38.不運 空は鉛色に垂れ込め、雷鳴が遠くで轟いていた。 時刻は午後11時過ぎ、私は一人、絶望にあえいでいた。 これから一体どうしたらよいのだろう。 会社をくびになり、女房子供に逃げられ、借金まみれ……。 もはや、死ぬ以外に道はないのだろうか。 そう思って、こ
36.やばいおじいさん あるところに、すごくやばいおじいさんが住んでいました。 おじいさんは、そのぶっ飛んだ言動で、周囲をびびらせていました。 例えばあるときは、「カレーはすっぺー」 と言いました。 またあるときは、「隣の家が囲いを作ったってねえ。……壊せ!
35.盆踊り「それでは、第一回、とんでもなん踊りを始めます」 アナウンスが入った。私は狼狽した。 とんでもなん踊り? 何だそれは。訳がわからんぞ。 だが、周りにいる皆は、何の不審そうな顔もせずに踊り出す。 私は、後れをとるまいと、さも知っているかのように、周
今日はとりわけ酷いのを3つ。----------32.すげーもん「あっ」 友人が素っ頓狂な声を上げた。「どした?」「なんかすげーもん見つけた」 私が友人の方を見ると、友人は、教室の床から何かを拾い上げているところだった。「何それ」「わからん。わからんけど、なんかすげ
31.にく もうこんな時間か。 私はテレビを消し、ベッドに入ろうとリビングを出た。 薄暗い中、二階の寝室へ向かう。慣れているので、明かりをつけるまでもない、と思った。 階段を上ろうとした私は、そのとき、何かにつまずいた。 それは、何かとても奇妙なものだった。
29.熱弁「だからさ、借りたものを返さないなんて最低の人間のすることだよ!」 俺は自宅に後輩を呼び、熱弁をふるっていた。 ある友人が、俺に借りた金を返さない。それが許せなかった。「そうだろう! 借りっぱなしなんて人間失格じゃないか。お前、どう思う?」 すると
26.虫刺され 虫に刺された。 多分、蚊だと思うが、もしかしたら蚤かもしれない。 とにかく、かゆい。 かゆくてたまらない。 俺は刺された個所を掻きまくった。 掻けば掻くほどかゆくなり、終いには血が滲んできた。 でも、かゆい。あー、かゆい。 くそ、もう我慢でき
25.腹痛 腹が痛い。 二時間ほど前からずっと痛い。トイレに行ったが治らない。一体どうしたっていうんだ。 何か変な物食ったっけ? 俺は昼飯に食べたものを思い出してみた。 近くのラーメン屋の味噌ラーメンだ。 とくに変わったところもないし、いつも通りの味だった。
23.スーパーマン 君に秘密を打ち明けよう。とっておきの秘密。 じつは、僕はスーパーマンの子孫なんだ。そう、あのスーパーマン。 本当さ! 信じてないね。見ててごらん、空を飛んでみせよう。 えいっ。 どうだい? え、ジャンプしただけだって? そんなことはないよ
20.ウール なんだこれ!? こんなこと、あるはずがなかった。 頭から、毛ではなく、いや、毛は毛なのだが、人間の毛ではなく、ウールが生えてきたのだった。 そんなばかな。ウールは、羊に生えるべきものであって、人間に生えるものじゃない。 何で、よりによって、私の
17.あてずっぽうカフェ「君、あてずっぽうカフェ、って知ってるかい」「え、何だい、それ」「何もかもがあてずっぽうなカフェのことさ」「へえ、どんなカフェなの?」「まず客の注文をあてずっぽうで決める。お客さん、さてはミックスサンドイッチだろ? ってね」「あはは、
あー腹減った。 とりあえず書きます。----------14.漫画喫茶 俺は漫画が大好きだ。 だから、漫画喫茶には頻繁に行く。 どんな漫画も読み放題なんて、天国みたいなところだ。 だが、たまに、いびきのクソうるさいやつがいる。 少しくらいなら我慢できるのだが、どこか
では今日も。----------11.睡眠 眠い。 今起きたばかりだと言うのに、もう眠い。 睡眠時間が足りなかったわけじゃない。九時間ぐっすり眠ったのだ。 昨日の夜十一時から、今朝の八時まで、途中一度も起きずに。 最近どんどん睡眠時間が長くなってきている。 もしかす
ではいきます。今日は4つ。----------7.自動航行 コールドスリープから目覚めた私は、宇宙船の現在地を確認し、異常事態に気付いた。 輝く星々の間を抜けて進む、自動航行プログラム。 これのおかげで私達は、航行中にぐっすりと冬眠できるわけなのだが……。 自動航行
それでは今日もいきましょう。3つ、投下します。 しかし…… 検索しても引っかからないし、誰かここにたどり着く人はいるんだろうか。 たどり着いたとしても、ろくなものがないこのブログに。----------4.悪魔「それじゃ、君の魂をもらうよ」 悪魔が言った。 私は、悪
「ブログリーダー」を活用して、KUSOSSさんをフォローしませんか?