季語は・・・師走尽 師走尽 世はこれすべて 塵芥 【去年の今日】週話§日曜枯寂~2023年大晦日~
季語は・・・晦日蕎麦 老いの身や 酒ほどほどの 晦日蕎麦 【去年の今日】週話§土曜有閑~2022年大晦日~
気がつけば、2023年も12月31日大晦日となりにけるかも。 定年退職して丸8年が過ぎた。そんなにも月日が経ってしまったのかとは、信じられない思いである。自分の感覚としてはせいぜい4年くらいの経過であると感じているのだが。 それほどに老いの身にとっての時の流れは速く、このところ一年中急かされているようだ。それは定年退職したあたりまで感じていた、年末になると背中を押される状況が常態化してしまったのだ。 年が明けて2024年は辰年。我が身が古希を迎える年になる。 今年一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。 《年末年始のトピックス一覧》
季語は・・・極月(ごくげつ) 極月や かかと落としを 三セット 【去年の今日】拝話§“おりん”とは何でしょう?
2023年も今日と明日を残すのみとなってしまった。 来年は古希を迎えるわけだが、自分が齢七十を数えるなど、そんなにも長く生きてきたのかと……65年前は保育園に通っていたし、60年前は小学4年で1964年の東京オリンピックを楽しみにしていた。そして50年前は意を決して東京に出てきた。そんな過去すべてが自分の中に蓄積されたという不思議。 宇宙の時間に比べれば、七十年という時間などほんの一瞬でしかなく、熱した鉄板に落とした水滴のようなものである。 そして我が身は、鉄板の上で“アチチチチ!”と……まあ、風前の灯火か。 《年末年始のトピックス一覧》
季語は・・・年送る 他人事の 帰省ラッシュや 年送る 【去年の今日】米話§カレーに白飯
オランダの画家ヨハネス・フェルメールを知ったのは、いつで、どのようにだったのか、何とも記憶が曖昧である。 ……と思っていたら、ひょんなことから記憶が甦ってきた。確かコミック誌に連載されていた『ギャラリーフェイク』という漫画ではなかったろうか。 フェイク(偽)絵画を扱う画廊が舞台で、フェルメールの贋作が登場してきた時に、オランダの贋作者ハン・ファン・メーヘレンが関わってきてとそんな一話があったと記憶している。 それでフェルメールという画家の存在を知ることになったのだが、合わせてメーヘレンという天才的贋作者に興味を惹かれたのだ。 彼の手法は徹底していて、フェルメールの時代のキャンバスを使い、当時の材料を使って絵具を調合し、その画力と合わせて鑑定人たちの眼を眩ませたのだった。 そうした彼の“犯行”が発覚したのは第二次世界大戦直後、ナチス・ドイツの高官たちにフェルメー..
還暦を過ぎ、定年退職をしたあたりから病院のお世話になる機会が増えた。 現役時代だって、風邪を引いたり、歯の詰め物を直してもらったりしたが、今や病院のフルコース状態になってきつつある……内科は言うまでもなく、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科とまあ、もろもろ。 そうして、財布の中の診察券が増えてきたのも当然のことであろう。頻繁に使っているのは“勝手にかかりつけ医”認定している近くの内科で、これは月に一回薬をもらうために出向いている。何ともありがたいことに院内処方で薬を出してもらえるのだ。 わざわざ処方箋を持って薬局まで行く手間が済むわけで、それかあらぬか高齢患者率が高いような気がしないでもなく、我が身もその一人なのである。 今年、月一の内科以外に行ったのは、取れた詰め物を直すための歯医者と、耳の奥がゴリゴリしてきたので、耳鼻咽喉科に行って耳垢を取ってもらったと……そんな..
季語は・・・大根焚(だいこたき) 善男と なったふりして 大根焚 【去年の今日】揚話§自信のない人
何じゃこらぁ!である。七十年近く生きてきて初めて見たようなのだが…… ↓子どもが怯えているではないか ……愛媛、学校給食の黒歴史だなどとは、いったい何があったのだろうか。それにしても蜜柑の炊き込みご飯の素だなどと、どんな味がするものなのかと思う。 ネットでレビューを眺めてみると、好き嫌いは分かれているようで、それでは!と、試してみようとは残念ながら・・・・・・である。 《ブログのトピックス一覧》
[承前] かつて、町内に“貸本屋”の一軒、二軒があった時代を覚えている。実際によく借りてもいた。10円とか20円で、主に漫画の単行本を数日借りることができた。 昭和三十年代当時月刊漫画誌はあったが、ちょうど過渡期にあったようで、月刊の少年画報を購読しながら、その合間に貸本屋を利用していたのだ。 町内に一軒、二軒と書いたが、住んでいた場所が町中だったから、それだけ何軒も貸本屋があったのだとは思う。二軒が同じ品揃えということはなく、卸元が違っているので、違う品揃えになるようである。 記憶ははっきりしないが、作者は当時でも知られた人たちというわけではなく、多くは無名の漫画家と言ってよかったかもしれない……中にはそこから雑誌連載をするようになった人もいたようだが。 そんな町の貸本屋が気がつけば姿を消したのは、1959年(昭和34年)3月17日という同じ日に、週刊漫画雑..
季語は・・・年歩む 生かされし 年の歩みの 速(と)きことか 【去年の今日】真話§通し狂言の歌舞伎座上演
冬至の次候“麋角解(さわしかのつのおちる)”である。 2023年最後の候になってしまった。だが、七十二候は立春が新年の始まりなので、これが新年の変わり目というわけではないが。 ブログのエントリーとして七十二候を取り上げるようになって13年が過ぎたが、さすがにネタ切れ状態が続いている。だが、季節のマイルストーンとして、どんなに短い文章であってもブログが続く限りは淡々と書き綴っていくつもりである。 《七十二候のトピックス一覧》
[承前] ビールに合うのは断然!メンチカツだぜと思う。とんかつをつまみながら酒を呑みはするけれど、不思議なもので酒やビールとの相性がいいとは感じないのだ。 とんかつに比べると、メンチカツと酒との相性は抜群に良好なのは間違いのないことで、もちろん個人の嗜好であるから他の人がどうかはわからねど、酒の肴のベストチョイスの一つなのである。 偏食が激しかった幼少のみぎり、親が肉屋の揚げ物コーナーで買ってくるのは脂身の多い安いとんかつで、その脂身を食べることができず、しかたなくあてがわれたのがメンチカツだった。 中身が挽肉で食べやすかったようで、文句も言わず好物になってくれたのである。そして、無事にとんかつが食べられるようになった今でも、好物の揚げ物としての御寵愛は営々と続いているのだ。 そして、神保町の老舗洋食の店ランチョンでの佳きビールの友として、37年半にわ..
季語は・・・暦果つ 暦果つ 後期高齢者 まで五年 【去年の今日】街話§神保巷塵[95]古賀書店が閉店しました
インターネットでのサブスク(サブスクリプション)配信が隆盛状態にある。とりわけ音楽配信においては、月額1000円ほどで、数千万曲が聴き放題というのだ。いちいちCDを買ったりせずとも、いくらでもパソコン経由で聴きたい音楽が楽しめるのだ。 だが、手は出していない。理由は簡単……アラ七十という、もはやお迎えが近い身にしてみれば、毎月いくばくかの金額を銀行引き落としで払い続けるには時間切れが近くなってしまっていると考えるからである。 そして気まぐれにサブスクでも始めて、ほどなくあの世逝きとなった時に、聴かなくなったサブスクの課金が、銀行口座がすっからかんになるまで引き落とされ続けるということか。 これがまあ、五十代とかであったりしたら“一つ試してみますか”と、何かサブスクを始めるかもしれないが、この年齢まで来てしまったら、わざわざ加入することはない。 確かに、CDを買わなく..
文章を書く時の文字遣いは人それぞれであるが、個人的にはあまり過剰な漢字使用は控えるようにしている。それは仕事をしている中で培われた部分があったりもしていて、それは、文章の中に漢字を使い過ぎると、すらすらと読みにくいからということがある。 今はパソコンの漢字変換機能が簡単に使えるから、特に考えることなく漢字表記してしまう人も少なくないだろう。だが、読みやすい文章をと考えるのであれば、読みにくい漢字を多用するべきではない。心掛けているのは…… 有難う御座います→ありがとうございます 良い→よい、いい 宜しく→よろしく 出来る→できる ……などなどで、どれも使ったことは一度もない。ただし、出来るは使わないが“出来上がり”あたりは使っている。そうして、上のような漢字表記を使ってしまうなら、自分の文章ではなくなってしまうのではと感じるのだ。 だからといって、..
季語は・・・聖夜 信心は なくて聖夜の 赤ワイン 【去年の今日】週話§日曜有閑~クリスマスは12月12日?~
あと5センチ、身長が高かったらと思う時がないでもない。ちなみに現在の身長は171cmである。 中学生から高校生の頃は、もちろん標準身長を超えていたし、クラス中でも背の高いほうに入っていた。そうして東京に出てきた頃、電車に乗っていても、自分より身長の高い人はそれほどいなかった。 それが10年も過ぎた頃、ふと周囲を見回すした時に、かつてのように身長が他の人より高くはなくなってしまっていたのだ。そりゃあ、年々体格は向上していって、標準身長だってとっくに170cmを超えてしまっていたのだから。 というわけで、あと5センチほど身長が高かったらいいなあ、と思うことがあるのだが、それは……半ば負けず嫌いというか、見栄とでもいうべきか。 そしてさらに虫のいい願望を言うのなら、膝から下にその5センチを足してやってくれればとは身のほど知らずのわがままなのである。 《私事のトピック..
師走も終わりに近づいた土曜日、第二部を観てきた。舞踊劇『爪王』と講談を基に、神田松鯉の脚本協力を得た『俵星玄蕃』の二本立て。 30分ほどの『爪王』が見もの。七之助の鷹、勘九郎の狐が繰り広げる戦いの様子がダイナミック。長唄の伴奏を聴きながら、西洋音楽を使ったらおもしろいかもと考えていた。勘九郎と七之助兄弟の踊りは伝統とモダンさが融合して、古臭さをまったく感じさせないのだ。彦三郎の鷹匠、橋之助の庄屋。 休憩後に『俵星玄蕃』……1月に再演される『荒川十太夫』と対をなす作品である。 残念ながら『荒川十太夫』ほどは楽しめなかった。坂東亀蔵の蕎麦屋と松緑の玄蕃のやり取りが表面的でもう少し肚(ハラ)らしきものが見えてくれればおもしろかったのにと思う。 舞台を回すところで現れる人物が何なのか、黙役なのでわからず。そして、討ち入りで、吉良家の加勢に駆け付けた上杉藩の武士との立..
季語は・・・山眠る 山ノ鼻 山神様や 山眠る 【去年の今日】週話§土曜有閑~あと一週間~
来週の日曜日は大晦日である。今年も残すところ一週間となりにけるかも。 そして年が明けて2024年は辰年……我が身が古希を迎える年でもある。70年生きながらえることになるのかと思う。そして人生の残り時間を思うのだ。 記憶のたどるのは老人の常なのだろう。思い返せばちょうど半世紀前の4月に、予備校通いをするべく東京の三畳間下宿で独り暮らしを始めた。そして大学から就職、結婚と続き、定年退職となって、今は年金生活者である。 古の中国の五行思想に青春、朱夏、白秋、玄冬とあって、老齢の我が身は、てっきり玄冬だと思い込んでいたら、玄冬とは“幼少期とは、まだ人として芽吹く前の冬”で、人生は冬からスタートすることを知ったのだった。 そして五十代に入る頃からを“白秋”と呼び、今まさに白秋の盛りと言ってもいいだろう。 その昔は人生五十年だったが、それが今や八十年も珍しくはなく、今年届..
季語は・・・夜咄(ばなし) 夜咄や 宅配ピザは 冷めており 【去年の今日】蕪話§ベートーヴェンの第九交響曲
年末恒例のあれやこれやが順調に進んでいる。今週の始めは、水回り清掃をしてもらった。年に一度、キッチンのシロッコファン・クリーニングから、浴室のクリーニングまで。 週明けは、カーテンのワンデークリーニングが待ち構えている。午前中早く家中のカーテンを取り外してクリーニングの営業さんが引き取り、夕方暗くなる頃合いには、仕上がって届けてもらえるのだ。 この日は、合わせてレースカーテンも取り外して自宅で洗濯するが、洗って脱水したものを元通り吊るしてやればすぐ乾いてくれる。 さらについでに“大掃除”もしてしまう。だが、かつてのように徹底してとまではいかない。手の届く範囲で壁のほこり落とし、額を外して拭いたり、床にワックスをかけるまで……高齢者につき無理はできない。まあ……そこまでやればよし!で、何とかまあ体裁はついたはずだ。 そして週明けには、取り寄せていた正月のおせち数品ほど..
季語は・・・冬の雲 羽田発 那覇行きANAや 冬の雲 【去年の今日】音話§オペラのチケットを売りさばく
冬至の初候“乃東生(なつかれくさしょうず)”である。 冬至の今日、日の出は6時45分、日没は16時36分……5時過ぎに目覚めると世間は暗く、明るくなるまで1時間半以上かかってしまう。さらにこの先、5分は日の出が遅くなるから、早起きの身にはいささか切ないものがある。 真夏だったら、少しばかり北北東に向いている“勉強部屋”に、ひとしきり朝日が入り込んで明るいことこの上なく、起き抜けのTシャツ&ハーパンそのままでパソコンに向かって朝の作業を進めるのだが、今の時期は防寒装備が物々しく、カーディガンを羽織った上からガウンを引っかけているのだ。 そうして足温器で足を暖めたりして、何とか冷え込まないようにと、できる工夫はそれなりに。 そうして一番バス二番バスは暗いうちに走り出していて、それに乗る通勤、通学する人たちは肩をすくめ、足早に停留所へと向かうのである。 《七十二候の..
何度も何度も、くどいようですが、ハムカツは薄くしょぼくれていなくてはなりません! (`・ω・´)ノ 居酒屋などで厚切りハムカツなどと麗々しくドヤ顔でメニューに記載されているのを見かけると、とたんに注文しようという気が失せてしまうのです。ハムカツはまさに“ハムカツ”でなくてはならず、とんかつの代替品のように厚かったりしては、何の意味もないということだと考えるものなのです。 ↓ぎりぎりセーフ? 貧乏ったらしいという表現は、いささか語弊がありますが、ハムカツは軽いスナックのようなものだと考えればよくて、そこに何かメイン料理的発想を持ち込んではいけないのではないか。 それゆえに理想のハムカツとは、本体の厚さがせいぜい3~5mmで、表裏の衣を合わせた厚さとハムの厚さがほぼ同じというのが理想でありましょう。ましてや、衣の倍以上の厚さのハムだなどとは“論の外”なのであります。..
季語は・・・冬至 また一通 喪中はがきの 冬至かな 【去年の今日】荻話§町中華を愛でる~独身時代~
2023年も押し詰まりつつある12月中旬の終わり、ちょっと縁あるヴァイオリニストのリサイタルを聴いてきた。文京シビック小ホール。 ヴァイオリン:青木調 ピアノ:江尻南美 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第35番 A-Dur Kv.526 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番 A-Dur Op.100 **********************休憩********************** J.S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 C-Dur 「フーガ」 エネスク:ヴァイオリン・ソナタ第3番 a-moll Op.25 「ルーマニアの民俗様式で」 [アンコール] シューマン:ロマンス 青木調はNHK交響楽団第1ヴァイオリン奏者である。オーケストラの中で合奏しているから彼女が弾く実際の音を聴く機会は、こういう場で..
そもそも子どもの頃から好奇心旺盛だったかどうかはわからない。明らかなのは、好奇心を呼び覚まされたことで、それが小学館の学習図鑑シリーズであったのだ。 たぶん小学校2年生か3年生の頃に、親が図鑑シリーズの中から何冊か……動物、植物、昆虫、魚貝、気象天文、スポーツ、保健と人体、理科実験などなどを買ってもらった。 そうした図鑑ものに興味を持ったようで、暇さえあれば、何度も何度も読み返していたことを思い出す。小説の類も読まないではなかったが、それ以上に図版が多く、自然や科学を扱った図鑑のほうよりに惹かれていたようだ。 そうして、動植物、昆虫の名前やら生態を知り、気象現象や宇宙へと思いを馳せていたが、そんな中にあって理科実験の図鑑には多くを学ばせてもらったのである。 掲載された実験の全部ができたわけではなく、家にある限られた器材で、興味を持ったいくつかを実際に実験してみただけ..
季語は・・・冬の日 冬の日や ハチワレ柄の 野良のそり 【去年の今日】蹴話§サンゴリアス対スピアーズ~まさかの~
新連載“今日の一枚”スタートである。不定期かつ気まぐれに、インパクトある写真を貼って、簡単に一言添えるという企画である。最初の一枚は…… ↓左:2008年刊、右:2014年刊 ……いやはや何ともな写真である。同じ著者が、真逆のテーマで本を書いたという、まさに“マッチポンプ”以外の何物でもない。だが、右が刊行されるまでの数年間の時代劇に、何が起こったのだろうかとも思うのであるが。 《ブログのトピックス一覧》
宮仕え時代の電車通勤の話である。 行きは、ラッシュアワー時間帯を避けて出かけるので確実に座れるのだが、帰宅する時は、座れるか座れないか微妙な駅で、座れない時のほうが多い。それではと、早々と降りてくれそうなお客さんを探してその前に立とうとするのだが、この見極めがなかなかに難しい。 中でも、駅が近づくとキョロキョロしだす人が眼の前に座っていて、ということは2、3駅くらいで降りてくれるのかなと期待をするのだが、何というか、一向に“降りない”てくれず、駅が近づくたびに落ち着かなくなるだけなのだ。 その手のお客さんがけっこういらっしゃって、期待が大外れになること頻繁だったのである。あまつさえ“静かに”座っていた両側のお客さんがさっさと降りて座り損なうこともあったりした。 いつの頃からかそのことに気がついて、そうした“挙動不審”な人の前にはできるだけ立たないようにと中止したが、..
季語は・・・鮪(マグロ) 荒海や 大間一攫 クロマグロ 【去年の今日】電話§パソコン歴三十年
長兄の元十両鶴嶺山(60歳)、次兄の元関脇逆鉾(58歳)に続いて三男の寺尾が60歳で逝去した。兄弟そろって短い生涯を終えることになるとは……。 回転の速い突っ張りを武器に、軽量を生かしたスピード感溢れる相撲で人気を博した。 先月の九州場所でもテレビ解説できっぱりとした物言いが健在だったので、あまりにも突然の訃報に驚いている。享年六十 合掌 《追悼のトピックス一覧》
快晴微風の味の素スタジアムには今季最多31,953人の観客が集まった。前日に日産スタジアムで行われたイーグルス対ヴェルブリッツの31,312人を一日で塗り替えた……ワールドカップ終了直後+ワールドカップに出場した強豪選手が参入しての人気と思われるが、これが最後まで続いてほしいものだ。 そして府中ダービーの結果だが“意外”にも、ブレイブルーパスが26対19で勝利を手にした。 最初に得点したのはサンゴリアス。ペナルティゴールで先制したが、その後はブレイブルーパスが最後までリードをキープ。サンゴリアスは自分の形を作れず、後手後手に回ってしまったと感じる。 ブレイブルーパスのディフェンスが的確で速く、サンゴリアスの展開を許すことがなく、これは前節のサンゴリアスがスピアーズ相手に奏功したことが自分に返ってきてしまったようだ。 オールブラックスからやって..
季語は・・・今川焼 ふところへ 今川焼は 冷めぬよう 【去年の今日】週話§日曜有閑~インスタントラーメン~
人間の脳の記憶システムはどのようになっているのだろう。そしてどれほどの記憶を貯め込んでいるものなのだろうか。 さらに不思議なのは、数十年前に経験した出来事は鮮明に覚えているのに、つい直前、トイレの蓋を閉め忘れたりして、そりゃあ年齢的な物忘れの度合いは順調に進んでいるとは思うけれど。 どうやら人間の脳内にも、ハードディスクと新しい記憶を一時的に保持するメモリーとの2種類があって、特にそのメモリー機能が劣化しつつあるのではないか、だから直近の記憶もさっさと消去されてしまうような気がする。 そしてまあ、残念なことにハードディスクの記憶も少しずつ少しずつ消えていっているようなのだ。きちんと取り出せる記憶もあるが、切れ切れな断片として、繋ぎあわせることのできない過去が頭の中に散乱しているようだ。 そんな記憶の断片の中で、最古と――曖昧だが――思われるものは、2歳か3歳の頃。ラ..
大学4年間は経済的事情ゆえに、1年次からせっせと単位の取得に努めた。 本末転倒であることは百も承知だったが、1年、2年と単位の荒稼ぎをしたのは、アルバイトの時間を捻出するためだったのである。 結果、3年次では火水木の三日登校で済むようになり、一か月10日くらいはカフェでギャルソンのアルバイトができ、それだけで月に3万ほどは稼げたのだ。 さらに4年になると登校は週2日、卒論ゼミと取り残した専門科目、加えて皆川達夫氏の講座と4つほどを受講する日々だった。 4年次の科目を受講するにあたって、留年はせずに卒業することをを念頭に単位不足にならないよう、3年までの取得単位をきちんと計算し、ギリギリでというのは危ないので“保険”として念の為、余分に一講座押さえておいたのである。 大学のほうは、それで何とかなりそうと見極めができ、夏休みに2か月していた尾瀬の山小屋のアルバイト..
季語は・・・師走 角打ちや 酒そそくさと 師走めき 【去年の今日】週話§土曜有閑~どん詰まり近づいて~
大雪の末候“鱖魚群(さけのうおむらがる)”である。 週末金曜日は冬至、2023年も残り2週間となった。 温暖化が進んだとはいえ、気温は冬である。夏の間は10分足らずで追い焚きが済んだ風呂も、設定した湯温になるまで30分近くはかかるようになったのだ。 当然ながらそれだけ燃料代も必要なわけで、夏と冬のガス料金の差は、3倍以上になってしまう。 夏の間は39度ほどで沸かしていたのが、今は41度から42度……そして、冬の水温は低いから、夏に比べて時間がかかるのは今さらながら当たり前の話なのである。 気がつけば12月も半ば過ぎとなったが、個人的な印象を言わせてもらうなら今年は残暑を10月下旬まで引きずったからかどうか、その9月や10月の記憶が希薄で、秋はほとんど省略で11月下旬には一気に冬模様になってしまったような気がしてならない。 《七十二候のトピックス一覧》
“演歌”は演歌だけでなく、他の漢字を当てはめた、援歌、怨歌、艶歌と分けられるとでもいった文章を書いたのは五木寛之だったか。例えば水前寺清子が歌うのは励ますための援歌だし、色っぽい系は艶(つや)歌と言われたりしている。 五木寛之が一番に書きたかったのは藤圭子の歌で、それを怨歌……“うらみうた”だと表現してみせたのだ。 文章を読んで、まさに言いえて妙と思った。藤圭子の掠れたような歌声の奥底に“怨み”が秘められたとは、誰でも感じ取ることができるだろう。彼女のヒット曲『圭子の夢は夜ひらく』が、これまさに!“怨歌”なのである。 《日本のトピックス一覧》
季語は・・・落葉 不機嫌を 蹴散らして行く 落ち葉路 【去年の今日】問話§大学って何?~お仕着せではない~
先月、武蔵野市民文化会館でコンサートを聴くのに吉祥寺に出かけた、早めに吉祥寺に着いて買い物の後の開演前に吉祥寺東急のレストラン街で蕎麦を手繰った。 勘定を済ませて店を出て周りを見渡したら、KITCHENクルミという店の表示に気がついた。近くまで歩いていくと、何と!バブル期に地上げで消えたあの神保町白山通り沿いにあった店で、勝手に“洋食くるみ”と思い込んでいたが“KITCHENクルミ”が正しかったようだ。 店の入口には、昔の神保町古書店街の写真が貼ってあって、店の由来の説明ボードもあったので間違いはない。 出版社が集まっている神保町らしく、深夜までばりばり営業していて、夕食にと店に入ると、ホール担当のお兄ちゃんが「とりあえず、おビール?」と聞いてくるのも懐かしく思い出した。 店の名物だったかどうか、小ぶりのとんかつを半分に斜め切りした“切りカツ..
季語は・・・冬安居(とうあんご) 大寺や 樹も山も黙 冬安居 【去年の今日】転話§団地のマイカー事情
ビッグイシュー469号は12月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。からすのパンやさんが表紙。 表紙&スペシャルインタビュー 『からすのパンやさん』50周年 リレーインタビュー 中田裕二(ミュージシャン) 特集 行ってみたい、あの町この町 隣町から世界のはずれまで。ちょっとした用事、のっぴきならない仕事で、あるいは念願の旅に、あの時出かけた“あの町”。 偶然なのか必然なのか、そこで起こった小さな出来事が忘れがたいことも……。そんな“あの町”にもう一度行ってみたいと思われますか? 一方で、ずっと行ってみたいと気になっている“この町”。いつか行きたいと待つのも楽しいけれど、そろそろ出かけようと思っていませんか?その町の何があなたを魅了しているのでしょうか? ..
かつては大日本インキ化学工業という社名で、今はDIC株式会社となった印刷用インクの大手がある。そして仕事をしていた時に使ったのがDICの色見本帳である。 デザイナーが色指定をする時に、色見本帳のチップを貼り付ければ、文字色や地の色が指定されるのだ。 そんな色見本帳のアプリがあるのを見つけて、早速落とした。しかも無料というのは太っ腹ではないか。 まあ、落としたところで使い道があるわけではないが、そんな中に“日本の伝統色”に始まって“フランスの伝統色”とか“中国の伝統色”などのようなシリーズがあるのは吉である。 写真を見ればわかるとおりで、データの中に漢字和名の“色名”が表示されていて、なるほどと勉強になるのだ。 残念ながら、パソコン用のアプリが存在しておらず、それはちょいとばかしもったいない話ではないか。 《日本のトピックス..
季語は・・・日向ぼこ 老境の 午後の浄土や 日向ぼこ 【去年の今日】想話§歌舞伎のことなど何一つ・・・・・・
[承前] 一昨日のことである。 声が掛かって、会社同期会が神保町のランチョンで行われた。集まったのは7名。15時スタートという不思議な時間だが、あまり夜が遅いのも何だからという老人モードなのかどうか。 同期入社は36人(四大卒男16人、女10人、短大卒10人)で、そのうちの5人が既に亡くなっている。 定刻にはメンバーが揃って、生ビールなどで乾杯。出席者の一人は取締役まで“出世”しているから、在職中は話せなかったような生臭い話あれこれが飛び出してきて“うーん・・・・・・”と考え込んでしまうのであった。 まあ、それ以外は個々の近況であったり、在職中のエピソードを擦り合わせてみたり、他愛のない会話が続いたのだ。 そして、アラ七十の集まりゆえか、かつてのように呑み過ぎるようなこともなく、ほどほどのところで17時半過ぎにはお開きとなり、三々五々通い慣れた神保町から..
それは、静かに届いていた……郵便箱に“それ”が入っていたのである。 そのことに気がついたのは、宮仕えを始めて2年が過ぎた頃のことだった。入社一年目よりも年収が少ないのである。ああそうか!と納得できたのは、前年の住民税が徴収されるようになっていたからだ。 ……ということは定年退職後にも、前年の住民税の徴収が行われることかと思い至り、しかるべく用意しておかなくてはならないという結論に達した。 そのための準備を始めたのがいつだったか正確には忘れてしまったが、おそらくは数年越しで少しずつ蓄えていったことは間違いない。年金生活を始めるにあたっては、まとまった金を支出することは避けたいと考えて、しかるべく対策を講じていたのである。 そうして、しかも……退職月の関係なのか徴収期間のゆえか、2期に分けて徴収が行われたが、何とか納めることはできた。先々、定年退職する人は、前年..
季語は・・・雑炊 雑炊を喰らふ 年金生活者 【去年の今日】拝話§パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマー
1959年12月13日、TBS『兼高かおる世界の旅』が放送開始。 我が家にテレビがやって来た時、既に『兼高かおる世界の旅』は放送されていた。 日曜日の昼前、画面に登場する様々な国の町や自然の風景は、子ども心にも印象的で、ほとんどすべてを忘れてしまってはいるが、心のどこかに、深く刻み込まれたような気がする。 今、多くの海外紹介番組が興味深い映像を流してくれているが、世界の旅はその先駆者として、後の番組作りの大きな参考になってくれたのではないかと思う。 そして、もう一つ記憶に残っているのは、エンディングで流れた制作協力のパンアメリカン航空の映像で、番組に加えてパンアメリカンの映像が、海外旅行へと強烈に誘ったのは間違いなさそうだ。 《歴史のトピックス一覧》
小学校から中学、高校と、視力は悪いほうではなかった。1.2、時には1.5を維持していたのだが、中学に入って、なぜか遠視であると診断されたことがあって、大学あたりまで遠視の眼鏡をかけていた。 そうこうしているうち、遠視の眼鏡を掛け続けたからかどうか、今度は近視へと移行してしまった。まあ、それほど度が進んだわけでもなかったので、眼鏡を掛けるほどではなかったのである。 その後、運転免許を取るために近視用眼鏡を誂えて今に至っているのだが、年齢を重ねたせいなのか、徐々に近視が改善されてきたようだ。とはいえ、老眼というほどまで進んだわけではなく、現状はというと、パソコンの画面は眼鏡なしで見ることができて、問題なくキーボードも叩けるのだ。だが、運転するのに眼鏡が不要な0.7までは戻っていない。 六十代も半ばを過ぎたところで、そんな視力に落ち着いたのだが、ちょっと不便を感じるのは、眼鏡を..
季語は・・・枯野 落日や 枯野の中の 無人駅 【去年の今日】可話§コカ・コーラにはまっていた頃
大雪の次候“熊蟄穴(くまあなにこもる)”である。 今年は、熊が人を襲う事例が多かった。人を恐れず、市街地に出没する熊を“アーバン・ベア”と呼ぶようだが、熊が人を襲うニュースを見かけない日はなかったことも。 そして、いわゆるクレーマーが自治体などに「熊を撃つな」といった内容を執拗に電話してくるということも話題になったが、そういうクレームを言い立てる人の眼の前に熊が現れたら何を考えるのだろうかと思った。 人間と熊が共存できるとでも考えているのだろうが、残念ながら無理な話で今年も尾瀬では熊が頻繁に目撃された。 幸いにして尾瀬行の間に熊に遭遇したことは一度もない。自衛策としては、熊鈴を鳴らして歩くことくらいで、いきなり遭遇でもしたら神頼みするしかなく、一人で歩いている時には勘弁してという心境である。 4年前の秋、尾瀬ヶ原から尾瀬沼に向かう山道で鹿に遭遇した時も..
大丈夫かスピアーズ?という試合を観てしまった。ジャパンラグビーリーグワン開幕第1節の秩父宮ラグビー場である。 ↓見上げればJスポーツ実況の村上晃一、矢野武の両氏が ↓快晴の秩父宮ラグビー場 結果は、26対52のダブルスコアでサンゴリアス快勝&スピアーズ惨敗。サンゴリアスは前半だけで5トライ&ゴール。前半1トライ&ゴールでは追撃態勢など取れるはずもなく、第1戦を落としてしまった。 特に前半のスピアーズは、両サイドのディフェンスが甘く、展開されては、軽々とトライされていたが、なぜそんなにディフェンスが内側に寄っていたのだろう。 開幕戦一試合だけで先々のリーグ戦を占うことはできないが、このままでは不安要素があり過ぎるようだ。この日は、オールブラックスのデイン・コールズやウェールズのリアム・ウィリアムズは出場しておらず、彼らがプレイするようになった..
季語は・・・冬ざれ 冬ざれて いよいよ富士の 孤高かな 【去年の今日】週話§日曜有閑~マイルールの人は・・・・・・~
自分が何を着たいか、今だにわからない人である。これから自分にまつわるアパレルについて書こうとしているのだが……書けるのか? 話は小学校5年の頃に遡る。我が田舎町にVANとJUNを扱う店がオープンしたのだ。そんなVANのボタンダウンシャツを生意気盛りの中学生が着ているのを見てびっくりした。トラッドのかっこよさに眼を惹かれたのだ。 我が家はそんな経済的余裕などあるはずもなく、小遣いを貯めてベージュのソックスを買うのが精一杯だった。ボタンダウンのシャツなど遥か遠くの存在なのだった。 高校の頃はジーンズが隆盛になりつつあって、当時の流行りだったベルボトムを2本ほどという日常を過ごしていて、それが大学から会社に入るくらいまでのスタイルであったか。 会社に入ってテニスを始めたが、ちっとも上達はせずだったが、その頃からポロシャツを着るようになった。フレッドペリーやルコック・スポル..
3階に暮らす我が家は、エレベーターの設備がない。この先足が悪くなったら自力で上り下りをしなくてはならないのだ。 家の中については、まだま身体が動く五十代でリフォームをした時に思いついた簡単な設備はいくつかあって、浴室やトイレに手すりを設置してある。 設置した時はまだまだかなと思っていたが、ここへきて付けておいたことをよかったと思うようになってきた。 もちろん、まだまだなくては困るとかいうわけではないけれど、変にバランスを崩してトラブルを起こすよりも、あるものは使えばいいではないかという発想で、必要な時はありがたく使っているのだ。 この先、いよいよ不如意になっていったら、どのような設備が必要になってくるものか……そうした時が徐々に近づいてきつつあるので、そうしたことも考えていかなくてはならない。 一点だけ、家の中でバリアフリーできない場所があって、廊下から洗面所..
季語は・・・木枯し 木枯しに 見得を切ったる 老古木 【去年の今日】週話§土曜有閑~ブログ引っ越し丸3年~
生活を営んでいるうえで、ほとんど元号を使うことはなく、西暦ばかりを使用している。 理由は単純。昭和、平成、令和と元号が3つ変わってしまったら、もうだめで、元号と西暦をリンクさせることができなくなったのだ。そうなったのは昭和50年代後半あたりになった頃で、平成でも2ケタになったら、まるで西暦との繋がりが消え失せてしまった。 書類によっては元号で書かせるようなものもあるが、そうしたケース以外、我が家における生活上に関しては圧倒的に西暦主体で営んでいると言っていいだろう。 2000年以上一本道で続いてきたシンプルな西暦に比べれば、元号という記号は歳を取れば取るほど面倒で煩わしいと感じてしまうのである。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・漱石忌 漱石忌 パブでエールを 呑み干して 【去年の今日】敬話§何でも“様”付ければいいって・・・・・・
あと3週間もすれば新年である。 とりあえず体裁を整えなくてはならないので、大掃除であったり、お掃除の専門家にSOSを出してキッチン回りやら浴室をきれいにしてもらい、合わせてカーテンをワンデー・クリーニングに出す作業をするのだ。 だが、寄る年波で、大掃除が簡略化されてきた。無理をして事故が起きたりしたら取り返しがつかないから、できる範囲で無理なくやれるところをやるというもの。それでも、やらないよりははるかによいのは言うまでもないことである。 大晦日から元旦へと、一年の終わりと始まりが変わることを、大きな区切りとして見立てる……それが日本人だけのことかどうかはわからないが、ともあれ新しい年を迎えるための準備をせっせとするのは、そんなDNAがあるゆえか。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・虎落笛(もがりぶえ) 能管の ヒシギ息揺り 虎落笛 【去年の今日】赤話§薬念醤(ヤンニョムジャン)
ブログのエントリーをまとめるのに、パソコンのメモ帳を使っている。わざわざワードのようなワープロのご出座しを頼むほどでもないと思っている。 今のブログ本文の一行あたりの字数は34文字で、メモ帳は一行あたりの文字数設定ができないので、手間はかかるが34字で強制改行させ、アップする時に強制改行をその都度解除していたのだ。 強制改行していた理由が一つあって、行末の句読点や約物による自分的にはおかしな改行を避けたかったのである。例えば…… に規定されているのではないかと、考える坂口さんに「ジェンダーの生物 学」について聞いた。 [ビッグイシューの予告から] ……上のように“学”だけ残して鍵括弧だけ次の行に送ることはできないので、行末が一文字空いてしまうのである。この体裁は避けたかったがゆえにウェブリブログ時代は、強制改行したままでアップしていたのだ。 今は強制改行を戻し..
10月一杯で、隼町の国立劇場が“建て替え”のため閉場した。1966年に完成した建物は“校倉造り”を模した瀟洒なデザインである。これが壊されて、高層ビルになるという将来に、寒々しいものを感じさせる。 外観はそのままに、内部を大幅にリノベーションすればいいと思うのは、無理な話なのだろうか。欧米の歌劇場などは、舞台機構などを新しくしたりして、外観はそのままに活かす方策を取っているではないか。 何かというと建て替え建て替えと“利権絡み”ぷんぷんな昭和的やり方は、いい加減やめてほしいものだ。 ただ、詳しい理由はわからないが、現時点で2回行われた工事業者の入札が2回とも不調に終わるという、異常事態が起きている……ただでさえ文化事業に冷淡な現政権ゆえ、工事予算をケチっているという話も聞いていて、この状況で、先々どうなるものかは不透明そのものである。 そして、このままでは我..
季語は・・・日の短か 四時半に ならず急かされ 日の短か 【去年の今日】懇話§オペラの字幕
大雪の初候“閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)”である。 年賀状を書かなくてはという時節になってきている。毎年同じ体裁で、上半分の写真を替えるだけ。 何年か前から少しずつ意識して、年賀状を出すことをやめる人が出てきた。こちらからは元旦に届くよう投函しているが、一週間経ってようやく届く人がいて、そうした人に対しては、こちらが出さなければ返信することもないだろうからと考えて、出すことをやめることにしたのだ。 来年は古希七十歳となり、余命もあといくばくかと……やはり少しずつではあるが、身辺をすっきりさせていく必要があると感じている。 それでも、いざやろうとすると、何から手をつけていったらいいのか、それがわからずに、手をこまねくばかりというのが情けない。 鬼が大笑いするのは百も承知で、古希を迎える来年こそは身辺整理の事始めを本腰でというつもりである。 《七十二候の..
このエントリーと、その続編のアクセス数が伸びている。特に[下]のほうは2500を超えて2600に近づいているとは驚きだ。 よほど印象に残る、そんな強烈なインパクトを持った店ということだったのか……“ストロベリーファーム”で検索してみると、多くの人が調布は仙川のあたりにあった洒落た造りの建物がどこにあったのかを探していることがわかる。 高速代を浮かそうと甲州街道を往復していた1980年代後半、ふとしたことで見つけたストロベリーファームは、メインの駐車場が満杯で、近くの臨時駐車場に誘導されたりしたことを思い出す。 ストロベリーファームと呼んでいるが、ストロベリーファームは1階にあるアメリカンケーキとハンバーガーなどを出していたカフェで、ひとくくりにベルエアガーデンという建物の2階は、イタリア料理の店と焼肉の店という3つの業態が入っていた。 どの店も、野暮ったさの欠片もな..
季語は・・・銀杏(イチョウ)落葉 銀杏落葉 勘三郎の 不在かな 【去年の今日】相話§名前で呼びあう~ワレとニシ~
12月1日……納戸からガスストーブを取り出して暖房用ガス管に接続した。去年も同じく12月1日に出していて、一昨年は11月27日のことだった。 居間にストーブが置かれたので我が家は冬である。ストーブの使い道は、単に部屋を暖めるだけではなく、洗濯物を乾かす役割も担っている。言うまでもなく、冬物衣料は厚いから、曇りの日などは乾きが遅いのである。 12月2日……府中アメダスの最低気温が-0.4度を記録していて、駐車場の車の屋根に真っ白い霜が一面に張っていたが、これまた今年初であるだろう。 そして家の窓にも結露が発生するようになるので、夜にはシロッコファンを最弱で回してやる。そうすると室温もそれほど下がることなく、結露発生を防いでくれる。 12月3日……関東大学ラグビー対抗戦の最終節は、初対戦から百年を迎えた恒例の早稲田対明治。国立競技場には3万を超える観衆が集まった。 ..
予算が許せば一戸建てもと思わないこともなかった。結果的には自分の身のほどで購えた郊外のマンション暮らしに落ち着き、そこで一生を終えることになりそうだ。都心にもう少し近ければと思わなくもないが、環境抜群だ。 多少無理をすれば一戸建てが変えないこともなかっただろう。だがそうした一戸建ては、建売でほとんど間違いなく二階建てなのである。若い頃であるならばまだしも、歳を経れば2階との往復が面倒になっていくのは間違いはなく、次第次第に2階が“開かずの間”になることだってあるだろう。 問題は、今時の建売で2階に居間があったり、浴室があったりというのを見かけるのだ。立地によっては、2階に居間があってくれれば陽当たりも良好で、ちょっと洒落ていて“ナウい”というイメージがあるのかもしれない。 だが、高齢化問題が2階の居間に対して疑問を投げかけているような気がするのである。 というわけで..
季語は・・・冬の朝 ゴミ出しは 冷えたサンダル 冬の朝 【去年の今日】演話§十八代目勘三郎没後十年
十八世中村勘三郎は2012年12月5日に逝去した。今年で没して11年……来年はもう十三回忌となるが、何とまあ早いことかと思う。 今さらながら、今も存命であったらどんな役者になっていただろうか。間もなく七十となる勘三郎の舞台は、おそらく晩年近くまでのエネルギッシュな舞台ではないだろうが、それでも自在さはより増して、刺激的な芝居を見せてくれていることは間違いない。 菊五郎、吉右衛門、仁左衛門、白鸚たちに次ぐ次世代の大看板として、歌舞伎界をがっちり背負って大黒柱、屋台骨を支えていたはずが、勘三郎ばかりか三津五郎まで別の世界に行ってしまっては、一気に手薄になってしまったことがどれほどの痛恨だったか、歌舞伎歴の浅い我々のような人間でも理解できることだ。 そして、死んだ子の年を数えても詮のないことは百も千も承知しているが、彼ら二人が現役でバリバリ舞台に立っていたら、今のような歌舞伎界..
土曜日の午後、NHK交響楽団Cチクルス定期を聴きに行ってきた。まあ、外出する口実みたいなものである。Cチクルスは休憩なし一時間ちょっとと気兼ねなく、3階席てっぺんのチケット代も1600円と“お得”である。 指揮:ファビオ・ルイージ NHK交響楽団 フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』前奏曲 ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14 10分足らずの前奏曲に続いて演奏されたベルリオーズがなかなかの聴き物で楽しめた。第1楽章は緊張が続かなくて散漫に聴いてしまったが、3楽章から終楽章へと、指揮者もオーケストラも気分が高まってきたようで、指揮者のアクション対するオケの反応も上々。 管楽器の強奏に弦楽器が負けることなく、巨大なNHKホールの空間が音楽で満たされたのだった。長めのカーテンコールの最後に、ルイジとコンマスが登場しての“一般参賀”あり。 考えて..
季語は・・・冬の日 列伸びて キッチンカーに 冬日かな 【去年の今日】週話§日曜有閑~演奏会の楽しみ~
2023年11月の東京の天気がどうであったのか、振り返っておこうと思う。 このリンクの日付をクリックすることで、各々の日のアメダスが確認でき、より詳細な気象状況をチェックできる。 11月7日、東京の最高気温は27.5度を記録。その後、24日には24.2度と、晩秋とは思えない気温なのだった。 というわけで11月まで延々と残暑が続いていたようなのは実感なのだが、そのおかげかどうか、秋が超短くて、あっという間に冬到来となってしまったようだ。 今年もあと4週間ほどで暦が変わる。 《天気のトピックス一覧》
毎日、DM(ダイレクトメイル)が2ケタ件数届く。何やらネットショッピングでした時に登録させられたりしたことで、否も応もなくお知らせメイルがやって来る。 配信停止すればいいだけのことだが、ついつい放置してしまうので、読まずにゴミ箱行きのメイルがおびただしい数になってしまう。 一応、メインとして使っているメイルアカウントが2つあって、一つは連絡用に、もうひとつはショッピング用にと使い分けているつもりだが、どうしても混在することになってしまい、さらに片方のアカウントから自動転送されるので、やたらDMが増えてしまうのだ。 とにかく、さっさと削除してしまえば済む話なのだが、それをサボって数日放置しようものなら、未読のメイルが数十通にもなって、削除するのも手間がかかることよ。 メイラーで、アドレスごとに未読のまま放置できて、一か月後には削除されるとか、そんな機能があればいいのだ..
季語は・・・冬日 冬の日や 逆光線は モノトーン 【去年の今日】週話§土曜有閑~バナナの室~
この四半世紀というもの、徹夜をした記憶がない。 宮仕え時代前半の20年ほどは午前様&朝帰りなど当たり前の職場だったのでそんなものかと思いつつ、昇ったばかりの朝の太陽を背に、タクシー帰宅をしていたのだ。 早朝の家にたどり着いて、風呂に入って布団に潜り込むが、数時間で起きて会社に出向く。さすがに寝ないわけにはいかない。そんなことしたら仕事にならない。 そうして昼過ぎに出ていく。仕事の性質上、それくらいに出て行ってもまだデスクに仕事は届いておらず、延々と夕方まで待つことになる。 そんな仕事から解放されたのは四十代半ば。その頃はそれなりに宵っ張りであったけれど、定年退職が近づいたあたりから少しずつ朝型の生活にシフトしていって、今の5時過ぎ起床、21時にはベッドにというパターンになっていった。 もちろん、徹夜なんてとんでもなく、まだまだ気力も体力もあった二十代の頃、上野..
季語は・・・寒暁 寒暁や 布団の中で 読むLINE 【去年の今日】霜話§2022年11月の天気模様を振り返る
小雪の末候“橘始黄(たちばなはじめてきばむ)”である。 夜の虫の音もすっかり聞こえなくなって、冬らしくなってきたという感じはしないでもない。 テレビのスポーツチャンネルを見ていたら、スキーのアルペン競技が始まっていたのは11月のこと。温暖化の影響で雪が少ないのかと思ったら、コース設定はちゃんとできていて、ただし周辺の山々に積雪は認められず、スノーマシンをフル稼働させて体裁はついているが、何となく奇妙な風景に見えてしまう。 アルペン競技を見るのは好きだが、雪の少ない状況が続いているので、先々大丈夫なのだろうかと雪のコンディションを心配している。 例年、ヨーロッパで早々と競技が始まるが、日本のスキー場は積雪ペースが遅くて、北海道あたりで12月中、本州だと1月に入ってようやくスキー場のオープンというところも珍しくはない……昨日は群馬県丸沼高原スキー場がオープンしたようだが..
長いこと、推しチームが勝った時に、阪神だったら…… とらほー! ……と叫び、オリックスであれば…… おりほー! ……と叫んでいる“ほー!”が何を意味しているのかわからないでいた。調べればすぐに判明することを、永らく放置していたのだが、その意味は…… わんだほー! ……の“ほー!”だとわかった。その他、中日だったら“どらほー”だし、ソフトバンクなら“たかほー”だが、巨人は“きょほー”なのかというと、違っていて“うさほー”なんだそうだ。キャラクターがうさぎのジャビットだからということだ。 まあ、贔屓球団を持たないままここまで来た身にしてみれば、そんな勝利の雄たけびをあげられるのは、さぞやうれしいことなのでしょうね。では…… スピほー!(? 《ラグビーのトピックス一覧》
季語は・・・湯豆腐 湯豆腐や 取っときの酒 出してみる 【去年の今日】師話§2022年12月の予定あれこれ
ビッグイシュー468号は12月1日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。趣里が表紙。 表紙&スペシャルインタビュー 趣里 リレーインタビュー Leola(シンガー) 特集 廃屋DIY いま、空き家は日本全国でおよそ846万戸以上。しかも、壁が崩れ、床が抜けたような「廃屋」が増えつつあり、これから日本は“世界一の空き家大国”になるとも言われている。 そんな中、廃屋をDIYで改修することで、魅力的な住まいや居場所に変える人々がいる。 西村周治さん(合同会社「廃屋」代表)は、神戸でボロボロの空き家を次々再生。梅元町では改修した空き家9軒からなる新しいコミュニティ「バイソン」を誕生させた。 フクイアサトさん(「いなか暮らしラボ古今集」代表)は、滋賀県高島市で崩れかけた..
月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。 12月1日の日の出は6時30分で日没は16時32分、月末の日の出は6時49分で日没は16時42分。日没最早の16時32分は12日まで、その先は夏至に向かって遅くなっていってくれる。 ラグビーのリーグワンは2023-24のシーズンが開幕する。年内に2試合ほど観戦予定。リーグワンも3シーズン目に入り、ラグビワールドカップが終了したところで、それなりの観客が集まってくれるかどうか、ここが踏ん張りどころではないか。 12月の歌舞伎座は三部制である。 夫婦で検討した結果、第二部だけ観ることにした。昨年10月『荒川十太夫』で評判を取った赤穂義士外伝、今月が『俵星玄蕃』を出し、1月には『荒川十太夫』の再演と、繋がる流れにしたようだが、なかなかに興味深いのだ。 さて……クラシック演奏会の予定はない。 《..
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季語は・・・師走尽 師走尽 世はこれすべて 塵芥 【去年の今日】週話§日曜枯寂~2023年大晦日~
冬至の末候“雪下出麦(ゆきわたりてむぎいずる)”である。 一年最後の候である。閏年だと大晦日だが、通常年は元旦が冬至の末候だ。 毎年書いていることだが、冬至以前から日没時刻が少しずつ遅くなって、一年が終わる頃には明るい夕方になりつつあって、それは春の兆候として喜ばしいと、冬の寒さが厳しくなるのと裏腹に感じるのである。 冬至以降の候名を見れば、時節よりも先の春を予感させるような名前が並んでいることに、今さらながら気がつくのだった。 《七十二候のトピックス一覧》
古稀となった2024年が終わる。そして新たな年がやって来て、我々の営みはなおも続いていく。いよいよ世界は混沌の度合いが顕著に色濃くなってきたと感じる。人生の終わり近くにこのような世界情勢になっていくことには、大きな懸念を抱いてしまうのだ。 卑小なところでは、2019年にウェブリブログから移転継続していたSSブログが来年の3月末で終了。拙ブログは、明けて1月1日からSeesaaブログへと転居する。 オワコンであることは否定できないブログという存在だが、流行り廃りとは関係なく、表現手段として使っている人は少なくなく、そもそもオワコンとかいう言葉を使われること自体が迷惑なのだ。それこそブログをやってすらいない人間から言われたくなどはない。 だがしかし、かくして我がブログは流浪の旅を繰り返していくことだろう。 それではみなさん、よいお年をお迎えください。 《年末年始の..
季語は・・・行く年 行く年や 饂飩半玉 気ぜわしく 【去年の今日】週話§土曜枯寂~とうとう来てしまった~
コンサートや歌舞伎、スポーツ観戦で通路側の座席に座ることがあって…… ↓ご覧のとおり(バイロイト音楽祭HPより) ……それで観察していると、そのほとんどで内側の席の人たちのほうが、なぜか来るのが遅く、我々が席に座っていたら彼らを通すのに立たねばならないか、もしくは立ったまま待っていることになるが、平土間で間に通路のないバイロイト祝祭劇場は、そうして遅れて中のほうに入っていく客のために全員が立ったままで待つことになるのである。 《つぶやきのトピックス一覧》
観客は8,169人で1万人に達せず。年末で行きにくかったか、渋い客の入り。と思っていたら、北関東は熊谷で行われたワイルドナイツ対スピアーズの試合は1万人超えをしていたので、動員力不足があったかもしれない。 という客入り状況はこれくらいにしておいて、後半は手に汗握る試合展開となった。結果は33対32と1点差でブラックラムズが辛うじて逃げ切り勝ち。前節のホンダヒート戦で終了間際に逆転負けを喫したショックを引きずることがなく、今シーズンの1勝目となった。 特に推しチームの対戦ではないのに秩父宮まで足を運んだのは、リーグワンに“戻って”きたTJ・ペレナラのプレイを見たかったからである。2021年ワンシーズンだけレッドハリケーンズでプレイしたが、その時は一度も彼を見ることができず、テレビでプレイぶりを見て、是非に見ておかなくてはと思ったのである。 前節はあま..
季語は・・・数へ日 数へ日や 夫の寝言 聞く夜明け 【去年の今日】療話§診察券の束なりき
どん詰まりに来た……あと2日で2024年が終わる(ほとんどコピペ 今年は自分の身体を見直す年になってしまったということだろうか。特に、足の血管の問題をメインとした、循環器系の問題を棚卸しして改善の道筋をつけることができそうだ。歯医者に半年以上通って、かなりメンテナンスができたのではと思っている。 70歳という年齢での見直しは、いささか遅まきながらではあるが、やらないよりはやっておけば、少しでも日々の生活が快適になってくれるはずなのはまあ、間違いないと思いたい。 というわけで、来年の目標は“一病息災”である。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・大根(だいこ)焚き 行列や 最後尾ここ 大根焚き 【去年の今日】懐話§昭和三十年代~貸本屋~
どん詰まりに来た……あと3日で2024年が終わる。 何度目の大晦日、そして何度目の元旦だろうか。もちろん今さら数えるつもりなどはない。 70年生きたということは2万6千日近くをこの世で過ごしたことになり、そのすべてが記憶の中にあるわけでもなく、間違いなく9割以上は忘却の彼方に消えて行ってしまったのだろう。 それが人生だなどと、したり顔でいうつもりもないし、思い出にすがりついて時間を戻そうなどとも思わない。すべては時の流れの中に沈められて、いずこかへと去っていくのである。 でもまあ、少しは人生でいいことがあったよなとは思っているのだけれど。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・年歩む 老い先は いずこ?の日々や 年歩む 【去年の今日】連話§ワタシの酒肴[177]メンチカツ
内緒の話だが―内緒になどなっていないが―一浪して予備校通いで下宿暮らしを始めた時に酒を呑み始めた。19歳だったから完全にフライングである。 下宿の三畳間には暖房の設備など何もないまま冬がやって来た。夜、受験勉強を終えて、口にしたのは安いウィスキー。それをお湯で薄めに割りホットウィスキーで身体を温めて布団に潜り込んだのだった。 そのあたりが酒の呑みはじめだったのだが、だからといって毎日毎日呑んでいたわけではない。そもそもそこまで自由に使える仕送りなどもらってはいなかったから、ごくたまに意を決してビールを買うとかそんな程度である。 だから、酔っ払ったという記憶がないのは、大した量を呑んでいなかったということと、酒の何たるかがわかっていなかったことは間違いない。 その後、大学に入っても酒量が増えるどころか、下宿で酒を呑むことはほとんどなかった。いわば大学時代は酒の空白期だ..
こんな映画があったことを覚えている、あるいは実際に観たことがある人は七十代以上ということだ。 東宝映画『ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗』というタイトルで1964年に封切りされた。何と!映画に登場するのは当時巨人でプレイしていた選手たちと川上監督、さらに西鉄ライオンズの中西太まで出演していた。そこに東宝の俳優が加わっていたのである。 1963年、三冠王を狙っていた長嶋茂雄を主役に、ペナントレースの様子を描いたドキュメンタリー・ドラマとでも言えばいいのか……何とも不思議な映画を観たような記憶が微かに残っている。 もちろん芝居素人ゆえ、演技云々については眼を瞑っていたとは思うが、それでも生々しいと思ったのは、三冠王に向かって突き進んでいた長嶋に阪神の投手バッキーがデッドボールを投げて、指の裂傷を負ったというところの映像で、長嶋茂雄渾身の演技ではなかっただろうか。 ..
季語は・・・年惜しむ 入院 二泊三日なり 年惜しむ 【去年の今日】現話§漢字の使用はほどほどにしています
冬至の次候“麋角解(さわしかのつのおちる)”である。 あと5日で2024年も終わり。自分にとってはいい年であったのだろうか……11月から12月にかけて、小さからぬ怪我をしたし、二泊三日でカテーテル手術もした。まあ、自分の身体の状態を顧みたということになるだろうか。 たぶん、自分が考える以上に様々な状況に振り回されたのかもしれない。 2025年……そして、これも我々のような考え方を持つ人間たちにとっては、さらに期待が萎み続けていく年になるのは間違いない。そして最低でも4年は臥薪嘗胆の日々を送るはずである。 いや、別に復讐がしたいわけではない。ごく普通の常識が普通に通用することを実現してほしいだけで、それ以上は何も望むことなどないのだ。 《七十二候のトピックス一覧》
一か月に一度くらいだろか、我が団地にも救急車が入ってくることがある。世帯の高齢化が進んでいることが大きいか。 以前は入って来てもサイレンを鳴らしっぱなしだったのが、最近は入り口で止めて入ってくるようになった。 見えるところに停まって、救急隊員が向かっていく様子が我が家からも見下ろせて、ストレッチャーを出したりとルーチンの仕事をてきぱきと進めていくのだ。 ところが、それからが長いことがあって、要請したお宅に入って30分以上も出てこないことがある。容態を調べているのか、あるいは一番考えられるのは受け入れてくれる救急病院を探しているのかということだろうか。そしてようやく救急車が出て行き、緊張感も去っていった。 ある時、頻繁に救急車が入ってきたことがあった。しかも呼んだのは同じお宅と思われたのだ。数回もそんなことがあった後は、パタリと来なくなったのだが、あれは何だったのだろ..
季語は・・・日向ぼこ 老い独り 優先席の 日向ぼこ 【去年の今日】槍話§十二月大歌舞伎~爪王~
六十代半ば頃から処方薬を毎日服用する生活が続くようになった。 つまり高齢化とはそういうことなのだと改めて実感しているところだが、夫だけでなく、同居人も同様に毎日薬を服用している老夫婦なのだ。 もっぱら、高血圧改善とか血管を拡げるとかの循環器系で、通院している内科は“ヤブ”に近いのだけれど、ありがたくも院内処方して薬を出してくれるので、いちいち処方薬局に赴かなくてもいい。 そんな薬の日々が、この先延々と続いていくのだろうかと思う。若い頃は、そんな日々がやってくるなどとは想像すらしていなかったが、いざ自分がそんな境遇になると“そういうことだったのか”と実感させられる。 世間でも高齢者の医療問題は切実なわけで、先々誰もが当事者になっていく運命にあるのだから、財政面も含めたいい知恵を出しあっていくしかない。医者に通わずに済むなら、それに越したことはないのはもちろんの..
ドイツ語で無賃乗車をする人は“Schwarzfahrer(黒い乗客)”と呼ぶ。 ドイツやオーストリアの鉄道には改札口がなく、人は駅に入ったらそのまま電車に乗ることができるのだ。そして当然ながら、無賃乗車をする輩も少なくはないはずである。 そんな交通機関には“車内検札官”が巡回していて、移動中の車内で身分証明書を提示しながら、切符の有無を確認するのだ。 そんな車内検札官に一度だけ遭遇したことがあった。10年前、ベルリン滞在していた時である。地下鉄に乗っていたら、本当に普通の姿の検札官が、乗客に切符を提示するよう求めたのだった。 我々夫婦は3日間チケットを持っていて、検札官が登場した瞬間に“来た”と即座に反応しチケット提示したのである。そうしてチェックしつつ、一人の男性のチケットを見て「これはだめ」みたいなことを言って、次の駅で連れ降ろしていったのだ。 そ..
季語は・・・クリスマス クリスマスや ワインの栓を 抜き損ね 【去年の今日】週話§日曜枯寂~あと一週間~
スイスを旅行したのは実に少ない。というか数回程度のことだったし、ほとんどオーストリアから車を走らせての日帰り旅行だった。スイスで宿泊したのは、帰国前日にチューリヒ近郊で一泊しただけである。 だからスイスは、アルプスの有名どころなどに行ったことはない。マッターホルンもアイガーも、モンブランも見たことはないのだ。 車で走ったのはボーデン湖の南岸だったり、オーストリア西端の国境を越えて、チューリヒ近郊のヴィンタートゥアまでアウトバーンを走らせて、オスカー・ラインハルト美術館を4度ほど訪ねてみたり、それに加えると、やはりスイス東部の町ザンクト・ガレンの修道院に付属している世界遺産の図書館を見に行ったくらいで、文化面メインだが自然のほうは見ないままのスイス旅行となってしまった。 ああ、そういえばドイツ側のフリードリヒスハーフェンから“国際航路”のフェリーに乗ってスイ..
季語は・・・虎が雨 虎が雨 意地張るへぼや 千日手 【去年の今日】石話§六月大歌舞伎昼の部~壱太郎のおとく~
夏至の次候“菖蒲華(あやめはなさく)”である。 尾瀬は水芭蕉の季節が過ぎて、百花斉放に入っていく。湿原には様々の花が咲いて木道を歩く人たちの目を楽しませてくれるのだ。代表的なのは、言うまでもなくニッコウキスゲだが、紫のヒオウギアヤメもまた目に立つ存在なのだ。 今年は雪が少なく、雪融け水も豊富とは言えなかったから、この先の花の季節のためには、梅雨の雨ができるだけ多く降ってほしいと望むのだが。 そういえば、アルバイトをしていた半世紀前の木道は、今のようにがっちり組み上げられていたわけではなく、丸太を半割りにして置いていただけなので、ちょっと大雨が降ると、浮き上がってしまったり、流されてしまったりして、元に戻すのが大変なのだった。 《七十二候のトピックス一覧》
結婚して暮らし始めた多摩丘陵のマンションは交通が不便だった。最寄駅からは緩い坂道を上がって15分ちょっと。さらにスーパーマーケットをはじめとした商店街までは歩いて10分。当時は共稼ぎだったので、買い物には本当に難儀した。 2年我慢した……よくもまあ2年も我慢したものだと思うが、そこで運転免許を取ろうと決心したのだ。自動車の運転にさほど興味があったわけではなかったが、背に腹は代えられぬ。 そして1984年10月、無事に運転免許を手にして車を購入した。厳密に言うと免許を取るより早い10月上旬、フライング気味にホンダのディーラーに赴いて、かねてより“これ!”と決めていた赤のワンダーシビックの納車をお願いした。 免許を手にして10日後くらいだから11月に入っていたと思うが、我が家に赤いシビックがやって来た。ルイ・アームストロングが歌う『ワンダフルワールド』のコマーシャルを..
季語は・・・青時雨 ざわざわと 乳房榎や 青時雨 【去年の今日】週話§日曜枯寂~貧乏暮らしのこと~
たまに過去エントリーを俯瞰していると、どうもあちこちダブりが散見…… ……してきていることに、やはり自分の中でネタ切れを起こしつつあるかとちょっとがっかりしつつ本文を見れば、エントリーのタイトルは同じようであっても、中身については違う切り口だったりしていることに安心しながらも、もう少し心してかからなくてはと反省するのだった。 《つぶやきのトピックス一覧》
萬屋の襲名興行昼の部を観てきた。獅童と菊之助の『上州土産百両首』から『義経千本桜~所作事時鳥花有里~』があって、最後に時蔵襲名披露狂言の『妹背山婦女庭訓~三笠山御殿~』まで。萬屋と播磨屋勢揃いである。 まずは獅童と菊之助の百両首。1時間半と長い芝居だったが、雰囲気を感じさせる舞台。獅童と菊之助はそれぞれの持ち味を出していたが、菊之助にはもう少し喜劇風味を盛ってほしい。 義経千本桜の“時鳥花有里”は、2回ほど観ていたようだが、舞台が華やかという印象しかなく、今回も同じだった。 そして、梅枝改め時蔵の襲名披露狂言『妹背山婦女庭訓~三笠山御殿~』である。やや面長で古風な顔立ちの時蔵は、将来の立女形として期待されているのは間違いなく、襲名披露狂言でもその実力を如何なく発揮してくれたと思う。劇中で行われた襲名披露口上は、仁左衛門の豆腐買おむらを芯に、右に新時蔵、左に新梅枝と..
季語は・・・夏館 銅版画 掛け替え並べ 夏館 【去年の今日】週話§土曜枯寂~6月最終土曜日~
1948年6月24日、ベルリン封鎖始まる。 第二次世界大戦後、ドイツは米英仏ソの4か国に分割統治された。さらにベ ルリンも4か国に分割されてしまった。 そしてベルリンの一括統治を目論むソ連は、米英仏3か国が統治する西ベルリン地区を封鎖して“兵糧攻め”を試みたのである。それに対して3か国は“空の架け橋(Berliner Luftbrücke)”作戦で物資の空輸を開始したのだ。 輸送作戦は功を奏し、封鎖は翌年4月に解除され、東西ベルリンの行き来が自由にできるようになった。ベルリン封鎖は失敗に終わったのである。 その後、1961年8月にソ連は“ベルリンの壁”を構築し、西ベルリンを陸の孤島化させ、ソ連からの揺さぶりは執拗に続いたのだった。 そんな孤島化が終わったのは1989年11月の事である。 《歴史のトピックス一覧》
試合前までの、イングランド23人のキャップ総数は848、対する日本は259。初キャップはイングランド1、日本8。そしてこの日の観客は44,029人……5万はいくのではと思っていたのだが。 ↓ゴールのサイドバー中央にカメラが設置されていた 結果は17対52……イングランドの快勝である。経験と実力差はいかんともしがたく、ヘッドコーチであるエディ・ジョーンズ掲げる“超速ラグビー”など影も形もなかった。 さて、このメンバーでしばらくテストマッチを続けていこうというつもりであるのか、若手の育成とベテランの活用というバランスをどうコントロールしていこうとしているのか、何を言っても“エディ・ジャパン”の初戦なので、様子を掴みかねていたのだ。 先々を考えれば、若手にチャンスと経験を与えなくてはどうにもならないことは明白なのだが、この日のゲームを観る限りでは、..
季語は・・・夏嶺 夏嶺や 大休憩の 水温し 【去年の今日】稽話§ゲネプロに潜り込んだ件
元より大食いというわけではなかった。男性としては、まあまあ普通の食欲は持ち合わせていた……そんなレベルだった。 食欲がいさかか希薄になってきたと感じるようになったのは、五十代半ばを過ぎた頃ではなかったか。晩ご飯の時、大きめのご飯茶碗で食べていたが、それは250gくらいあったと思うが、最近はというと、その三分の二の180g程度で満足できてしまう。 神保町界隈に君臨していた“いもや”のとんかつ定食を食べさせてくれる店のとんかつは200g近くあったような気はするが、今はもはや120gくらいでアップアップしているのだ。 言うまでもないことだが、古稀になろうとする人間の基礎代謝は順調に少なくなっていっているわけだから、この期に及んで大喰らいをすること自体が自殺行為である。 晩酌で、酒を呑みながら食べるつまみも少しく減っていて、気がつけば皿も小さくなっていたりした。 《私..
季語は・・・夏至 夏至の日や 「おつかれさま」と LINE来る 【去年の今日】歌話§赤い鳥とハイファイセット
国が国民に対して“サービス”をしなくなったと感じる。政府そのものが、あっちこっちで劣化していて、政治家だけでなく官僚たちもそうした発想を持っていないような気がする。 税金を払っているのは国民である。それは国からいくばくかのサービスを受け取るためなのに、そのリターンがほとんどないと感じるのだ。 前々任者が政治をいい加減な地位へと貶め、権力を自分たちに都合よく運用した結果が、今や政権党が内部崩壊を起こして機能しなくなっていることではないか。 そして政治は“ズル”をしてもいいのだと勝手に解釈し、方向性を完全に見失ったのが今である。何を為すべきかわからぬまま“見てるだけ”しかできなくなって、気がつけば我々が立たされているすぐ目の前は崖っ縁である。 我々は、自民党という泥船になど乗りたくもない。 《日常のトピックス一覧》
季語は・・・夏暖簾 ひんやりと 麻の肌目や 夏暖簾 【去年の今日】美話§おいしい物はそれぞれの消費地へ
夏至の初候“乃東枯(なつかれくさかる)”である。 夏至ですね。今日の日の出は4時24分、日没は19時3分。 いよいよ暑さの夏の本番がやってくる。我が家の場合、睡眠大事を大基本にしているゆえにエアコンを使うメインは夜から朝にかけての就寝中なのだ。 夫婦して暑がりだからかどうか、ともかくも寝ている時に暑苦しいのは勘弁してほしく、そんなエアコン運営になっている。もちろん暑い日中にも適宜稼働させてやるのは言うまでもない。 そして心配なのは電気料金の支払いである。電気・ガス料金補助は5月で終了。だからこの夏の電気料金請求がいかほどになるか、戦々恐々としているのである。 本当に、今の政府は“何もしない”としか思えない。あれほどの円安をそのまま「注視している」というのみで、単に“見ている”だけなのだ。一か月前にドイツ人の知り合いと会って話をしたのだが、それほど政治あれこれに..
[承前] 所用あって、京王線の特急通過駅に通っている。駅前には駅にへばりつくように商店街が展開していて、昔ながらの肉屋に行けば、コロッケやハムカツといった総菜揚げ物が並んでいて、思わず「ください!」と言ってしまう。 そんな店が並んでいるのを見ると、新しく開発された地域に住んでいる身にとっては羨ましいと感じるのだ。 環境良好であることで大きな不満もなく40年以上住み続けているが、そんな下世話な商業施設の存在については羨望を覚えるのである。 当然ながら、チェーン系でない居酒屋の類も点々とあって、こんな場所に住んでしまったら、帰宅前にあちこちと寄り道するのは言うまでもなかろう。 とはいえ、そんなごちゃごちゃ感を鬱陶しいとも思う自分がいて、なかなか微妙な感情を抱いているのだ。 そんな駅前商店街だが、目下高架工事がたけなわとなっていて、ところどころシャッターが閉め..
季語は・・・昼顔 昼顔や 違法駐車の 高級車 【去年の今日】表話§尾瀬で写真を撮ること
普通においしい・・・・・・ いつ頃から使われるようになったのか、気がついたら“普通においしい”という不思議な表現が独り歩きをしていた。 何と言うか、違和感満載である。個人的に使ったことはないと思う。むしろ“安定のうまさ”みたいなものは使っているけれど。 つまり要するに“普通”であり“どうってことない”味ということなのか、たぶんおそらく“まあまあおいしい”と言うところ、普通の味だという表現が、どこかで普通においしいという表現が生まれ出てしまったということなのだろうか。 いずれにしても、何か婉曲的な言い回しをしようとしている中で生まれ出た“妙”な物言いであることは間違いないだろう。 《日常のトピックス一覧》
先月だったか、電子マネーの決済が一時的にできなくなったというニュースを見た。少なからぬ人が現金を持っていなくて難儀したとは、何とまあなことかと思ったのだ。 電子マネーは交通系のパスモと普段使いスーパーマーケットの支払い用しか持っていない。たまにパスモをコンビニで支払いする時に使うことはある。 だが、古い世代であるからなのか、支払いは基本現金でやっている。万単位の支払いの時にはクレジットカードを使うと決めているが、それほど不都合を感じたことはない。 ↓じゃいーです~ 最近はどうなっているものかわからないが、町中の商店街で小商いをしている店では、現金のみだったりするのも珍しくはないのではないか。世の中はそれほど都合よくできているわけではないのだ。 それゆえ現状は、現金主体で電子マネーは交通機関とスーパーマーケットに限られ、高額決済はクレジットカードでという使い..