもよりますが、ここでは経済産業省のサイトに公開されている委託調査報告書を紹介…

  • 海外の雑誌に論文が掲載されるって凄いの?

    海外の雑誌に論文が掲載という話は耳にすることがあります。 研究室に所属している先輩が論文を発表だったり、テレビや書籍などの有識者が研究成果の論文を掲載だったり、色々の場面で目にすることはあると思います。 ところで海外の雑誌に論文が掲載されるというと凄そうですが、実際はどうなのでしょうか? 実際はというと、ピンキリなのです。つまり必ずしも、スゴいとはいえません。どんなレベルの雑誌に掲載されたのかがスゴいかどうかの1つの指標といえるでしょう。それは海外かどうかもそこまで重要ではありません。 例えば、漫画に例えてみましょう。日本の場合でも有名な漫画雑誌から、まだあまり知名度のないような漫画雑誌までい…

  • 博士課程に進学する前に自問するべき5つの質問

    大学生、大学院生で研究室で博士課程の先輩などを見ていると、博士課程がいかに大変かが想像できると思います。しかし、身近に博士課程に進学している学生などがいないと、その違いまでは想像できにくいかもしれません。 そこで、博士課程に進学する前に自問するべき5つの質問を紹介します。博士課程に進学する前に、自分なりの回答を用意しておきましょう。 Q1:博士号を取得したい理由はなにか? 博士課程に進学する理由を整理しておきましょう。 例えば、研究を行いたいという理由であれば、修士課程で企業に就職して研究するという道もあります。たしかに大学と同じような進め方で研究ができないケースなどもあります。しかし、その一…

  • 錯体化学を学ぶときの金属・金属イオン

    金属元素について 錯体は金属イオンと配位子で構成されることから、錯体において金属は重要な要素である。 元素周期表を見ると、元素の大半は金属である。また、研究者によって新たに作られ、確認される新元素も金属であるため、全元素における金属の割合は増加していくとも考えることができる。周期表上での元素の位置は、電子配置に依存する。そして、よく知られているように各元素の化学的な性質は、元素周期表上の元素の位置によって、それぞれ特徴がある。例えば、s、p、d、fブロックの金属は共通の性質がある。通常は、金属は陽イオンを形成し、他のイオンや分子と結合して、分子配位錯体となることが多い。 自然中の金属元素と錯体…

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