フィリピンの伝統的住宅のバハイボである。今も時折見かける住居様式だ。壁は竹でつくり開放的だ。屋根も竹組で葉の部分を積み重ねたようだ。それ以上はわからない。なによりも風が通り抜け大変涼しい。ここはパーティー好きのフィリピン人の宴会の場所である。だから居住機能は希薄だ。台風の時は雨風が吹き込み住めないだろう。つまり日本でいえば東屋だ。この竹でつくった大きな住宅を写真で見たこともある。実際涼しそうだし、快適だろう。だが竹をまげたり組み立てたりと構造的によくわからない事もある。現場で考えながらつくるのかもしれない。ここに最近のシステムキッチンが設えられ、ちゃんとして居住機能もある。屋根は建築にあわせて曲面の連続であり、どこか伊東豊雄風だ。台風の時はしなりながら耐えるのであろう。竹のしなる力に期待していることになる...エッセイ898.バハイボ