調剤薬局経験の現病院薬剤師です。新薬情報や書籍レビュー、薬学部を目指す学生さん向けの記事からを書いています。 服薬指導を重視した記載や病院特有の調製方法など実臨床で役立つ記事を心がけています。
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2019 年1月8日に承認、2019年3月販売開始となりました。 新しい高血圧症治療薬であるミネブロ錠(エサキセレノン)]について説明します。 医薬品情報(基本項目) 販売名 ミネブロ®錠 名前の由来1) 「ミネラルコルチコイド受容体ブロッカー」より「ミネブロ」命名 一般名 エサキセレノン(洋名:Esaxerenone) 製造販売元 第一三共株式会社 薬効分類 選択的ミネラルコルチコイド受容体ブロッカー 効能・効果 高血圧症 用法・用量 2.5mg 1日1回経口投与 効果不十分な場合は、5mgまで増量することができる 出典元:インタビューフォーム、添付文書 高血圧症とはどんな病気? 血圧とは、心臓から送り出された血液が血管内で示す圧力です。この圧力が一定以上に高い場合高血圧となります。 最近(2019年5月)では、130/80㎜Hg以上で高血圧と診断されるようです。 持続的に血圧が高い状態では、低い人と比べると心臓系の病気が増えてしまいます。 そのため、運動療法・食事療法・薬物療法にて治療することが必要です。 血圧について詳しく調べたい場合は「高血圧 ガイドライン」と調べてみてください。転載禁止となっており、当サイトではまとめが出来ておりません。 ミネブロ錠(エサキセレノン)の作用機序【医療者向け】 選択的ミネラルコルチコイド受容体ブロッカー [ 非ステロイド型のミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬 ] とは? レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系の最終産物であるアルドステロンは、尿細管上皮細胞に存在する核内受容体である MR に結合することで、尿中ナトリウム(Na)及び水分の再吸収を促進するとともに尿中へのカリウム(K)排泄を促進し、血中電解質量や循環血液量を調節している。 この作用が過剰に持続することは循環血量の増加を来し、高血圧の一因となることが知られている。 エサキセレノンは非ステロイド骨格を有する MR ブロッカーであり、MR へのアルドステロンの結合を選択的に阻害し、MR の活性化を抑制することで降圧作用を示す。 出典元:インタビューフォーム
タリージェ錠(ミロガバリン)【リリカとの違いを比較】どちらを使う?
2019年1月8日承認、2019年4月15日発売となりました。 電位依存性カルシウムチャネル(α2δ サブユニット)作用薬であるタリージェ錠(ミロガバリン)について説明するとともに、リリカとの違いを説明していきます。 医薬品情報(基本項目) 販売名タリージェ®錠名前の由来1Targeting 由来の"Tar" + Ligand 由来の"Lig"「タリージェ (Tarlige)」一般名ミロガバリンベシル酸塩(洋名: Mirogabalin Besilate)製造販売元第一三共株式会社薬効分類 末梢性神経障害性疼痛治療剤 効能・効果 末梢性神経障害性疼痛用法・用量初期用量:1回5mgを1日2回経口投与し、1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回経口投与する。なお、年齢、症状により1回10mgから15mgの範囲で適宜増減し、1日2回投与する。薬価タリージェ®錠 2.5mg : 1錠 78.00円タリージェ®錠 5mg : 1錠 107.70円タリージェ®錠 10mg : 1錠 148.70円タリージェ®錠 15mg : 1錠 179.60円 (2019年5月現在) 出典元:添付文書 出典元:添付文書 末梢性神経障害とは? 末梢神経(体の端の方の神経)には、全身の筋肉を動かす運動神経、痛みや触れた感触などの皮膚の感覚や関節の位置などを感じる感覚神経、血圧・体温の調節や心臓・腸など内臓の働きを調整する自律神経があります。末梢神経障害は、これらの神経の働きが悪い、傷ついているために起こる障害のことです。 ●主な症状 ・運動障害:「手や足の力が入らない」「足先が垂れてつまずきやすい」「立ち上がりがうまくできない」「物をよく落とす」など ・感覚障害:「手足がジンジンと痛む」「手足の感覚がなくなる」「手足がピリピリとしびれる」など ・自律神経障害:「手や足が冷たい」、「下半身に汗をかかない」など タリージェ錠(ミロガバリン)の作用機序【医療者向け】 ミロガバリンは電位依存性カルシウムチャネルの α2δ サブユニットに強力かつ特異的に結合するリガンドであり、特に、神経障害性疼痛において重要な役割を担う α2δ-1
2019 年1月8日に承認、2019年3月販売開始となりました。 ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤である新しい作用機序の骨粗鬆症治療薬イベニティ®皮下注[ロモソズマブ(遺伝子組換え)]について説明します。 医薬品情報(基本項目) 販売名イベニティ®皮下注105㎎シリンジ名前の由来1)海外における製品名「EVENITY」より一般名ロモソズマブ (遺伝子組換え)[洋名:Romosozumab (Genetical Recombination)]製造販売元アステラス・アムジェン・バイオファーマ(株)薬効分類ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤効能・効果骨折の危険性の高い骨粗鬆症用法・用量ロモソズマブ210mg(シリンジ2本)を1ヵ月に1回12ヵ月皮下投与※注意点あり 出典元:インタビューフォーム、添付文書 骨粗鬆症とはどんな病気? 骨粗鬆症 加齢などにより骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、相対的に骨吸収が優位になることで、骨の量(骨量)が減って骨が脆くなり、骨折しやすくなる病気です。日本には約1000万人以上の患者さんがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。 症状 骨粗鬆症になっても、痛みはないのが普通です。しかし、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。 骨折が生じやすい部位は、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。 骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなります。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。 高齢の方で、骨折をしてしまうと骨折をしていない人と比べると予後(今後生きれる時間)が短くなる傾向があります。 骨折のため運動が出来ず運動不足が続き、他の病気が悪化するなど悪いサイクルを生みやすいためです。 そのため、骨粗鬆症は骨折する前に予防治療が大切となります。 イベニティ®皮下注(ロモソズマブ)の作用機序【医療者向け】 スクレロスチン とは? スクレロスチンは骨細胞によって骨の内部で産生される糖タンパク質です。 スクレロスチンにより、骨芽細胞による骨形成を抑制し、破骨細胞による骨吸収を促進します。
今日の糖尿病治療薬の勉強会行く? もちろん行きますよ!大病院の先生の講演だし、情報交換会もあるし。 情報交換会では、はしゃぎすぎないようにね 腹いっぱい食べます!! こら! はしたないからほどほどにね! この記事は、中・高校生と薬学生へ向けての記事となります。 実際に薬剤師となっていないと、この会話のやりとりの意味が分からないと思いますので、説明していきます。 少しでも、勉強のモチベーションアップにつながればと思います。 では、説明していきます 薬剤師の勉強会(学会は除く) 勉強会といえば、頭にすぐ思い浮かぶのが、上の図のように机に座り先生の話を聞く事がイメージ出来ると思います。 ここは想像通りです。 実際の薬剤師の勉強会では、 製薬企業さんが用意した資料を受付で受け取り、会場に用意された机に座ります。 勉強会は合計2時間程で、1時間を分割して2人の先生が講演するか、1時間~2時間ぐらい を1人の先生が話す事場合が多いです。 土日では、グループワークなどがあります。 勉強会の内容(医師・薬剤師) 例: ・大病院の先生(医師)が実際の診療で新薬の評価や薬の使い分け、最近の治療について説明 ・薬剤師の先生が病院で行っている取り組みを説明をされます。 ほかにもさまざまな内容がありますが今回は省略します。 講演の内容はめちゃくちゃ勉強になります! 軽食の提供・情報交換会( 勉強したからご褒美? ) 勉強会では、軽食(サンドウィッチや弁当など)が出たり、情報交換会という名のバイキングの食事が提供されることがあります!! 背景として、勉強会が開催される時間帯ですが、平日は 勤務後なので18時頃~21時前となります。ほとんどの方は明日も仕事があったりします。 そのため、軽食や食事が提供されることがあります。 正確には、情報交換会は演者の先生と講演の内容について質問をしたり、交流を深める目的として開かれます。 だいたい講演が出来る会場は大きなホテルであったりするので、料理は豪華です。 私が初めて情報交換会に参加した時はとても驚きました。 まとめ 勉強会に参加することで、下のメリットがあります。 最新医療、薬剤の知識 認定薬剤師の単位(今回は説明していません) 軽食、情報交換会がある可能性がある
ベオーバ錠®(ビベグロン)の効果と副作用【選択的β3アドレナリン受容体作動薬】
2018年9月21日に承認となりました。 選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤であるベオーバ錠50mg(ビベグロン錠)について説明します。 医薬品情報(基本項目) 販売名ベオーバ錠名前の由来1)Beta 3 agonist for the patient with Overactive bladder一般名ビベグロン(洋名:Vibegron)製造販売元杏林製薬(株)薬効分類選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤効能・効果過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁用法・用量1回50mg 1日1回食後 経口投与(成人) ピロリジン骨格を有する選択的β3アドレナリン受容体作動薬 出典元:添付文書 過活動膀胱とはどんな病気? 過活動膀胱とは、 1.急に尿意をもよおして我慢出来なくなる。慌ててトイレに駆け込む、一旦尿意が気になり始めると我慢できなくなる(尿意切迫感) 2.トイレの頻度が多い(頻尿)、夜中トイレに何回も行く(夜間頻尿)、 3.急な尿意を感じる、トイレに間に合わずに尿が漏れてしまう(切迫性尿失禁) このような症状が現れる病気です。 ベオーバ錠の作用機序【医療者向け】 膀胱平滑筋に存在するβ3 アドレナリン受容体を選択的に刺激し、膀胱を弛緩させることで蓄尿機能を亢進し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁を改善する。 出典元:インタビューフォーム 1~2週間飲み続ける事で効果が表れてくるようです。 即効性はなく、医師が判断するまで継続してください。 臨床結果について【T301試験】 国内第Ⅲ相比較試験(T301試験) 目的: 過活動膀胱(OAB)患者を対象にベオーバを12週間経口投与した際の有効性(プラセボ投与に対する優越性)及び安全性を検討する。 対象: 20歳以上のOAB 患者1,232例(有効性解析対象例[FAS]1,224例、安全性解析対象例[SAS]1,225例) 方法: 多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験2週間の観察期(プラセボ投与、単盲検下)終了後に、患者をベオーバ50及び100mg群、参照薬(イミダフェナシン0.2mg)群又はプラセボ群に3.3 : 3.3 : 1 : 3.3
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