『世説新語』 宇宙より大きな志
中国に仏教が伝来したのは、後漢の時代だといわれている。 そして、戦乱の多かった魏晋南北朝時代に、救済を求める人々の心を捉え、大いに広まったという。 粱の武帝は、何度も寺に奴隷として仕え、皇帝を買い戻すために、国は多額の寄進を行なった、とされている。 酷いのは南斉の明帝という皇帝である。 熱心な仏教信者ではあったが、その反面、権力争いで多くの同族を殺害した。 明帝が涕を流し焼香した日には、誰かが殺されたという。 話は変わって、東晋の時代、何充(かじゅう)という人がいた。 ある時、瓦官寺(がかんじ)という大寺に参拝し、熱心に祈っていたという。 それを見た友人の阮裕(げんゆう)が、 「君の志と勇気は…
2018/05/28 11:49