§4.「記紀」の脊椎、下つ道を下る。
「記紀」の編纂にあたって、安万呂はまず何をしたのでしょうか。幸いなことに、彼はその手掛かりを後世のために残しております。序文には、彼が『古事記』を撰録するとき、稗田阿礼をその道案内としたと書いております。その稗田阿礼が手がかりなのです。 稗田阿礼については性別やその他様々の見解があるようですが、一致していることは阿礼が猿女の君の一族で大和の稗田にいたのではないかとする説です。猿女の君の先祖は、天の岩戸で有名な天の宇受売の命です。彼女は天孫の降臨の際、先頭に立って道案内をしています。 つまり、安万呂時代の過去と今との道案内をしたのが稗田阿礼、神代時代の高天原と地上との道案内をしたのが天の宇受売の…
2019/02/22 20:32