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逍遥亭主人
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大網白里市
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佐川町
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2017/02/13

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  • 『世説新語』 宇宙より大きな志

    中国に仏教が伝来したのは、後漢の時代だといわれている。 そして、戦乱の多かった魏晋南北朝時代に、救済を求める人々の心を捉え、大いに広まったという。 粱の武帝は、何度も寺に奴隷として仕え、皇帝を買い戻すために、国は多額の寄進を行なった、とされている。 酷いのは南斉の明帝という皇帝である。 熱心な仏教信者ではあったが、その反面、権力争いで多くの同族を殺害した。 明帝が涕を流し焼香した日には、誰かが殺されたという。 話は変わって、東晋の時代、何充(かじゅう)という人がいた。 ある時、瓦官寺(がかんじ)という大寺に参拝し、熱心に祈っていたという。 それを見た友人の阮裕(げんゆう)が、 「君の志と勇気は…

  • 『世説新語』 おいしい話

    おいしい話というものは、そうそう世の中にあるものではない。 何もせず、楽して儲けるなんてことが、出来る筈もない。 これは、子供でも分かる。 ところが、70歳の年寄りが簡単に騙されたりする。 詐欺は、もちろん詐欺する方が悪い。 しかし、騙される方の心理も、僕にはよく分からない。 詐欺までいかなくても、 「○○日で、○○語が話せるようになる」 とか、 「○○すれば人生で成功する」 とかいった話を、信じる人の心理が分からない。 ただ、「信じたい」という気持ちは、理解できる。 楽して儲かる方法や、語学がすぐに出来るようになる方法や、人生で成功できる方法や、タイムトラベルする方法があればいいなとは、僕も…

  • 『孔子家語』 貧は士の常なり

    孔子が太山(泰山)に行った時のことである。 栄啓期(えいけいき)という人が、郕(せい)という魯の町の野で、貧しい身なりで琴を弾いて、楽しそうに歌を歌っていた。 奇異に感じた孔子は、尋ねた。 「あなたの楽しみは何ですか」、と。 栄啓期が答えるに、 「私の楽しみは沢山ある。 まず、天が万物を生じて、その中で人が最も貴い。その人に生まれた。これがまず一つ。 男女でいえば、男が貴い。その、男に生まれた。これが、二つ目。 日の目もみずに幼くして死ぬ者もいるが、私は今、九十歳になった。これが三つ目の楽しみだ」、と。 楽しみは沢山ある、と言いながら、三つであるところが、奥深い。 三つしかないのではなく、三つ…

  • 『孟子』最後に善は勝つ?!

    居酒屋などで、中年のサラリーマンが若い社員を相手に、こんなことを言ったりする。 「どうも俺はうまく立ち回れないタイプだから・・・」 とか、 「間違ったことは、上に対してもはっきり言ってしまう性分だから駄目なんだな」 ドラマなどでは、悪人がどんなに策略をめぐらしても、最後には善良で正直な主人公が勝ちを収める。 しかし、実際の世の中では、正直者は馬鹿をみることの方が多いようである。 だからこそ、私たちは勧善懲悪の、ハッピーエンドで終わる物語が好きなのかもしれない。 やはり、「最後に善が勝つ」ということは幻想なのであろうか? いや、決してそんなことはないと、孟子は言う。 水が火に勝つように、善は不善…

  • 『世説新語』 給料が少なかった人の話

    西晋の初代皇帝で、呉を滅ぼして三国志の時代を終わらせた武帝(司馬炎:諸葛亮孔明との戦いで有名な司馬懿仲達の孫)は、竹林の七賢の一人である山濤(さんとう)を重用していた。 しかし、重用している割には、与えている禄、つまり給料は少なかったという。 ある時、東晋の有名な政治家である謝安(謝太傅)が、その子弟たちに、何故だと思うかと尋ねてみた。 そうすると、謝安の甥で、前秦の苻堅との戦で活躍した謝玄(車騎)が答えた。 貰う方の山濤自身が多く貰おうと考えていなかったので、与える方の武帝も少ないとは思わなかったのでしょう、と。 当時、流行った清談というものは、このような受け答えを珍重したのだろう。 雅趣に…

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