朝の散歩道で、ふと目に飛び込んでくる黄色い影。尾を上下に振りながら、小川のほとりを軽やかに歩く小さな鳥。それがキセキレイとの初めての出会いだったという人は少なくありません。見る者の心を不思議と引きつけるこの鳥は、古来より日本人の暮らしに寄り添い、時に大きな転機を運んでくる存在として語り継がれてきました。 川辺で偶然出会った黄色い使者 美咲が初めてキセキレイを見たのは、三十三歳の春でした。転職するべきか、今の会社で我慢し続けるべきか。毎日同じ問いが頭の中をぐるぐると回り、答えは一向に見つからない。そんな重苦しい心を抱えて、彼女はいつもの川沿いの遊歩道を歩いていました。 桜の花びらが水面を流れてい…