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  • 『三国志』再び 横山光輝 十九巻

    ということで横山『三国志』に戻ってきました。 うむ、どうしても今の私は『三国志』が一番居心地よくてな。 ネタバレしますのでご注意を。 ところで吉川『三国志』を読んでいたら先の部分で関羽が玄徳から手紙をもらいそこに「お前が曹操に仕えて出世したいと思うのなら私は快くそれを許したいと思う」と書かれていたのを「私のことをそんな軽々しい男と思っておられたのか」と悔しがる場面として描かれていて「それもまた良いねえ」とにやにやしてしまった。 一方、横山『三国志』では関羽も玄徳もまったくそんな余計な心配などせずお互いまっしぐらに相手を信じ切っているのだけど。 やっぱり横山氏は浮気など考えもしない一途さを描いて…

  • 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』古賀豪/原作 水木しげる

    アマゾンプライムにて鑑賞。 この一年弱の毎日の自由時間を横山光輝マンガ読書かその関係に費やしてまいりました。 「一年間は」と思っていたのですがちょうどこの時期に『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』がプライム配信されるとの情報でどうしようかと迷ってもいたのですがあっさり負けてしまいました。むむむ。 ネタバレしますのでご注意を。 とはいえまだ観終わったばかり。すでにもう何度か観てみる予定をしております。 よかった。 観る前にものすごく情報入っててマンガも知ってたり読んでみたりいろいろ予備知識多めだったし「あんまり期待してもな」という態勢でもあったのですが思った以上によかったし皆さんが感動したのもわかるしその気…

  • 『三国志』再び 横山光輝 十八巻

    はい、関羽が愛しい人の元へと一散に駆けていく巻です。幸せいっぱい。 表紙も笑みが我慢できないという感じだ。 ネタバレしますのでご注意を。 昨夜とうって変わってかっこいい関羽です。やはり赤兎馬にまたがる関羽は決まってるね。横山先生の描く馬はほんとうに美しい。 まずは「まき餌の策」により曹操が文醜を計略によって倒すのだがもしかして顔良の時と一緒で関羽がやっつけたら終わりだったのでは、という気もするがそれでは曹操が活躍できないからかもしれない。曹操も関羽にカッコいいとこ見せたいだろうし。 どっちにしても関羽の「ドバッ」という一撃で終わるのだけど。そして関羽の活躍で玄徳自身もその姿を確認する。そのまま…

  • 『三国志』再び 横山光輝 十七巻 後半

    笑っちゃうくらい可愛い関羽雲長。なぜこんなにかわいくなったん。 目がかわいすぎるぅ ネタバレしますのでご注意を。 張遼は曹操のために関羽の心の内を聞きに行く。(なんだか女学生みたいだな) いつもはこんな風だ 関羽のセリフが良すぎて悶え死ぬ。なんでこんな言葉言えるのか。 これもなあ。一番えっちなセリフだと思うのよ。 いったいどんなことがあったのかなあ。 こういうカットを見ると曹操を小柄に描くつもりでいるのはわかるな。でもやっぱり大きく感じるのだよね。 その頃玄徳は命からがら冀州にたどり着き袁紹の手厚いもてなしを受けていた。 (いやあ弟を死に追いやった人を・・・とは思ってしまうんだけど) とはいえ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 十七巻 前半

    ちょっぴりほっこりだった前巻とうって変わって大きな変化が生まれる。 しかも関羽と曹操の物語がここで。 ネタバレしますのでご注意を。(上の文もネタバレではある) 董承の血判状に名を連ねた吉平。 曹操の侍医でもある名医吉平が企んだのは頭痛持ちの曹操の毒殺。自分が施す頭痛薬に毒を仕込むことだった。 だがこの計画を聞いた董承の下男の密告ですべて曹操の知るところとなる。曹操は暗殺計画に加担した者の一族郎党をことごとく捕らえ斬殺した。その数は七百人にのぼった。 曹操暗殺は帝の密詔からとはいえ帝を処刑することはできない。そうすれば国中の反感を買うのは目に見えているからだ。 しかし加担した西涼の馬騰と徐州の玄…

  • 『三国志』再び 横山光輝 十六巻

    かっこいい表紙。張飛はすっごく絵になるんよな。 ネタバレしますのでご注意を。 この巻は比較的ほっこり巻。曹操の配下である二将軍がオマヌケで笑って読んでいられるのである。ひきかえ関羽がめちゃくちゃ二枚目に描かれている。横山先生、関羽をどうしてここまで美形にしたんだろうか。(わけのわからない疑問) 曹操は死んだ袁術の供が持っていた玉璽を手に入れて大いに喜ぶ。が、一方突然脅威を感じ出した玄徳に貸した五万の兵がそのまま徐州に残されているという報告を受けて慌てだす。 この上は徐州城の留守番をさせていた車胄に玄徳討伐を命じるしかない。 車胄はその玄徳討伐を(こともあろうに)陳登に命じた。 陳父子は今も玄徳…

  • 『三国志』再び 横山光輝 十五巻

    『三国志』このあたりからやっと劉備玄徳が本格的に活躍し始める、と言っていいのではないか。 通常のマンガの構成としてはとんでもない。 とはいえここからの玄徳の活躍はそれを越えるとんでもなさだ。どうしてそういう構成なのかはこの巻を読めばわかるといえよう。 ネタバレしまうのでご注意を。 曹操と玄徳が馬車に隣り合って座っている貴重なショット。 ふたりは皇帝に謁見する。その際皇帝は劉備が自分の一族であると知り「玄徳よ。これからも朕の力になってくれ」と親しく話しかけられた。 曹操の側近は玄徳が力を持っていくのではないかと危ぶむが曹操は意に介さずそれよりも狩りを催して人々の心を計りたいと画策する。 狩りの中…

  • 『三国志』再び 横山光輝 十三巻後半から十四巻

    女子がちょっぴりだけとはいえ描かれている珍しい横山『三国志』表紙絵。 呂布とその娘だけど。呂布の危機を描いた名場面(?)とも言える。 ネタバレしますのでご注意を。 呂布軍に襲われ玄徳は逃げ延びたが行方知れず、小沛城は奪われてしまった。 ひとり逃走し彷徨う玄徳は近くの村の男から「小沛の玄徳様ではございませぬか」と問われる。男は続けて「玄徳様は民百姓にとても思いやりがございました。こんな時こそふだんの御恩返しがしたいと村の者も語っております」というのだ。 しかし玄徳は自分はそうではないと否定した。 男は自分の持つ食べ物を玄徳に渡す。玄徳はありがたく受け取り立ち去った。 それからも玄徳が行く先々に食…

  • 『三国志』再び 横山光輝 十三巻 前半

    『三国志』再読なんでざっとやろうと思っているのにどうしても一巻ペースになってしまうのですよ。どうしても書きたいことがあるのだな。 ネタバレしますのでご注意を。 冒頭、あの有名な曹操の「この先に梅の実があるぞ」事件が描かれる。 張繍と荊州の劉表が組んで怪しい気配があると聞き曹操は南陽へと向かう。 季節は5月から6月。最も暑い季節なのだ。 河南の伏牛山脈の道は険しく兵士たちは倒れ水を求めた。 そんな兵士たちに曹操は「皆の者、もう少しのしんぼうだ。この山を越えると梅の林がある」と呼びかける。兵士たちは「梅の実が食える」と言い合った。すっぱい梅の味を想像し口の中に唾をわかせいつしか喉の渇きを忘れたのだ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 十二巻

    物語が曹操パートに入る。 なにしろずーっと曹操様を観ていられるのですぞ。眼福眼福。曹操は小柄だと言う史実というか記録があるので横山先生も意識しておられるようだけど、どうしても好みのためか(氏は好きなキャラをすらりと描きがち)大きめに描かれているように思えます。とにかく際立つ美形だというのは確か。私は壮年期以降の曹操デザインもとても好きです。 ネタバレしますのでご注意を。 曹操と彼が守護する帝は許昌にいる。その許昌を李傕・郭汜の敗残兵らが狙っていると聞き曹操は討伐軍を考えたが呂布の存在が出陣を迷わせる。都を空にすれば呂布は確実に略奪に動くからだ。 そのため曹操は呂布に平東将軍の称号を与えて忠誠を…

  • 『三国志』再び 横山光輝 十巻

    孫策。小覇王と呼ばれるだけあって頼もしい。周瑜との関係も描かれて居たらなあと思ったりもする。 ネタバレしますのでご注意を。 冒頭、孫策と太史慈の一騎打ちで互いに相手への敬意が生じたふたりが主従になっていくまでが描かれる。 孫策は劉繇を討たんとし太史慈は劉繇の家来ではあったがその劉繇の了見の狭さに失望してしまう。 さらに太史慈は劉繇が戦意を失って逃げ落ちてからも古城に立てこもって孫策軍と戦い続けた。孫策は太史慈を罠にはめ生け捕る。「早く首を刎ねろ」と言い続ける太史慈を説得し孫策は彼を部下とした。 太史慈は「三日の自由をくだされば優れた大将と兵を三千集めて精兵を作ってみせましょう」と言い出し孫権は…

  • 『三国志』再び 横山光輝 十巻

    張飛よ。しかしこの時が伏線ともなるのだ。 悲しいなあ。 ネタバレしますのでご注意を。 この巻もとても辛い巻だ(おおよそどれもツライ巻)が演出としてとてもうまい。 「酒を飲むんじゃないぞ」と玄徳に釘を刺されて留守番を任されたのに(しかも自分からすると言い出したヤツ)あっという間に酒を飲み始めしかも酔っ払って文官をぶん殴りそのために呂布に告げ口されて玄徳の留守に張飛達城兵が酔いつぶれているとばらされてしまう。 ここで面白いのはその呂布も「玄徳は俺を優しく迎え入れてくれた男だ」と言いながらもそれを裏切り城と領土を奪ってしまおうと決意してしまうというふたりの豪傑の心の弱さを並べて描いているところだろう…

  • 『三国志』再び 横山光輝 九巻

    天下を狙う曹操。 ネタバレしますのでご注意を。 玄徳結婚したことがここでお披露目されて草。普通主人公の結婚って一番華やかな場面となるものじゃないのん?ストーリーに関係なければ主人公でもカットされる。 曹操は玄徳がちゃっかり徐州を領土にしたと聞かされカッとなる。これを部下に諫められまずは自国を取り戻すことにした。よかったよかった。 兗州城は呂布の部下たる薛蘭と李封が留守を預かっていたが軍規は乱れたるみきっていた。曹操軍はそこを突け目に攻め込んだのだ。 この頃の許褚の可愛さよ。 ところで横山先生はおおよそ忠実に原作(?)をマンガ化しているように思える。オリジナルキャラみたいなのはほぼないみたいだけ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 八巻から九巻冒頭

    あなたは曹操✖○○は誰ですか? ネタバレしますのでご注意を。 八巻冒頭の呂布・董卓討伐に戻るが本作の原作ともいえる吉川英治『三国志』ではこの貂蝉による誘惑作戦は王允の策略ということになっている。 横山氏がこれを「貂蝉自身が言い出した作戦」に変えたのは理解できる。つまり「董卓討伐という正義」を行っている王允を「女の性を利用する悪党」にするのに嫌悪感があることと奴隷ゆえにやむなく飼い主の命令を聞かざるを得ない女の悲劇にはしたくなかったということだろう。 貂蝉から言い出した、ということにすれば女性でありながら戦い抜いた気高さという描写にできる。 とはいえ現在の感覚で見れば貂蝉が自死する必要はない。仕…

  • 『三国志』再び 横山光輝 七巻後半から八巻冒頭

    呂布。横山三国志の中で一番女に弱い豪傑。 女に弱いと言うべきなのか、女に優しいと言うべきなのか。 女にとことん冷たい玄徳とどっちがいいのか。 ネタバレしますのでご注意を。 ほんとはこんなデザインじゃないよね???すごくかっこいい孫堅軍船 孫堅軍を待ち受けるのは荊州の(見なかったことにしておこうの)劉表。まずはその第一戦の大将江夏城の城主黄祖であった。 孫堅の軍船を発見して合図を送る。 というので気づいたけど、ここまで横山三国志で有名な「ジャーンジャーン」はあったんだっけ。(なかったような。あっても控えめだったのか) この合図を機に大将黄祖は孫堅軍船を迎え撃つ。 というので思い出したけどある頃か…

  • 『三国志』再び 横山光輝 六巻から七巻冒頭

    読み返していて、こんなに面白い作品を読めることが幸福だとしみじみ感慨に震えています。これを読まずに死ななくてほんとうによかった。 ネタバレしますのでご注意を。 という奇妙なる感動を覚えているけど曹操様の一大事だ。 袁紹の言葉を退け己の軍だけで董卓を追い詰め李儒の策略にはまってしまう。 曹操は何度も死の際まで行くけどこの時どうして死んでしまわなかったのか(どういう感想か)不思議なほどだ。 死の淵にまで追い詰められると誰かが助けにくる。不思議な男でもある。 「もはやこれまでか」と思い詰めると「殿!早まってはなりませぬ。ここは拙者にお任せくだされ」と家来が我が身を犠牲にする。 「殿!ご無事で」と祈っ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 五巻

    ところで横山『三国志』を読んで初めて私は水島新司『ドカベン』設定が『三国志』からなのだと気づきました。 岩鬼が一番わかりやすく張飛ですね。破天荒さと体力が共通点です。 主人公たる劉備は里中智くんです。志は高いけど体力が足りない。母子家庭で貧しいけどお母さん思いというのまで一緒ですよ? では山田太郎君は? 私は孔明と関羽を足して2で割っていないと確信しています。山田君は孔明の頭脳と関羽の腕力を合わせ持っていると思うのです。 そして里中君へのあの忠義心はまさしく関羽でしょう。 そして姿かたちは趙雲wwwいや趙雲が山田君を真似たのかwwwというわけで 山田太郎君は孔明+関羽+趙雲になります。もの凄す…

  • 『三国志』再び 横山光輝 三巻後半から四巻

    赤に身を固めた曹操。そうか彼は赤い彗星だったのか。 赤い彗星曹操。 ネタバレしますのでご注意を。 さて。 片田舎の警察署長になったものの賄賂をせびる督郵をこらしめて飛び出した玄徳たちは張飛の知り合いである劉大人の屋敷と客人となる。 そこで以前助けた芙蓉姫と再会した玄徳は夜中の逢瀬を続けた。 この時の関羽の狼狽がかわいくてしかたない。 ぷーくすくす 玄徳を女にとられてしまうのは我慢ならん関羽である。 そこへ劉大人が吉報をもたらしてくれる。巡察がこの屋敷を訪れるというのだ。 関羽、速攻で玄徳に知らせにいく。 たぶんめっちゃ速足。すたたた。 玄徳、言い方が投げやり、心ここにあらず。関羽むかついてるw…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二巻から三巻冒頭

    再び、っていうよりもっと読んでますが解りやすくしましたw ネタバレしますのでご注意を。 「再び」読むと、この2巻時点の劉備・関羽・張飛たちの若々しさに涙してしまう。 明日をも知れない流浪の身、「国のために」と命懸けで戦ってもなんの後ろ盾もない彼らは礼をされるどころか侮蔑の態度で追い出されるばかり。 が、後に関羽が曹操の客人になりその忠義心を自分に向けて欲しいと望んだ時関羽は答える。「玄徳様とは長い間貧しい食を分け合い苦労を共にしました。その思い出があなたとの間にはない」と(だいたいこのような) マンガに描かれていない部分でもこの三兄弟が寝食を共にしたエピソードが数知れずあるのだと二次創作的な想…

  • 『咬竜-風雲児黒田如水伝ー』横山光輝

    『ジャイアントロボ地球の静止する日』に引き続き横山原作アニメを見ようと予定していたのですがどうしても観続ける気になれずマンガに戻ってきましたw 横山マンガに限らず原作を愛した者はアニメには失望するきらいがあるとは思いますが横山作品は特に甚だしいのではないかと思ったりします。 横山作品はアニメとは相性が悪いのか、それとも良い巡り合わせがないのか、そもそもこんなものなのか。 やむなくやっぱりマンガ作品を読み進めることにします。 ネタバレしますのでご注意を。 表紙はなんだかすごく可愛いけど中身の黒田官兵衛がめちゃくちゃかっこいいです。 こういう正統派二枚目は横山キャラが最高峰。 ヒラリ スマートです…

  • 『ジャイアントロボ』横山光輝の原作と『~地球が静止する日~』今川泰宏

    上の『ジャイアントロボ』が下になります。 さて昨日も書きましたが今川『ジャイアントロボ~地球が静止する日~』はそれはそれでとても楽しみましたのでそれをどうこう批判はしないのですがそのアニメ作品によって原作横山作品の特徴・価値もまたひとつ明確になるのでここであえて「お楽しみ」として記してみたいと思います。 今川泰宏版『ジャイアントロボ』もまた監督の愛が満ちたひとつの傑作と思いますのでその上での記述としてご理解ください。 ネタバレしますのでご注意を。 なんといっても横山原作と今川版の違いはその実直さと騒々しさにあると思います。 これは横山氏が言われていたことだけどクライマックスの一場面を描くために…

  • 『ジャイアントロボ THE ANIMATION ~地球が静止する日~』今川泰宏/原作:横山光輝

    実はこの作品初鑑賞ではありません。 といってリアルタイムではなかったのですが話題だったので気になって鑑賞しました。横山光輝沼にはまる前だったけどとても面白く楽しみました。 で、横山光輝にはまってしまいかなり作品を読んだ現在もう一度観なおしたくなった、という次第です。 まだ途中ですが感想としては 「横山光輝を知ってしまうと感想変わるかと思ったけどあまり変わらなかった」 です。 確かに色々なキャラクターの原作を知ったのだからまったく変わらないわけはないのですが 「そうだったのかああ!!!」 という驚きはなかったですね。 たぶん監督の今川泰宏氏の色があまりにもはっきりくっきり出ているためなのでしょう…

  • 『平家物語』横山光輝 その3

    ネタバレしますのでご注意を。 少し話が戻る。 以仁親王(もちひとしんのう) 源三位入道頼政(げんさんみにゅうどうよりまさ) この顔、横山マンガの晩年によく出てくる。良いキャラです。 驕る平家と戦おうという声が上がり僧侶が立ち上がるが「格下の寺と同格になるのは我慢ならん」というようなことで破綻する。 清盛は比叡山の僧侶に絶大な寄進をして反逆を阻止するがこの寄進の品を僧侶たちが奪い合う。 以仁親王は宇治川の対岸にある平等院に入る。 清盛は四男知盛を総大将にして二万八千騎を率いさせた。 結果だけを書くと武力にものをいう平家は反逆者を討ちとってしまうがその抵抗ぶりが面白い。横山氏はどちらの戦いぶりも見…

  • 『平家物語』横山光輝 その2

    それほど書けることはないのだけど少し書きます。 ネタバレしますのでご注意を。 『平家物語』を読んで平家贔屓側として思うのはなんといっても「なぜあの時頼朝の首を討ちとってしまわなかったか」という清盛の言葉そのままだ。 もちろんそれはそれで仇討的な源氏の動きがあっただろうし「それでいうなら義経も」ということにはなるのだけど。 歴史にたらればはない。それが清盛であり頼朝だったということだけなのだから仕方ない。 おもしろいのは今はあまりそういうイメージがないのにこの時代は僧侶たちがすごい豪傑だということ。 中国では少林寺があるけどかつては日本でもそうした武闘派の寺もあったりしたのだろうか。おもしろがっ…

  • 『平家物語』横山光輝 その1

    横山光輝『平家物語』読み始めました。 まだ途中なので言えるのは 馬が小さくて可愛い(今までは大きく美しい馬を描き続けてきた横山氏が本作では「らしい感じのする」小型馬をしっかり描かれているのに感服しました) 私自身が源平合戦なら圧倒的平家贔屓なので清盛には頑張っていただきたい。 (もちろん大河ドラマ『平清盛』も観ていましためずらしく) このような歴史漫画を丹念に描いてくれるのはやはり横山氏の力量あってのこと。萩尾望都氏が『王妃マルゴ』青池保子氏『アルカサル』のような歴史漫画が素晴らしいのは横山氏の先鞭があってこそと思われます。 そして気になるのは本作が横山光輝氏の遺作に近いということです。 本作…

  • 『風盗伝』横山光輝

    昨日の『血笑鴉』の真逆のような作品。 ネタバレしますのでご注意を。 昨日の『血笑鴉』のカラスが己の欲望を満たすために人殺しを続け女を抱き長生きしていくのに対し本作『風盗伝』の武造はひとりの女性だけを好きになり戦ってもどうにもならないのを知ってなお命を落とす若者である。 『風盗伝』が1968年作品であり『血笑鴉』は1970年作品 他の方の感想を探ると「このあたりの横山作品も面白い『血笑鴉』とか『風盗伝』とか」とひとくくりにされてる感があってなるほどそういう括りもできるかなと思わされたりした。 とはいえ私には真逆の作品として認識させられる。 好みはそれぞれだろうけど私は本作『風盗伝』が自分にとって…

  • 『血笑鴉』その1 横山光輝

    ケッショウガラスと読むのだなあ。 ネタバレしますのでご注意を。 だからいつも半笑いなのね。 横山マンガの主人公と言えば美形、かっこいい、正義漢の手本といえるけどあえてその逆にしたのが本作なのだろうか。 あえてブサイクを主人公にしてみよう、としたら横山先生の感覚ではそういう人は正義ではない、となったのか。 下衆な性格の主人公にしてみようかと考えたら美形にならなかったのか。 それとも同時発生で不細工で下衆な性格として生まれてしまったのか。 主人公は「なぜか」物凄い殺しの腕前を持つ男である。 数年前に崖に突き出た木の枝にぶら下がっていた、という以前の記憶がすっかりなくなっており自分の本名も判らずどう…

  • 『サンダー大王』横山光輝

    「巨大ロボット&少年」シリーズ。 ネタバレしますのでご注意を。 横山光輝氏巨大ロボットの魅力は計り知れない。 しかし何も知らず読み始めたので最初変な男の命令を聞いて「サンダー大王」が動き始めたのを見て 「あれ?別展開かな?」と思ったのだがやはり登場したのは少年だった。 (ま、表紙に出てるしね) なんとアトランティス生まれで生き残りでもある少年、名前はシンゴ。もちろん熱い正義の心を持つ。 いきなりアトランティスの守護神である「サンダー大王」を強欲で貧弱な男に奪われてしまうところから登場するのだがなんとしてでも「サンダー大王」を奪い返すという意気込みがある。 そこへ無敵のサンダー大王が欲しくなった…

  • 『ダイモス』横山光輝

    小学館「小学四年生」1973年11月号~1974年3月号、「小学五年生」1974年4月号~1975年3月号連載 ネタバレしますのでご注意を。 上の表紙画像からして興味を持つ。 かっこいいロボットに鎖。そして少年の足元におじさんふたりが倒れているがなぜか同じ容貌でメガネのおじさんふたりだ。 表紙からして描き間違い?ということはあり得なくもちろんこれが導入のヒントになっている。 本作は「小学四年生」から「小学五年生」という極めて限られた対象向けに連載されていたわけですが特にそうした低年齢向けだからという手抜きは感じられません。 むしろ非常にセンシティブと言ってもいいほど特殊な条件を扱った設定ではな…

  • 『兵馬地獄旅』三巻 横山光輝 最終巻

    早くも最終巻です。 兵馬の地獄旅見届けましょう。 ネタバレしますのでご注意を。 くノ一・楓。一途な女でその腕は確かだから見ていて頼もしい。 何が何でも大好きな兵馬を守りたい、という強い意志を持つ女。 『忍者武芸帳』の明美、最近では『進撃の巨人』のミカサを思い重ねてしまう。 とはいえ兵馬も楓を思ってしびれ薬を撃ち込まれながらもまったく効いていないかのように耐えて動きばたりと倒れてしまうところがかっこいいではないですか。余計惚れてしまうばかりですわ。 この兵馬の優しさは上に挙げた明美に対する重太郎、ミカサに対するエレンにもなかった。なぜかこの『兵馬地獄旅』が一番のラブストーリーになっている。 楓と…

  • 『兵馬地獄旅』二巻 横山光輝

    いやあ楽しい地獄旅です。 ネタバレしますのでご注意を。 女との出会いは簡単にすまされてしまうが男との出会いは濃密に描かれる。 ヒロイン登場 なかなか見目麗しい。いや絶対女よりも丁寧に描いてるから。 驚いた表情の視線の先は・・・ しかし えーと、これは隠喩とみていいのかな。 ヒロインは兵馬を我が家に招き入れる。 ある意味寝室 ここで兵馬はヒロインの名が後藤又兵衛だと知る。 又兵衛は飲む前に周囲に落ち葉を撒く。怪しいものが近づいてもわかるというのだ。 こんなに接触する場面を描くのも珍しいかも 兵馬は野盗から又兵衛を討ちとれば仕官できるという企てで近づいたのだが又兵衛の人となりを知るに惚れ込み逆に又…

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