タンパク質の異常な凝集などは、神経変性疾患をはじめとして種々の疾患の原因となりうることから、タンパク質の品質は生体内で保たれる必要がある。 これまで細胞内でタンパク質の品質管理を担う因子は数多く同定されてきたが、細胞外タンパク質の品質がどのように担保されているかはあまり分かっていなかった。 今回線虫の系を用いて、細胞外タンパク質の品質管理を行うメカニズムに迫った論文を紹介する。 今回紹介する論文 ------ 細胞外タンパク質の品質の異常の一つとして、タンパク質の凝集があげられる。 そこで筆者らはまず、細胞外タンパク質の凝集をモニターするような実験系を立ち上げた。 具体的には、細胞外に放出され…
私達人間を含む動物は、腸内細菌をはじめとして多くの生き物と共生している。 これまで、腸内細菌が宿主の行動を変えうることを示唆することが報告されてきたものの、そのメカニズムはあまり分かっていなかった。 今回、ある種の腸内細菌が神経伝達物質を合成し神経に働きかけることで、その腸内細菌の利益となるように宿主の行動を変化させることを明らかにした論文を紹介する。 今回紹介する論文 --- はじめに筆者らは、線虫を用いて宿主の行動を変化させうる腸内細菌を探索した。 線虫はオクタノールなどの化学物質に対して忌避反応を示すことが知られている。つまりお皿の上で線虫を飼い、オクタノールをたらすとそこから逃げるよう…
はじめに 昨今、がん・アレルギー患者や新興感染症の感染者数は増加の一途をたどり、社会的にも免疫学への関心が高まっています。そもそも免疫は、「自分を攻撃せず」、外敵を攻撃するというシステムです。免疫が自己に対して攻撃しないことを免疫寛容といい、免疫寛容はわれわれが生まれた後に一人ひとりが自分でつくり上げています。しかしながら、この免疫寛容がどのように成立しているのか、よく分かっていません。 本研究は、「免疫寛容はどのように出来上がるのか」という問いを発端にすすめられました。 今回紹介する論文 免疫寛容の研究について歴史をひもとくと、1960年のノーベル生理学・医学賞の、ピーター・メダワー博士とマ…
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