ブランド品の「ヴィンテージ」を売るお店があります。 「ヴィンテージ」と聞くと、 かなり価値があるもののように感じますが、 平たく言えば“古いもの”です。 家に眠っていた古いブランド品も「ヴィンテージ」です。 ブランド品の中古買い取り業者なら、 買い取り拒否する商品。 そんな品が、「ヴィンテージ」として“生まれ変わり”、 さらに高額で販売されているのです。 眼のつけどころというのか、発想の転換というのか。 新しいもの、古いもの、 それぞれに価値があるということを忘れてはいけません。
ある居酒屋さんでは、 「何、それ?」というメニューがあります。 ノンアルコールビールと焼酎を組み合わせた 「ゼロ酎ハイ」。 変わった組み合わせなので、 興味を持つ人はたくさんいます。 しかし、よく考えれば、 何のための「ノンアルコール」なのか、という疑問が。 せっかくアルコールを抜いたものに、 アルコールを足しているのです。 結局、変な味のビールになるだけではないでしょうか。 ここで、お客さまから「ツッコミ」が入ります。 「何の意味があるの?」「何のこっちゃ!」。 でも、面白がって注文してしまいます。
和歌山の国道沿いで古くから営業している、ある食堂。 一膳めし屋という風情で、 お客さまは車で立ち寄る常連さんばかり。 このお店には、 恐らく日本中でここだけであろうメニューがあります。 「にゃんこ飯」。 みなさんよくご存知の“ねこまんま”です。 ご飯とかつお節の、あの組み合わせ。 ねこのご飯もしくは家庭でしか味わうことのない メニューを堂々と販売しているのです。 ご飯とご飯の間に、 しょうゆに浸したかつお節が挟まっています。 赤い弁当箱に入り、味つけ海苔が別添えで出されます。 決して外食では見ることのないメニューですが、 これにハ..
ウズベキスタンには、 「ナン」だけを売る屋台が集まった 「ナンバザール」があります。 屋台がズラリと並んだ光景は圧巻です。 肉や玉ねぎなどの具材が入ったものや 作った人の名前と電話番号が書かれた、 ユニークな「ナン」があります。 「ナン」だけを売るという“専門化”には、 驚くほどの集客力があります。 誰もが行ってみたくなるでしょう。
京都のパスタ屋さんには、 「つゆだくカルボナーラ」というメニューがあります。 「ただのスープスパゲティやんけ!」と、 関西弁でツッコミたくなるメニューなのですが、 女性に人気があります。 ネーミングで興味をそそり、 味でお客さまを捕まえています。 これを「目先を変えただけ」と捉えるか、 「優れた戦略」と捉えるか。 ハッキリ言うと、 “小手先のテクニック”ではありますが、 成功事例としてご紹介しておきましょう。
ある居酒屋さんには、 「チンチロリンハイボール」というメニューがあります。 それを注文すると、 サイコロが2つ入った茶碗が差し出されます。 そう、賭博の「チンチロリン」です。 振ったサイコロの目によって、勝負します。 このお店では、 2つのサイコロの目を足した数が、偶数なら半額に、 ゾロ目なら無料に、奇数なら倍額になります。 かなりのギャンブルに思えますが、倍額になっても、 ハイボールの量が倍になって出てくるので、 お客さまに損はありません。 お店にとっては、注文が増えたことと同じになります。 酒の席では、こういう単純なゲームがウケるのです。
鳥取の栽培漁業センターとJR西日本が協同で、 「養殖サバ」の販売を始めています。 相当新鮮でなければ食べられない“生食”が、 遠隔地でもできると言います。 その名も『お嬢サバ』。 ダジャレです。 しかし、ちゃんとした理由のあるダジャレなのです。 完全養殖なので、 天然サバに多い寄生虫がつきにくくなっています。 この特徴を取って、 虫がつきにくい“箱入り娘”=『お嬢サバ』 となったのです。 インパクトもあり、消費者に強くアピールできます。 なるほど!
銭湯は、心身ともに癒される場所です。 気持ち良く、心地良く。 風呂上がりにはコーヒー牛乳を飲んで、 誰もが昭和の風情をも体験できるところ。 大阪府豊中市にある銭湯では、 風呂上がりの光景が若干違っています。 脱衣所から出ると、そこはたこ焼き屋さん。 子どもからお年寄りまでが、たこ焼きを食べながら、 ビールやジュースを飲んでいます。 風呂に入れば、小腹も空いて、喉も乾きます。 そこに、たこ焼きとビールがある。 誰もがくつろいでしまうでしょう。 銭湯だけでは経営が厳しい時代。 利益率の高い粉ものとビールは、 安定した収益をもたらしてくれま..
あるオークションサイトに、 キャラクターフィギュアを出品した日本人がいました。 落札したのは、海外の人。 出品者から送られてきた荷物を開けた落札者は、 非常に驚き、感激しました。 荷物の中身を写真に撮り、SNSにアップしたところ、 大絶賛するコメントが多数寄せられました。 この出品者は、箱に入ったフィギュアを 保護するための緩衝材の代わりに、 日本のスナック菓子を使っていたのです。 スナックは窒素を充填しているので、 緩衝材に適していたのです。 海外の人にしてみれば、欲しいモノを落札できた喜びに、 日本のお菓子と出逢えた喜びも加わり、 感動も..
お店の入口前に、 小さなフラワーショップを作ったスナックがあります。 お酒と花には、何の繋がりもないように思えますが、 実は緻密に計算された戦略なのです。 スナックに来たお客さまが、お店の女の子に 花をプレゼントするように仕掛けたのです。 女の子たちを喜ばせ、花も確実に売れるということです。 なるほど!
飲食店を開業するには、 まず料理を学ばなければなりません。 しかし、ビジネスとして参入するなら、 料理人を雇う方法もあります。 ただし、商売の最大リスクは人件費です。 先のわからない勝負に、リスクを背負うのは危険です。 とすると、自分で調理するか、 調理の不要な業態を選べば良いのです。 「しゃぶしゃぶ」or「焼肉」。 仕入れ先を厳選すれば、肉の素人でも構いません。 お客さまが自身で調理するので、料理人も不要です。 アルバイトだけなら、人件費は半分以下。 業態の特性を考えると、1階店舗である必要もないので、 家賃も半分。 これだ..
お客さまを買う気にさせるには? 欲しくなるセールストークの見本があります。 テレビ通販でお馴染みの「ジャパネットたかた」です。 商品がどれだけ優れているかはあまり語らず、 具体的な使い方を提案しています。 たとえば、「腹筋ができる座イス」。 「メタボ解消に運動しましょう」ではなく、 「これならテレビを観ながら、 気が向いた時に10回ぐらい腹筋できますよ」 という説明をします。 「ICレコーダー」の場合。 ICレコーダーはビジネスマンがメインターゲットですが、 共働きのお母さんに向けて、 「お子さんに声で伝言を残すと喜ばれますよ」 と、ア..
福岡にある居酒屋のランチタイムメニューは、一品のみ。 「鯖の一枚焼き定食・1000円」。 連日行列ができる、人気店となっています。 脂がのって、ふっくらとした焼きサバ。 豆腐、漬け物、味噌汁、ご飯。 ご飯はおかわり自由。 一品しかないので、注文する必要もなく、 席に座れば、定食が運ばれてきます。 焼きサバによほどの自信がなければ、 こんな商売は成り立ちません。 どれほどの歳月を掛けて、 辿り着いたのかはわかりませんが、 たったひとつのことを極めれば、 人は集まってくるということの表れです。 お見事!
仙台・秋保温泉にある小さなスーパー 「主婦の店・さいち」。 売り場面積80坪ほどの家族経営のお店です。 ここは、“手づくりおはぎ”で知られており、 全国から多くの人がやって来ます。 朝、開店前から大行列ができるお店なのです。 ここのすごいところは、観光バスが立ち寄ることです。 休憩場所もない、ごく普通の小さなスーパーなのに、 ツアー客がやって来るのです。 失礼ながら、たかがおはぎです。 なのに、そこまで魅力があるのかと思うと驚きです。 商品力がどれほど重要なのかがわかります。 田舎町のありふれたスーパーであっても、 全国の人に知られる存..
大阪・千林商店街に、 たくさんのポケモンが集まってきた。 これは、商店会が「ポケモンGO」の 「ポケモンが集まって来る」という、 アイテム(課金サービス)を利用した、 集客のひとつです。 その効果があり、多くの人たちが押し寄せたのです。 商売と結びついているのかどうかはわかりませんが。 この「ポケモンGO」を活用した、 観光客誘致のアイデアをひとつ。 任天堂に依頼し、 「ご当地ポケモン」を作ってもらうのです。 そこに行かなければゲットできないポケモンがいれば、 大きな集客力となります。
ある老舗ホテルでは、お客さまがゴミ箱を机の下から ベッドの隣に移動させていたら、 連泊の場合、清掃後もその場所を変えません。 次回、宿泊した時にも、同じ位置に置きます。 こんな細かなところまで、 お客さまのデータを記録しておくことに脱帽です。 お客さまは気づかないかもしれませんが、 これが本当のおもてなしではないでしょうか。
東京・谷中のある居酒屋には、 サワー(酎ハイ)が約140種類もあります。 味噌サワー・甘酒サワー・おしるこサワー・ キムチサワー・かぼちゃサワー・ポタージュサワー……。 試すのを躊躇してしまうような、 いわゆる“ゲテモノ”です。 しかし、これがお店の“売り”になっています。 怖いもの見たさのチャレンジャーが、 毎夜「マズい!」「いまいち!」「なんだ、これは?」 と文句を言いながら、笑顔で呑んでいます。 変なものを楽しんでいるのです。 このお店のすごいところは、新しいサワーを考える時、 店主は味見をしないということ。
思わず見てしまう。思わず読んでしまう。 私たちのまわりには、そんなことが多々あります。 その中のひとつが、言葉です。 たったひと言が、多くの人を惹きつけたりします。 その言葉が入っているだけで、人は興味を持ち、 お店を利用してしまうことがあります。 「裏技」「秘伝」「秘密」「理由」「損」「失敗」 「得」「マスコミ」「話題」「魔法」「新○○」 「初○○」「楽」「ここだけ」「一番」「痩せる」 「奇跡」「人気」「みんな」「いまだけ」「限定」 「先着」「特別」「割引」「おまけ」……。 これらのキーワードを使えば、 注目度を高めることは容易になります。 ..
音楽がデジタルデータで販売されるようになり、 CDさえ消えようとしています。 しかし、ラジカセなどで録音・再生する カセットテープが、密かに生き延びています。 デジタルの苦手な中高年が、 操作の楽なカセットレコーダを いまだに利用しているのです。 カラオケを練習する際に、録音が容易で、 聞きたい部分がすばやく再生できるカセットの方が、 使い勝手が良いのです。 そんな需要が増えていることを受け、 カセットテープのメーカーが、さらに使いやすいように、 1、2曲だけを録音できる 「10分用テープ」を販売しました。 それが中高年の需要に合致し、 販売数..
おばちゃんが1人で切り盛りする居酒屋には、 メニューがありません。 「おまかせ」あるいは「何でも作ってくれるのか」 と思うでしょうが、どちらもハズレです。 「お通し5品 300円」。 料理は、これだけなのです。 席に座れば、この5品が出されます。 注文するのは、飲み物だけ。 おばちゃんにはファンがいて、 おばちゃんの料理にもファンがいて、 メニューのないことに文句を言うお客さまはいません。 出された料理をつまみながら、お酒を飲みます。 しかも、たった300円なので、 その分の浮いたお金をお酒にまわします。 つまり、お酒の注文がどんどん..
オーダーメイドの「お守り」があります。 一人ひとりの願いことを聞き、 日本の伝統的な文様を組み合わせたデザインの 「お守り」を作ってくれます。 ネット上のサイトで注文でき、 1つ3000円(税・送料込み)。 高いようにも感じますが、売れているようです。 不思議なのは、自分の足でお参りもせず、 「お守り」だけをネットで購入すること。 それでご利益があると 信じることができるのでしょうか。 やはり日本人は、本当の信仰心がないのでしょうね。
平日のランチタイム。 イタリアン・フレンチ・和食・スイーツなど、 女性ウケするお店をテレビ局が取材していると……。 そこに映っているのは、40〜50代のおばさんたち。 ここ2,3年、急激に増えています。 たまの女子会なのかとも思うのですが、 ひとりで来ている人も結構います。 それは、どのお店を見ても同じです。 仕事はどうした? 家事は済んだの? いらぬお世話でしょうが、 「それでいいのか」と心配してしまいます。 憂さ晴らしなのかもしれませんが、 毎日のように出掛ける人も多いようです。 その中で目立つのが、 スマホでインスタ用写真..
東京・有楽町にある居酒屋さんの 看板や暖簾に書かれているのは、 「インドマグロの玉菊」。 普通の居酒屋さんなのですが、 イチオシがインドマグロなのです。 日本では、クロマグロに次ぐ高級品として知られ、 それが比較的安く食べられるので、 このお店にはマグロファンが殺到しています。 マグロファンでなくても、 このキャッチフレーズには興味を持ってしまいます。 まず、一般人はマグロの種類まではあまり知らず、 「どんなマグロだろう?」と考えます。 また、あまり聞いたことのないインドマグロを 推しているお店にも興味が湧きます。 つまり、新鮮で斬新さを感じ..
あるスイーツ店では、 スイーツを手に持って写真を撮影できるように、 その背景となるよう、壁にデザイン画を描いています。 ほとんどのお客さまが、この背景を使って、 インスタ用の写真を撮っています。 また、あるコスメ店では、若い女性が多いことから、 商品とは関係なく、 女子っぽい可愛い部屋をイメージしたコーナーを作り、 撮影スポットとして提供しています。 どちらのお店も、商品とは直接関係のないことですが、 このスポットがあることで、 集客力をさらに高めていると言えます。
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