季語は・・・師走尽 師走尽 世はこれすべて 塵芥 【去年の今日】週話§日曜枯寂~2023年大晦日~
季語は・・・卯月尽 卯月尽 西口地下の カオスかな 【去年の今日】週話§日曜枯寂~東京文化会館の姿~
穀雨の末候“牡丹華(ぼたんはなさく)”である。 天候不順と感じた4月だった。自然界もその天気模様に敏感に反応して、たとえば今年は、我が家近くの辛夷(コブシ)の咲き方がおかしかった。さっさと咲いて緑の若葉が噴き出しているのに、その近くの辛夷はようやく咲き始めてみたり、以降に綿帽子から抜け出てこなかったりと、木々それぞれの対応が極端にまちまちだった。こんな咲き方を見たのは初めてだ。 そして、4月上旬も少しばかり肌寒かった。おかげで宅配野菜に入ってきた白菜を使った鍋を食べることになった。 どうも、今年の春は変な天気が続く。 《七十二候のトピックス一覧》
ついこの間、桜が咲いたと思ったら、4月が終わりを迎えてしまった。 世間は、花の季節から緑の季節に移り、初夏の趣きを見せ始めた。空気は、ほどよく乾いて、着始めた頃は心許なかった半袖にもすぐ馴染んで、あっという間に夏モードである。 とはいえ、暑さが苦手な同居人にとっては、これからが憂鬱本番……白眼でうんざりしながら、この先の日々を過ごすのだ。 一年中5月のような陽気であればいいというのは、さすがに乱暴な無理筋の話で、そんな陽気が毎日続いたら、人間が馬鹿になってしまうことは必定だろうし、それに地球環境にもいいはずなどないだろう。 4月さようなら……5月いらっしゃい! 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・春昼(しゅんちゅう) 春昼や 明日は我が身の 物忘れ 【去年の今日】週話§土曜枯寂~四か月がもう・・・・・・~
札幌オリンピックの70mスキージャンプ金メダリストである。オリンピックに臨んでいた時のテレビに映った笠谷の表情は殺気立ってとげとげしく、人を寄せつけない殺伐とした印象があった。 それがメダルを獲ったことで重苦しいプレッシャーから解放された、その後の表情は何とも柔和なものとなって、おそらく本来の笠谷幸生の姿はそうであったのだろうと想像されたが、いかにメダル期待の重圧が凄まじく、それに抗って必死に戦っていたことに気づかされる。享年八十 合掌 《追悼のトピックス一覧》
スピアーズえどりくフィールドと、チーム名でネーミングライツを取得した江戸川区陸上競技場だが、今シーズンは何と、最初で最後のホームゲームだが、なぜ一試合しか行われなかったのか、そのあたりの事情はわからない。この日の観客は3,382人 予報ほど気温は上がらず、むしろ肌寒いくらいに感じたのだ。 ↓じっと座っていると寒いのだった 前週に行った札幌遠征の時差ぼけなのかどうか、キックオフから30分ほどはまったくエンジンがかからず、起きぬけた寝ぼけ眼としか思えない締まりのないプレイだった。その間隙を突いてホンダヒートがショートキックで揺さぶりをかけたのが功を奏して、前半15分までに2トライ&ゴール+PGで、一気に17点差をつけたのだった。 何というか、今年の不振を端的に象徴しているような試合ぶりに、一抹の不安を覚えたのは正直な本音である。 このまま前半を無得点で..
季語は・・・花の塵 絢爛も 輪廻の果てか 花の塵 【去年の今日】塀話§鳳凰祭四月大歌舞伎夜の部~仁左玉~
旅行先のホテルで、風呂に入るのが面倒でならない。入らずに済ませたいくらいだが、そういうわけにもいかず、渋々入ることになる。 こんな写真のような風呂に入って楽しいかと思う。このタイプの風呂に関する限り、バスライフを楽しむという思想など感じられない。 湯を張ってもぞもぞと入り、浴槽の中で身体を洗い、シャワーで頭を洗って洗い流す……そのシャワーの使いにくいことは比類がなく、当然ながら浴槽の外にまでビショビショになってしまう。 結論を言うなら、シャワーブースでもあれば、旅行中だったら十分である。最近のドイツやオーストリアでは、そこそこのホテルでも浴槽がなく、シャワーブースだけの浴室もあって、むしろそのほうがありがたいと思うのだ。 多くの日本人旅行者が、西洋的な風呂に対してストレスを感じながら入浴しているのは間違いないのである。 《旅行のトピックス一覧》
季語は・・・若草 赤シボが 消え若草の 上田代 【去年の今日】幻話§白い世界~他に色がない~
3月終わりに夏日を記録した時から、4月半ば頃には少しばかり寒い日がありはしたが、いよいよ汗ばむ日常が戻ってきてしまった。 冬物と半袖の間に着るのは、ちょっとだけ厚い生地のラグビージャージで、これが意外という以上に重宝しているのだ。しっかりしているから、多少気温が下がったりしても、薄手のジャンパー羽織れば十分だったりするのだ。 そんな狭間の季節もゴールデンウィークが近づいてくれば、あっという間にTシャツの数か月が始まる。 半袖を着始める最初こそ、久々に出した腕がひんやりと感じて頼りないことがあるけれど、それも気がつけばすぐに慣れて、夏の態勢完了なのだ。 そしてTシャツの季節は9月の末になっても終わらない。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・余花 行きつけに 傘を忘れて 余花の雨 【去年の今日】握話§昨今の“高級”寿司屋は・・・・・・
今週のはじめだっただろうか。アクセスが若干だが好調に転じていることに気がついたのは。 青息吐息で3ケタに届く一日のアクセスが、日によって200とか300とかを記録するようになっていた。特定のテーマを持つことなく、徒然に思いついたことを淡々と書いてアップしているだけなので、元より固定客もいないし、どどーん!とアクセスが増えるようなこともなかった。 何とも不思議なことだなあと思っていて、それで管理ページを眺めたら…… ……ブログのランキング(ブログテーマ:blog)が18位になっていて驚いた。ランキングページに掲載されるのは1位から25位までである。当然ながら、手が届くとはとても思えないランキング上位である。長いこと4ケタだったSSブログ全体では3ケタの758位まで上がっていたのだ。 いくらブログというコンテンツがオワコンの類で、ブロガーの数も間違いなく減ってい..
我が大相撲事始めは、たぶん保育園に通っていた頃、テレビはなかったのでラジオからの音声中継を聴いていた。それは栃若時代の末期のことで、すぐに柏鵬時代が到来するタイミングなのだった。 我が家で聴いていた以外に記憶にあるのは、すぐ近くの銭湯に行くと番台の上にあるラジオから、決まって大相撲中継が流れていたことである。銭湯で相撲や野球のナイター中継を聴くのは当時のお約束のようなものだったのである。 小学校に入った年に大鵬と柏戸が横綱に同時昇進、その翌年には我が家にもテレビがやって来て、国技館(当時は蔵前)3場所に加えて、大阪、名古屋、九州の年6場所の興行が確立していたのだ。 一か月おき、小学校から帰ってくればテレビにかじりついて大相撲中継を観ることが日課のようなもので、それはもうせっせと観ていたのだった。 それが途絶えたのは、中学に入って放課後の部活をやっていた頃で、帰宅する..
季語は・・・春窮(しゅんきゅう) 満腹の 吾や春窮の 語彙を知り 【去年の今日】知話§“観光旅行”はやめようか
穀雨の次候“霜止出苗(しもやんでなえいずる)”である。 さて、ゴールデンウィークである……といっても年金生活者には何の関係もない。そして毎度ながらそんな休みの間に外出するなど考えもしないのだ。 もっとも、宮仕えしていた時でも、無用な外出をすることはなかった。そもそも混雑が嫌いな性分なのである。 ゴールデンウィークに出かけたのは数えるほど。宮仕えになって2年後くらいだったか、小屋開けのタイミングで尾瀬に入った時だった。 4月末の尾瀬沼はまだまだ凍結していて、尾瀬沼畔の山小屋まで氷と雪に覆われた沼の上を歩いていったのだ。小屋には一週間ほど居候して、雪かきを手伝ったり、クロスカントリースキーを借りて尾瀬ヶ原の山小屋まで届け物をしたりと……まあ遊ばせてもらったようなものだが。 というわけで、ゴールデンウィークは自宅周辺をうろうろして、混雑する観光地とか渋滞の高..
エクセルを使っているといっても、簡単な表組で中に数字を入れるとか、その程度で、そこにあれやこれやを仕込んで作業をする……というところまで自分としては必要がなかったのである。 ところが、会社OB会でエクセルを使った名簿等管理の後を引き継ぐことになったのは数年前。引き継ごうとしたところで、前任者が急病で倒れ、何も引継作業をしないまま、全部任されてしまった……事務局の自分より高齢者の人間たちはパソコンに手を出すことができないのだ。 まあ、何とかなるだろうと作業を始めたら、前任者がエクセルの表組に様々な仕掛けを入れ込んでいて、そのたびに調べて修正することになった。 原形を尊重してそのまま使っていくことを大原則にしているものだから、時に頭を抱えるような事態が起きたりして、だから思ったこととしては、あまり“技”は使わずにプレーンなスタイルで推移していくほうが、先々に人が変わってもスム..
季語は・・・土筆(つくし) 菩提寺の 土手に土筆の 日の盛り 【去年の今日】費話§電化製品の買い替え
物心ついた頃から“狂信”とは無縁な中で生きてきた。それはおそらく、自分の中に、確固とした価値観を持ち合わせていなかったからではないか……もしも中途半端に持ってしまってしたら、あるいは引きずられかねないと考えたからかもしれない。 自分に自信がないゆえに身についた自己防衛なのかもしれない。そう思って見ていると、むしろ自信を持ち合わせている人のほうが狂信に陥りやすいのではないかという、そんな節が見受けられるような気がする。 改めて狂信とは何なのだろう?そして狂信が生み出すものは、決まって破滅という結末ではないだろうか。おそらく“狂信”はわかりやすく、耳にも優しく響いて聞こえるのだろう。そしていつしか気がつかないうちに取り込まれてしまうのだろう。 70年に及ぶ人生の中で、そうした狂信に巻き込まれなかったのは、不思議な危険回避能力があったからだろうか。最初に書いたように、自分自身の..
去年が上京して五十周年だった。 何の意味もなく、漠然と東京へ東京へと目指すことになったのは、いかなる内的理由があったものかと今さらながら思うのであるが、おそらくは小学校高学年になっていたであろうかつての自分に聞いてみたいものである。 そしてたぶん“東京には何かがある”と、何の確証もなく言い張ったことは間違いない。 結果として我が意志は貫かれて、東京で学び、職を得て、同居人と暮らし、定年を迎え、いずれ遠くないいつかお迎えがやって来る。今、東京に行こうと思い定めた小学生の自分に問うてみたい……君が思い描いていた東京での日々はこういうことだったのか?と。 幼い発想しかなかったにしても、その当時既に、東京にあって地方にはないあれやこれやを敏感に感じとっていたのかもしれないが……。 中央集権の象徴のような東京という都会のメリットを自分なりに享受した。特に文化面においては..
季語は・・・花冷え 花冷えて 読みかけのまま 深夜二時 【去年の今日】週話§日曜枯寂~ビール純粋令五百七周年!~
五百周年から毎年書いているが、ドイツのビール純粋令発布記念日である。 このお触れのおかげで、21世紀の我々もおいしいビールをいただくことができるのだ。 もちろん基本的にはビールの原材料には、麦芽、ホップ、水だけでなくてはならないという制約はなく、ドイツでビール純粋令を発布したのは、制約を施さなければ、どんどん品質が落ちていう状況が起きていたであろうことは想像に難くない。 ベルギーでは、ビールに果実を入れたり、日本で醸造されるビールの多くは米やコーンスターチを混ぜ込んでいて、それらが愛飲されているのが現状である。 まあ、それほどビール純粋令に拘っているわけではないが、日頃から自宅で呑むのはヱビスビールで、神保町のランチョンで呑むのはアサヒのマルエフ生。それらは言わずもがなながら、ビール純粋令とは無関係にきちんとしたビールなのだ。 さて、古稀を前にして、す..
すっかり桜も散って、今年の我が家周辺は花水木(ハナミズキ)が期待外れの咲き具合。という4月下旬が始まったところで歌舞伎座に行ってきた。四月大歌舞伎夜の部である。 お目当ては2018年、2021年に続いて三度目となる仁左衛門&玉三郎コンビによる『於染久松色読販』と『神田祭』の二本立て。 もう、何も言うことはなく、仁左玉が持てる魅力を振り撒き尽くした贅沢な時間だった。とにかく仁左衛門の“悪”の凄みは比類なく、それが玉三郎と共演することで魅力が二倍にも三倍にも膨らんでいく。脇を固めた橘太郎の久作、錦之助の清兵衛、彦三郎の太郎七などなど、手堅くまとまっていた。 そして“お口直し”に置かれた『神田祭』の贅沢なこと。二人が“じゃらつく”様子は、まさに恋仲の二人の濃密さで、ほぼ満員の客席の喜ぶまいことか。 1970年に始まった孝玉から仁左玉へと、半世紀以上続いた稀有なコン..
季語は・・・菜の花 菜の花や 終着駅は 閑散と 【去年の今日】週話§土曜枯寂~ラグビーシーズン終了~
[承前] そして、この同期が外せない。ここから4日間に及ぶ奮闘が始まった。自分の手には負えそうにないと、まずはODのサポートセンターにメイル。状況を説明して対処法のアドバイスを求めた。 担当者は実に人柄がよく、丁寧なアドバイスを指示してくれた。だが、手順どおりに進めても、OD内部の問題なのかどうか、一向に事態が好転しない。 何度かサポセンとやり取りをした結果、金曜日に導かれた結論は“もう一度最初から式年遷宮”をやり直すということだった。前週の半ばあたりには、そうするしかないと考えていて、サポセンに具体的な対処方法を教えてもらい、[再]式年遷宮を始めたのは土曜日早朝のこと。 まず、これだけはしっかりしなければと、新しパソコンからODをアンインストールし、それを確認したところで、再度引っ越しソフトを立ち上げて、作業開始、と思ったら「新しいパソコンのハードディスク容量が足..
さても、これまでで最も手間暇がかかったパソコンの引っ越しだった。以下はその顛末。 前週月曜日、9時過ぎには到着してくれた新しいパソコン。午前中は荷解きと設置をした。既報のとおり、梱包していた段ボールの処理だけでもけっこうな手間だった。荷解きから設置まで一時間以上はかかったのではないか。 そうして午後から式年遷宮に取りかかる。新旧2台のパソコンを立ち上げ、引っ越しソフトの取説を“簡単”にチェックしてソフト起動。そこからは、お任せで“遷宮”を見守るだけである。 睡眠中も遷宮は進み、夜明け近く12時間半を要し、翌朝、古いパソコンから新しいパソコンへとデータ移行が完了。さあ、新しいパソコンで快適に過ごしましょうと思ったら何やらデスクトップ上のファイルの様子がおかしい。 ↓いやもう、参ったの何の ご覧のように、ファイル名の前に赤丸×印や、矢印が丸く上下に重なっている..
季語は・・・かぎろひ かぎろひて 手のすぐ先や ユーラシア 【去年の今日】熱話§温泉と鉱泉と
またぞろ選挙だそうだ。補選とやらがたけなわのようである。候補者が乱立している中に“有名人”と思しき姿も見える。 だが、有名人だからと安易に投票するのは愚の骨頂でしかないと、これは選挙権を手にした半世紀前から変わっていない、自分への戒めなのだ。こと選挙に関して、有名人を選ぶというのは、単なる数合わせに加担する以外の何物でもない。 それは正しい投票行動などでも何でもなく、ただのイメージに眼を眩まされているだけの話ではないか。 きちんと見渡してみれば、有名人を隠れ蓑にして、過去の行状が何とも疑わしい人間がゴロゴロ現れてくるのだ。今回だってその例に漏れてはいない。 昔から言われている当たり前のこととして、選挙は“人気投票”などではないということを、もう一度頭に刻み込んで、投票券を手に投票所に足を運ぶことこそが重要なのである。 《日本のトピックス一覧》
季語は・・・日永 ひょっこりと 鼬(イタチ)現るる 日永かな 【去年の今日】貪話§欲望と節制と
昨年12月9日に開幕したジャパンラグビーリーグワンのシーズンも、今週を入れて残り三節となってしまった。 今季は最終節まで合わせて12試合(同居人は+1)と、クロスボーダーを2試合観ていて、なかなかの精勤ぶりである。しかも、川崎の等々力陸上競技場や東大阪の花園ラグビー場と初見参&遠征したところが2か所あって、存分にラグビーを満喫したと言えるだろう。 残念なことは、推しチームの成績がなかなか上がってくれず、芳しいものではなかったことで、これはチームのメンバーのほうがより切実に感じているのは言うまでもない。 リーグが終われば、6月から10月にかけて代表戦が行われる。今年は、代表4試合とJAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)2試合が予定されているので2試合くらいは観に行ければいいのだが。 そして来年は、ラグビー観戦歴50年を迎える。最初に観たのは、1975年9..
季語は・・・陽炎(かげろう) 陽炎や ゆらりゆらりと 幸の神 【去年の今日】払話§現金と銀行振込と電子マネー
穀雨の初候“葭始生(あしはじめてしょうず)”である。 半袖の季節まで、あと一息である。自分たちの感覚で、おおよそゴールデンウィークのタイミングで長袖と半袖を入れ替えるようにしていたが、最近は4月中に入れ替えるようになった。 ただし、ちょっと肌寒い日もあることを考えて、一気に入れ替えることはせず、段階的に少しずつ半袖を増やしていくのだ。 そして半袖になると困ることが昨年から増えてしまった。それは、肩凝り予防のために使っている磁気ネックレスが、外から見えてしまうことで、見えないよう長めに首に回さなくてはならない。磁気だけで繋がっているネックレスなので、短すぎると外れやすくなってしまう。見えないようにする塩梅が意外と難しい。 ……こうした“裏方”は、あまり表に見せたくはないのである。 《七十二候のトピックス一覧》
4月2日……ストーブを片付けた。久々に4月まで居間に置いて使い続け、ようやくこの日に納戸に戻した。3月中旬になっても、あまり暖かい日がなく、使い続けていたのだ。 去年は3月14日、一昨年は3月28日に片づけた。いずれも桜が開花する前後に片付けている。なお、我が家付近の桜が満開になったのは、4月5日頃。 4月10日……右手親指のあたりが痛くなった。しばらく様子を見ていたが、13日の土曜日あたりに“ひょっとして?”と腱鞘炎を疑ったが、どうやらそれらしい。翌朝から、貼り薬をして緩いサポーターをはめているが、徐々に痛みは和らいでいるようだが、油断はできない。これまで一度も腱鞘炎にかからずにいたので、まさか自分がなるとは思いもしなかった。 4月12日……突然、電気掃除機が動かなくなった。ウンともスンとも反応がまるでない。あまりにも唐突な故障に為すすべがなかったが、購入4年で壊れてし..
季語は・・・長閑(のどか) のどかのどか 野良はのびのび 空あくび 【去年の今日】悼話§市川左團次さん(歌舞伎役者)
“角打ち”を居酒屋と呼ぶには、少しばかり無理がありそうだ。角打ちとは酒屋が店内の空きスペースで立ち呑みできるように設えた店のことである。 だから店で商っている酒を出して、酒の肴はナッツ類にイカの燻製、柿ピーといった乾き物がメインで、あとはせいぜいコンビーフみたいな缶詰あたりが出てくる程度か。 立ち呑みだから滞在時間は短い。2時間長っ尻するのは野暮というもので、一時間を超えるようなことはまずもってなく、ビールを一本に日本酒が一合で店を後にする。まさにちょい呑みの王者ではないか。 角打ちは地元密着の酒屋がやっているから、お客さんも地元民が多く、眼の前の同士と気兼ねなく話をするのもよし、壁に向かって淡々とビールをぐびぐびするも勝手次第。短時間で切り上げるから、酔っ払って足元が覚束ないなどということもなければ、新宿ゴールデン街のカウンターバーで管巻いて喧嘩が始まるようなこともない..
何とまあ結婚42周年である。丈夫で長持ちといえばそうかもしれないが、今はもうすっかりガタが来てしまって、見事な老夫婦としかいいようがない。 放っておくと、いくらでも家に引き籠ってしまいそうになるから、歌舞伎を観に行ったりラグビー観戦したりと、そうやってチケットを買って外に出る口実にしないと、腰が重いの何のなのである。 42年……つまり、今現在42歳のの人間が生まれた時に結婚しているわけで、その年月たるや何とも長大なことだ。単純に考えても大学を卒業し、就職して勤続20年になろうとしている、などと考えると42年の長さに驚かされてしまう。 夫婦二人、大きな病気や怪我であったり、大きな災害で被害を蒙ることなく過ごせたことは、何と幸運であったことか。 そして、あと8年で金婚式がやって来るわけだが、だからといって“よし!金婚式には・・・・・・をしよう”などと、今から確信をもって..
季語は・・・春深し 春深し バッハのチェロの 深々と 【去年の今日】無話§鳳凰祭四月大歌舞伎夜の部~仁左玉~
気がついたら、自宅でパソコンを使うようになって、今年で30年を迎える。購入したのはNECのPC98シリーズで、詳しい型番は覚えていない。 使う……とはいささか誇大表示で、パソコンを使って何かクリエイティブなことをしたわけではなく、目的はパソコン通信に接続する一点のみだった。 今でも覚えているのは、パソコンを設置して動かせるようになるまで、2日近くかかったという記憶なのだ。 取説を見ても、何が何だかさっぱりわからず、ただ闇雲に電源を入れ、出てきた画面を前に、徒手空拳の戦いを繰り広げるのみだった。何しろ、どうすればしかるべく画面が現れて、その先に進むことができるのか、何も理解できないままだったのだから。 そして足搔き続けているうち、何の拍子か目指す画面が突然現れてきて、すべては解決した。ただ、パソコン通信に接続したのはウィンドウズ画面からではなく、MS-DOSの画面に入..
諸事情あって、医師からの処方薬を久しく服用している。朝3種類で昼夜が2種類、それぞれ一錠ずつ。 毎食後の服用だから忘れることはないだろうと高を括っていたが、やっぱりというか服用し忘れることが時折だがあって、対策を講じる必要が生じた。 一週間用の薬を収納するピルケースを調達して、それでもって管理をすることにした。さすがに飲み忘れるようなことは“ほとんど稀”になってくれたが、それはそれで面倒なことはというと、ケースに入れるために、小分けに切らなければならないことなのだ。 きちんと服用するためにはそれなりの手間がかかるわけで、それを面倒だと考えてはいけないのだ。薬を飲まないで済むなら、それに越したことはないのだが、そうもいかない現状ゆえ、そこは服用の習慣づけが必要になるということである。 《健康のトピックス一覧》
季語は・・・風光る 風光る 遍路結願 あと七里 【去年の今日】週話§日曜枯寂~喫茶店でモーニング~
桜散る4月土曜日の午後、武蔵野市民文化会館小ホールで、若手ヴァイオリニスト山根一仁がバッハの無伴奏ソナタとパルティータ全曲を演奏するというので聴いてきた。 14時開演、20分の休憩を2回挟み、終演は17時15分という長丁場である。 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ1番 g-moll BWV1001 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ1番 h-moll BWV1002 **********************休憩********************** 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ2番 a-moll BWV1003 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ2番 d-moll BWV1004 **********************休憩********************** 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ3番 C-Dur BWV1005 無伴奏ヴァ..
今見ているテレビは、2007年に購入した32インチサイズ。買った当時はそこ大きいほうだったのではなかったかという記憶だが、あっという間に小さいサイズになってしまっていた。 それはともかく、買ってもう17年も経っていたとは、丈夫で長持ちである。ただ、リモコンのご機嫌があまりよくなかったりとか、細部で不都合が出るようになったので、ぼちぼち買い替えてもいいかなとは考えているのだが。 ただ、我が家の事情を考えても50インチ以上はさすがに大きくて、せいぜい42インチが限界ではないかと考えている。それでも対角線にすれば25センチほど大きくなるわけで、それくらいでも個人的には十分な大きさと感じる。 合わせてビデオレコーダーもかなり古くなったので、これも買い替えなくてはならないだろう。 どうやら、買い替えるテレビは、我が人生最後のテレビとなりそうである。家に最初のテレビがやって来た..
季語は・・・花の闇 暮六つや 富士は薄っすら 花の闇 【去年の今日】週話§土曜枯寂~ラグビーシーズン~
ビッグイシュー477号は4月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。が表紙。 表紙&スペシャルインタビュー ノラ・ジョーンズ リレーインタビュー 勅使川原郁恵(元ショートトラックスピードスケート日本代表) 特集 ガザ76年 2023年10月7日、ハマース主導のパレスチナ人戦闘員による越境奇襲攻撃に対して、イスラエルによる未曽有の攻撃が始まりました。 1948年のパレスチナ人の祖国喪失から76年、ガザと西岸地区のイスラエル軍事占領から57年、そして07年のガザ完全閉鎖から17年目。物資も人間の移動もできず、住民の多くが貧困状態にあるなかでの、攻撃です。岡真理さん(早稲田大学教授)は、この状況を“ジェノサイド”だと言います。岡さんの案内で76年の歴史を俯瞰..
コロナ禍このかた、円安が延々と続いている。輸出を生業にしている企業などはいい塩梅なのだろうが、その逆で輸入品を商っている人たちはたまったものではないだろう。コロナ禍が始まった2020年2月から今日までにおよそ30円ほどユーロが高くなっている……120円台から150円台まで上がってきてしまった。 海外旅行をしていた時は、外国為替レートのチェックは欠かせず、といっても、どこかで見極めなくてはならず、旅行するごとに現金として10万円ほど両替するのだが、30円の差は50ユーロ減ってしまうことになるのだ。それで晩飯一食分が消えてしまうことになる。 それはまあ些少な影響だが、円安に直撃される産業、企業だって少なからずあるはずで、そうした人たちを疲弊させてはならないではないか。 世界のGDPはドル換算で行われているが、ついこの間はドイツに抜かれて3位から4位に転落してしまった……円高に..
季語は・・・春逝く 旅半ば 路傍の石や 春逝きぬ 【去年の今日】幻話§ビール離れと言うけれど
清明の末候“虹始見(にじはじめてあらわるる)”である。 大学に入学したのがちょうど50年前、半世紀が経ってしまったとは。そんな今頃はオリエンテーションも終わって、本格的に講義が始まったあたりだ。 引っかかった学科が教育学という、後から考えれば自分にとっては縁遠く、それをもって何をしようなどという将来の展望などまるでなかった。それにしても、いったい何を考えていたのだろうかと、半世紀前の自分に問いかけてみても、明確な答えなどなかったのは間違いない。 考えてみれば、高校に入ったのは単にそこ以外の選択肢がなかったわけで、先々をどう形作っていくべきかという展望など見事なまでに皆無だった。 今思っても、何とまあ行き当たりばったりな人生を送ってきたことかと……何か特別な才能でもあるのだったら、そうしたチャレンジもあっただろうがせいぜい人並みの頭しか持ち合わせておらず、にもかかわら..
ジャパンラグビーリーグワンも今週を含めてあと4節で終わりとなる。 推しチームだが、今週と来週は遠征なので、しばしラグビー観戦はお休み。そして今シーズンの帰趨はほぼ決しているはずだ。 以前、社会人ラグビーの時代は、1シーズンに2試合か3試合くらいしか観なかったのが、年間10試合以上観ることになるとは思いもしなかった。 それは、まずもって外に出ていくという大きな口実で、そうでもしないと、家から出ずの引きこもり状態で過ごしかねない出不精夫婦なのである。だから12月から4月頃までは何やかんやと週に一回は外出して、しかも屋外でのスポーツ観戦でリフレッシュした気分になるのである。 5月半ば、プレーオフ準決勝と決勝で今シーズンは終わるが、我々が推しのチームはそこまで残れるか……可能性は限りなく細く狭くなってしまった。 《ラグビーのトピックス一覧》
季語は・・・鳥雲に入る 鳥雲に 入りて想いは 封印す 【去年の今日】☆話§鳳凰祭四月大歌舞伎昼の部~新・陰陽師~
どうも……電車の中で席を譲られることが増えてきたような気がしている。 同居人などは、外出する時にカジュアルな帽子を被ってもちろんマスクまでしているのに「なぜ年寄りとわかった?」とけげんな表情になってしまう。 先月も2週続けて若い男性から席を譲られたが、彼らは実にさり気なくにこやかに席を譲ってくれたのだ。もちろん、まだまだそんなケースのほうが圧倒的に少ないのは織り込み済みなので、席を譲られないままでも、それは日常的なことなので、別段気にするわけでもないのだが。 我々だって、それなりの年齢の時には、高齢者に席を譲ることはそれなりにやっていたつもりだが、いよいよ逆の立場になるつつあるということか。 それでもまだまだ、優先のシルバーシートに足を向けるようなことはしていないのだ。 《老化のトピックス一覧》
季語は・・・春の暮 老いの身か 席譲られて 春の暮 【去年の今日】則話§ヤングと野球のルール
めでたくも本日、拙ブログが開始から19年を迎えた。 テーマをどうするかとか何ひとつ目算もなく、ブロバイダーが開設していたブログのページから設定を始めて、最初に書いたのがこれである。元より、猫だとか犬だとか、グルメとか旅行だとか、そんなブログ受けするような、特定のテーマなど持たず、徒手空拳でスタートしたので……それじゃあ何を書こうかというところからのスタートだった。 そうして結局落ち着いたのが、身辺雑記というか、由無し事を綴っていくしかないということがおぼろげにわかってきて、こんなブログになったのだ。そこに、クラシック音楽や歌舞伎、年に一度の海外旅行などを加えて、どうにか体裁がついたというところだろうか。 さらにとってつけたように一日一句を始めたのが2012年2月の立春過ぎで、相変わらずの戯れ句を12年続けたことになる。 そんな適当なブログの最大の売り物はといえば、一..
どうりでよく似ていらっしゃる 何とも不思議な発想の反応を聞いたのは、もう30年以上も前のことである。 どんな集まりだったのかは記憶の外だが、我々夫婦二人が立っていた時に、ちょっとした知り合いから一人の女性を紹介された、その時知り合いが…… 「こちら、凸凹さんご夫婦」 ……と簡単に紹介の言葉があった、その直後に女性が発した一言なのだ。 “似たもの夫婦”という言葉はあるけれど、だからといって、かくも直截、かつ頓珍漢な物言いをするのかと驚いた。 とにかく頓珍漢な反応としか思えないのは、そもそもが赤の他人同士である夫婦が似ているわけなどはないのに……ではないか。 だから、今でも時折“どうりでよく似ていらっしゃる”という言葉を思い出しては、冗談で使うことはあるのだが。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・遍路 結願は あと三百里 遍路旅 【去年の今日】琴話§キット・アームストロングⅣ~東京・春~
さても、日曜日に書いた駄菓子屋だが、実はもう一つ大きな楽しみがあったのである。 その店の前に、15時頃になると小さい屋台を引いたおばさんがやって来る。屋台で焼きそばを炒めて子どもたちに売るのだ。 肉など入っているはずもなく、せいぜいモヤシとキャベツの切れっ端くらいのものだが、香ばしいソースの匂いは家からの路地を出る前から漂ってくるくらいだった。 普通盛りで10円、大盛りは20円ではなかったかと思うが、食べるのはいつも10円の焼きそばである。 そしてさらに高嶺の花があって、それが“お子様洋食”とか“子ども洋食”と呼ばれている食べ物だった。北関東の限られた地域でそう呼ばれていて、洋食とは何とも大げさなネーミングだが、中身はというと蒸かしじゃがいもソース炒めというシンプルなものだった。 焼きそばとお子様洋食を合わせると20円……とても買って食べることはできず、いつも..
何ですか、先月あたりに初めて聞いた話なんですが……メイルの文末に句点を付けて送ると“上から目線”と感じる人がいるからやめておいたほうが、ということがあるらしいのです。 ああ、また何かが始まったようですね。以前にも“おじぎハンコ”などと、決裁印を押すのに、最終決裁者以外は、全員がやや左に傾けて押すのだと、おかし過ぎるマナーが話題になったのだが、今回もそんな感じと考えていいのだろうか。 最後に句点を付けると、妙な圧迫を感じたりするというのだが、そんなこと考えるのは自分の周りには一人もいない(はず!)と思っているのだが、誰がそんなことを言いだすのだろう……どこかに必ず言い出しっぺがいるのだと思うのだけれど。 そうして問いただしてみたい。句点のどこが上から目線なのですか?と……はてさて、今は話題になっている句点騒動はいかなる終焉を迎えるものか、そして、その後に控えているであろう二..
季語は・・・花の雨 雨音は ショパンの如く 花の雨 【去年の今日】親話§マイスタージンガー~東京・春・音楽祭
第二次世界大戦が終わり、敗戦国となった日本にアメリカから占領軍がやって来た。そうして始めた一つに学制改革がある。 GHQの“命令”で新制高校については男女共学、小学区制、総合制という“高校三原則”を定めて実施を促した。おおむね西日本地域では、そうした改革が進んだが、東日本においては、特に男女共学に関して頑強な抵抗が繰り広げられ、改革は半ば以上に頓挫したのだ。 我が、北関東端っこの高校も同様で、市内には普通科の男子高校と女子高校の二つが存在していて、相入れることはなかった。 それがどうしたことか、1998年には男女共学の理数科が設置され、そうしていよいよ、2021年には男子高と女子高が合併という運びになったのである。 個人的には、公立高校は共学であるべきという考え方を永年持ってきたので共学化したことはめでたいことではあるが、どうにも釈然としないのは、共学化の経緯が少子..
漫画をテレビドラマ化するにあたって、脚本家が原作者が望まない脚色を施したことが引き金となって、原作者が自殺する大きな事件になった。 原作を元にして映画化やテレビ化された作品を見ると、原作と映像の内容が大きく食い違っていると思うことは珍しくなく、個人的にも思い入れのある原作が、まるで違ったストーリーや原作に存在しないキャラクターが登場して戸惑うという以上に、不信感を抱いたことが何度もあったのである。 こうしたことは原作者が了承していたのだろうかと思っていたら、どうやら“勝手”に改変していたようだ。 まずもって原作の愛読者が多ければ多いほど、彼らが原作に対して抱いている思い入れは深いものがあり、いわばアンタッチャブルな世界なのである。そうしたことを知ってか知らずか、脚本家が自分のイメージで原作をズタズタにすることがあまりにも多すぎるような気がする。 もっと原作者と映像制..
季語は・・・竹の秋 サイレンは 抑揚なくて 竹の秋 【去年の今日】週話§日曜枯寂~オノサトトシノブって?~
清明の次候“鴻鴈北(こうがんかえる)”である。 東京の日の出は5時15分頃だが、5時前には薄っすらと明るくなってくる。日の出が一番遅かった頃に比べると、1時間半は早まっていて、やはり世間が早く明るくなるのはちょっとばかりうれしい。そして早くも桜の季節は終わって、ネクストステージへと移りゆくのである。 そして植物には疎いが、鳥となるともっと疎い。樹々に埋もれるような我が家で、様々な野鳥が様々な鳴き声を聞かせてくれる。だが、種類がわかるのは、10種類にも満たない。 せっかくの環境なのだから、もう少し鳥の種類を見分けられるようにならなくてはと思っているが……最近覚えたのは、シジュウカラだったかな。 《七十二候のトピックス一覧》
今季のスピアーズ終了のゲームを見届けることになった。上々の天気に恵まれ、満開の桜も見守る秩父宮の観客は7,963人……もう少し入ってほしいが。ちなみに、お隣りの神宮球場スワローズ対タイガース戦は2万8千人、さらに国立競技場で17時キックオフのFC東京対鹿島は5万2千だった。 ひょっとして今日は……と思わせる前半だった。バーナード・フォーリーが復帰挨拶代わりのトライをあげたりと、リードして前半終了。後半もトライ&ゴールで10点差まで広げたが、堪え性がなくリードを守り切れず、ノーサイド直前の“サヨナラ負け”20対22である。12節までで5勝7敗の8位とはこれが前シーズンの覇者の姿ではない。 惜敗という以上に、この敗戦で借金2つとなり、ほんのかすかに手が届きそうだったプレーオフ進出が事実上消滅したと言ってもいいだろう。 今年の負けパターンは毎試合似たよう..
季語は・・・朝寝 大朝寝 チェックアウトは 十一時 【去年の今日】週話§土曜枯寂~不思議な方向感覚は~
発酵物に好き嫌いがあるのはしかたのないことである。そして、苦手であることを克服しようという気持ちはよくわかるが、無理矢理に挑戦してあえなく撤退ということも珍しくなどはない。 そこで納豆の克服法の一つを書き記しておきたい。このやり方で食べれば、食べられないことはないのではないかと思うのであるが……。 それは“大根おろし”と一緒に混ぜ混ぜすることで、そうすれば納豆特有の癖や臭いを感じることなく、大根の辛みもほどよいことで、おいしく食べられる“はず”なのだ。 もう一つ、克服できるかもな裏ワザは納豆の中に卵を落として混ぜ混ぜしてやるというものである。これも卵の風味に納豆の癖あれこれが隠れてくれるのではないかと思われる。 我が納豆はといえば、そのまま醤油や辛子で食べるが、そうして大根おろしや卵を合わせることで楽しくおいしく食べることができるのだが、ある人がご飯などにかけるので..
早いもので、2015年9月の定年退職から9年が過ぎようとしている。37年半勤め切った自分をほめてもやりたいが、それにしてもあっという間の9年である。 ところで、退職後については希望すれば嘱託として古巣に再就職することは可能だった。どうしようかと迷っていた時に、高校の同級生から「退職したらどうするんだ?」と聞かれた。彼は総合病院で要職にあったのだ。 「特に予定がないのだったら、うちの広報の仕事をやってくれないか?」と打診された。条件は週2日で一日6時間勤務、ギャラも申し分なく、断る理由もない。なかなかおもしろそうと感じられて引き受けることにした。 その後、会社の人事から再就職を希望するかどうかという面談があったが、かくかくしかじかでと伝えると、何だかほっとしたような顔をされた。再就職のポスト探しも大変なのかなと思った記憶である。 さて、半年ほどの失業給付を終えた翌年の..
季語は・・・花冷 寒暖の 差に追いつけず 花の冷え 【去年の今日】転話§階段から落ちたこと・・・・・・無傷
実家で暮らしていた小学生時代の楽しみは、学校から帰って近所の駄菓子屋に行くことだった。一日10円か20円か、後生大事にポケットに入れて、今日は何を買おうかと考え考え、家からの路地を出れば、駄菓子屋はすぐそこにあった。 菓子の類はとっくに食べ飽きていて、目当てはというと“当て袋”と呼ばれている、中身が見えない紙袋に入っている物を引いてみることだった。今であれば“ガチャ”みたいな類が近いかもしれない。 中身はというと、少年雑誌の付録で付いていた紙工作のおもちゃのようなものが主だったりしていた。 それはいいのだが、一つだけ困ったことは、作り方が雑誌の中に記載されていて、簡単なものならともかく、ちょっと複雑だったりするとお手上げなことだった。それにしても、そんな雑誌の付録がどんなところから流れてきたものか出処不明である。 そんな駄菓子屋の一角に4人くらいが座れるテーブルと椅..
季語は・・・風光る 風光る 大川端の 雨上がり 【去年の今日】譜話§スコアの効能~音楽を“見る”~
七十年も生きていると、世の中、人はさまざまだとしみじみ感じる。何だか理由も根拠も不明ながら、妙な自信を持って蛙の面で平然としている人をしばしば見かける。 それは多分に皮肉含みだが、自分のように物心ついてこのかた、自信の類を持ち合わせてこなかった身にしてみたら、何とも羨ましいことではあるが。 だが、そんな自信を任じる人の中に、どう考えても見かけ倒しとしか思えない……なぜそんなにも自信を持ち得るものか、あれやこれやと考えを巡らせた結果、それは“無知”の為せる技では?という結論にたどり着いたのだ。 知らなければ恐れることなどはなく、そうしたことを考えに入れる必要などない。 そうした人たちはだから、挫折することがあっても、そうした対象に対する無知のゆえに、失敗したとも感じることなく、勇躍その次に進んでいこうというそんな鈍感さの人たちなのであろう。 《日常のトピックス一..
季語は・・・春の灯 春ともし LEDの 味気なさ 【去年の今日】翔話§蚊~精密機械としての昆虫~
1958年4月5日、巨人の長嶋茂雄がデビュー。 鮮烈なデビューである。少なからぬ野球選手は、自らのデビュー戦をホームランや、鮮烈な当たりのクリーンヒット、投手であれば完封勝利であり、また完投勝利を飾ってという、幸運なスタートを切ることになる。 だが“ミスタージャイアンツ”は、そのデビューを全打席空振三振を記録して、野球ファンの記憶に刻み込んだのだ。 我々のような世代にとって、長嶋茂雄は日本のプロ野球における紛れもないスーパースターなのだった。 そして六十数年が過ぎた今、大谷翔平という企画外の新しいスーパースターが活躍をしている。よもや自分たちが生きている間に、大リーガーの頂点に立つような存在が現れるなどとは、およそ予測できることではなかったが、彼の悠揚迫らぬ立ち居振る舞い一つ一つが新しい世代の台頭を如実に表し、長嶋茂雄が遠い過去の記憶として片隅に追いやられる日が来る..
記憶力は人並み+αくらいは持ち合わせていると自負している。もっとも、最近は抜け落ちも眼に立つようになって、そうそう自慢できるとはいかなくなってきつつはあるけれど。 そんな記憶力の中でも“これは!”と思えるものに地理的記憶力があって、それはもう自分でも感心するレベルだと任じている。 オーストリアアルプス端っこのあたりを20年近く車で走ったのだが、最初はともかく、数年も経つとすっかり地図が頭の中に入って、その地域であればどこに行くのも自由自在までになってしまった。 ↓こんな山道だって走れちゃう もちろん、旧市街地のような複雑かつ狭いとかいうことはなく、単純だし、一本道だしと、走るのが日本より楽なくらいだった。だから過去の話になりはしたが、今でも頭の中にそのあたりの道の様子が頭に浮かんで、まだまだ走れるような気はする。 そんなだから、日本だって歩き慣れた場所は何..
季語は・・・春眠 春眠や 昏き目覚めは 午前四時 【去年の今日】伝話§メディアの無責任
清明の初候“玄鳥至(つばめきたる)”である。 清明とは、何とも澄み切った二十四節気の名称ではないか。空気は和らぎ、緑の季節がやって来る。花粉症の人は花粉から解放され、空気もほどほどの乾燥具合となって、この先、気持ちのいい日常が展開していってくれるはずだ。 あと2週間ほどすれば、我が家あたりの花水木(ハナミズキ)が咲き出してくれるだろう。梅に始まり、辛夷から桜へと続いた我が家周辺の花の季節は、フィナーレを迎えるのである。 《七十二候のトピックス一覧》
とっくにニュータウンなどと呼べるはずもない地域に住んで40年を超えた。今の団地に住み始めて、間もなく30年が過ぎようとしている。 ある日、ふと団地の中のあまりの静けさに、引っ越してきた当時もそうだったのだろうかと思い返してみた。朝方、起きかかるタイミングで、何台かのバイクが通勤するためにエンジンを響かせて出ていく。 そして、近くの小学校や中学校へと登校していく生徒たちが、おしゃべりをしながらこもごもに歩いていき、幼稚園や保育園の送迎バスを待つ幼児の声も聞こえたりしていた。 今や、そんな音も声も聞こえてはこず、実に静かな朝の始まりなのである。 静かというなら、それに越したことはないとは思うけれど、何がなし人の気配であるとか、ある種の“ざわめき”とでもいえるような音といえない音が存在していたと思うのだがそれも感じられない。 13年前の東日本大震災の時、家で地震に遭..
季語は・・・山葵 ツンと来て 小鉢こんもり 山葵漬 【去年の今日】卯話§2023年4月の予定あれこれ
順調に高齢化が進んでいる我が団地には、ここ何年か頻繁に救急車が出動してくるようになった。 そうしてやって来る救急車が停まるのは、いつも同じ2つの棟で、出動してきた救急士も、いつもと同じ場所だとわかっているからか、手慣れた様子でストレッチャーを運び出して救護に向かうのだ。 ということは、いつも同じ人が救急車を要請しているということなのかと、そう思うわけだが、そんなに頻繁に呼ぶのであれば、入院が必要なレベルではないかと思うのだ。入院の必要もない程度であるならば、ひょっとして病院に行く“足代わり”として便利に救急車を呼んでいるということなのかと邪推の一つもしたくなる。 あまり想像で物を言うのは避けたいとは思うけれど、かくも頻繁に……今は月に一回+αの出動要請となると、いかなる事情があるものかと思うのだ。そして、優先度がより高い病人が救急車を頼んでも、出払ってしまっている可能性だ..
今年も尾瀬のシーズンが始まる。4月下旬、ゴールデンウィークが始まる直前から山小屋が半年の冬眠から再開して、木道を歩く人たちが戻ってくる。 尾瀬ヶ原まで山小屋の屋根の雪下ろしに向かったスタッフがSNSで「雪が少ない」と写真入りで伝えていたが、本当に少なくて、ゴールデンウィークの小屋開けの頃と似たような積雪に驚いた。 ということは、今年の水芭蕉もあまり期待はできないかもしれない。今年はどのあたりのタイミングで入ろうかと考えている。齢七十を迎える今、まず我が家から3時間車を走らせて登山口まで向かうのがしんどくなっている。 そしていつもの鳩待峠からはのんびり下り、目的の山小屋まではゆっくりと3時間。のんびり歩きはさほど辛いわけではないが、車の運転がなあと……考えるようになってしまった。 目論見としては、12時頃には鳩待峠から山ノ鼻に下り立って、そこから尾瀬ヶ原をゆっ..
季語は・・・朝寝 朝寝する 目覚めてみれば 旅枕 【去年の今日】週話§日曜枯寂~長袖から半袖~
2024年3月の東京の天気がどうであったのか、振り返っておこうと思う。 このリンクの日付をクリックすることで、各々の日のアメダスが確認でき、より詳細な気象状況をチェックできる。 いかにも春らしく変わりやすい3月の天気だった。雨が降り続いてみたり、中旬になっても気温が氷点下近くまで下がったり、おかげで、東京の桜の開花が平年より5日ほど遅れてしまったりと、少しばかり振り回された感があった。 そして3月最後の三日間は気温が急上昇。30日は夏日をうかがい、31日は28.1度と真夏の気温を記録、外出した時はラグビージャージ(長袖の綿)だったが、半袖でも十分な外気温だったのである。 《天気のトピックス一覧》
外界に向かって目を開くことが久しくなかった日本は、考えるまでもなく、多様性とやらの存在を厭っている閉鎖的社会ではないかと思い至ったのだ。 言ってみれば、横並び横並びというものが尊重されて、そこからはみ出ないように他人からも自分に対してもプレッシャーをかけるような風潮など、今に始まったことでも何でもない。 そうして行動規制をすることで、社会の均衡を保とうという仕組みが知らず知らずの間に構築されていたのだ。そうして、はみ出ないようはみ出ないよう、一定の型にはめ込もうとするのである。 はめ込まれる側もまた“リクルートスーツ”なる、同じスーツを身に着けて就活に臨もうとする。選ぶ側もまた、そういう人材を求めているが如くに。 だから思い至ったのだ……日本が、なかなかLGBTQや外国人労働者などに寛容でなく、存在を認めようとしないのは、永年の偏狭さによるものなのだと。 結果..
季語は・・・桜餅 キックオフ 秩父宮の 桜餅 【去年の今日】週話§土曜枯寂~スーパーマーケット衰退?~
ビッグイシュー476号は4月1日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。ボブ・マーリーが表紙。 表紙&スペシャルインタビュー ボブ・マーリー リレーインタビュー 八木沼純子(スポーツコメンテーター) 特集 「ネガティブ・ケイパビリティ」を生きる “どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力”を意味する「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を聞いたことがありますか? これは英国の詩人キーツが弟たちに宛てた手紙に書き記した言葉です。帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)さん(精神科医、作家)は精神科医になって6年目の頃、この言葉に出合って衝撃を受け、その後も自分自身を支え続けてくれる言葉になったといいます。 キーツの手紙から150年後、これを当時英国で高名だ..
月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。 4月1日の日の出は5時26分で日没は18時5分、月末の日の出は4時49分で日没は18時29分。目覚めれば、明るくなっている時期がやって来てくれた。ただし、少しずつ朝方の気温も上がり始めるのだが。 今月のお楽しみ……リーグワンラグビーはシーズンも終盤となり、プレーオフ進出チームが固まっているはずである。4月に観るのは2試合。これまで観たのはクロスボーダーラグビー2試合を含めて11試合。なかなかの精勤である。 四月大歌舞伎は夜の部に、仁左衛門と玉三郎が登場するので、行かねばなる まい。昼の部をどうするかだが。 クラシックは、興味深い演奏会を見つけたので聴きにいくことにしているがけっこうな長丁場だったりするので、今から身構えているところである。 《日常のトピックス一覧》
「ブログリーダー」を活用して、HIDAMARIさんをフォローしませんか?
季語は・・・師走尽 師走尽 世はこれすべて 塵芥 【去年の今日】週話§日曜枯寂~2023年大晦日~
冬至の末候“雪下出麦(ゆきわたりてむぎいずる)”である。 一年最後の候である。閏年だと大晦日だが、通常年は元旦が冬至の末候だ。 毎年書いていることだが、冬至以前から日没時刻が少しずつ遅くなって、一年が終わる頃には明るい夕方になりつつあって、それは春の兆候として喜ばしいと、冬の寒さが厳しくなるのと裏腹に感じるのである。 冬至以降の候名を見れば、時節よりも先の春を予感させるような名前が並んでいることに、今さらながら気がつくのだった。 《七十二候のトピックス一覧》
古稀となった2024年が終わる。そして新たな年がやって来て、我々の営みはなおも続いていく。いよいよ世界は混沌の度合いが顕著に色濃くなってきたと感じる。人生の終わり近くにこのような世界情勢になっていくことには、大きな懸念を抱いてしまうのだ。 卑小なところでは、2019年にウェブリブログから移転継続していたSSブログが来年の3月末で終了。拙ブログは、明けて1月1日からSeesaaブログへと転居する。 オワコンであることは否定できないブログという存在だが、流行り廃りとは関係なく、表現手段として使っている人は少なくなく、そもそもオワコンとかいう言葉を使われること自体が迷惑なのだ。それこそブログをやってすらいない人間から言われたくなどはない。 だがしかし、かくして我がブログは流浪の旅を繰り返していくことだろう。 それではみなさん、よいお年をお迎えください。 《年末年始の..
季語は・・・行く年 行く年や 饂飩半玉 気ぜわしく 【去年の今日】週話§土曜枯寂~とうとう来てしまった~
コンサートや歌舞伎、スポーツ観戦で通路側の座席に座ることがあって…… ↓ご覧のとおり(バイロイト音楽祭HPより) ……それで観察していると、そのほとんどで内側の席の人たちのほうが、なぜか来るのが遅く、我々が席に座っていたら彼らを通すのに立たねばならないか、もしくは立ったまま待っていることになるが、平土間で間に通路のないバイロイト祝祭劇場は、そうして遅れて中のほうに入っていく客のために全員が立ったままで待つことになるのである。 《つぶやきのトピックス一覧》
観客は8,169人で1万人に達せず。年末で行きにくかったか、渋い客の入り。と思っていたら、北関東は熊谷で行われたワイルドナイツ対スピアーズの試合は1万人超えをしていたので、動員力不足があったかもしれない。 という客入り状況はこれくらいにしておいて、後半は手に汗握る試合展開となった。結果は33対32と1点差でブラックラムズが辛うじて逃げ切り勝ち。前節のホンダヒート戦で終了間際に逆転負けを喫したショックを引きずることがなく、今シーズンの1勝目となった。 特に推しチームの対戦ではないのに秩父宮まで足を運んだのは、リーグワンに“戻って”きたTJ・ペレナラのプレイを見たかったからである。2021年ワンシーズンだけレッドハリケーンズでプレイしたが、その時は一度も彼を見ることができず、テレビでプレイぶりを見て、是非に見ておかなくてはと思ったのである。 前節はあま..
季語は・・・数へ日 数へ日や 夫の寝言 聞く夜明け 【去年の今日】療話§診察券の束なりき
どん詰まりに来た……あと2日で2024年が終わる(ほとんどコピペ 今年は自分の身体を見直す年になってしまったということだろうか。特に、足の血管の問題をメインとした、循環器系の問題を棚卸しして改善の道筋をつけることができそうだ。歯医者に半年以上通って、かなりメンテナンスができたのではと思っている。 70歳という年齢での見直しは、いささか遅まきながらではあるが、やらないよりはやっておけば、少しでも日々の生活が快適になってくれるはずなのはまあ、間違いないと思いたい。 というわけで、来年の目標は“一病息災”である。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・大根(だいこ)焚き 行列や 最後尾ここ 大根焚き 【去年の今日】懐話§昭和三十年代~貸本屋~
どん詰まりに来た……あと3日で2024年が終わる。 何度目の大晦日、そして何度目の元旦だろうか。もちろん今さら数えるつもりなどはない。 70年生きたということは2万6千日近くをこの世で過ごしたことになり、そのすべてが記憶の中にあるわけでもなく、間違いなく9割以上は忘却の彼方に消えて行ってしまったのだろう。 それが人生だなどと、したり顔でいうつもりもないし、思い出にすがりついて時間を戻そうなどとも思わない。すべては時の流れの中に沈められて、いずこかへと去っていくのである。 でもまあ、少しは人生でいいことがあったよなとは思っているのだけれど。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・年歩む 老い先は いずこ?の日々や 年歩む 【去年の今日】連話§ワタシの酒肴[177]メンチカツ
内緒の話だが―内緒になどなっていないが―一浪して予備校通いで下宿暮らしを始めた時に酒を呑み始めた。19歳だったから完全にフライングである。 下宿の三畳間には暖房の設備など何もないまま冬がやって来た。夜、受験勉強を終えて、口にしたのは安いウィスキー。それをお湯で薄めに割りホットウィスキーで身体を温めて布団に潜り込んだのだった。 そのあたりが酒の呑みはじめだったのだが、だからといって毎日毎日呑んでいたわけではない。そもそもそこまで自由に使える仕送りなどもらってはいなかったから、ごくたまに意を決してビールを買うとかそんな程度である。 だから、酔っ払ったという記憶がないのは、大した量を呑んでいなかったということと、酒の何たるかがわかっていなかったことは間違いない。 その後、大学に入っても酒量が増えるどころか、下宿で酒を呑むことはほとんどなかった。いわば大学時代は酒の空白期だ..
こんな映画があったことを覚えている、あるいは実際に観たことがある人は七十代以上ということだ。 東宝映画『ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗』というタイトルで1964年に封切りされた。何と!映画に登場するのは当時巨人でプレイしていた選手たちと川上監督、さらに西鉄ライオンズの中西太まで出演していた。そこに東宝の俳優が加わっていたのである。 1963年、三冠王を狙っていた長嶋茂雄を主役に、ペナントレースの様子を描いたドキュメンタリー・ドラマとでも言えばいいのか……何とも不思議な映画を観たような記憶が微かに残っている。 もちろん芝居素人ゆえ、演技云々については眼を瞑っていたとは思うが、それでも生々しいと思ったのは、三冠王に向かって突き進んでいた長嶋に阪神の投手バッキーがデッドボールを投げて、指の裂傷を負ったというところの映像で、長嶋茂雄渾身の演技ではなかっただろうか。 ..
季語は・・・年惜しむ 入院 二泊三日なり 年惜しむ 【去年の今日】現話§漢字の使用はほどほどにしています
冬至の次候“麋角解(さわしかのつのおちる)”である。 あと5日で2024年も終わり。自分にとってはいい年であったのだろうか……11月から12月にかけて、小さからぬ怪我をしたし、二泊三日でカテーテル手術もした。まあ、自分の身体の状態を顧みたということになるだろうか。 たぶん、自分が考える以上に様々な状況に振り回されたのかもしれない。 2025年……そして、これも我々のような考え方を持つ人間たちにとっては、さらに期待が萎み続けていく年になるのは間違いない。そして最低でも4年は臥薪嘗胆の日々を送るはずである。 いや、別に復讐がしたいわけではない。ごく普通の常識が普通に通用することを実現してほしいだけで、それ以上は何も望むことなどないのだ。 《七十二候のトピックス一覧》
一か月に一度くらいだろか、我が団地にも救急車が入ってくることがある。世帯の高齢化が進んでいることが大きいか。 以前は入って来てもサイレンを鳴らしっぱなしだったのが、最近は入り口で止めて入ってくるようになった。 見えるところに停まって、救急隊員が向かっていく様子が我が家からも見下ろせて、ストレッチャーを出したりとルーチンの仕事をてきぱきと進めていくのだ。 ところが、それからが長いことがあって、要請したお宅に入って30分以上も出てこないことがある。容態を調べているのか、あるいは一番考えられるのは受け入れてくれる救急病院を探しているのかということだろうか。そしてようやく救急車が出て行き、緊張感も去っていった。 ある時、頻繁に救急車が入ってきたことがあった。しかも呼んだのは同じお宅と思われたのだ。数回もそんなことがあった後は、パタリと来なくなったのだが、あれは何だったのだろ..
季語は・・・日向ぼこ 老い独り 優先席の 日向ぼこ 【去年の今日】槍話§十二月大歌舞伎~爪王~
六十代半ば頃から処方薬を毎日服用する生活が続くようになった。 つまり高齢化とはそういうことなのだと改めて実感しているところだが、夫だけでなく、同居人も同様に毎日薬を服用している老夫婦なのだ。 もっぱら、高血圧改善とか血管を拡げるとかの循環器系で、通院している内科は“ヤブ”に近いのだけれど、ありがたくも院内処方して薬を出してくれるので、いちいち処方薬局に赴かなくてもいい。 そんな薬の日々が、この先延々と続いていくのだろうかと思う。若い頃は、そんな日々がやってくるなどとは想像すらしていなかったが、いざ自分がそんな境遇になると“そういうことだったのか”と実感させられる。 世間でも高齢者の医療問題は切実なわけで、先々誰もが当事者になっていく運命にあるのだから、財政面も含めたいい知恵を出しあっていくしかない。医者に通わずに済むなら、それに越したことはないのはもちろんの..
ドイツ語で無賃乗車をする人は“Schwarzfahrer(黒い乗客)”と呼ぶ。 ドイツやオーストリアの鉄道には改札口がなく、人は駅に入ったらそのまま電車に乗ることができるのだ。そして当然ながら、無賃乗車をする輩も少なくはないはずである。 そんな交通機関には“車内検札官”が巡回していて、移動中の車内で身分証明書を提示しながら、切符の有無を確認するのだ。 そんな車内検札官に一度だけ遭遇したことがあった。10年前、ベルリン滞在していた時である。地下鉄に乗っていたら、本当に普通の姿の検札官が、乗客に切符を提示するよう求めたのだった。 我々夫婦は3日間チケットを持っていて、検札官が登場した瞬間に“来た”と即座に反応しチケット提示したのである。そうしてチェックしつつ、一人の男性のチケットを見て「これはだめ」みたいなことを言って、次の駅で連れ降ろしていったのだ。 そ..
季語は・・・クリスマス クリスマスや ワインの栓を 抜き損ね 【去年の今日】週話§日曜枯寂~あと一週間~
宮仕え生活37年半をどうにかこうにか勤めおおせ、定年退職して8年が過ぎた。あっという間である。人生の半分近くに及んだ宮仕えの記憶をたどろうとするが、時という消去機能が、少しずつ少しずつ消し去っていっているようだ。 会社員として有能だったかと問われたら“ものによっては”と答えるしかなさそうで、創造的発想には乏しいものの、ルーチン的な作業を手際よく片付けていくことについては、持てる能力を発揮できたとは思っている。 37年半というもの、ほとんど同じ職種の現場作業を淡々とこなしてきたが、振り返って考えてみるなら、現場作業より総務的な仕事のほうが性に合っているのではないか……とは、宮仕えを始めて半分が過ぎた頃に考えた事なのだったが。 根が器用な質でもなかったし“出世欲”もなかったので、いわゆる“平凡”なサラリーマンの一人として勤めを果たしたというところであろう。 とにもかくに..
季語は・・・嫁が君 夜目遠目 朝明けきらず 嫁が君 【去年の今日】米話§餅の日々~特に辛み餅~
1521年1月3日、マルティン・ルター、ローマ教会から破門。 ルターが司祭になった頃、ドイツでは贖宥状(免罪符)が大々的に販売されていた。それは、選帝侯として政治的に重要なポストであるマインツ大司教位の地位を得たいという野望を持ったアルブレヒトの資金稼ぎのためだった。 そうした行為を営利目的の非宗教的行為と考えたルターは、1517年10月31日に『95ヶ条の論題』と呼ばれる書簡を送ったのである。 神学論争が巻き起こる中、自説を頑強に否定しないルターは、1521年のこの日、ローマ教会から破門されたのだ。 かくしてルターはプロテスタント(新教)を組織化したのだった。プロテスタント系の保育園に通い、洗礼こそしなかったが長じても日曜学校に出向いていた人間から見れば、ルターが考えたことはもっともで、いかに当時のローマ教会が“腐敗”していたかである。 だから今でも、むしろ..
自分的に“おでん”の具とか鶏唐揚げは、ご飯のおかずになってくれない。おでんに関していうなら、練物の類はおかずにならないのだ。竹輪に始まって、さつま揚げなどなどといったあたりが該当する。 理由はというと、出汁はしっかり取れていても、やや薄味なところが、ご飯のおかずになりにくいのではなかろうかと想像。その他も、厚揚げや大根、卵と、いずれもおかずにするには、どこか物足りないと感じてしまうのだ。 だからもちろん、おでん定食などとは注文したことなど一度もない。これは実家暮らしをしていた子どもの頃から、食卓におでんが登場しても、それをおかずに食べたことなどはなかった。 そして鶏唐揚げも同様におかずになってくれない。これに関しても我が身はマイナーな存在で、食事処に行けば唐揚げ定食など珍しくもなくメニューにあって、多くの人が注文していることは承知している。 そして、ビールの肴として..
季語は・・・三が日 だらだらと 綻びゆきて 三が日 【去年の今日】顧話§今日の歴史~頑張れ母校~
2023年12月の東京の天気がどうであったのか、振り返っておこうと思う。 このリンクの日付をクリックすることで、各々の日のアメダスが確認でき、より詳細な気象状況をチェックできる。 2023年の師走は暖かく終わった。最高気温が10度に届かなかったのは一日しかなく、20度を超えた日まであった。 冬の太平洋側らしく、連日よく晴れてくれたが、珍しくも大晦日の午前中は雨模様となったのは珍しいことである。 気になったのは、上越付近のスキー場が雪不足でオープンを延ばし延ばしにしていて、このあたりも地球温暖化の影響によるものなのか……もっとも、宮仕えを始めた年の暮れ、上越線に乗って北上していた時、清水トンネルを抜けて新潟に入っても、雪がほとんど積もっていなかったことを思い出す。 《天気のトピックス一覧》
たいして変わりばえしているわけではないが、恒例年末年始の4日間ずつをまとめておきたい。 クリスマスイブに始まった週前半は忙しかった。25日は院内処方で一か月分の薬を受け取り、26日は3か月ぶりの床屋で散髪の後、バスでショッピングセンターまで買い物と天麩羅忘年会、27日は大掃除とカーテンのワンデー・クリーニングをお願いと、連日やることがあった。 12月28日……6時前起床。晴、外気温6.7度。 とはいえ年末の諸事は、前日まででほぼミッションコンプリート。ちょっとした雑事はあるが、まずまず穏やかな年末の数日間となったのである。 夜は豚しゃぶしゃぶ。ビール500ml缶に日本酒を240ml。 12月29日……5時頃起床。快晴、外気温4.8度。 引き続きいて呑気な年末の一日を過ごす。今年最後のお休肝日だった。 12月30日……5時半頃起床。快晴、外気温6度。..
季語は・・・賀状 素っ気なき 賀状納めの 言い訳が 【去年の今日】酒話§平均酒量の自己申告[2023年版]
ビッグイシュー470号は1月1日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。ムーミンが表紙。 表紙&スペシャル企画 トーベ・ヤンソン リレーインタビュー ISEKI(ミュージシャン) 特集 沖縄、百年の食卓 食べることは生きること。長寿で知られる沖縄県国頭郡大宜味村に、1990年、金城笑子さんが自宅のガレージを改装してオープンした「笑味の店」がある。 沖縄で育った金城さんは栄養士として学校給食に携わっていたが、大宜味村で島野菜を育て、おいしいごはんとおかずをつくって暮らす元気な“おばぁたち”の姿に出会い、沖縄の伝統食材や料理を次代に伝えようと決意した。それから33年、今や若い人たちにも人気の店になった。 「どの土地にも昔から伝わる食材や郷土料理があるけれど、地元にいるとそ..
冬至の末候“雪下出麦(ゆきわたりてむぎいずる)”である。 去年の、特に後半の気候はわけがわからなかった。だから、何度か書いたように、あれよあれよという間に10月、11月、12月が過ぎ去っていた。季節の移り変わりが滅茶苦茶だったから妙な感覚に襲われて、それが解消されていないのだ。 そんな気候変動はなおも続き、数年で解消するなどあるはずはないだろう。 そしてまた新しい一年が始まる。 《七十二候のトピックス一覧》
月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。 1月1日の日の出は6時49分で日没は16時41分、月末の日の出は6時41分で日没は17時9分。年末には日没は遅くなっていて、日の出は上旬の終わりにようやく早まっていってくれる……これは春の兆し。 今月の予定は賑やかである。 まず歌舞伎は、歌舞伎座の壽初春大歌舞伎昼夜と、浅草の新春浅草歌舞伎も第一部と第二部を観ることにしている。特に浅草歌舞伎は、若手役者のチャレンジが目玉で、さらに昼の部は米吉大奮闘で『本朝廿四孝~十種香~』の八重垣姫と『与話情浮名横櫛~源氏店~』のお富を。第二部では歌昇が『熊谷陣屋』の熊谷直実を務める。第二部は、松也の『魚屋宗五郎』まで。 そして源氏店と熊谷陣屋では上置きに何と人間国宝の中村歌六が眼を光らせるというから、何とも贅沢で見逃せないのだ。 そうして、ラグビーリーグワン..
新年につき2024年版である。 “お休肝日週3日”は9年目に入った。順調である。 そして、飲酒量を誇るような年齢では既になくなっていることに気がつく。 酒話§平均酒量の自己申告[2005年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2006年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2007年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2008年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2009年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2010年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2011年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2012年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2013年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2014年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2015年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2016年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2017年版] 酒話§平均酒量の自己申告[2018年版] 酒話§..
暦が改まって2024年は辰年です。 あけましておめでとうございます 毎年のことながら、元旦はエントリー数多めで、あたかも1月1日に配達される朝刊のような盛り沢山のようとも言えるでしょうか……中身は薄いが。 新年につき、今年の言葉を以下に。1997年、ワールドカップ最終予選の時に“ジョホールバルの歓喜”を呼び込んだ岡野雅行の言葉です。関わり合いになりたくはないが、否応もなく関わり合いになってしまう……そんな心境を見事に言い表している。 日常の中でも、そうした状況は誰の身にも降りかかってくるが、そんな時にどうしたらいいのか……逃げられるものではないんですよ。 よしっ! 関わりあいになるのはやめよう!! そうは言いながらも、時折ですが“関わり合いになりたくないなあ……”と思うこともないではなく、岡野雅行が発した言葉の複雑さを噛みしめているところです。 ..
季語は・・・晦日蕎麦 老いの身や 酒ほどほどの 晦日蕎麦 【去年の今日】週話§土曜有閑~2022年大晦日~
気がつけば、2023年も12月31日大晦日となりにけるかも。 定年退職して丸8年が過ぎた。そんなにも月日が経ってしまったのかとは、信じられない思いである。自分の感覚としてはせいぜい4年くらいの経過であると感じているのだが。 それほどに老いの身にとっての時の流れは速く、このところ一年中急かされているようだ。それは定年退職したあたりまで感じていた、年末になると背中を押される状況が常態化してしまったのだ。 年が明けて2024年は辰年。我が身が古希を迎える年になる。 今年一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。 《年末年始のトピックス一覧》
季語は・・・極月(ごくげつ) 極月や かかと落としを 三セット 【去年の今日】拝話§“おりん”とは何でしょう?
2023年も今日と明日を残すのみとなってしまった。 来年は古希を迎えるわけだが、自分が齢七十を数えるなど、そんなにも長く生きてきたのかと……65年前は保育園に通っていたし、60年前は小学4年で1964年の東京オリンピックを楽しみにしていた。そして50年前は意を決して東京に出てきた。そんな過去すべてが自分の中に蓄積されたという不思議。 宇宙の時間に比べれば、七十年という時間などほんの一瞬でしかなく、熱した鉄板に落とした水滴のようなものである。 そして我が身は、鉄板の上で“アチチチチ!”と……まあ、風前の灯火か。 《年末年始のトピックス一覧》
季語は・・・年送る 他人事の 帰省ラッシュや 年送る 【去年の今日】米話§カレーに白飯
オランダの画家ヨハネス・フェルメールを知ったのは、いつで、どのようにだったのか、何とも記憶が曖昧である。 ……と思っていたら、ひょんなことから記憶が甦ってきた。確かコミック誌に連載されていた『ギャラリーフェイク』という漫画ではなかったろうか。 フェイク(偽)絵画を扱う画廊が舞台で、フェルメールの贋作が登場してきた時に、オランダの贋作者ハン・ファン・メーヘレンが関わってきてとそんな一話があったと記憶している。 それでフェルメールという画家の存在を知ることになったのだが、合わせてメーヘレンという天才的贋作者に興味を惹かれたのだ。 彼の手法は徹底していて、フェルメールの時代のキャンバスを使い、当時の材料を使って絵具を調合し、その画力と合わせて鑑定人たちの眼を眩ませたのだった。 そうした彼の“犯行”が発覚したのは第二次世界大戦直後、ナチス・ドイツの高官たちにフェルメー..
還暦を過ぎ、定年退職をしたあたりから病院のお世話になる機会が増えた。 現役時代だって、風邪を引いたり、歯の詰め物を直してもらったりしたが、今や病院のフルコース状態になってきつつある……内科は言うまでもなく、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科とまあ、もろもろ。 そうして、財布の中の診察券が増えてきたのも当然のことであろう。頻繁に使っているのは“勝手にかかりつけ医”認定している近くの内科で、これは月に一回薬をもらうために出向いている。何ともありがたいことに院内処方で薬を出してもらえるのだ。 わざわざ処方箋を持って薬局まで行く手間が済むわけで、それかあらぬか高齢患者率が高いような気がしないでもなく、我が身もその一人なのである。 今年、月一の内科以外に行ったのは、取れた詰め物を直すための歯医者と、耳の奥がゴリゴリしてきたので、耳鼻咽喉科に行って耳垢を取ってもらったと……そんな..