山菜取りとナズナを見に行きました
長さがなければ短さも成り立たぬ。短いということがあるからこそ、長いという意味もありうる。これは長短に限ったことではなく、この世の万相のすべてに当てはまることであり、我々の人生や幸や不幸にも適用できることだ。不幸があれば幸福は存在しないし、病気があるからこそ健康もありうるわけだ。すべての価値概念は、このように相対的である。結局、我々の人生には、絶対的なものなどありはしないということにつきる。 (生き上手死に上手 遠藤周作6) 幸せと不幸は、一見対立するもののようでありながら、実はそれほど鮮やかな対照を示してはいない。むしろ、重さと体積を一つの秤に掛けて比べようとするようなおかしな事態が生じる。幸せとは一瞬の閃光の如きものであり、不幸はどんより曇った長い午後に似ている。一般の暮らしの中では、そのいずれとも定め難い普通の状態の占める領域が最も広いと推測される。幸せの状態がもしも長々と続...
2024/04/30 07:07