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桐生
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2016/05/07

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  • END 結んだ縁の繋いだ先に 7

    「なんで引っ越したんですか?」「誰に聞いた?」あと1週間で高校の入学式。咲から電話がきたのは、男に溺れたあの日から数日経った夜のこと。いつものようにビール片手にアルバムを眺めていると、全くならない電話が突如鳴り響いた。一瞬望海からかと期待しながらディスプレイを確認すると、そこには咲の名前。登録はしたが、俺の新しい連絡先は教えていない。無視をするとしつこそうだから、ため息まじりに電話にでる。すると、...

  • R18 結んだ縁の繋いだ先に 6

    段ボールだらけの部屋で、組み立てたばかりのベッドに転がる。前のベッドは望海の顔がちらついて、仕方なく処分した。望海のために用意した着替えや歯ブラシ、寝具やスリッパ。それをひとつひとつゴミ袋に入れる度に、視界が歪む。終わりにしようと決めたのは俺なのに、思い出だけはなかなか手放せない。実母の写真は破り捨てたのに、望海の写真は1枚だって捨てられない。何度も何度も迷って、結局ゴミ袋から助け出した古ぼけたア...

  • 結んだ縁の繋いだ先に 5

    望海「ねえ!!陽兄っていつ帰ってくるの!?」中学を卒業して、高校の入学式が迫っている。体育祭では3人でメシに行こうと約束していたのに、正月に顔を出してから一度も会えていない。それどころか、咲と初詣に行って帰ってくると、既に陽兄の姿はなかった。俺に挨拶もなく帰ったことなんて一度もなかったのに、としばらく不貞腐れて……待てど暮らせど、いつまで経ってもフォローの連絡はない。業を煮やして連絡したのに、なぜか...

  • 結んだ縁の繋いだ先に 4

    大晦日。澄んだ空気を肺一杯に膨らませながら、煩悩を隠して実家に顔を出した。望海に会うのは、体育祭以来。2ヶ月も空いていないのに、既に毎日会いたくて堪らなかった。少し前なら感情の赴くまま会いに来れたのに、罪悪感が足を重くする。特に父さんと母さんに合わす顔がなくて、ずっと避けていた。これだけ世話になっておいて、その大事な息子に劣情を抱くようになるなんて、俺だって勘弁してほしい。俺が家に到着するや否や、...

  • 結んだ縁の繋いだ先に 3

    「もう!!はるちゃんに言いつけるから~~~っ!!」気に入らないことがあると、望海は俺のところに一目散に逃げてきた。襟元をぐしゃぐしゃに濡らして、宝石のように美しい瞳を深海のように煌めかせて、自分勝手な正当性を訴えてくる。その姿を見ていると理性がぶっ飛び、沸騰しそうなほど熱い血が頭にドクドクと溢れてきた。自分のブラコンぶりを振り返ると恥ずかしいと思う場面が多々あるが、天使を泣かせるなんて悪の所業。俺...

  • 結んだ縁の繋いだ先に 2

    結局あの日から、俺たちはふたりと養子になった。恵さんが言うような選択権なんてなかったし、金も手もかかる大きな子供を2人揃って引き取れる裕福な親戚は、どこにもいなかったから。実母でさえ、家庭を壊されることをひどく恐れていた。写真の中で見た優しい笑顔は幻想で、俺たちを見つめるリアルな視線は驚くほどに冷酷で、無慈悲だった。血の繋がりなんて、何の意味もない。―――家族なんて、いらない。「はるちゃん、夕飯はなに...

  • 結んだ縁の繋いだ先に 1

    陽海―――いつからだろう……?いつから間違えてしまったのか、自分でも分からない。感情の境目があやふやで、いくら探してもその答えが見つからない。見つかったところで、今更どうしようもないのだけれど……ベッドに寝転ぶ無防備な姿を見下ろして、深いため息を吐いた。***望海が生まれたのは、夏休みに入ってすぐのこと。からっとした気候とは程遠く、Tシャツが身体に纏わり付くようなひどく蒸した日。毎日のように最高気温を更新す...

  • 明日から

    こんにちは!お久しぶりです。皆さま、お元気でしょうか?寒かった日が急に暑くなって、身体の体調崩しそうになりますね。『過保護な花男くん』の続編に続く陽海編を書き終えたので、明日から短編始まります。近親相姦苦手な方はごめんなさい。短編ですが、楽しんで頂けると嬉しいです。桐生最後まで読んで頂き、ありがとうございます!!ランキングに参加しています。よかったらぽちっと応援お願いします!!にほんブログ村小説(B...

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