「別れ」と聞けば人により、 それぞれ、思い浮かべる情景、体験があると思う。 私も、 卒業による別れ、退職による別れ、付き合っていた人との別れ、 テニス仲間との死別、両親との死別、 など数々の別れを経験してきた。 別れは、大きく分けて二つある。 「死別」と「そうでないもの」だ...
「別れ」と聞けば人により、 それぞれ、思い浮かべる情景、体験があると思う。 私も、 卒業による別れ、退職による別れ、付き合っていた人との別れ、 テニス仲間との死別、両親との死別、 など数々の別れを経験してきた。 別れは、大きく分けて二つある。 「死別」と「そうでないもの」だ...
妻に会えて本当によかった。 私にとって唯一無二の人と出会うことが出来た。 いい人生をいただけた。 その人はこの世からいなくなった。 私は、 その唯一無二の人の“余韻”とともに、毎日を生きている。 余韻しかないけれど、ぜいたくは言えない。 妻と出会っていなかったら、この余韻さ...
私は、妻を喪ってから、 「いのち」について考えることが増えた。 私の解釈では、 「命」は、 言い換えれば“生命”であり、肉体が持ってるものというイメージがあり、動物や植物にも当てはめることが出来る。 一方、 「いのち」は、 「命」に「その人の人生」を加えて出来上がったものと...
ここ3日連続で、夕食時に1センチくらいの小さな蛾が、 目の前を数分間舞う日が続いている。 まるで、 「私を見て」とでも言うかのような舞い方に感じた。 こういうことがあると、 私は待ってましたと言わんばかりに、 これは妻の仕業だと思ってしまう。 今回出現した蛾は、 妻の魂が、...
私は最近、夜中の2時頃、電気、テレビをつけたまま寝てしまっていて、 4時頃に起きて、テレビやネットをだらだらと見た後、 6時頃に再び寝て、10時頃起きるというパターンが続いている。 30日も、また同じように寝てしまい、4時頃に起きた後、眠ることが出来ず そのまま起きていた。...
週一回パソコン教室へ行っているが、 今そこでやっているのは、昔の写真をデータ化する作業だ。 一度この作業は終わったと思っていたのだが、 ある日、押入れを覗いていると、奥の方に箱があり、 箱を開けると大量の写真が新たに見つかり、 作業はいまだに続いている。 パソコン教室がある...
妻と結婚して生活しているうちに、 “私の心”の半分が、“妻の心”の中に入っていった。 “妻の心”からは、“私の心”の中に半分が入ってきた。 これで、お互いに2分の1ずつを持った同一の心となった。 これで、一体感のある夫婦という感覚が確立した。 そして、妻は亡くなり、 体の消...
私はどこにでもいる平凡な人間だ。 でも、妻の前では平凡でない人間でありたかった。 妻の人生を作ったのは私だ。 私の人生を作ってくれたのは妻だ。 私は、 妻と出会って、いい人生を送らせてもらった。 一方、 果たして、妻は、 私と出会ったことがいい人生につながったのだろうかと ...
時々私の携帯には営業の電話が掛かってくる。 不動産業者が、「マンション、売る予定はありませんか」 携帯会社が、「お得なサービスがあります」 買取専門業者から、「不用品は何でも買取に行きます」 (最終的に貴金属が目的か) など。 昨日は、 以前買い物をしたことがあるショップチ...
妻は、終末期医療を、 医療ありきの病院ではなく、 生活の中の医療である在宅医療を選んだ。 その選択は、 がんの告知を受けた後、すぐに決めた。 妻は何事もゆっくりで遅い人だったが、この判断は早かった。 告知の翌日から、銀行、スカパーの契約解除、自分のお墓の話をし、そして、ゴミ...
幸福感について考えてみた。 “地位財”と“非地位財”というものがある。 地位財とは、 他人との比較によって幸福感を得るために消費される財貨やサービスのこと。 非地位財とは、他人との比較とは関係なく、それ自体で幸福感を得られるもの と説明されている。 地位財には、 例えば...
妻は、2017年5月23日に余命1年のがん告知を受けた。 その時記録していた23日とその翌24日の妻の言葉を、 私は、前回のブログで書いた。 前回に続いて、 今回は、25日、26日に妻が言った言葉を書く。 25日(木) 私はアルバイトに出かけた。 仕事中、胸が苦しい。 早く...
終活作業は、ゆっくりと少しずつ行っている。 先日、一か所に束ねて置いてある妻の関係書類を整理した。 その中に、 A4の紙があり、よく見ると私が書いたものであった。 妻のがん告知日である2017年5月23日から26日までの4日間で、 私の行動や妻の言ったことなどが書かれていた...
「ハチ」と言えば、 飼い主が職場で急死したことを知らず、渋谷駅に毎日朝夕通って、 死ぬまで10年間も待ち続けた秋田犬の名前が浮かぶ。 心から可愛がってくれた飼い主の愛情が忘れられなかったのだろう。 犬は、信頼した相手に対し強い忠誠心や愛情を持つという。 それとともに、そのよ...
「幸せ」とは、 その人のためならがんばれる という相手がいることだと思う。 その相手がこの世にいなくなった場合はどうだろう。 がんばる意味がなくなってしまう。 私の場合、 いくら自分のためにがんばっても、 幸せを感じることは出来ない。 妻は、私に人生を本気で生きようと思わ...
どの人にも、その人だけの歴史がある。 歴史は、偉人や有名人だけに与えられたものではない。 私にも歴史はあるし、当然、妻にも歴史はある。 前回のブログで、 スマホを無くし、そして見つかるまでの流れを書いた。 スマホを無くすことで一番困ったと思ったのが、 「妻の高校時代の写真画...
24日、 午前のテニスを終えて、 家に着き、テニスバッグの中に入れていたスマホがないことに気づいた。 バッグの中のすべてのポケットを調べたが、どこにも見当たらない。 固定電話でスマホの番号に電話すると、音は鳴ってるが、 家の中のどこからも音は聞こえてこない。 ということは、...
音がない世界。 静寂のなかの妻の声。 耳から入ってくるのではなく、脳内で響く声。 妻との会話が、音でなされなくなって7年半。 妻はいなくなったが、 妻の声の特徴、しゃべり方などが、しっかりと脳に記憶されているため、 妻との会話は出来ている。 数日間ほとんど会話をすることがな...
私の体には、 脳、心、腸という3つの小宇宙がある。 この3つが快適ならば、 概ね体調は良くて、気持ちもいい状態だ。 腸は第二の脳とも呼ばれ、 神経系を通じて、脳と繋がっているとのこと。 “脳”と、“腸”が健康なら、“心”も健康になるはずだ。 脳でストレスを感じると、お腹が痛...
妻が亡くなって7年半が過ぎ、 神様は私に、悲しむノルマを与えた。 同時に、妻を想うノルマも与えた。 この二つのノルマをやり切った時、 私がこの世を去る時なのだろう。 私がまだ生きてるということは、 悲しむ量、想う量がまだ足りてないということか。 ノルマの総量は把握してないが...
遺品整理の内、妻の靴の処分が昨日終了した、 全部で30足だった。 すかさず、終活作業の一環として、 昨日、妻関係の書類の整理を行った。 闘病中に関するものが一番多く、 残すべき書類を絞って、一つのファイルに収める作業を行った。 以下、残した闘病中に関する書類を、 自分のため...
外出先でよく見かける 小さな子の指差し。 例外なく、小さな子はこれをやる。 言葉でうまく表現することがまだ出来ないため、 指を使いそれを補おうとしていると考えられる。 足りないものを補おうとする行為。 今の私に、 足りないと思わせるものは、 妻から受けていた心の充足感だ。 ...
目的を持つことを悪く言う人はいない。 “目的”を持って生きることは、 人生を彩のあるものにするために、必要不可欠なものであろう。 しかし、私は、 妻の死で、目の前から目的が消え去った。 言い換えれば、 目的を持って生活する必要がなくなったと言っていい。 お金を増やすこと、健...
昨日、不思議なことが起こった。 電話の着信音が鳴り、 スマホをバッグの中にいれていたので、 切れる前に取ろうとあわててスマホを取り出しスワイプし、 「どなたでしょう」と聞いたところ、 「電話をいただいたので」と答えた。 私は、 「えっ、私電話してませんけど、おかしいですね、...
私の脳が一番喜ぶ時というのは、 妻が喜ぶ様子を見た時だ。 本当の喜びを感じるには、 妻を経由しないとそうならない。 起こったことが妻を経由せずに、直接私に伝わった場合は、 喜びは一定量で終わってしまう。 妻が嬉しそうにしている姿を見た時、 私の脳内に多量のドーパミンというホ...
永遠なものは、 この世に何一つ存在していないと思っている。 妻と私の生活も、その事象に従うことで終わりを告げた。 (ただ、時期については、早すぎたと思っているが) 妻と私の別れは、特別なことではなかったのだ。 なのに、特別なことが起こったかのように、 私は当初、これ以上のな...
“ふるさと”と聞くと、 普通、生まれ育った故郷が頭に浮かぶが、 「心のふるさと」となると、 頭に浮かぶのは、「場所」ではなく「人」になる。 “心のふるさと” とは、 帰りたくなるところ、 心の拠り所となるところ、 私の人生に彩りをくれたところ、 ほっとするところ、 会いたい...
一昨日、パソコン無料回収の申込みをした。 パソコンや小型家電を自宅まで無料で宅配回収(データの安全消去サービスを利用した場合はは3,000円程かかる)してくれる国の認定を受けていて東証グロース市場にも上場している回収業者だ。 3年前も利用している。 無料で回収出来る理由は、...
妻は生前、「私が泣いているのを見たことがない」 と言っていた。 そう言われた時、私は、 心の中で、「結構泣いているんだけどなあ」とつぶやいていた。 テレビで、心温まる番組を見ている時、 涙ぐんでいるのを何度か見られていると思っていたが、 涙が流れ落ちてはいないので、 泣いて...
自分に関係することが、 いいことであっても、良くないことであっても、 気にならなくなっている。 そうなったのは、妻が亡くなってからだ。 以前は、 自分に関する出来事は、 すべてが妻に繋がっていて、 私にとっていいことは、妻にとってもいいことだった。 妻がいないと、 私にとっ...
どうも、花粉症になったみたいだ。 40代後半に初めて花粉症になり、5年ほど経過した後、 治っていたのだが、15年ほど経て再発してしまった。 昨日テニスをしていた時は、特に症状は出ていなく、 一緒にテニスをやっていた男性が、「花粉症で調子悪い」と 言っているのを聞いて、大変だ...
私の人生は、あと何年あるか。 5年、10年、20年、もしかして1日。 1日の場合は、突然倒れての孤独死ということになる。 出来れば避けたい。 いい人生だったか、残念な人生だったか、 今の時点での感覚では、 いい人生が60%、残念な人生が40%ぐらいか。 “いい人生”だったと...
妻を見ていて、いいなと思えたところは、 「効率」というものが、 本人の中に全く存在していない点だった。 妻といると、 時間がゆっくりと流れ、居心地のいい時間をもらっていた。 そういう時間を提供してくれていた妻だが、 そのスローなところが、外ではマイナスに作用していた。 会社...
妻とは、はとバスやHISの日帰りバスツアーをよく利用した。 海外旅行も3回行った。 民事裁判の傍聴 → 一般開放している農水省の食堂で昼食 → 東京ドーム遊園地で遊ぶ → 歌舞伎座で観劇 → 映画館で映画を見る これを1日でこなした。 海外旅行を除いて、これらを計画したのは...
大切な人を亡くした場合、 その人に対して“好き度”が大きいほど、 いなくなると心の痛みは大きい。 妻のことが“普通ぐらいの好き”だったら、 普通の痛みだと思う。 ものすごく痛い注射と、普通の痛さの注射で、 「どちらにしますか」と聞かれ、 効果が同じだとしたら、 ものすごく痛...
私は、妻の思い出を拾う毎日を続けている。 どんなに小さな思い出であっても、すべて拾い集め、 拾い集めた妻の思い出を、PDFファイルのように保存して、 記憶が頭の中で劣化や破損しないようにしている。 そのようにして記憶を維持することで、 妻との関係性、縁といった過程を大事に思...
昨日、定食屋チェーンで昼食を取るため店に入った。 カウンターに案内され、左右が20代の女性の間に座った。 店に置かれているタブレットで注文をしていて、 ご飯を五穀米に変更する入力を忘れ、 注文履歴が白米のままになっていたので訂正をしようとしたが、 画面に訂正のボタンが見つか...
木曜日の午前中、 いつものようにテニススクールに行き、 そのあと、すぐ近くにある郊外型スーパーで、 夕食用のサーモンの切り身や牛乳を買い、 同じく近くにある定食屋で昼食を取り 20分自転車を漕いで、家に戻った。 ここまで木曜日のルーティン通りだ。 (あと、その日は行っていな...
私の部屋の中は、妻の服で占められている。 私の服の割合は、妻の服の割合の5分の1だ。 1LDKの狭いマンションの一室は、 そのため、より狭いものになっている。 今年中に、 動画や画像の中で妻が着ている服以外をNPOに寄付する計画なので、 その後は、部屋の空間に余裕が出てくる...
昨日、図書館へ行き、 終活の一環として、生保、株式、社会保険、年金などの書類の中から、 捨てるもの、残すものを分ける作業をしている時、 ファイルの中の書類が、滑り出て、床に落ち散らばってしまった。 「あああ~」と言って、拾い集めていると、 隣のテーブルで彼女らしき人と一緒に...
私にとって、妻は、5つの場所に存在する。 遺骨箱の中 私の頭の中 私の心の中 空のかなた 私のすぐ傍 妻は、この5つの場所に、不規則なローテーションで現れる。 朝起きて、まず遺骨箱に手を合わせる。 骨という物理的なだけのものだけれど、妻であることに変わりはない。 妻を思い出...
以前、ここには、「妻」という木があった。 その木は、しっかりした幹(妻の体)があり、 私は、その幹に、たくさんの枝葉(お金、私の地位、私の名誉)を つけようとしていた。 そうすることで、 その木が、見栄えのあるものになることを願っていた。 しかし、思ったほど枝葉は増えずにい...
妻が、空のかなたに旅立ってから7年4ヵ月が過ぎた。 これを「もう7年」と見るか、「まだ7年」と見るかは、 人それぞれだろう。 今でも、 妻の表情、声、妻が話したこと等、 割と鮮明に頭に浮かぶことから、 私の場合は、「まだ7年4ヵ月しかたっていない」の方だろう。 これまでの7...
私は、今後、老病死と付き合わなければならない。 今も老人だが、これから、もっと老人になるのだろう。 病気も経験するだろう。 それは、妻と同じく、「がん」かもしれない。 そして、死んでいくのだろう。これは避けることは出来ない。 妻は、「老」を経験せずに、「病」と「死」を経験し...
夫婦が生活している中で、 奥さんの方から夫に向かって、 「私のこと好き?」と聞くこともあるかと思う。 (すべての夫婦が とは言わないが) 夫に対して、 自分への愛を、言葉という見える形で確認したいのではないかと思う。 奥さんに対して、「愛している」とかいう言葉を、 心の中で...
終活作業は、さぼることなく少しずつ続けている。 今、やっているのは、写真をスキャンして、デジタル化する作業。 それを取り込んだUSBを、姉弟妹、義姉に会った時、渡すつもりだ。 そして、 今年中にやることとして、 すべてそのまま残している妻の服を、 写真や動画の中で妻が着てい...
私は、無意識のうちに、ため息が出てることがある。 「ため息」とは、 ストレスにより交感神経が働き呼吸が浅くなることで酸欠状態になり、 その状態を緩和しようと大きく息を吐く行為とのこと。 私の場合、 「残念」という感情が沸いた時に、出ることが多いようだ。 どういう「残念」なの...
妻との24年半が終わり、それから7年が過ぎた。 今は、妻の郷愁とともに生きている。 妻は、“不思議な哀愁”を帯びた人だった。 私といる時は、おどけることが多かった妻だったのだが、 そんな時でも、私は妻に対して不思議な哀愁を感じていた。 その「哀愁」は、 単なる哀愁ではなく、...
人は、生まれると、その先には必ず死が待っている。 生れなければ、“死”を経験することはない。 死ぬことが嫌なら、生まれなければいいのだ。 でも、 もう、すでに、我々は、生まれてしまっているのだ。 だから、 我々は、“死”から逃れることは出来ないのだ。 私は、妻が亡くなるまで...
妻は私の人生にどれくらいの影響を与えたか について、考えてみた。 私は、70年生きている。 妻と私は、24年半、一緒に過ごした。 妻は、私の人生の35%(70分の24.5)を付き合ってくれた。 この先、私の生きる期間が増えるにつれ、 分母は増えるのに対し、 分子の24.5は...
妻が亡くなってしばらくは、 涙することは少なかったように思う。 この時期は、 まさかの出来事に感情機能が麻痺していて、 交感神経が優位な状態であって、 血管が収縮して、涙腺が締まり気味の状態だったのだろう。 数か月経って、 妻を思い出すと、激しく泣いてしまうことが増えた。 ...
10日、 69歳で初婚となる大学の同級生を祝うという名目で、 声をかけられた都内に住む5人が まとめ役の地元である八王子に集まった。 駅の改札に、18時に集合して、 駅近くの居酒屋に向かった。 みんなに会うのは、7年前の同窓会以来であったが、 7年前の同窓会の時は、妻が亡く...
「初めてのおつかい」という番組を見た。 不定期に放送されている番組で、 4歳前後の子供が、親からお願いされた「おつかい」に挑戦する様子を、 ドキュメンタリータッチで描かれたもので、 至ってシンプルなストーリーだ。 以前も、何度か見ていて、 いつも最初は何となく見ている感じな...
週一回通っているパソコン教室で、 先生から、 「初詣どこかに行きました?」と話しかけられた。 私は、 「いや、行ってません」と答えた後、 間を置かずに、「願い事はありませんので」という言葉が出た。 年の初め、周りの人のほとんどは、願い事を叶えるべく、 希望に満ちた、いい1年...
今年の元日も、いつものように、 レトルトカレーの詰め合わせ福袋を購入するため、 自転車で、ショッピングセンターへ向かった。 店頭で、今年から、予約制となったことを聞かされ、 購入することはで来なかった。 人気店の商品を、半額ほどで購入出来るので、 カレー好きの私としては、お...
両親、姉弟妹とは血で繋がっている。 そのためか、時々、自分の行動や癖が、 父や母に似ていると感じることはある。 自分が、父や母の分身だと思うこともある。 父、母の嫌いな部分が、意識せずに出てしまった時は、 嫌だなあと思いながら、父母の血が流れているのだから、 避けることは出...
「見る」「話す」「触れる」 以前は、この三つでもって、妻と接することが出来ていた。 今は、見ることが出来ないし、話すことも出来ない、 触れることも出来ない。 何か、もどかしい。 もう妻はいないのだから、当然と言えば、当然だ。 このままでは、気持ちが収まらないので、 私は、 ...
今の“私の世界”を作り上げたのは、妻だった。 引き続き、“私の世界”の作成は、妻が担っている。 毎日の生活の中で、 妻の望む作品になろうとしている私がいることに気づく。 そういう意味で、妻は生きているとも言える。 妻は、姿は見えないが、 私を防護膜で覆って、守ってくれている...
人はみんな、その人の世界を持っている。 地球上には、異なる81億の世界がうごめいている。 その中の一つとして、“私の世界”がある。 7年前には、“妻の世界”もあったが、今はない。 夫婦になると、 それぞれ一つとして数えられてた世界は、 融合して二つが一つになる。 ただし、 ...
妻が目の前から居なくなってから、 私は、妻が存命中に口にした言葉の意味を考えようとしている。 妻の肉体は、私の目の前から、消え去った。 見える妻は100%消えてしまった訳だが、 その失ったものを少しでも取り戻そうという気持ちがあるせいか、 妻をもっと知りたいという欲求に駆ら...
私は、弱いと思われる人が放つ磁力に吸い寄せられる傾向がある。 弱いと思われる人も、私が放つ磁力により、私に近寄ってくる傾向がある。 私は、特徴があまりない人間だが、この点は特徴だと思っている。 中学時代、顔にあざのある女の子がいた。 クラスは違っていたのだが、私と同じクラス...
昨日、少しだけ不思議なことが起きた。 「少しだけ」と書いたのは、 不思議でもなんでもなく、 “たまたま”だったと、考えることも出来るからだ。 普通はそっちの方だろう。 でも、私は“不思議な出来事”に興味がそそられるのだ。 昨日、夕方、プリント写真をスキャンしてデータ化しよう...
人間関係には“相性”というものがある。 相性がいい人もいれば、悪い人もいるし、どちらでもない人もいる。 地球にいる人間の数は81億人。 日本の人口は、約1億2400万人。 その中で、私と出会ったのは、 親族、妻家族、学校関係、会社の人、趣味のテニス関係、習い事関係、等であり...
妻と私は、 出会ってから、お互いに影響を及ぼしながら、 それぞれが化学反応を起こし、 新しい妻と私が出来上がった。 私は、妻の影響を多分に受けて、今の私になっている。 妻以外の女性との化学反応だとしたら、 私は、今と違う自分になっていただろう。 もちろん、私の選択は間違いな...
夕方、スーパーでの買い物を終え、 自転車で自宅マンションに向かう。 時刻は17時半。 周りは真っ暗だが、遠く左手に見えるの高層マンション群の明かりがきれいだ。 自宅に近づき、再び暗闇になった。 すると、急に悲しみが襲ってきた。 なんだろう。この言いようのない悲しみは。 暗闇...
「悲しみ」とは何者なのか。 何かわからないものであり、 見えないということが、それを増幅させる。 それまで傍にいた人、 心が繋がっていたと感じていた人、 自分の命より、その人の命の方が大事だと思えた人、 パズルのピースがピタっとハマる感じだった人、 その人が幸せになること...
人が亡くなった時、通常、 通夜、葬儀、火葬、告別式、納骨という流れが一般的だが、 妻の場合、 葬儀や告別式を行わず、 火葬のみで、さらに参列者は私のみのものだった。 妻は、がんの告知を受けた後、 会いたいという母親の申し出を断っている。 親子の断絶ではなく、一方的に妻の方が...
言葉。 妻の言葉を耳にすることはなくなった。 テレビを見ていて、 妻のコメントが聞けなくなったのが寂しい コメントで多かったのは、 皇室関係の番組であり、かなり詳しいコメントが聞けた。 私は、特に皇室に対して関心がある訳ではなかったのだが、 妻が嬉しそうにコメントしている様...
一昨日、夕方、役所から届いた封筒を、 集合ポストの中にたくさんあったチラシとともに取り出した。 そして、マンション内のごみ置き場に行き、チラシを捨てた。 翌朝、役所からの書類を見ようと思って、封筒を探したが、 家中どこにも見当たらない。 大事な書類で、しかも期限付きで返送し...
時間は、前へ前へと進む。 未来というゾーンを駆け抜ける。 決して、逆行することはない。 そして、 時間が駆け抜けた跡を、過去と呼ぶようになる。 私たちは、その「時間という船」に乗って、未来を突き進む。 その船はバックギアが付いていないので、過去へ戻ることは出来ない。 人間は...
日常の幸せは遠くへ去って行った。 私は、次の幸せを求めて、前へ進む。 妻は空から私を見守り、 私は、心の中の妻を見守る 二人は見守り合っている。 心の中にいる妻が気持ちよく過ごすため、 心の中を明るく保つため、 常に心の中は、明かりが灯っている状態にしておきたい。 妻は“天...
涙を出させるのは「過去」であり、 「未来」を考えている時に、涙が出た という記憶はない。 若いころ聞いていた曲を耳にすると、 その曲に自分の歴史が加わり、 郷愁感が誘発され、涙が出ることは少なくない。 過去は戻らないもの という切なさがそうさせるのか。 未来は、 今後、必ず...
妻が余命宣告された時に、 妻にあげたかったもの、 ブランドバック 宝石 高級レストランでの食事 などではない。 それは、 “私の寿命”だ。 寿命という“抽象的な概念”を、“もの”として扱うことで、 “私の思い”は成り立っていく。 私の寿命を、全部一括で妻に渡したら、 妻を残...
やっと、涼しくなってきた。 暑がりで、寒さに強い私としては、もう少し寒いのが丁度いい。 30度以上が続いた頃は、 暑さとの戦いに神経の大部分がとられて、 妻に向かう神経は減らされていた。 でも、今みたいに過ごしやすくなると、 妻のことを想う余裕が生まれ、 寝てる時を除いた時...
「瀬戸内寂聴 愛を生き切った人」という番組を見た。 東北の被災地での法話で、寂聴が話したことを、 下に書きました。 結局は 人間は一人なんですよ 一人で生まれて やがて一人で死んでいくんですね 一人はさみしいけれども でも 一緒に死ぬことはできないね だから 必ずいつか一人...
記憶があるから妻がある 記憶が消えると妻はない 今、私が妻と繋がっていられるのは、記憶の力があるからだ。 認知症になると、記憶がなくなっていき、 妻との繋がりは、なくなってしまう。 そういうことで、 私が健康に気を配る理由は、 主に、私の脳のためであって、 長生きという目...
この世においては、 お金、マンション、社会的地位、外見等は、 持っているに越したことはない。 そのため、 私は、これらを一生懸命持とうとしていた。 (実際には、思うように持てなかったけれど) でも、 妻を亡くしてからは、これらに価値は感じなくなった。 これらに共通する点は、...
テレビ録画は、過去に放映されたものを再生することが出来る。 スローモーション、早送りも可能だ。 時間を自由に操ることが出来る。 過去とは、 すでに過ぎ去っている時間だ。 過去に戻れる媒体として、 カメラやビデオカメラで撮った画像や動画がある。 ただし、 これらは、過去を再生...
私も70歳になったので、 概ね、私の人生をまとめられる年齢になったと思っている。 この先、何年生きるかは全く予想がつかないが、 これから経験することは、 これまで作り上げた人生に、少しだけ付け加える程度であればいいと 思っている。 木に例えるならば、 出来上がってる幹に、 ...
18時頃、外出先から自宅に向かって自転車を漕いでいて、 目の前に自宅のマンションが迫ってきた時に、上を見ると、 まんまるの月が見えた。 見た瞬間、「きれいだな」と思った。 自宅に着き、テレビを付けるとニュースをやっていて、 今日の“月”は、「スーパームーン」と言って、 “2...
妻を亡くしてから、 私は、割ときっちりとしたルーティン生活を送っている。 朝、やることを決めて、 ほぼ時間通りに、ほぼ100%をこなせている。 ルーティンは 脳の介在なく、無意識に体が動くことで、 脳を休ませるメリットがあり、 そこで余ったエネルギーを、 意識のある脳の使い...
9日の朝、久し振りに妻の夢を見た。 内容は、 私は高校生で、周りはすべて男子生徒だったので、 男子校なのだろう。 一コマの授業が終わり、休憩時間となり、 外廊下に出て向かいのビルの屋上を見上げると、 チェロのような大きな楽器と、もう一つ大きな荷物を背負って、 下を見下ろして...
私の心には、重りが吊り下げられている。 そのせいで、毎日が重苦しい。 その重りの名前は、「後悔」だ。 私の人生の目的は、 妻に幸せ感を持たせることであった。 妻は、生きづらさを抱えていた人であり、 その生きづらさを、妻から切り離すことが出来たら、 妻は幸せになるだろうし、 ...
昨年に続き、 今年も、お寺が主催する「エンディングフェア」に行ってきた。 信託銀行による「死後事務委任契約」等のセミナーを受けた。 終活作業は、すでに取り掛かっており、 セミナーの内容の多くは理解出来たが、 まだ外枠を固めた程度の状態であるので、 自分の知識に上書きすること...
町を歩いていると、 何組かの、カップルを目にする。 若いカップル、年老いた夫婦、と様々だ。 若いカップルの場合は、 仲良く歩いている二人の男女の姿だ。 しかし、 老夫婦を見た時は、 二つの個体ではなく、 一つの個体が動いているように見えなくもない。 出会った時は、若いカップ...
テレビを付けたら、 女の人がハンカチを鼻に当て泣いている映像が目に入った。 私は、てっきり、能登豪雨 被災者で、 家族を亡くした人、または、家が流されて、 この先を憂いて、涙している人かと思ったら、 そうではなく、 中国へ返還される上野動物園の2頭のパンダとの お別れ会での...
妻は本当にいなくなったのか。 そうとも思えるし、そうとは思わない。 “魂”というものがあるとしたら、 妻はいると思えるし、 “魂”なんて、あるはずがないと思ったら、 妻は完全に消えてなくなっていることになる。 私の場合、 妻が亡くなった当初は、 妻は、跡形もなく完全に消えて...
配偶者のことを唯一無二の人と思ってる夫婦の場合、 亡くなる時は、二人同時がいいと思ってる人は多いと思う。 (事故等で、同時に亡くなる場合を除く) 私の場合、妻が先に逝ったが、 出来るならば、同時に亡くなるのがベストだと思っていた。 同時がいいという理由は、 「残す人」を作ら...
妻がいた時より、毎日の生活において、 物事がスムーズに進でいることに、最近、気付いた。 毎日、確立されたルーティンを崩すことなくこなしている。 特に障害物が現れることなく、滑らかに生活出来ている。 こうなっている理由は、なんとなく、わかっている。 以前は、 「〇〇しなければ...
がんが発覚して、一時は余命宣告を受けながらも、 元気で生きている人が出演しているトーク番組を 二つ見た。 一つ目は、 夫婦漫才コンビの二人で、 奥さんが6年前にがんになり、 その時、余命半年と宣告されている。 今も抗がん剤治療を続けているが、 元気なところを見せようとしてい...
深夜、テレビを見ていたら、 リスがどんぐりをひたすら食べてる音声のない映像が流れていた。 最初は何気なく見ていたが、途中からその可愛い姿に見入ってしまった。 私は、最近、かわいいものを見ることで、 心を癒やそうとしている。 その対象は、動物、小さな子供、その他。 町で、親子...
8月13日に受けた健康診断の結果が出たため、 クリニックへ行き、診査結果票の受け取りと、 医師の話を聞いた。 同時に受けた胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がんの検診結果は、 すべて陰性だった。 今年も、血糖値だけが正常値を超えていて、その他は正常だった。 血糖値 186(正...
以前は、妻と二人で暮らしていた。 今は、一人で暮らしている。 誰が見ても、私は一人暮らしなのだが、 私には、“二人”が続いていると感じる時間帯がある。 その時間帯にも3種類あって、 「私の脳内」、「心の中」、「私のそば」に、妻は現れる。 脳内に現れる妻は、 私の記憶にある姿...
彫刻に於いて、 粘土で作る彫刻は、作成中、変更が効くが、 木を彫って作る場合、 一度彫ったものは後で変更が効かず、 それが作品として残ることになる。 私の人生は、 妻を50代で亡くす人生となり、 木を彫って作る作品のように、 変更の効かないものとして確定した。 妻の年齢は、...
妻は、私の脳の中でしか存在しなくなった。 “リアルな妻”は、もう見ることは出来ない。 脳内に出てくる妻は、 夢の中に出てくる妻、過去の思い出の妻、の2種類であり、 色は、いつも白黒のように思える。 “リアルな妻”は、しっかり色がついていた。 まず、この点が違っている。 更に...
私は人に誇れるものは、ほとんどないけれど、 一つだけ、多分、世界で一番だと思えることがある。 それは、妻のことをどれだけ知っているかということだ。 (厳密に言えば、妻が一番で、私が二番なのではあるが・・・) 妻の母親と二人の姉はどうだろう。 毎年、大晦日に、妻の実家を二人で...
妻とは、1年付き合って、24年半一緒に生活した。 その24年半を分割すると、 妻が健康だった時の24年余りと、 4か月半の闘病期間に分けられる。 妻も私も、この4か月半の間、二人の生活の最終段階を意識し、 お互いに相手を一生懸命見つめ、凝縮された生活であった。 余命1年の告...
思い出には、いい思い出と、良くない思い出がある。 妻に対しても、いい思い出と、良くない思い出がある。 例えば、 妻の屈託のない笑い顔、 妻の面白い行動、 妻との日々のふれあいなど “いい思い出” が頭の中で再生された時、 一瞬、心地良くなる。 しかし、 すぐに、心は一転して...
命がなくなる時=死 命がある時=生 妻がいる時は、 私は“生”を続けることが、義務だと思っていた。 それは、 妻を私が看取ることが、私の責務と思っていたので・・・。 妻も、自分が看取られる方を望んでいた。 妻が先に亡くなり、二人が望む結果となった。 妻が50代で亡くなること...
暑い日が続く。 暑さに弱い私が設定している「耐える3ヶ月」の2ヶ月が終わった。 あと1ヶ月耐えれば、期間終了となる。 今後、更に温暖化が進むようだと、 私の“エアコンなし生活”に限界が訪れるかもしれない。 10日ほど前からマウスの反応が悪くなり、 そして、15日(木曜)夜に...
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「別れ」と聞けば人により、 それぞれ、思い浮かべる情景、体験があると思う。 私も、 卒業による別れ、退職による別れ、付き合っていた人との別れ、 テニス仲間との死別、両親との死別、 など数々の別れを経験してきた。 別れは、大きく分けて二つある。 「死別」と「そうでないもの」だ...
妻に会えて本当によかった。 私にとって唯一無二の人と出会うことが出来た。 いい人生をいただけた。 その人はこの世からいなくなった。 私は、 その唯一無二の人の“余韻”とともに、毎日を生きている。 余韻しかないけれど、ぜいたくは言えない。 妻と出会っていなかったら、この余韻さ...
私は、妻を喪ってから、 「いのち」について考えることが増えた。 私の解釈では、 「命」は、 言い換えれば“生命”であり、肉体が持ってるものというイメージがあり、動物や植物にも当てはめることが出来る。 一方、 「いのち」は、 「命」に「その人の人生」を加えて出来上がったものと...
ここ3日連続で、夕食時に1センチくらいの小さな蛾が、 目の前を数分間舞う日が続いている。 まるで、 「私を見て」とでも言うかのような舞い方に感じた。 こういうことがあると、 私は待ってましたと言わんばかりに、 これは妻の仕業だと思ってしまう。 今回出現した蛾は、 妻の魂が、...
私は最近、夜中の2時頃、電気、テレビをつけたまま寝てしまっていて、 4時頃に起きて、テレビやネットをだらだらと見た後、 6時頃に再び寝て、10時頃起きるというパターンが続いている。 30日も、また同じように寝てしまい、4時頃に起きた後、眠ることが出来ず そのまま起きていた。...
週一回パソコン教室へ行っているが、 今そこでやっているのは、昔の写真をデータ化する作業だ。 一度この作業は終わったと思っていたのだが、 ある日、押入れを覗いていると、奥の方に箱があり、 箱を開けると大量の写真が新たに見つかり、 作業はいまだに続いている。 パソコン教室がある...
妻と結婚して生活しているうちに、 “私の心”の半分が、“妻の心”の中に入っていった。 “妻の心”からは、“私の心”の中に半分が入ってきた。 これで、お互いに2分の1ずつを持った同一の心となった。 これで、一体感のある夫婦という感覚が確立した。 そして、妻は亡くなり、 体の消...
私はどこにでもいる平凡な人間だ。 でも、妻の前では平凡でない人間でありたかった。 妻の人生を作ったのは私だ。 私の人生を作ってくれたのは妻だ。 私は、 妻と出会って、いい人生を送らせてもらった。 一方、 果たして、妻は、 私と出会ったことがいい人生につながったのだろうかと ...
時々私の携帯には営業の電話が掛かってくる。 不動産業者が、「マンション、売る予定はありませんか」 携帯会社が、「お得なサービスがあります」 買取専門業者から、「不用品は何でも買取に行きます」 (最終的に貴金属が目的か) など。 昨日は、 以前買い物をしたことがあるショップチ...
妻は、終末期医療を、 医療ありきの病院ではなく、 生活の中の医療である在宅医療を選んだ。 その選択は、 がんの告知を受けた後、すぐに決めた。 妻は何事もゆっくりで遅い人だったが、この判断は早かった。 告知の翌日から、銀行、スカパーの契約解除、自分のお墓の話をし、そして、ゴミ...
幸福感について考えてみた。 “地位財”と“非地位財”というものがある。 地位財とは、 他人との比較によって幸福感を得るために消費される財貨やサービスのこと。 非地位財とは、他人との比較とは関係なく、それ自体で幸福感を得られるもの と説明されている。 地位財には、 例えば...
妻は、2017年5月23日に余命1年のがん告知を受けた。 その時記録していた23日とその翌24日の妻の言葉を、 私は、前回のブログで書いた。 前回に続いて、 今回は、25日、26日に妻が言った言葉を書く。 25日(木) 私はアルバイトに出かけた。 仕事中、胸が苦しい。 早く...
終活作業は、ゆっくりと少しずつ行っている。 先日、一か所に束ねて置いてある妻の関係書類を整理した。 その中に、 A4の紙があり、よく見ると私が書いたものであった。 妻のがん告知日である2017年5月23日から26日までの4日間で、 私の行動や妻の言ったことなどが書かれていた...
「ハチ」と言えば、 飼い主が職場で急死したことを知らず、渋谷駅に毎日朝夕通って、 死ぬまで10年間も待ち続けた秋田犬の名前が浮かぶ。 心から可愛がってくれた飼い主の愛情が忘れられなかったのだろう。 犬は、信頼した相手に対し強い忠誠心や愛情を持つという。 それとともに、そのよ...
「幸せ」とは、 その人のためならがんばれる という相手がいることだと思う。 その相手がこの世にいなくなった場合はどうだろう。 がんばる意味がなくなってしまう。 私の場合、 いくら自分のためにがんばっても、 幸せを感じることは出来ない。 妻は、私に人生を本気で生きようと思わ...
どの人にも、その人だけの歴史がある。 歴史は、偉人や有名人だけに与えられたものではない。 私にも歴史はあるし、当然、妻にも歴史はある。 前回のブログで、 スマホを無くし、そして見つかるまでの流れを書いた。 スマホを無くすことで一番困ったと思ったのが、 「妻の高校時代の写真画...
24日、 午前のテニスを終えて、 家に着き、テニスバッグの中に入れていたスマホがないことに気づいた。 バッグの中のすべてのポケットを調べたが、どこにも見当たらない。 固定電話でスマホの番号に電話すると、音は鳴ってるが、 家の中のどこからも音は聞こえてこない。 ということは、...
音がない世界。 静寂のなかの妻の声。 耳から入ってくるのではなく、脳内で響く声。 妻との会話が、音でなされなくなって7年半。 妻はいなくなったが、 妻の声の特徴、しゃべり方などが、しっかりと脳に記憶されているため、 妻との会話は出来ている。 数日間ほとんど会話をすることがな...
私の体には、 脳、心、腸という3つの小宇宙がある。 この3つが快適ならば、 概ね体調は良くて、気持ちもいい状態だ。 腸は第二の脳とも呼ばれ、 神経系を通じて、脳と繋がっているとのこと。 “脳”と、“腸”が健康なら、“心”も健康になるはずだ。 脳でストレスを感じると、お腹が痛...
妻が亡くなって7年半が過ぎ、 神様は私に、悲しむノルマを与えた。 同時に、妻を想うノルマも与えた。 この二つのノルマをやり切った時、 私がこの世を去る時なのだろう。 私がまだ生きてるということは、 悲しむ量、想う量がまだ足りてないということか。 ノルマの総量は把握してないが...
妻は、大人の中に子供の“無垢”を持っていた人でした。 不器用なところなど、 私が好きな女性像を、妻はほとんど満たして持ってくれていた。 私にとっては、普遍性をもった女性でもあった。 妻を見てると、私の細胞が活性化してるのがわかった。 そう思うと、妻との一体感に酔うことができ...
私にとって、妻は3人いる。 過去に存在していた妻、 今、頭の中に浮かぶ妻、 過去に抱いていた未来の妻、 「過去」の妻は、 “肉体”と“魂”を備えていた。 「今」と「未来」の妻は、 確実に肉体は消えており、魂は、残っているかどうかはわからない。 今、そして未来において、 過去...
“妻と私の物語”を全部知っているのは、 妻と私の2人しかいない。 主人公は、妻と私のダブル主演。 妻はいなくなったので、 この物語を知っているのは私だけとなった。 この物語の断片を人に話すことはあるが、 他の人からしたら、特に聞きたい話ではないと思うので、 長くは話さないよ...
生活の中では、「自由」な時と、「不自由」な時がある。 妻が居た時は、 考え方のズレで喧嘩になり、自分のやり方を断念することもあった。 見たいTV番組を見ている時、 妻は状態を察することなく、 長い時間ずっと私に話かけてきたりと、 言わば、自由が削られている感があった。 その...
水は高いところから、低いところに流れる。 これは自然な現象だ。 逆に、現在の位置より上げるには、 ポンプ等で人為的に力を加えることが必要になる。 私が妻に惹かれていたのと、 水が低いところに流れるのは、同じ現象と言える。 なんの力を借りることなく、 私は妻への愛情をぶれるこ...
現在、深夜。 ブログを書いている。 シーンと静まりかえっている。 今日も暑い。 エアコンは取り付けていないので扇風機で風を送っている。 部屋の入り口を見る。 そこから、入ってくる妻の残像が浮かぶ。 その残像が、リアルの妻に変わるような感覚が生じる。 ひと呼吸して、「それはな...
中尾彬氏が亡くなった。享年81歳。 何度か夫婦で出演していたのを見ていたが、 いつ見ても、いい関係を持っている夫婦だと思って見ていた。 “おしどり夫婦”なんだろうが、 他の“おしどり夫婦”と呼ばれる芸能人の夫婦と比べて、 べったりではなく、いい距離感を持った夫婦という印象が...
1ヶ月前のブログで、 正味期限が今年の4月までの30個のパックご飯があるのに気付き、 炊飯器でのごはんを一時中断して、 1ヶ月間、“パックご飯”月間とすると書いていたが、 やっと、一昨日最期の1個を食べ終わり、 昨日、1ヶ月ぶりに炊飯器で炊いたごはんを食べた。 当たり前だが...
”妻の記憶”は、 私を悲しくさせたり、心地良い気分にさせたりして、 私の心を揺さぶる。 ”妻の記憶”がなかったら、 私は、心を揺さぶられることなく、 平和な毎日を送っているかもしれない。 でも、それはつまらない平和だ。 “妻との出会い”は、 私の脳の中に、”妻の記憶”を作り...
私には子供がいない。 妻が亡くなり、私は単身高齢者となった。 終活を始めているが、 終活作業は、 生前にやらなければならないことと、 死んだ後にやらなければならないことの 2つに分けられる。 生前にやることは、私が頑張ってやればいいが、 死んだ後にやらなければならないことは...
”妻の記憶”は、 私の残りの人生に、ずっと寄り添ってくれている。 二人の時間が始まった最初の瞬間に還る。 脳の報酬系が作動する。 二人ではなくなったが、一人でもないと、 私に思わせてくれている。 記憶は、 目で見ることは出来ないが、脳で見ることが出来る。 夢も、目ではなく脳...
掃除といえば、部屋の掃除が思い浮かぶが、 心の中の掃除というのがあると思っている。 妻は掃除が苦手な人だった。 片づける気力がなかなか湧かないことが理由だと思っている。 だらしない性格かというと、そうは思っていない。 妻が、発達障害の一種のアスペルガー症候群だったことが そ...
世間では、「人生100年」というワンパターンのフレーズが、 あちこちで飛び交っていて、 長生きするためには、何を食べればいいか、 1日何歩、歩けば けばいいいか、睡眠時間は何時間がいいか、 いつまでも社会とつながっているのが若さの秘訣、 などと、 寿命を延ばす秘訣をテーマに...
妻は、今どこにいるのだろう。 時々、そんなことを考える。 空の彼方か、土に戻ったか、それとも私のすぐ傍か、 もうどこにもいないのか。 「私の心の中にいる」という言い方も時々するが、 これは、概念化された妻であり、 私が本当に求めているのは具体的な妻であり、 何処にいたとして...
春は出会いの季節。 入学式、クラス替え、入社式、新年度での移動、など、 新しい出会いが増える環境がある。 男女の出会いについては、 恋愛以外では、 昔は見合い、最近はマッチングアプリでの出会いが増えているみたいだ。 「出会い」があると必ず「別れ」がある。 恋愛中の別れは多い...
思い出は、なぜきれいに見えるのだろう。 思い出は、なぜセピア色なのだろう。 思い出は、なぜ私の胸を締め付けるのだろう。 思い出は、なぜ手を伸ばしても届かないのだろ。 私の頭の中には、なぜ妻の思い出しかないのだろう。 頭の中を隅々見渡すと、 端っこに、ほんの少しだけ妻以外の思...
スーパーで、 何を買おうか ということだけに向いていた意識が、 流れていたBGMが耳に入った途端、 そちらの方に、意識が移った。 その曲は、 曲名を知ることなく、テレビなどで、時々耳にする曲であり、 パリの町並みを歩いている気にさせられるメロディーだ。 これまでは、何気なく...
死別経験者が今の心情を、 「身体の半分を失っている状態」と表現することがよくある。 私も、正にそのような心の状態であり、 毎日、何か足りないと感じながら生きている。 2分の1あった妻が、 私の身体から離れて行ったことが原因なのは明らかだ。 当たり前だが、 体重が半分になった...
現在、パックご飯が食器棚に30個(5袋×6)ほどある。 それはそれで、何ら問題ではないのだが、 正味期限が、全て今年の4月と表示されている点が問題なのだ。 消費期限ではないので、食べても問題はないのだろうが、 今、4月なので、今食べないと、味がどんどん落ちていく。 なぜここ...
私が持っている “人との交流円” の直径が、 小さくなっていると感じている。 “普通の人”は、 もっと直径が大きい円を持っているようだ。 かつての私は、 普通の人並みの大きさの円を持っていた気がする。 大きい円を持っていると、 他の人の円と交わる部分が出来やすくなり、 人と...