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その部屋は僕の部屋からよく見えた。 向かい側のアパートの 一階の角部屋だった。 床まである大きな掃き出し窓には、いつもレースの白いカーテンがかかっていた。 レースのカーテンはけっこう厚地なのか、 昼間はこのレースのカーテンが閉まっていると、 部屋の中までは見えなかった。 カ...
二人はお互いの存在が かけがえのないものになっていった。 二人きりで過ごす時間が増え、 会えば夢中になって身体を重ねた。 「なぁ……ユノ…… このまま二人でどこかに逃げようか……」 「いいね…… とこがいいかなぁ……」 「どこか遠くがいいなぁ…… 周りに誰もいない山ん中とか...
チャンミンが抵抗していたのは最初だけだった。 ユノの年期の入った手練手管にチャンミンはあっけなく陥落した。 一度落ちてしまうと、 チャンミンはユノとの行為に夢中になった。 ユノと二人きりになると、 ユノに甘え、 深いスキンシップを求めた。 ユノはこの手の男の事情をよく知って...
最初……チャンミンはユノのことも警戒していたが…… 同じような年齢ということもあり、 二人はすぐに打ち解けた。 親交が深まるにつれ、 ユノの複雑な事情をチャンミンは知ることになる。 「男に……妾になれだなんて……」 チャンミンは呟いたが、 「この世界にはよくあることさ…… ...
side Y 幼い頃……親の借金のカタにヤクザに売られた。 顔立ちが綺麗だからと、直ぐ様幼児を好む変態の巣窟に沈められた。 何人もの仲間がプレイの最中に亡くなり消えていった。 あこで生き延びれたのは奇跡だった。 年を重ね十代後半になると、金持ち相手の娼館に移動させられた。 ...
「おはようございます。」 「あら、ユノちゃん。 おはよう。」 「これお願いします。 いい天気ですね。」 「ほんとにね~ あ、ユノちゃん、夕べ杏を煮たのよ。 持ってって。」 「うわ、うまそう。 ありがとうございます。」 光州市郊外の山の中…… 秘境のような山あいの小さな村の、...
「お話中すみません。 課長……ちょっといいですか?」 ユノさんの部屋の中で捜査をしていた若い刑事らしき人が、 話している俺達に声をかけてきた。 「バスルームから血痕が出ました。 かなりの量です。 鑑識の結果待ちですが、おそらく袋詰めのほうはあそこで解体したと思われます。」 ...
「大丈夫か?」 刑事がカップに入ったコーヒーをくれた。 近くのコンビニで売っているやつだ。 「ありがとうございます。」 俺はコーヒーを受け取ると一口飲んだ。 ユノさんがいれてくれたものとは比べ物にはならないが、 温かくてうまかった。 ショックで固まっていた俺の身体に、コーヒ...
「こちらの捜査によりますと、 ほぼ間違いなく同一人物です。 チョン・ユンホ。 指定暴力団東方組の若頭です。」 刑事は写真をしまいながら俺にそう言った。 「暴力団の若頭? ユノさんが? まさか……」 俺は刑事に聞き返した。 「今……指紋を確認ていますが、まず本人で間違いないで...
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