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  • 『兵馬地獄旅』一巻 横山光輝

    おもしろくて一気に読んでしまいました。 ネタバレしますのでご注意を。 冒頭、気ままに一人旅をする兵馬が旅の坊さんといういで立ちの数人から襲われ激しい戦いとなる。 これは常々思っている横山光輝氏の「白土三平リスペクト」というのか「白土三平凄いけど俺ならこう描く」という意識を感じてしまう。 上の画像を見ても兵馬が少しおかしな短いスカートになってるのもミニスカートカムイを意識してではないだろうか。さすがにこの年齢でミニスカートはやばかったのだろう。 しかも本編に入るとしっかりズボン姿になってる。 こ、こっちが落ち着くよ どうやら兵馬も抜け忍であるらしい。 追っ手との戦いで負傷した兵馬は岩にもたれ座り…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 5巻

    はい。最終巻です。全巻15巻ですが最終巻は5巻です。 「影丸旅日記の巻」 ネタバレしますのでご注意を。 この巻で終わりと思うと感慨ひとしおです。 何度読もうと思っても読み難かった本作の理由はこの秋田サンデーコミックス版が掲載順が違うのだと教わり正しい読み順を示していただいたらするすると読み進めていけたのはなんともありがたくも不思議でした。 そ、そんなにやっぱり読み順は大切なのね。読み切り短編形式とはいえ作者もやはり説明をしなくなっていくものなのでしょう。 それでもどこか本作の重要性と作者横山光輝氏の偉業をどこか解らずにいたのですが前回読んで言葉にはしにくいのですが白土三平忍者ものとは違う意義に…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 7巻 前半

    「土蜘蛛五人衆の巻」 ネタバレしますのでご注意を。 土蜘蛛党の首領でありただひとりの生き残りとなった金目の後を追った善鬼はその秘術にかかってしまう。 だが影丸にひとことでも伝えたいと必死で半蔵屋敷に戻り目的を果たして死んだ。 そこへ金目からの矢文が届き鴨が原で一対一の勝負をしたいというのだった。 影丸は受けて立った。 かわいいふたり。 これを見ると吾妻ひでお氏の可愛い男の子は横山光輝からだったとわかる。 かわいすぎてずっと切り取ってしまう。 でも十郎太も好き。つまり村雨兄弟が好きということだな。 村雨家の庭には薬草と毒草が植えられている。影丸がその匂いを嗅ごうとすると源太郎は「その毒花をかぐと…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 6巻

    「土蜘蛛五人衆の巻」 ネタバレしますのでご注意を。 秋月藩で暗躍した土蜘蛛党の残党に命を狙われる影丸。 半蔵は手下の忍者たちに影丸の警護を命じた。 正直言うとこの巻はかなり手詰まりを感じてしまう。 これまで半蔵からの指令を受けて攻撃していたものを影丸の護衛という変化を持たせたのだろう。もしかしたら抜け忍のカムイが常に追っ手に狙われる状況なのを影丸に与えてみたのかもしれない。 が、本作品のこれまでの史実をない交ぜにしたストーリーと比べてしまうと物足りない。 敵が再登場の土蜘蛛党(恨みを持ってという設定だからやむをえないが)というのもあって得体のしれない恐怖、というのも期待できない。 唯一嬉しかっ…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 4巻

    「邪鬼秘帳の巻」影丸の背後に可愛い猫耳忍者がいっぱい。 ネタバレしますのでご注意を。 いつもながらお布団シーンがかわいすぎる。大の男が三人布団を並べて寝るかなあw お行儀良いし。 邪鬼案外優しい。一角を心配して外へ出る。 しかし優しさの見返りはある。大好きな影丸と出会えるのだ。というか出会えそうな気がしたので向かった気がするが。 しかも 覚えていてくれた。ジーン。 影丸は自分を「おれ」呼びしたり「せっしゃ」呼びしたりするけどここでは「ぼく」呼び。なんだか気を許している気がして邪鬼感激。 邪鬼と影丸は戦いはせず別れる。 邪鬼はあとのふたりを起こして現場に連れて来る。この辺そつがない。 一角を抱え…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 3巻 後半

    はい。『伊賀の影丸』3巻後半「邪鬼秘帳の巻」行きます。 あの邪鬼が再登場するのかとわくわくしますね。 ネタバレしますのでご注意を。 「秋月藩」での事件、なのですがこの「秋月藩」っていうのは現在の福岡県にあるあの秋月藩とは違うなにかなのでしょうか。このような城はないのではと思ったり。 それとも秋月藩というのは他にもあったのか、黒澤映画『隠し砦の三悪人』でも秋月家復興というのが出てきますがなんでこうあちこちで秋月?となっています。 全然関係なくて単に「秋月」という名前が良いので使われやすいということなのでしょうか。 とりあえず秋月藩では辻斬りが横行していた。ふたりの酔っぱらい武士が辻斬りにいとも簡…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 8巻

    「地獄谷金山の巻」&「ムササビ」 この表紙はwww影丸くんはキリっとかっこいいけど後のおじいさんともう一人の忍者もふざけているみたいに見えて笑える。 おじいさんじゃなくて女の子かもしれない(ウソです) ネタバレしますのでご注意を。 嵐月之助。火薬を自在に使う恐ろしい男である。 だけど仲間の影丸を真剣に心配する優しさも併せ持つ。 優男みたいなのに額の傷もあってちょっとつかみどころのない味のあるキャラクターだ。 横山先生のお布団シーン(変な意味ではない。だいたい変なシーンないし)はいつもなんとなく微笑ましくて笑ってしまう。きちんとしすぎ?なのか? ここなんか寝心地良いように敷布団が二枚重ねになって…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 7巻 後半

    7巻の後半「地獄谷金山の巻」行きます。この表紙もかっこいいです。 ネタバレしますのでご注意を。 お目めパッチリでかわいい。 忍者たちに襲われ倒れていた男を救おうとした半蔵。が、男は刀傷を受け「かくし金山がある」という言葉を残して死んでしまった。その手には刀に塗られていたのであろう毒による症状があらわれていた。 半蔵はすぐさまこの情報を家老に伝える。家老は「金山銀山はすべて幕府の直轄になっている。これは軍資金を蓄えるのをふせぐためじゃ」と言い、隠し金山を持つ者がいるという報告を怖れた。家老は「すべてお前に任せる」と半蔵に命じた。 半蔵はその男を自宅に運び配下の忍者たちに「どこのものか、かぎだせ」…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 3巻 前半

    三巻前半「半蔵暗殺帳の巻」を続けます。 ネタバレしますのでご注意を。 気のせいか、この回は絵がすごく急いでいるというか雑な感じがする。それともこういうタッチを意識した描き方なんだろうか。 しかしとても可愛い場面もある。それはフクロウ。半蔵配下の甚内が用いる。 忍犬ならぬ忍フクかわいい。頭が良くてかわいい。 飼い主・甚内もやさしい。 めっちゃ役に立つ。かわいい。 ホウホウかわいい しかし飛騨忍者は伊賀忍者の死体に化けて屋敷内に侵入し再び半蔵の巻物を狙う。 またまた睡眠薬をかがされる半蔵。たるんどるぞ。 しかし巻物は見つけきれなかった。 そして半蔵忍者も侵入者である飛騨忍者独眼房兵馬を見つけきれな…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 2巻

    なにこの壮絶な美少年。信じられないくらい綺麗な顔なんだけど! 「七つの影法師の巻」「半蔵暗殺帳の巻」 ネタバレしますのでご注意を。 冒頭は「七つの影法師」の最終部。 ここで描かれる「醜い顔になってしまったので包帯でそれを隠している」という題材は横山作品で何度も描かれている。 この時代に多かった題材だったようにも思えるし、他の作者も使っていたようにも思うが包帯男は『鉄人28号』でも使われているので横山氏としては気に入ったもしくは気になる設定なのだろうか。 幽鬼の「かならずお前を道づれにする」という執念によって天鬼もついに倒される。 そして夢麿。 夢麿さんは影丸が好きと見た。 そしてその影丸。 す…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 1巻

    「七つの影法師の巻」 何度この表紙を出してるんだろう、という気になってしまうがめげずに行こう。 とはいえこの表紙かっこいいです。忍者らしい雰囲気です。 ネタバレしますのでご注意を。 というわけで読み進めました。何度目かの一巻ですが、やはり読み順の問題だったと解明しました。 以前の「読みにくい」問題はなんだったんだろう、という感覚です。ちゃんと読めました。 当然ですがキャラクターと物語に馴染んだかどうかで読解力は違ってきますよね。 ということはサンデーコミックス、初読みなら第一巻の時点で脱落しがちなのでは。 これで読まなくなったという案件も多いのでは? あえて読者を減らしてしまう作品順番、という…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 15巻 最終巻

    最終巻ですが読者にはまったく最終巻どころか途中という不思議。 この表紙とても塗りが丁寧で綺麗に思えるのですが。影丸くん、凄すぎて少年というイメージが薄いですがこの絵ではほっぺがぴかっとしてて初々しい。 ネタバレしますのでご注意を。 闇一族・岩風と左門は村雨兄弟の末弟・源太郎を捕え連れ去る。 いちいちイヤラシイ。子供相手によお。 源太郎の目印に気づいた霧丸は跡を追うが解らず、影丸と共に探し始める。 横山マンガには珍しく変形コマになっている。 源太郎は痛々しい姿にもかかわらずここでも勝気に助けにきた影丸に気づき足で柱を叩いて合図を送り「助ける前に武士を追いかけろ」と伝える。 影丸はいったん引き揚げ…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 14巻

    「闇一族の巻・その一」 村雨五兄弟が登場する回です。 ではネタバレしますのでご注意を。 数年にわたって凶作が続くという山城の国。餓死者も出る中で人々は他の土地に移り始めた。 (というところでひっかかって江戸時代に農民が勝手に別の場所に移動できるのか、と思って検索したら江戸時代、農民は悲惨な生活をしてると思われているが案外自由な生活をエンジョイしていたと書かれていてそうなのか、と納得した。飢饉はエンジョイできないだろうが) そんな中で代官・山形三郎兵衛は集めた年貢で贅沢な暮らしをしていた。 この男の屋敷を襲った忍者たちがいた。彼らは山形を倒した後、蔵から財産を奪い去った。 その知らせを受けた服部…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 13巻

    「由比正雪の巻・その三」表紙はなんとなく昔の方が丁寧に描かれている気がする色塗りも。 ネタバレしますのでご注意を。 そうなのか ヌードというよりスカートはいてる感じの邪鬼様。影丸の仲間である源心と戦いその力量を見せつける。 邪鬼様、着やせするタイプというのか脱ぐとけっこう凄い体なのだ。 邪鬼は源心を高い樹に吊るして影丸を誘う。 あくまでも邪鬼の狙いは影丸だからね。 こ、これは影丸くんの女装、だよね? なぜここで女装せねばならないのか、必要なのか。少年だからこそできるものかもしれないが。 右コマのセリフ、ちょっと気になるがこういう言い回し以前はしていたのか。 「しわざくさいぞ」ではなく? 邪鬼は…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 12巻

    「由比正雪の巻・その二」 ネタバレしますのでご注意を。 左近丸の活躍が続く。 甲賀忍者・鏡月は伊賀忍者獅子丸を倒したものの最期に「血しるべ」をつけられ獣に追われる。目を傷つけられ満身創痍となった鏡月を左近丸と源心が追いつめる。 末期の水を願った鏡月に一ぱいの水を差しだすと鏡月は残った水をこぼし美女が舞う幻影を見せ源心を惑わせた。 だがむろん盲目の左近丸にはこの幻術は意味をなさなかった。 幻術で惑わせ逃げようとした鏡月はあっけなく左近丸に斬り捨てられる。 一方、邪鬼はあくまでも影丸ひとりを追っていた。 一途な男だ。 ところで邪鬼と正雪が似てるので紛らわしいが正雪は目がパッチリしてる 由比正雪が古…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 11巻

    なにこの表紙、笑わせたいのかwww 「由比正雪の巻・その1」 ネタバレしますのでご注意を。 由比正雪は『時の行者』で読んだので知っているわけだけど「慶安の変」とも言われる史実で自分の記憶にもなにやらドラマとか何かであった気もする。 正雪は幕府転覆を謀った後失敗追い詰められ自刃し見せしめのため磔(本作ではさらし首)となったが本作ではそれが偽物で本人は生き延びていた、という『魔界衆』の冒頭のような設定になっている。 本作での白眉はやはり左近丸。その存在感は影丸の影が薄くなるほど。 忍者の一味なのにとても綺麗な衣装の美少年剣士。 慌てふためく影丸をクールに諭す。 しかも盲目という。前髪があるので14…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 10巻

    はい。第十巻「若葉城の巻・その二」です。 ううむ。あれほど「読みにくい」と言っていたのが嘘のように「読みやすい」 そりゃそうだよねえ、とひとり赤面する。読みやすいものも順不同になればよくわからなくなるのは当然だ。 読みにくい考察までしてしまったのが恥ずかしくて削除したいけど「読みにくい」のはこういうわけですよ、という道標になるかもしれないのでそのままにしておこう。 そして道標様たちのおかげで読み進めていきます。 ネタバレしますのでご注意を。 うんかっこいい。 こういう構図で心がつかまれる。 たくし上げた袴も良い。 そして影丸を助けにくる彦三。 飄々としたクールキャラ。萩尾望都に影響与えてる気が…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 9巻

    ht なかなか読みこなせないのでこれは読み方が悪いのではないかと検索してみました。すると「巻の正しい順番」を示してくださっている方が・・・・ひらさんだったw 「伊賀の影丸」を、秋田のサンデーコミックスで連載順に読む場合の順番は、9巻→10巻→11巻→12巻→13巻→14巻→15巻→1巻→2巻→3巻前半→7巻後半→8巻→3巻後半→4巻→6巻→7巻前半→5巻といった感じです。面倒くさい。(^^;) pic.twitter.com/TxHZFM0oBd — ひら (@hira282828) 2018年3月11日 ありがたい。 早速9巻から読んでみましたよ。 なるほど。ここからなら読みやすい。当たり前…

  • 『伊賀の影丸』横山光輝 1

    再々挑戦『伊賀の影丸』なぜか私には『伊賀の影丸』が難しくてなかなか読めない。 かなり横山マンガ読んできたので今度こそは扉を開ける鍵を手に入れたのではないかと期待して読んでみよう。急ぐ必要はないのだからじっくりと。 ネタバレしますのでご注意を。 表紙の影丸がとんでもない魅力があるということだけはすぐに理解。 何故本作が読みにくく感じてしまうのか。 例えば横山氏の代表作『三国志』はまったく読みにくいとは思わなかったのにだ。 というのは無論『三国志』はずっと後の作品なので横山氏の技術が圧倒的に進化してきちっと整理された作品になっているからだ。 wikiを見ると本作『伊賀の影丸』は 「それぞれ固有の特…

  • 『魔界衆』横山光輝 その3

    こ、これはどうなんだろう?この場面の前に兵馬と話していたからうっかり口調が残ってしまったのか。 幸村がわざと口真似したのかとまで思ったけど、そんな感じでもなく。 普通に「そんなことは人間にはできない」でいいはず?佐助が言ったとも思えずw ネタバレしますのでご注意を。 魔界衆の里から五人の若者が代表で外へ出ることとなった。 幸村はこの機に魔界衆の力を利用したいと考える。 ここで兵馬は追っ手忍者との戦いで窮地にい陥るが里からついてきた太一によって救われる。 太一はまだ小さな幼児なのだがなんと御神器の一つを持ち出しておりそれで敵忍者を撃ち殺したのだ。 太一、おそろしい子 仲間の一人岩五郎もこの御神器…

  • 『魔界衆』横山光輝 その2

    横山先生の描く赤子はかわいいなあ。赤ちゃんを可愛く描ける人って案外いないんですよ。 ネタバレしますのでご注意を。 向かって右側が赤子を背負った佐助。中央が真田幸村。 さて昨日の続き。 燃え盛る火の海に入って行けと幸村に命じられ従った才蔵は黒焦げになって戻ってきた。 今度は佐助が「行ってみよ」と命じられる。 悲壮な忠義心を見せる佐助。 こういうのがたまらなくおかしくてむずむずするのが横山マンガの醍醐味だ。ふたりとも跪いてるのもおもろい。 幸村は背負った赤子が泣きださないのはおかしいと告げる。 意を決した佐助は赤子をおぶったまま燃え盛る炎の中へ入った。 佐助は熱さにたじろぐが赤子はばぶばぶと笑うだ…

  • 『魔界衆』横山光輝

    何も知らず読了。 なんという面白さ。驚きました。参りました。凄い。 タイトルの下に「横山光輝時代傑作選」と書かれているので短編集かと思っていました。そのくらい何も知らなかったのですが。 ebookでひとつだけのレビューがついていて悪評になっていますがお気になさらず。これは横山光輝の要素つまった傑作です。(って書かれているけどね、題目に) ネタバレしますのでご注意を。 始まり、真田幸村が登場する。『伊賀の影丸』など数々の忍者ものを描いてきた横山氏の実績がここで生きる。 誰もが「お得意の忍者ものの系譜なのだな」と信じて疑わない。というか私が疑わなかったw しかも地道な歴史ものの雰囲気だったのでこれ…

  • 『織田信長』横山光輝/原作:山岡荘八 その2

    読了しました。 ネタバレしますのでご注意を。 横山光輝戦国時代シリーズ(1980年代以降において)『徳川家康』『織田信長』『伊達政宗』『武田信玄』『武田勝頼』『豊臣秀吉』これは年表順に書いたが読んだのは順不同だった。(実はあと一作『平家物語』があるのだが) 先日も書いたように『織田信長』は後にとっておいた感があるのだけど先に他の作品で主人公張りに活躍する最も華やかな武将である。 が、そのせいもあってか信長主人公の本作は他で読んだ信長ほどには強い印象が残らなかったのは不思議である。 他の人の目を通した方が強い印象になるのかもしれない。 横山光輝はオーソドックスな表現方法を取る作家だと思う。ベーシ…

  • 『織田信長』横山光輝/原作:山岡荘八

    横山光輝戦国原作ものは一度味わったらやめられない。永久に続けてほしいと無理な願いを持ってしまう。 ネタバレしますのでご注意を。 織田信長。一番気になる人物なので後に残していた感がある。 常に鮮やかにこの国の人々の心を騒がしてきた男だ。 といっても戦国ものはつながっているので横山作品でも『徳川家康』『武田信玄』『豊臣秀吉』と読んでくればどうしたって信長は出て来るしどの作品でも主人公であるが如くの印象となる。 その織田信長を主人公にした本作にはどうしたって期待してしまうではないか。 本作は信長の幼少期は省いて濃姫と結婚する直前から始まる。 マムシと呼ばれる斉藤道三が愛した娘でありうつけと呼ばれる信…

  • 『単行本未収録傑作集 死神 』横山光輝 その2

    さて続けます。 ネタバレしますのでご注意を 4.『あの麻薬(ヤク)を追え』 最近麻薬をヤクと言わないですね。 ううむ、困ったこの作品。 見分けがしにくいほどかっこいい二人組。腕利きの秘密情報局員の彼らが麻薬運搬人を尾けて本拠をつきとめようとしたがまんまと巻かれてしまいホテルに泊まるのだが。 えーとこういう時って男二人ベッドを並べて寝るのが当たり前なのか?横山マンガではよくあるのだけど、さすがに別部屋にしないのかなあ。 男っぽい系と可愛い系なのも気になる。 ここだけ切り取ったらいかん すごくやさしいんだねえ(別にいいだろ) すごく仲良しなかんじ 男の尻は描いちゃいけなかったのだろうか。なぜ隠すの…

  • 『単行本未収録傑作集 死神 』横山光輝 その1

    タイトル通り横山光輝傑作短編集です。 最後の一作品を除いた八作品が青年向けマンガであり1960年後期に描かれたものです。最後の一作品だけは70年代前半のものです。 ネタバレしますのでご注意を。 八作品の特徴は青年向けを意識したもので好青年ではない「悪男」と「悪女」の攻防でありシニカルどんでん返し人生の悲劇といったものが強く出ています。 なぜそんな表現が多いのかは巻末の中野晴行氏による解説を読むとよくわかる(おっと中野晴行氏というのは昨日書いた『さいごの山嵐』収録本の監修の方ではないか) 氏の解説によると「1960年代というのはマンガの読者が12歳以下の子供だけではなく中・高生大学生さらには社会…

  • 『さいごの山嵐』横山光輝

    『別冊少年ジャンプ』1970ん10月号 収録本『バビル2世』8巻、潮出版社 と書かれていますが、私にはこの収録本がわかりませんでした。 こちらの拾い画像では『最後の山嵐』とタイトルされていますが私が読んだ(上の)本の表紙にはひらがなで『さいごの山嵐』と描かれています。 小さなところでややこしい。 その私が読んだ本作はこの本に掲載されていたものです。 金の星社/監修:中野晴行 ちなみに図書館で借りましたw 表紙でわかるとおり他の漫画家さんとの同時収録の上、税抜き3200円なのでちょっとこの本を買う余裕はない・・・。 いつか横山短編集のようなものに収録されることを願います。 ネタバレしますのでご注…

  • 『セカンドマン』横山光輝 その2

    かっこいいA1(アタックワン)ターミネーターかレプリカントか。 でもこっちが先。 さて昨日の続きです。 ネタバレしますのでご注意を。 ここにきて「???」という展開になっていく。 テレパシーに導かれいきなり遭遇したA1を倒すことができた健児はその声の主がいる場所へ歩き続けると「早く来てくれトカゲの大群にみな食べられてしまう」と今まで頼もしかった声が気弱になる。 とはいえ健児が急ぎ駆け付けるとそこには声のいうとおりオオトカゲの大群が人々をパクッパクッと飲み込んでいた。 健児はA1から取り上げた銃で次々とオオトカゲを倒し「誰かいるか」と呼びかけた。 「ここにいるよ。どうやらわしだけはトカゲのえじき…

  • 『セカンドマン』横山光輝 その1

    「小学四年生」昭和49年(1974)5月号~50年3月号掲載 おお!美女が一緒に描かれている。希少価値。小学生には美女w しかし中の扉絵では主人公ひとり。かっこいい。 ネタバレしますのでご注意を。 まず、小学四年生向けにしてはかなりハードな内容に思える。自分がそのとき読んでいたらそういう意味でも感動しただろう。 以前読んだ少年少女向け作品でも横山氏は重い内容をぶちこんでくる。そんなところにも愛読者が増えたに違いない。 美しい地球の姿を描き、廃墟と化した建物が示され「冷凍室」と書かれた壊れたドアの中で眠っていた少年が目覚める。 少年は五十年間冷凍ボックスに入っていて今その冷凍が解かれたのだ。 し…

  • 『マーズ』横山光輝

    昨日はあらすじを追った時点で力尽きてしまったので感想を少しは書いてみたい。 ネタバレしますのでご注意を。 リアルタイムで読んでいたならすぐに重ね合わせたのであろうけど『マーズ』は横山光輝版の『幼年期の終り』だったしあの頃、というか『幼年期の終り』以降のSFはそれをなくしては描けないに決まっている。 そして『幼年期の終り』が最初から非常に精神的な物語だったのに反抗するかのように横山『幼年期』は人類がそのような高みに行けるわけがないと叩きつけているようだ。 横山氏のプロフィールを見れば小学生までを戦時中に過ごしている。子供時代を戦争の中で過ごし疎開することを強いられた「幼年期」を送った人にとって戦…

  • 『マーズ』横山光輝 ⑤

    最終巻です。 少年マンガとして5巻で不足なくきっちり終わるというのは最初から計画していたということなのだろうか。 『デビルマン』も5巻で終わるのだけどあの物凄い話が全5巻でできるのだから全5巻というのはそういうものなのかもしれない。 ネタバレしますのでご注意を。 破壊された東京。 その中で記者会見が行われた。まずは官房長官が「我々には戦う気はありません。いや戦えないんです」と説明する。「六神体の五体まではマーズが片付けた。しかし残りの一体をやっつけると地球が吹っ飛ぶのです」 さらにマーズとは何者なのか、を毎朝新聞社が語る。「わかったことはこの少年も人工細胞によって生み出された無性生殖人間です」…

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