救急、神経内科、てんかん領域の最新の話題を神経内科専門医、てんかん内科医が紹介します。
てんかんや脳機能について特に開設します。専門性の高い話題から、一般向けの話題まで情報提供します。
てんかんには様々な病因があります。病因(etiology)とは、原因となっている病態のことで、大きな枠組みとしては「脳血管障害」、「腫瘍」、「免疫」、「変性」、「感染」などあります。成人てんかんの病因別の代表疾患は脳梗塞、脳腫瘍、皮質形成異常、海馬硬化症、認知症、外傷、などです。ではそれぞれどのような転帰を辿るのでしょうか?初期の治療方針はいずれも抗てんかん薬(ASM)での発作消失を目指すものですが、その消...
Nature論文に学ぶ:高周波律動(HFO)とパーキンソン病とエヴァンゲリオン
パーキンソン病では脳深部刺激療法(DBS)という治療法があります.DBSは内服薬などでは改善が期待できない運動症状や合併症に対して有効な治療オプションなのですが,そのメカニズムはよくわかっていません.わかっていないのだけど,一定の患者さんには著効するので現在もパーキンソン病の治療の重要なオプションの一つなのです.DBSのメカニズムに関するNature論文を紹介します.odweb.huc.hiroshima-u.ac.jp/pcsweb/playlist.do?...
苦戦していた「パーキンソン病の論文」がようやく通りましたhttps://www.jns-journal.com/article/S0022-510X(21)00228-8/fulltextNeurologyに投稿したところ、査読者4名まで進む善戦をしたのですが、あえなくリジェクトという悔しい思いとともに自分の「データのまとめ方」がまだまだだなと...パーキンソン病ではなんと「タバコを吸わない人の方が数人よりパーキンソン病を発症しやすい」ということが大規模な疫学研究から明らか...
ラミクタールの最速プロトコール:皮疹のリスク上げずに11日で維持量まで増量が可能??抗てんかん薬(AED)は副作用の比較的多い種類の薬剤です。副作用の中でも薬疹は特に注意が必要なのはいうまでもありません。既存のAEDの中では、カルバマゼピンが注意すべき薬剤ですが新規のAEDの中では、ラモトリギンにも注意が必要です。ラモトリギンに限ったことではありませんが、高用量で開始したり、急激に増量したりすると、薬疹のリ...
脳波初学者用のスライド初期研修医の先生が、これから病棟研修をする際に脳波をオーダーすることはあると思います。特に、脳神経内科でローテする時は必ず脳波をオーダーすると思います。今回は、初めて脳波を読んでみる前にシンプルに押さえておきたいPOINTをまとめたスライドを作りました。スライドはANTAA slideというサイトに投稿しています。基本の基本から解説しました。主に総論ですが、病棟研修の参考になると思います。例...
COVID-19とてんかん発作の変化の疫学研究がEpilepsy & Behaviorに報告しました。https://doi.org/10.1016/j.yebeh.2021.107886コロナ渦では様々な影響を受け、てんかん患者さんの状態も変化しました。ただし、コロナ渦ではいろいろなことが目まぐるしく日々変化しましたので、どのような因子によって発作が悪化したのか、あるいはしなかったのかは重要なポイントです。特にCOVID-19の感染そのものによって発作が悪化したとする報告...
てんかんのプロブレムリストについてです。てんかんは情報量が多いのと、分類がバージョンアップしたりと、なかなか難しいですよね。結論から言えば「どのグループで共有するか」で表現方法は異なると思います。論文・学会報告:この場合は最新のILAE 2017分類を用いるようにしています。ただし臨床の局面ではこの分類は煩雑です。旧分類も新分類も知識としては把握することは大事ですが、各局面でうまく使い分けるのがいいと思い...
抗てんかん薬(AED)と妊娠は、妊娠可能年齢の女性にとって重要な問題です。もちろん妊娠中には適切に発作をコントロールしなければいけませんが、AEDには催奇形性のみならず児の発達などにも影響し得ることがあるとされますので、必要最低限の治療介入が原則です:1)単剤療法2)可能なら少量で3)バルプロ酸を避ける4)多併用療法を避ける5)妊娠中の血中濃度の変化に注意するなど一方で、催奇形性や発達への影響については...
脳波判読オープンキャンパス ー 誰でも学べる7STEP ー 購入はこちら『こんな方におすすめ』・脳波を読んだことがない・なんとなく読んだことはあるけと、きちんと教わったことがない・読み方はわかるけど、評価ができない・少しはわかるけど、後輩指導はできない・基本から一度教えてほしい臨床の現場で脳波をじっくりと教わることができることはほとんどないのではないでしょうかあったとしてもそれは限られた施設です...
せっかく外来を受診したのに主治医に普段の状況を思ったとおりに説明できなかったという経験は誰しもあるかと思います。特にてんかんの場合は、発作の回数や発作の状況など、伝えることも多くて、なかなか難しいのではないでしょうか。私自身も過去に診察を受けた時に、こんなにも自分のことを端的に伝えるのは難しいのだと思った経験があります。また、てんかんの場合は発作の回数を自分自身では正確に把握できないこともあります...
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