葡萄に栗鼠図鐔古金工葡萄に栗鼠図鐔古金工葡萄と栗鼠は一緒に描かれることがある題材。この鐔は、赤銅地を魚子地に仕上げ、くっきりとした高彫に金銀の色絵を加えた作のように見える。確かにそのとおりで、作風を説明する場合には高彫色絵だが、鐔の地面を彫り込んだものではない。実は、この鐔は図像が彫り表された表裏2枚の板で地板を挟み込んだ3枚仕立てとされているのである。即ち、図柄は板の裏から打ち出し、表面に鏨を加えて精密な描写としているのである。古金工にはこのような処理をしたものが間々存在する。時代の上がる作に特徴の一つである。技術的にも興味深いし、何より正確な構図と精密な彫刻が活かされた、名鐔である。□日本刀専門店銀座長州屋葡萄に栗鼠図鐔古金工kokinkoTsuba
葡萄図鐔古金工葡萄図鐔古金工山銅地に毛彫と金色絵で葡萄の葉と実を描き、蔓は素銅地の平象嵌。完成された文様美として捉えて良いだろう。質朴な山銅地の色調とは対極にある金の色絵、素銅の平象嵌が巧みである。おそらく埋忠明壽以前の古金工の時代に、このような優れた技術と文様を表現する感性を持つ金工がいたことは驚きだが、同時に、埋忠とは異なる美観がある。□22日本刀専門店銀座長州屋葡萄図鐔古金工KokinkoTsuba
雲板文図鐔太刀師雲板文図鐔太刀師雲板、宝珠、あるいは霊芝。古くからある文様の一つ。地面に小さな菊花形の石目地を打ち施し、同時にこの文様と桐紋、菊紋を高彫表現している。桐紋と菊紋は鏨の打ち込みによるものであろう。銀覆輪の桐紋も鏨打ち込みによる。比較的軟らかな金属であれば打ち込みによって文様が施されることがある。打ち込み風の鋤彫との見分けは難しい。雲板文図鐔太刀師Tachishi
桐紋唐草図鐔古金工桐紋唐草図鐔古金工太刀金具師の作であろう、山銅地の表面に唐草文と桐紋を毛彫にし、全面に金の色絵を施している。四百年以上の年月を経て色絵が剥落している。元来は金無垢のように全面が金で鮮やかであった。大きめの唐草がゆったりとしている。高位の武将の持ち物であったと思われる。優雅で品の良い桐紋である。日本刀専門店銀座長州屋桐紋唐草図鐔古金工KokinkoTsuba
葛唐草図鐔太刀師葛唐草図鐔太刀師耳を金色絵で装っている。色合いの沈んだ作で、装飾は片切彫。あまりぱっとしないのだが、風合いは上品。片切彫も丁寧で、上位の武士が用いたものに違いない。そこで、耳に金の色絵を施して華やかさを演出したのであろう。桃山時代の太刀師と極められている。葛唐草図鐔太刀師TachishiTsuba
花文図鐔古正阿弥花文図鐔古正阿弥時代の上がる鐔の技法を紹介している。桃山文化の時代に製作された古正阿弥の作。素銅地に、以前にも紹介した腐らかしの手法で文様をごく浅く浮き彫りにしている。その消え入りそうな様子が魅力。覆輪が廻らされている。覆輪とは、耳に被せられている別仕立ての金属こと。耳が衣服に擦れて…と覆輪の設けられた理由を述べたこともあるが、本当は見栄えを良くするためのものではないだろうか。覆輪のあるなしで、鐔の機能には大きな差はない。日本刀専門店銀座長州屋花文図鐔古正阿弥Ko-Shoami
松葉に瑞雲図鐔古金工松葉に瑞雲図鐔古金工なんと洒落た図柄であろうか、全面に片切彫で瑞雲を散し、松葉は幅の狭い透かしで優雅。江戸時代後期に糸透と呼ばれる極めて細い線状の透かしが、すでに室町時代に始まっているのだ。江戸時代後期には、埃などで隙間が容易に埋まってしまうような極めて幅の狭い糸透かしが、鉄地の鐔に施されるようになる。本作は、透かしの幅は決して狭くはないのだが、構成線がとても美しい。日本刀専門店銀座長州屋松葉に瑞雲図鐔古金工kokinkoTsuba
菊花図鐔古金工菊花図鐔古金工耳の形状と透かしで菊花を表現した作。透かしの周囲に金の色絵が施されていた。品の良い図柄だと思う。金の剥がれた山銅地の色が古調であるが、製作された当時は、金の鮮やかな色調が優り、立派な拵に装着されていたものと想像される。金色絵は極めて薄く、ごく薄い金の板をロウ付けする手法ではないだろうかと思う。日本刀専門店銀座長州屋菊花図鐔古金工KokinkoTsuba
獅子牡丹図鐔古金工獅子牡丹図鐔古金工魚子地を背景に獅子と牡丹を全面に彫り描いた作。獅子は後藤や後の多くの獅子と変りはないのだが、牡丹は古風。ちょっと見には分からないだろうが、牡丹を描いたものである。蕾に牡丹らしさがうかがえるが、花開いた様子はどうしても牡丹に見えない。でもこれが時代の上がる牡丹。魚子地が揃っていない。植物の枝ぶりが唐草風であるところが見どころ。日本刀専門店銀座長州屋獅子牡丹図鐔古金工KokinkoTsuba
花蝶図鐔古金工花蝶図鐔古金工簡単に言うと赤銅地高彫仕上げだが、文様の構成が面白い。糸巻風に構成しているのも、良く見ると花を文様化しているようにも思える。表の蝶、裏の蜂以外はすべて花だから、この曲線も花あるいは枝葉とみてよかろう。このような独特の文様美が生み出されたのは、鎌倉鐔と呼ばれる特異な文様美と同様、桃山頃であろう。日本刀専門店銀座長州屋花蝶図鐔古金工KokinkoTsuba
波に酒壺図鐔古金工波に酒壺図鐔古金工海辺に酒壺といえば猩々。その留守模様であろうか。点刻による文様表現。透かしの周囲にも点刻がある。点による文様表現鐔というと、応仁鐔が思い浮かぶ。何らかの影響を受けているのであろう。毛彫でないところが興味深い。もう一つ、耳に覆輪が施されているところ。ここにも点状の文様が施されている。この覆輪様式を小田原覆輪と呼んでいる。小田原提灯を思い浮かべての呼称らしい。日本刀専門店銀座長州屋波に酒壺図鐔古金工KokinkoTsuba
輪違い図鐔古金工輪違い図鐔古金工時代の上がる鐔の技法を紹介している。この鐔は、輪の組み合わせが文様とされており、さらに、細い花弁のような文様があり、その周りに古拙な魚子地が全面に打たれている。文様は応仁鐔のように線で縁取りされている。耳は桶底式。素銅地に古色が付いているようにも、黒漆が全面に塗られていたようにも考えられる。古い鐔には、黒漆で仕上げられていたと思われる作がある。櫃穴の形状が、平造に対応していることも見逃せない。輪違い図鐔古金工KokinkoTsuba
唐草文図鐔古金工唐草文図鐔古金工大胆な唐草文。山銅地の全面に彫口の深い片切彫で濃密に彫りこんでいる。唐草そのものは古典的な文様の代表であり、多くの装剣金具にみられる。この鐔の見どころは、渋く沈んだ素材の色合いと、幅広く深い片切彫。時代の上がる鐔の小柄笄の櫃穴は、江戸時代の鐔のそれと異なる。写し物にもあるのでこれを判断基準とするのは危険だが、一つの見どころでもある。日本刀専門店銀座長州屋唐草文図鐔古金工
紋散し図鐔古金工紋散し図鐔古金工素銅地の簡素な仕立ての鐔。鐔表面に放射状の刻みを付けているのは、時代の上がる甲冑師鐔などにもみられる装飾。これに、毛彫で桐紋、梅花紋、菊紋を配している。古拙な作である点が味わい深く鑑賞のポイントでもあろう。彫口は、梅花紋が蹴彫のような点状の彫の連続。菊紋は蹴彫風鏨の痕跡がみられないことから、一枚の花弁の形の鏨を打ち込んでいるように思われる。桐紋の葉の部分は菊紋の花弁と同じ鏨の打ち込みのように見える。上部の花の部分には蹴彫風鏨の痕跡が明瞭である。紋散し図鐔古金工KokinkoTsuba
藤唐草文図鐔古金工唐草文図鐔古金工この写真で判るだろうか、薄肉に表現された唐草文。山銅地に腐らかしの手法を施したものと思われる。文様部分が、ごくごく薄肉に仕立てられているため、文様が目立たない。そもそも、江戸時代のような華やかさを求めたものではないのだろう。日本刀専門店銀座長州屋藤唐草文図鐔古金工KokinkoTsuba
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