分子栄養学の講座で最初に教わることの中に、治療の順番を示す実践ピラミッドというのがあります。 三角のピラミッドの1番下、1番最初に治療が必要なところ、それは腸と炎症です。 次がデトックス。 次がホルモン(副腎→甲状腺→性) 次がエネルギー 頂上が脳(メチレーション) です。 そして、このピラミッドは低血糖の海に浮かんでいると表現されます。 つまり、土台である腸の治療に取り掛かるにしても、血糖値の維持がまず大事で、ここがなくならないとピラミッド自体がゆらゆらぐらぐらってことです。 血糖値が下がり過ぎることで様々な不調が起きているのですが、それを自覚出来ている方はほぼいないと思います。 慢性的な疲労や副腎疲労、うつ、パニック障害、アレルギーなどだけでなく、心配性、緊張しやすい、ネガティヴ、肩こり、顎関節症、頭痛などなんとなくやり過ごしている不調、すべて低血糖の海に浮かんでいるんです。 血糖値が下がり過ぎると副腎からコルチゾールやカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)などが出る為、交感神経優位になり腸は動かなくなる。 身体は緊張する。 副腎は疲弊する。 実際に血糖値の数字が低くなくても、今はまだコルチゾールやカテコラミンで保っているだけというパターンも多いのです。 そこで、コルチゾールやカテコラミンを使わず血糖値を維持しておく方法を試してみてください。 お出汁1リットルに大さじ2〜3くらいの葛粉を入れます。あとはミネラルが豊富な自然塩もプラス。(ぬちまーすがおススメ) 葛粉は加熱した方が消化にいいそうですので水で溶いてから一度加熱するのといいです。 ちょっとめんどくさいけど、鍋で煮てからお出汁の粉を入れるといいと思います。 それを保温のポットに入れて、15分おきにひと口ずつ飲みます。 ごくごく一度に飲むんじゃなくて、ひと口ずつを15分おきです。 きっちり15分じゃなくてもいいので、なるべく頻繁に飲んでください。 葛粉はデンプンなので、良質な糖で血糖値を維持するってことです。 血糖値が下がりやすいのは10時と16時です。 この時間にコーヒーを飲みたくなるのはカフェインでアドレナリンを出したいからなんです。
糖質の摂取を減らすと体重は減ります。 やったー!脂肪が減ったんだ! って、思うじゃないですか。 違うんだって〜涙 もちろん脂肪も多少は減ってますが、大部分は水分なんです。 人の体は飢餓に備えて、糖をグリコーゲンという形にして肝臓や筋肉に蓄えておくのです。 口から糖が入って来なくなると、グリコーゲンを糖にして血液の中に戻して細胞に届けてエネルギーを作ります。 さて、そのグリコーゲン、糖だけではなく、糖の3〜6倍の水と結合しているのです。 つまり、糖を制限すると、グリコーゲンが使われて、水分も出て行くんです。 なので、体重が減るのはほとんどがこの水分が減ったからなんです。 じゃあ脂肪を減らすにはどうしたらいいか? それは、脂質を減らすこと。 食べた脂は、余ったらそのまま脂肪として蓄積されてしまうのです。 糖質制限したグループと脂質制限したグループでは、脂質制限したグループの方が脂肪の減少が大きかったそうです。 超低カロリーダイエットでは、体脂肪の減少なしで体重は4〜5kgも落ちる可能性があるんだそう。 体重を減らしたいだけなら、お米や麺など炭水化物を抜くのもいいけれど、体脂肪や内蔵脂肪を減らしたかったら、脂質も気をつけないといけないってことです。 肉だからいいやーって食べ過ぎてしまうと、お米を抜いても脂肪は減らないよってこと。 内蔵脂肪は体内の慢性炎症を引き起こし、インスリンが効かない体になってしまいます。 食欲の暴走、そして糖尿病のコース。 なるべく日本食を意識する。 蒸すとか煮るとかね。 あとは、食べた脂質をくっつけて出す働きのある食物繊維をたくさん食べること。舞茸とかね。(舞茸推し) 炭水化物は食物繊維も多く含まれる良質な糖です。あまり極端にカットしてしまうのはやめましょう。 お菓子などの精製糖質はカットの方向で。笑 減らすべきは余分な脂質です。 脂質も大事なので完全にカットするのはダメですよ。
エネルギーの作り方について。 体のエネルギーって何?? 私たちの体はATP(アデノシン3リン酸)という物質を作って、それをエネルギーにして体に必要なものを作っています。 例えばコレステロールの合成にもATPが必要だし、体の中の有害物の解毒にもATPが必要です。 そのATPは何から作るかっていうと、大半は糖から作ります。 炭水化物は体のエネルギーを作るって聞いたことあると思います。 脂質、タンパク質からもATPは作れますが、ほとんどが糖からです。 まず、糖は細胞に入ってピルビン酸という物質に変わります。 この時にATPが2個出来ます。 ピルビン酸に変わるのにはマグネシウムとナイアシン(ビタミンB3)が必要です。 マグネシウムとナイアシン不足の人は糖を摂ってもエネルギーが作れないってことがわかりますよね。 ここまでが解糖系と呼ばれ、酸素を必要としない代謝です。 そして、ピルビン酸になったら今度は細胞内のミトコンドリアの中に入ります。 で、ピルビン酸からアセチルCoAになります。 この時もナイアシン、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸が必要です。 で、アセチルCoAから今度はTCA回路(クエン酸回路)という代謝サイクルに入ります。 (ここはいっぱいあるので省略) ここでATP2つ出来ます。 クエン酸回路を回る時には、ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、マグネシウム、鉄が必要です。 どれか足りないだけでうまく回らなくなります。 でー、TCA回路が回ることで出来た電子をナイアシン(NADH)がミトコンドリアの中のマトリックスってウネウネの中に入ってそこで何だかんだして(省略し過ぎ)34個のATPを作るんです。 その時必要なのがナイアシン、ビタミンB2、CoQ10、鉄、です。 鉄欠乏の人が疲れやすいのはATPが作れないからってわかりますよね。 ビタミンB群不足の人も疲れやすいのです。 ビタミンB群はほとんどが腸内細菌によって合成されますから腸内環境が悪い人も疲れやすいのです。 血液データでATPが作れているかを見る方法は、 総コレステロール値 180以下 中性脂肪 90以下 尿酸値 4.0以下
胆汁酸続編 以前、"胆汁酸と便秘"で胆汁酸の働きについて書きました。 糖尿病の改善、肥満改善、脂溶性ビタミンの吸収など、胆汁酸の働きは重要ですよーとお伝えしました。 今日はもうひとつ。 食後お腹がパンパンに張ってしまう方や、ガスがたくさん出る方、過敏性腸症候群の方はSIBOと言う症状がある可能性が高いです。 SIBOとは、小腸の中で細菌が異常に繁殖してしまう症状のことで、繁殖した細菌が食べ物が入ってくるとそれを分解して発酵させるためにお腹の張り(膨満感)につながります。 SIBOの治療にはFODMAP食(フォドマップ)と言う、腸内細菌が発酵させやすい食品を高フォドマップ、食べても大丈夫な食品を低フォドマップに分類した表があり、低フォドマップ食を実践する方法があります。 けれどもこれは対処療法ですので、根本解決にはならないのです。 胃酸分泌を正常にすることで、未消化の物を腸に送り込まないようにすることが大事です。 そしてもうひとつ。 胆汁酸です。 胆汁酸には殺菌作用があるので腸を石鹸で洗うようなイメージ。 胆汁酸がしっかり分泌されていれば、腸をお掃除出来るのです。 胆汁酸を分泌させるのに必要な食べ物、覚えてますか? 舞茸、こんにゃく、もずく です。 SIBOの自覚がある方は、このいずれかを"毎日"食べるようにしてみて下さい。 我が家は最近毎日舞茸を食べます。 舞茸はお味噌汁で朝食べるのがベスト。 舞茸は買ってきたらバラバラに割いてジップロックなどに入れ、冷凍しておくと使いやすいですよ。 舞茸で腸内クレンズ!笑 お試しください。
怖い映画を観てる時って自然と肩に力が入っているのを感じたことがあると思います。 ちなみに最近ウォーキングデッドを観始めてしまった私は、アドレナリンめっちゃ出てる…と自覚しながら観てます。 終わるとどっと疲れて肩がこりこり。 (まだシーズン3、先は長い) この状態、実は普段意識していなくても起こっています。 例えば、嫌いな上司や同僚、苦手な人と話してる時、将来やお金のことを考えている時、子供や部下にイライラしてしまう時、大事な仕事の前、満員電車、渋滞中の車の中、などなど、 日常的に体が緊張する場面はたくさんあります。 甘いものやコーヒー大好きで血糖値がスパイクしている人は何もなくてもこの状態。 肩に力が入ってる。 だから肩こり、首こりがすごい。 無自覚な肩こりの人も実は多い。 過緊張気味で一見元気な人ほど、本人は自覚してないけれど肩や首に触るとガッチガチ。 ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールや闘争ホルモンのアドレナリンが出て、常に交感神経優位になっているからです。 これをある意味強制的に副交感神経に持っていくのが腸セラピーです。 腸は迷走神経という神経で脳と直接繋がっています。 だから緊張するとお腹が痛くなったり、ぐっすり眠れてないと便秘したりします。 副交感神経でリラックスするとお腹がちゃんと動く。 と言うことは! お腹が動くとリラックスするわけですよ。 kukka puutarhaでは専用の機械で、正しい強さで迷走神経を直接刺激しているので、体は自然とリラックスします。 ですから、これを利用して、例えば苦手な人のことや将来の不安などを腸もみ中に話してもらうと、体はリラックスしているので、そのことを考えた時に体はリラックスしていていいんだ…と脳に覚えさせることが出来るわけです。 考えたことで起こる筋肉の緊張(筋反射)を取っていくと言うこと。 トラウマ解消の腸セラピーなんてのも聞いたことがあるんですが、当時は何だそれ?と思いましたが、こーゆーことなんだと思います。 ご来店のお客様の中には、心配性な方、緊張しやすい方、イライラしやすい方がたくさんいらっしゃいます。 これからは腸もみしながら話してもらおうと思います。
ミネラルの摂取について こちらも頂いたご質問です。 ミネラルって何かわかりますか? ミネラルとは、体を構成する4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外の元素のことで、 ビタミンが有機物で吸収されやすいのに対して、ミネラルは無機物で吸収されにくい。 主要ミネラルは、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウム、リン、硫黄、塩素。 微力ミネラルと呼ばれるものが、亜鉛、鉄、銅、マンガン、モリブデン、ヨウ素、セレン、クロム、コバルト。 これらは、体の組織を構成したり、酵素が働く時の補因子として働きます。 ミネラルは吸収されにくいので、キレートと言って吸収されやすい形にする必要があります。 例えば、亜鉛を含む牡蠣を食べる時にレモンをかけると亜鉛がクエン酸でキレートされて吸収されやすくなります。 そして大事なのが腸内細菌です。 善玉菌が食物繊維を材料にして作る短鎖脂肪酸が、ミネラルをキレートしてくれるのです。 もうひとつ、吸収されやすくするには、イオン化と言って水に溶けるかたちにしてあげること。 細胞にはイオンチャネルと言うイオンの出入り口があります。 ミネラルはイオン化しないと細胞に入れないのです。 どうやってイオン化するかと言うと胃酸です。 ミネラルは食物中でタンパク質と結合しているので、まずはタンパク質を分解しないといけないのです。 も〜胃酸大事すぎる! 胃酸が少ないとタンパク質だけでなく、ミネラルも吸収出来ないってことです。 ビタミンB12の吸収にも胃酸が必要です。 ちょっとした胃の不調で胃薬(胃酸抑制剤)を飲んじゃダメなのわかりますよね。 あと気をつけたいのは添加物です。 添加物にはこれらの微量ミネラルをくっつけて便とともに排出してしまうものがあります。 外食やコンビニのお弁当ばかりだと、圧倒的にミネラルが不足します。 添加物以外にも吸収を阻害するものがあります。 玄米のフィチン酸や緑茶やコーヒーのタンニンなどもそのひとつです。 ミネラルを摂るにはバランスも大事で、カルシウムとマグネシウム、ナトリウムとカリウム、銅と亜鉛などお互いに協力したり拮抗して働くブラザーイオンと言われる組み合わせがあるのです。
ストレスでカーッとなった時に落ち着かせる方法はありますか?とご質問頂きました。 「コーヒー以外で…」と書いてありましたので、この方はおそらく低血糖で副腎疲労ではないかと推測してしまいます。 コーヒーを飲むと落ち着くのはカフェインでアドレナリンが出て血糖値が上がるからです。 もともと副腎疲労で血糖値の維持が難しいので、カフェインや甘いものなどで血糖値を上げないとすぐに疲れたり眠くなったりしてしまうのではないでしょうか。 血糖値が下がっているとイライラしやすくなりますから、カーッとなってしまうのでしょう。 副腎はストレスで出来る炎症物質(炎症性サイトカイン)を抑える為にコルチゾールというホルモンを出します。 日常的にストレスにさらされていると、副腎は大忙しで、だんだん疲れてしまいます。 そうなると、カフェインや甘いものの力を借りないとコルチゾールやアドレナリンが出せず血糖値維持が出来ない状態になるのです。 根本から解決するなら、まずは低血糖と副腎疲労を治して、ストレスでカーッとならないようしないといけないのですが、ご質問はきっととりあえずその時どうすればいいか?だと思いますので書きます。 でも、これは対処療法です。 カーッとなった時は、何は無くとも深呼吸。 自律神経を整える自分で出来る方法は深呼吸です。 鼻から吸って口から長く吐く。 吸った時にお腹が膨らむように腹式呼吸です。 *鏡の前に立って深呼吸してみてください。 その時肩が動いたら過緊張で低血糖の可能性ありです。鉄欠乏も疑いあり。 次に、低血糖や副腎疲労の方に良い漢方などを飲む。 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 抑肝散(よくかんさん) これらに含まれる甘草はコルチゾールと同じように働き、副腎疲労の方によく使われます。 抑肝散はリラックス作用があります。 私はどちらも持ってますが、疲れがある時は補中益気湯で、寝る前や緊張などがある時は抑肝散を飲んでます。 あとは、ストレスを感じたー!コルチゾールいっぱい出たー!という時や、そうなると予想出来る時は百草丸を飲みます。 百草丸に含まれる厚朴(こうぼく)と黄柏(おうばく)がコルチゾールレベルを下げてくれる働きがあります。
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