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子育ての科学
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2018/12/03

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  • 早産児の予防接種

    一般に妊娠期間は十月十日(とつきとうか)などといわれます。正確に言うと、分娩予定日は精子と卵子が受精してから40週0日になります。正期産は分娩予定日の周囲も含めて、37週から41週までなので、これより早く産まれた場合が早産です。早産も22週から36週まで幅広いので体重も状況も赤ちゃんによって様々ですが、早産児の予防接種には原則があります。この記事では、早産児の予防接種はどのようにすすめたらよいのか、その原則を紹介します。 早産児の予防接種の原則 結論からいうと、早産児の予防接種の原則は次のようになります。 早産児であることを理由にできない予防接種はない(むしろ感染症にかかると重症化しやすいので早めに済ませた方がよい)。 正期産児と同様に暦どおりの月齢(予定日からではなく産まれた日からの月齢)で、予防接種をすすめる。 パリビズマブ(シナジス)は原則対象となる児の全例に勧められ、特に未熟性の高かった児や肺機能が悪い児では必須と考えてよい。他の予防接種との相互作用はなく、同時接種や翌日接種も問題ない。 NICU入院中から始められる予防接種 早産児に対する予防接種は、通常正期産児と同様に暦どおりの月齢(予定日からではなく産まれた日からの月齢)で、はじめることができます。 基本的に体重は関係ありません。 なので、長期にNICUに入院する早産児は、NICU入院中から予防接種を始められます。 …とはいってもロタウイルスの予防接種は、開始可能時期が生後6週間と早いこと、そもそもロタウイルスの予防接種は経口投与で生ワクチンのため、通常NICU内ではしない施設が多いのではないかと思います。 それ以外だと、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンが生後2ヶ月から行えますので、出生時の在胎週数が30週前後の場合には、退院する予定日前後(生後2ヶ月過ぎ)に1回目の予防接種をして退院する場合も多いのではないかと思います。 20週台半ば未満の場合も、生後2ヶ月から始められますが、通常呼吸の状態などが安定してから予防接種を始めることが多いので、体重は関係ないとは言っても、2キロくらいになって退院が現実的になってからの予防接種が多いかなと思います。 また手術や輸血が必要だった児は、少しそこから予防接種まで時間をあける必要がありますので、退院近くまで予防接種を始められない場合もあります。

  • 論文査読はボランティア

    大学の医局に属していると、論文というものを書くことが求められます。 論文にもいろいろありますが、若い頃は臨床で経験した珍しい症例を学会で発表して、それを論文にしたりします。大学院で博士号を取得するために動物や細胞を用いた基礎実験を行う人もいれば、臨床の疑問を解決すべく、患者さんの同意をえて検体をいただいて病気を早期に発見するための新しい指標を検討したり、新しい治療の効果を評価するための臨床研究をすることもあります。 最近は小児科専門医の資格をとるためには臨床経験だけではなく、論文を書いていることが必要になりました。実際に真剣に臨床に取り組んでいると、よく知られていない病気や助けられない命の多さに愕然とすることもしばしばです。 そして現在の医学は先人たちのそのような努力によって成り立っているということ、臨床と研究はきっても切り離せない関係だということを実感することになります。 論文が学術雑誌に掲載されるまで 論文は書いても誰にもみてもらえなければ意味がありません。どの分野の研究者でも同じとは思いますが、通常作成された論文はその分野の学術専門誌に投稿されます。 どの学術専門誌に投稿するかは自由ですが、一流誌になればなるほど競争率は高く、掲載不可(reject)となることが多くなります。 この掲載を許可するのか、不可とするのか、を決定する過程には通常査読システムというのがあり、編集委員がその分野の専門家に論文の評価を依頼して意見を求め、それに従った論文の修正を経て、掲載の採否が決められることになります。 学術雑誌の中には査読システムを経ないで論文が掲載されるような雑誌もあります。例えば研修医や若手医師向けの学術的な読み物として出版社から依頼されてその分野の専門家がお金をもらって原稿を書くような雑誌も多くあります。これはいわば商業誌であり、このような原稿の場合には、査読というものがないのが普通です。 編集委員の仕事とは? 僕は現在、Journal of DOHaDという国際学術専門誌の編集委員をしています。 新しい論文がこの雑誌に投稿されると、その一部が僕に割り当てられます。論文を読んでみて重大な問題がある場合は、その時点で「reject」となりますが、評価に値するレベルであれば、その分野の専門家をさがして査読の依頼をすることになります。

  • 論文査読はボランティア

    大学の医局に属していると、論文というものを書くことが求められます。 論文にもいろいろありますが、若い頃は臨床で経験した珍しい症例を学会で発表して、それを論文にしたりします。大学院で博士号を取得するために動物や細胞を用いた基礎実験を行う人もいれば、臨床の疑問を解決すべく、患者さんの同意をえて検体をいただいて病気を早期に発見するための新しい指標を検討したり、新しい治療の効果を評価するための臨床研究をすることもあります。 最近は小児科専門医の資格をとるためには臨床経験だけではなく、論文を書いていることが必要になりました。実際に真剣に臨床に取り組んでいると、よく知られていない病気や助けられない命の多さに愕然とすることもしばしばです。 そして現在の医学は先人たちのそのような努力によって成り立っているということ、臨床と研究はきっても切り離せない関係だということを実感することになります。 論文が学術雑誌に掲載されるまで 論文は書いても誰にもみてもらえなければ意味がありません。どの分野の研究者でも同じとは思いますが、通常作成された論文はその分野の学術専門誌に投稿されます。 どの学術専門誌に投稿するかは自由ですが、一流誌になればなるほど競争率は高く、掲載不可(reject)となることが多くなります。 この掲載を許可するのか、不可とするのか、を決定する過程には通常査読システムというのがあり、編集委員がその分野の専門家に論文の評価を依頼して意見を求め、それに従った論文の修正を経て、掲載の採否が決められることになります。 学術雑誌の中には査読システムを経ないで論文が掲載されるような雑誌もあります。例えば研修医や若手医師向けの学術的な読み物として出版社から依頼されてその分野の専門家がお金をもらって原稿を書くような雑誌も多くあります。これはいわば商業誌であり、このような原稿の場合には、査読というものがないのが普通です。 編集委員の仕事とは? 僕は現在、Journal of DOHaDという国際学術専門誌の編集委員をしています。 新しい論文がこの雑誌に投稿されると、その一部が僕に割り当てられます。論文を読んでみて重大な問題がある場合は、その時点で「reject」となりますが、評価に値するレベルであれば、その分野の専門家をさがして査読の依頼をすることになります。

  • ※現役小児科医が教える※様子を見続けてはいけない赤ちゃんの発熱は?

    乳幼児期は熱が出やすい時期です。 特に1歳未満の赤ちゃんの発熱は、それがはじめての発熱であることも多く、特に初めてのお子さんをもつご家族であればご心配をも強いことでしょう。このような発熱は夜間に突然気づくことも多く、時間によっては受診した方が良いのか迷うことも多いのではないかと思います。 この記事では、赤ちゃんの発熱に関する考え方を、疑わしい病気や緊急性などに関して、小児科医がどのように考えているかをご紹介したいと思います。 発熱とはそもそも発熱とは何度以上の体温のことを言うのでしか? 基本的に医学的には37.5度以上の体温を発熱と考えますが、こども(特に乳幼児期)はもともと平熱が高い子が多く、36度台後半くらいの人が多いので、もちろん状況にもよるのですが、実際には38度以上を注意すべき発熱と考える小児科医が多いのではないかと思います。 生後2〜3ヶ月までの赤ちゃんは37度前後〜37度台前半が平熱です。しかもこの時期の赤ちゃんの体温は環境の温度に左右されやすく、部屋が暑かったり、授乳後や長く泣いていたり、くるんで寝て熱がこもったりすると、38度前後まで体温が上がってしまうこともあります。 ただ38度以上の体温は原則発熱と考えて良いと思います。明らかに部屋が暑かったり、うつ熱のせいかなと思ったら、少し涼しくして、30分後くらいに体温をまた測ってみましょう。それで解熱するなら環境の温度の影響もあるかもしれません。 体温が上昇してくるときには手足が冷たくなることがしばしばあります。体温は38度以上なのに手足が冷たいという場合には、まだ体が体温を上げようとしている場合が多く、さらに熱が上がる可能性が高くなります。参考にして下さい。 他に症状がないかも確認してください。発熱以外の風邪症状はないか?発熱する前は元気にしていたか?食欲はあったか?なども重要です。 こどもの発熱は月齢、年齢によって疑う感染症が違うこどもの発熱の理由でダントツ多いのは風邪などのウイルス感染です。

  • DOHaDとは わかりやすく

    DOHaD先生に聞く

  • 未熟児は慢性腎臓病になりやすい!将来透析が必要な事態を回避するために注意すべき3つのこと

    未熟児(早産児や低出生体重児)は、将来大人になるに従ってさまざまな病気になりやすいことがわかっています。 慢性腎臓病もその病気のひとつです。 早産児や低出生体重児の一部では、小児期にすでにこの慢性腎臓病を発症してしまい、その後は薬を飲み続けなくてはいけない人もいるくらいなのです。 本記事では、未熟児が慢性腎臓病を悪化させないために注意しなくてはいけない3つのことを紹介します。 慢性腎臓病とは 慢性腎臓病は腎臓の機能が少しずつ悪くなっていく病気です。基本的に腎臓の機能は加齢とともに悪くなっていくものなのですが、これが寿命よりずいぶん早く損なわれていき、腎臓の機能を果たせなくなってしまいます。 腎臓の機能は尿をつくることです。尿をつくることにより、体の中の老廃物を尿の中に排泄したり、いらない水分やミネラルの調整などもおこなっています。そのほかにも、腎臓では赤血球を作るホルモンを分泌したり、骨をつくるビタミンDの機能を活性化させる働きもあり、大変重要な臓器です。 腎臓の尿をつくる機能の単位を「ネフロン」といいます。腎臓はこの「ネフロン」がたくさん集まってできており、ネフロン一つひとつが尿をつくる装置と考えてください。一つの腎臓当たり、このネフロンが約100万個あるといわれていますが、これには人種差や個人差も大きいことがわかっています。実際最近の研究では、日本人はこのネフロンが少ない傾向があることもわかっています。慢性腎臓病では、このネフロンが少しずつ抜け落ちて少なくなっていくようなイメージで考えるとよいと思います。ネフロンが少なくなった結果、残ったネフロンが頑張って尿を作らなくてはいけないので、負担がたまって限界を超えるとまたネフロンが減っていくような悪循環に陥っています。そして一度失われたネフロンを増やす手立ては現状ではないことが大問題です。

  • 稀ではない赤ちゃんの頭蓋内出血

    分娩時に自分の赤ちゃんに頭蓋内出血が起こってしまったとしたら…皆さんどのように感じるでしょうか。 「私に何か悪い事があったのかな」とか、「分娩の時の産婦人科医や助産師さんの対応が良くなかったのかもしれない」とか考えてしまう人もいるかもしれません。 少なくとも、多くの人が「なんて運が悪いんだ」とか「なぜ私の子にそんな事が…」とその不運を嘆く事でしょう。 たしかに時にはお母さんや赤ちゃん側に何か原因があって頭蓋内出血が起こることもありますし、産科スタッフが最善の対応をとれなかったことが発症に関係する事例もあるかもしれませんが、そのような事例は決して多くはありません。 生まれてくる時に生じる赤ちゃんの頭蓋内出血のほとんどは、普通の分娩でも生じてしまうものなの です。 本記事は、分娩時に赤ちゃんに生じる頭蓋内出血について、小児科医の立場から一般的事項を紹介したいと思います。 頭蓋内出血の種類頭蓋内出血とは、脳実質内出血(脳出血)や脳室内出血、クモ膜下出血、硬膜下出血などを指して使用される言葉です。基本的に出血する場所によって呼び方が変わりますが、全て頭蓋内(頭蓋骨の内側)に生じた出血で、脳や脳の周囲に起こる出血ですから、重症なイメージがあるのではないかと思います。 実際に、脳実質内出血(脳出血)なら直接的に脳に何らかのダメージが生じるリスクが多分にありますし、脳室内出血やクモ膜下出血の場合、水頭症などの合併症が引き起こされる可能性もあります。また、硬膜下出血は脳自体の出血ではありませんが、血腫が脳を圧迫することで脳障害のリスクにつながりますから、やはりどれも重症であることに間違いはありません。 赤ちゃんと大人の頭蓋内出血の違い分娩時に赤ちゃんの生じやすい頭蓋内出血は、一般に大人で認められる頭蓋内出血とは異なっています。 大人の頭蓋内出血の多くは動脈性の出血であることが普通ですが、赤ちゃんに生じやすい頭蓋内出血は基本的に静脈性の出血なんです。 例えば、大人でくも膜下出血というとかなり重症です。 原因は脳動脈瘤であることが多く、これが破裂して出血するので、救命のためには手術で止血する必要があります。 それに対して赤ちゃんのくも膜下出血は静脈性の出血なので、手術を要するというようなことはほぼありませんし、自然とよくなることがほとんどです。

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