いいですね。現代人の状態をズバッと指摘するタイトル、「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」。そして帯には「疲れてスマホばかり見てしまうあなたへ」。現代人に刺さりますよねぇ。中身はどうであれ、これだけでもうベストセラー間違いなし!? さて本書の最初の3分の2ほどは、明治から令和まで、人々がどのように読書と関わってきたかの解説。ここは「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という内容とは直接関係がない部分が多い。よくあるタイトル詐欺の本かと思ってしまう。 ところが残りの3分の1で本題に入り、徐々に著者の言いたいことが明らかになってくる。 その内容を非常に単純化するとこういうことになる。 まず前提…