仕事が忙しいときほど、自分のための時間をなんとかして確保すべきだと思います。その時間は、自己投資や気分を高めるために使います。私は仕事ばかりしていると、たとえそれが自分の好きなことであっても、果たしてこんな生活をつづけていていいものかという疑問をもってしまいます。 ただ、仕事が溜まっているときにあえて別のことを優先するのは、勇気のいることです。私がいま自分の時間を毎日なんとか確保しているのも、そうすることがメリットであると信じたからではなくて、実際にやってみたら効果があったからです。 きっかけは、佐藤優の『読書の技法』を読んだ(正確には、audibleで聴いた)ことです。私はもともと人よりは読…
リーダーは部下と理念に奉仕する - 書評: 池田守男、金井壽宏『サーバントリーダーシップ入門』
池田守男、金井壽宏の『サーバントリーダーシップ入門』を読みました。 リーダーシップ関連の最近の書籍を読んでみて分かるのは、命令し、周囲の人々を自分が思うように動かして成果を出すタイプのリーダーは、すでに過去の像だということです。組織が社会の変化に対して柔軟に姿を変えていかねばならない時代には、個々人の多様性と能力が最大限に発揮されねばなりません。そのためには、構成員一人ひとりが自ら考え行動するようになることが必要です。 反対に、こうした状態が実現できていれば、リーダーが箸の上げ下げまで指図する必要はありません。むしろ、構成員の能力を開花させる手伝いをすることこそ、よい組織をつくるためのリーダー…
日本で生きていきにくいと感じたら - 書評: 中島義道『非社交的社交性』
中島義道の『非社交的社交性』を読みました。 後半は著者の主催する哲学塾において、他者の考えや「常識」が分からないために参加者たちが引き起こす珍事件の紹介にあてられており、前半は著者自身の現代社会における生きにくさ(と強かさ)が描かれています。哲学に魅せられる人の生態を明らかにすることを基調としつつも、テーマは多岐にわたり、中にはどうして一緒に収録されているのか分かりかねる部分もありました。しかし、そうした部分も含めて、哲学をするということが(少なくとも著者のような人にとって)どういうことなのか、アイロニカルでしかも切実な思いが綴られて、心揺さぶられるものでした。 たとえば息子がウィーンの日本人…
一人ひとりがリーダーだと自覚する組織の強さ - 書評: 伊賀泰代『採用基準』
伊賀泰代の『採用基準』を読みました。仕事をする上でもっとリーダーシップについて学ぶ必要があると考え、ネットでよい参考書がないかと検索して見つけた本です。タイトルだけでは全くリーダーシップの本だとは思えないので、もし書店で探しただけであれば、決して見つけられなかったでしょう。書店にも、リーダーシップの棚ではなく、採用の棚にありました。タイトルで損をしてしまっているように思えてなりません。 さて、その中身ですが、大変勉強になりました。働き方、仕事に対する意識に大きなインパクトを与えるもので、読んでよかったですし、もっと早くに出会っていればと思いました。これから社会に出る人にも、すでに社会に出て働い…
日本人にとっての空気と水 - 書評: 山本七平『「空気」の研究』
山本七平『「空気」の研究』を読みました。すでに古典的な評価を受けている作品ですので読みたいとは思っていたのですが、思うだけでなかなかそのタイミングがなく、今回ようやく時間を確保することができました。 正直なところ、議論に完全についていくことはできませんでした。多少古い著作だということもあり、常識として説明なく引用されている時事的なことがらが一体どういう意味をもつとして紹介されているのか、分かりかねるところが多かったからです。しっかりと理解しようと思えば、田中角栄とかカーターとかの時代の出来事を、言及されるたびに調べて意味づけしていかなくてはいけません。これはなかなか骨の折れる作業で、私にはちょ…
妻の言動はすべて家族のため - 書評: 黒川伊保子『妻のトリセツ』
黒川伊保子の『妻のトリセツ』を読みました。 仕事で毎晩遅くに帰り、妻に家事や子育ての負担をかけているので、それを多少なりとも軽減するすべはないものかと思っていました。もちろん、早くに帰宅できない以上、物理的に手伝いをすることはできません。それでも、精神的な面から、何かしらサポートができないかと考えています。 その一方で、妻がどのようなことになぜストレスを感じるかということが、よくわかっていませんでした。私がストレスを感じるポイントと、妻がストレスを感じるポイントとが大きく異なっていて、よかれと思ったことがなかなか想定した通りの反応を引き出さない、ということがしばしばです。 そうした中で、この本…
あらゆる情報と自分の生き方をつなぐものとしてのメモ - 書評: 前田裕二『メモの魔力』
前田裕二の『メモの魔力』を読みました。書店のランキングで一位になっている本はとりあえず読む、ということをやっているので購入してみたのですが、読んでよかったと心から思っています。 自己啓発の本でたびたび目にするのは、「読むだけで終わりにするのではなく、行動に移さねばならない」ということ。この点で、『メモの魔力』はまさに、行動への強い動機を与える本です。メモを取るということが、単なる勉強とか仕事術といったレベルではなく、生き方そのものとして論じられています。第五章の題は、そのものずばり、「メモは生き方である」というものです。 紹介されている方法は、至ってシンプルです。 ①インプットした「ファクト」…
私は星のことには詳しくないのですが、基本的な星座の形くらいは分かります。ただ、形はわかっても、それが空のどの方角にあるのかということは分かりません。なので、たとえば小熊座はどちらの方角に見えるかといった質問を受けても、分からないと答えるしかありません。 しかし、夜中に家路についていると、ふと、オリオンが見えることに気づきました。これは数ある星座の中でも最も見つけやすいものではないかと思います。それでも、星座を見つけたというので少し嬉しくなって、あたりをぐるりと見回してみると、北斗七星がありました。そこから目を少し転じると、カシオペアもありました。 さて、北斗七星やカシオペアから北極星を見つけら…
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