1:スイス旅行記2023年編2:スイス2023年事情3:ラウターブルンネンとシルトホルン4:スイスの地層地質の話5:アイガー・エクスプレス6:カンデルシュテーク7:ゴルナグラートバーン8:グレッチャー3000とグリンデルワルトスイス2023年旅程目次
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1:スイス旅行記2023年編2:スイス2023年事情3:ラウターブルンネンとシルトホルン4:スイスの地層地質の話5:アイガー・エクスプレス6:カンデルシュテーク7:ゴルナグラートバーン8:グレッチャー3000とグリンデルワルトスイス2023年旅程目次
レマン湖のモントレーから東へ数十キロの場所にGlacier3000という場所がある。ロープウェイで登るのだが、当日は風が強く運航するかどうかは職員の判断待ちだった。めでたく許可がでたので上へ。こんなつり橋があるところで下界を見下ろすのである。この日は天気が曇っており残念だった。こちらはグリンデルワルトの登山電車から。アイガーグレッチャー駅から徒歩で一駅降りるところ。ユングフラウ三山。グレッチャー3000とグリンデルワルト
wikiによるとマッターホルンは【基部は堆積岩であるが山体は片麻岩で形成されている。パンゲア大陸が分裂し始めた2億年前にゴンドワナ大陸のアフリカ部分として残ったアプーリア・プレートが、1億年前に同大陸から分離しヨーロッパ大陸へ移動して乗り上げた[注釈1]、ナッペと言われる地質構造を示す。山容はその後の氷河の作用で形成されたもので、こういった地形は氷食尖峰と呼ばれる。】堆積岩というのは砂岩泥岩礫岩がミルフィーユ上に縦に積み重なってできた海洋由来の柔らかい地層。一方片麻岩というのは、岩石に地球レベルの巨大な温度又は圧力がかけられて、それまでの岩石の組織とは変わってしまった石のことを指す。そういえばアルプス山脈を北に超えるとドイツがあるけども、南ドイツには岩塩の鉱山がたくさんある。塩はドイツ語でSALZ。オース...ゴルナグラートバーン
カートレインというものがある。車を貨物列車に乗せて運ぶサービスである。区間は約20キロ。グリンデルワルトからツェルマットに向かう最短コースはカートレインを利用することである。大きく迂回するコースや峠を越えるコースもあるけれども時間がかかる。カートレインの20キロの区間はほぼトンネルの中である。しかもトンネルの中は全くライトがなく真っ暗な闇が出口まで続く。トンネルの幅も最小限の広さで古さを感じさせる良い鉄道だが、この路線は数年後には幅も広げられより快適になるとか。個人的にはこのままのほうが味があって好きなのだが。ツェルマットは車の乗り入れを規制しているので、テッシュの町で電車に乗り換える。15分ほどでツェルマットに到着。カンデルシュテーク
ロシアウクライナ戦争も1年数ヶ月経ち、そろそろ何かしらの意見を書いても良い時期になったと思う。今回の戦争は私たち日本人にとっては対岸の火事であり傍観者という立場である。少なくとも直接戦火を交えている当事国ではない。そこは第二次世界大戦とは大きく異なる。次に今回の戦争はかつてのベトナム戦争や中東戦争とは違う。これらの戦争はアメリカとソ連という超大国から離れた地域で行われた代理戦争である。翻ってウクライナ戦争はロシアにとっては国境を接する緩衝地帯であり、その地域が親米政権になり、あろうことかNATOの加盟まで求めているという状況だ。地理的に似ている場所といえば北朝鮮である。北朝鮮はロシアと韓国の間にある緩衝国という位置付けだ。だが金正恩は新米政権ではない。NATOにも入る意思は示されていない。そういう意味では...そろそろ
「無時間モデル」という造語がある。内田樹が編み出した言葉で、彼のいうことは要するこうだ。「労力に対して対価を得るのが、早ければ早いほど快感を感じる性質を持つ」と。これはネガティブな意味を込めて言っていることに留意しておこう。市場の売買を考えるとより分かりやすい。お金を払うのと同時に商品を手にできる。注文から到着までの時間が最短であるなどだ。アマゾンでほしい商品をポチる、決済が即日にされ翌日にはもう商品が届く。これが早ければ早いほど「便利な世の中」というわけだ。なぜこんな話を冒頭にしたのかというと「アイガー・エクスプレス」がまさに無時間モデルの例としてふさわしいからだ。このロープウェイは2020年12月にオープンという新しいものだ。グリンデルワルトグルント→アイガーグレッチャーの区間をわずか15分で移動する...アイガー・エクスプレス
かつてバリスカン造山運動というものがあった。かつてといってもそれは今から3億年ほど前の石炭紀あたりの話。北のローラシア大陸(ユーラシア+北アメリカ)と南のゴンドワナ大陸(南アメリカ+アフリカ+インド+南極+オーストラリアなど)が衝突したとき引き起こされた。そうして出来たのが超大陸パンゲアである。さて、ローラシアとゴンドワナの衝突部分をみてみよう。現在の地形とはまるで異なるが、アフリカと北アメリカの東海岸そして西ヨーロッパからスカンジナビア半島が衝突して山脈を作った。これがだいたい石炭紀またはそれ以前に起こったという。現在でもこの造山帯あたりには山脈が連なっている。その後超大陸は分裂した。かつてのゴンドワナ大陸は南アメリカ・アフリカ・南極・インド・オーストラリアに分かれ、インドはユーラシア大陸に衝突、アフリ...スイスの地層地質の話
氷河が削った谷のラウターブルンネン。切り立った渓谷に囲まれている。ここに海水が流れ込めば「フィヨルド」となる。フィヨルドは氷河期に氷河によって削られた深い谷が、温暖化にともなって海面の上昇により形成された。いわば溺れ谷だ。日本の三陸海岸はリアス海岸と呼ばれるが、これはフィヨルドではなく単なる溺れ谷である。河川によって浸食した谷が海面上昇をうけて溺れ形成されたものだ。メカニズムはラウターブルンネンもフィリヨルドもリアス式海岸もさほどかわらない。一方シルトホルンに代表される「ホルン」だが、これはカールが3つ以上形成されると出来るものだ。カールとは日本の千畳敷カールに代表されるように、氷河がけずった丸い窪みである。鍋の底のような形状をしている。ある山に複数のカールができると、取り残された山は尖ってくるのだ。ラウ...ラウターブルンネンとシルトホルン
2009年とはずいぶん事情が変わっていた。今回の旅行はアパートメントに泊まり自炊をして滞在費をうかすというもの。驚くべきことに2009年のスイスフランは86円であったらしいが2023年6月現在においては153円。そして今日8月では162円となっている。さてスイスの道路だがトンネルが本当に多くなった。しかも新しい。そしてこの国ではスピード違反は1キロオーバーから取り締まられる。私も実はやってしまった。しかも面倒なのは罰金はレンタカー会社が立て替えてくれて、手数料を加えてカード会社から引かれると思いきや、罰金の支払いは自分でスイスのHPにある支払い用サイトからクレジットカードで支払わねばならない。取り締まりはオービスである。ピカっと光ったらおわり。私はルツェルンの高速道路上で光らせました。このルートを通る方は...スイス2023年事情
スタジオジブリの映画「君たちはどう生きるか」を観た。まるで難解なオペラを観たような気分になった。私の趣味がクラシック鑑賞なのでこういう言い方しかできないのが申し訳ない。オペラ作曲家であるワーグナーの「パルジファル」や「トリスタン」などが難解なオペラの代表で、ようするに初見ではさほど面白くは感じられないということを言いたいわけだ。だがスルメのように噛めば噛むほど味が出る。見れば見るほどわかってくる。人生の経験を積めば積むほどわかってくるという、厄介なつくりになっているのである。ということで私の現在における「君たちはどう生きるか」の感想は多分に的外れな考察が入っているものではあるが、そういう先入観を排除せずに以下に考察を書いていこうと思う。さっそく本題に入ろう。結論から先に言えば、この映画は主人公である真人の...映画「君たちはどう生きるか」を見て
今回は円安の厳しい環境の中での海外となった。1スイスフランは152円(2023年6月現在)。物価が高いスイスでアパートメントを借りて自炊をするプランを立て臨んだ。カヤックという旅行版価格ドットコムのようなサイトで、航空券とレンタカーならびに宿を予約した。今回は直行便。ロシア=ウクライナ戦争の影響で国際線はロシア上空を飛行できなくなったため、行きの便は画像赤線のような飛行ルートとなった。帰りの便はオーストリア→ハンガリー→ルーマニア→黒海→トルコ→ジョージア→アゼルバイジャン→カスピ海→カザフスタン→中国→日本というユーラシア大陸横断ルートとなった。北極付近上空。巨大な海氷に覆われており、氷の亀裂の間から僅かな海が見える。ウクライナ有事がなければ通ることのないルートだと思うと貴重な経験ともいえる。スイス旅行記2023年編
1:ニュージーランド旅行記2:ニュージーランド物価事情3:マウントクック国立公園その14:遊覧飛行マウントクック空港5:タスマングレイシャー・ニア・ザ・レイク6:クイーンズタウンその他7:バンクス半島とキャッスルヒルニュージーランド旅程目次
クライストチャーチから南東にあるバンクス半島。サミットロードをずっと走るとバンクス半島の山頂から湾を見下ろすことができる。この地は複合的な楯状火山が侵食されてできたもので。中央の湾はカルデラによって陥没したところに海水が流れてできあがったものらしい。もう一つはクライストチャーチから北西方向のアーサーズパスを目指す国道73号線の途中にあるキャッスルヒルのカルスト地形。クライストチャーチからキャッスルヒルまでは100㎞ほどあるが、十分日帰りで楽しむことができる。バンクス半島とキャッスルヒル
クイーンズタウンはTWIZELから車で約3時間。ここのロープウェイから山頂に登った展望台は絶景。マウンテンバイクをロープウェイに載せることもできるようだ。食事つきのロープウェイチケットもあるが、それを買わなくても展望台で軽食は買える。この町には国際空港があり、展望台からでも着陸態勢に入っている飛行機を見ることができる。ここで海外のSIMについて一言。NZのSIMは29NZ$で3GB。49NZ$で10GBというプランなどがある。これは30日間有効なのだが、通信の従量を使い切ってしまうと通信が完全に切れてしまうことに注意が必要だ。日本だと従量を使い切っても128KPBSくらいに通信速度が抑えられて使用することができるのだが、NZはそうではなかった。なので私は3GBのプランを2度契約することになり、結果的に高く...クイーンズタウンとその他
氷河ボートツアーの予約は現地ではなく、ハーミテージホテルにて受け付けている。クレジットカードのみである。このツアーは正味3時間ほど。午前と午後の部がある。個人的には午後の部の方がよいのではないか?マウントクックやタスマン氷河の天候は、私の行っていた2月の状況であれば、午前よりも午後の方が雲が晴れやすいような気もする。2月はサマータイム中であり、体感的には午後3時が一番暑く感じ日の入りは20時30分。登山であれば午前中から5~6時間かけて登れば昼過ぎなので午前中の登頂がよいだろうが、氷河ボートツアーは湖水が冷たいので午前中はいささかキツイかもしれない。ボートは最大4隻ほどでているのでツアーが満員で何日も取れないということはないだろう。1990年代にはこのボードの位置まで氷河がせり出していたというから驚きだ。...タスマン・グレイシャー・ビュー・ニア・ザ・レイク
マウントクック空港は国立公園内にある。空港内には2つの遊覧飛行の会社があり、利用したのはINFLITEというほう。もう一つ会社の値段体系はわからないが、たぶん似たような価格だと思う。遊覧飛行はヘリコプターかセスナ機かを選べるのだが、天候や人数によって変更になる。私はセスナ機でのタスマン氷河~マウントクック山を含めたコースを予約したのだが、当日の天候と風速と人数の関係があってマウントクック山のコースはナシとなり、機体もヘリコプターになった。もちろんその分の値段は割り引かれる。空港とTWIZELの町の距離は約60㎞だが、この国では郊外の一般道では制限速度が100㎞であり、加えて信号機や交通量も皆無に近いので40分もあればTWIZELから空港まで行けるのである。ヘリは操縦者も含めて6人。ヘリの助手席という一番い...遊覧飛行マウントクック空港
マウントクック山国立公園の最寄りはTWIZELという名前の町である。GOOGLEMAPでの位置は↑の画面の通り。画面右上がクライストチャーチの町で、画面の左下のハートのマークが2つある箇所がTWIZEL(トワイゼル)となっている。この町にはスーパー、ガソリンスタンド、そして貸別荘やモーテルなどの宿泊施設がそろっており、旅の拠点にするにはちょうど良い場所だ。マウントクック山の麓にもホテルはあるのことはあるのだが、麓にはスーパーがないので、結局買い出しはトワイゼルの町まで下向することになるし、ホテル料金も割高になる。こちらはマウントクック国立公園の拡大図。ハイキングコースのルートはかなりあるが、ここでは代表的なものだけ。①フッカーバレートラック。第1・第2・第3の橋を越えて、最終的にはマウントクック山を望める...アオラキマウントクック国立公園その1
2023年現在、この国ではキャッシュレスが進んでいるようだ。現金よりもクレジットカードでの決済を優先する。スーパーでの買い物やレストランでの支払いは現金でもできるものの、マウントクックのハーミテージホテルのカフェなどではキャッシュレスオンリー。オプショナルツアーの料金支払いもキャッシュレスオンリー。何よりも、ニュージーランドでは外貨両替をする場所が少なすぎる。ほぼ空港の両替場でしか受け付けていない。現地の大手の銀行で複数回チャレンジしてみたがダメだった。加えて外貨両替は手数料がかかるのでお得ではない。物価については日本よりもおおむね高い。特に高いものが外食である。レストランでメインディッシュを食べようものなら25~30$(2200~2700円)。ガソリンはレギュラー(unleaded91の油種)でリッター...ニュージーランド物価事情
南半球のニュージーランドに行ってきました。航空券はネットアプリのカヤックを使いました。https://www.kayak.co.jp/シーズンは夏なので、オークランド経由クライストチャーチ行きの代金は往復チケットで約17万円でした。シーズンオフなら11万くらいで行けると思う。円安が進む今日では、ホテルに外食という組み合わせは滞在費がかさむことになるので、貸別荘を借りて自炊をする計画にした。貸別荘も上記のカヤックというアプリを使って手配した。値段的には季節の変動や宿のグレードもあるから一概には言えないが、おおよそ家族4人で泊まるくらいの人数であれば、一泊1万~1万5千円には抑えられるだろう。ホテルと違って人数×値段ではなく、一棟貸しの値段であることにメリットがある。問題なのは入国の面倒さである。順を追って書...ニュージーランド旅行記
もう11年も前になる作品の感想を今年になって初めて見た。このアニメに関する解説や考察はネット上には無数にある。それほどこのアニメは、視聴者による解釈の幅が大きい作品であり、ストーリー上に関連する伏線やそうでない伏線なども非常に複雑に組まれた芸術的作品だと思う。このアニメに関して「これはどんな話ですか?」と他人聞かれたら答えに窮してしまう。以下に完全にネタバレを含む感想と個人的な妄想を交えた考察を書く。このアニメは表面的には「自己犠牲による愛」をテーマにしているように見える。実際に宮沢賢治の銀河鉄道の夜のテーマは「自己犠牲による愛」がテーマにもみえてしまう。しかし私の見方としてはそうではない。本編のアニメにおいて、愛が常に自己犠牲を伴うように勘違いされるのは、愛の行動には常に必死さが伴うからである。自分のこ...いまさら輪るピングドラム
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1:スイス旅行記2023年編2:スイス2023年事情3:ラウターブルンネンとシルトホルン4:スイスの地層地質の話5:アイガー・エクスプレス6:カンデルシュテーク7:ゴルナグラートバーン8:グレッチャー3000とグリンデルワルトスイス2023年旅程目次
レマン湖のモントレーから東へ数十キロの場所にGlacier3000という場所がある。ロープウェイで登るのだが、当日は風が強く運航するかどうかは職員の判断待ちだった。めでたく許可がでたので上へ。こんなつり橋があるところで下界を見下ろすのである。この日は天気が曇っており残念だった。こちらはグリンデルワルトの登山電車から。アイガーグレッチャー駅から徒歩で一駅降りるところ。ユングフラウ三山。グレッチャー3000とグリンデルワルト
wikiによるとマッターホルンは【基部は堆積岩であるが山体は片麻岩で形成されている。パンゲア大陸が分裂し始めた2億年前にゴンドワナ大陸のアフリカ部分として残ったアプーリア・プレートが、1億年前に同大陸から分離しヨーロッパ大陸へ移動して乗り上げた[注釈1]、ナッペと言われる地質構造を示す。山容はその後の氷河の作用で形成されたもので、こういった地形は氷食尖峰と呼ばれる。】堆積岩というのは砂岩泥岩礫岩がミルフィーユ上に縦に積み重なってできた海洋由来の柔らかい地層。一方片麻岩というのは、岩石に地球レベルの巨大な温度又は圧力がかけられて、それまでの岩石の組織とは変わってしまった石のことを指す。そういえばアルプス山脈を北に超えるとドイツがあるけども、南ドイツには岩塩の鉱山がたくさんある。塩はドイツ語でSALZ。オース...ゴルナグラートバーン
カートレインというものがある。車を貨物列車に乗せて運ぶサービスである。区間は約20キロ。グリンデルワルトからツェルマットに向かう最短コースはカートレインを利用することである。大きく迂回するコースや峠を越えるコースもあるけれども時間がかかる。カートレインの20キロの区間はほぼトンネルの中である。しかもトンネルの中は全くライトがなく真っ暗な闇が出口まで続く。トンネルの幅も最小限の広さで古さを感じさせる良い鉄道だが、この路線は数年後には幅も広げられより快適になるとか。個人的にはこのままのほうが味があって好きなのだが。ツェルマットは車の乗り入れを規制しているので、テッシュの町で電車に乗り換える。15分ほどでツェルマットに到着。カンデルシュテーク
ロシアウクライナ戦争も1年数ヶ月経ち、そろそろ何かしらの意見を書いても良い時期になったと思う。今回の戦争は私たち日本人にとっては対岸の火事であり傍観者という立場である。少なくとも直接戦火を交えている当事国ではない。そこは第二次世界大戦とは大きく異なる。次に今回の戦争はかつてのベトナム戦争や中東戦争とは違う。これらの戦争はアメリカとソ連という超大国から離れた地域で行われた代理戦争である。翻ってウクライナ戦争はロシアにとっては国境を接する緩衝地帯であり、その地域が親米政権になり、あろうことかNATOの加盟まで求めているという状況だ。地理的に似ている場所といえば北朝鮮である。北朝鮮はロシアと韓国の間にある緩衝国という位置付けだ。だが金正恩は新米政権ではない。NATOにも入る意思は示されていない。そういう意味では...そろそろ
「無時間モデル」という造語がある。内田樹が編み出した言葉で、彼のいうことは要するこうだ。「労力に対して対価を得るのが、早ければ早いほど快感を感じる性質を持つ」と。これはネガティブな意味を込めて言っていることに留意しておこう。市場の売買を考えるとより分かりやすい。お金を払うのと同時に商品を手にできる。注文から到着までの時間が最短であるなどだ。アマゾンでほしい商品をポチる、決済が即日にされ翌日にはもう商品が届く。これが早ければ早いほど「便利な世の中」というわけだ。なぜこんな話を冒頭にしたのかというと「アイガー・エクスプレス」がまさに無時間モデルの例としてふさわしいからだ。このロープウェイは2020年12月にオープンという新しいものだ。グリンデルワルトグルント→アイガーグレッチャーの区間をわずか15分で移動する...アイガー・エクスプレス
かつてバリスカン造山運動というものがあった。かつてといってもそれは今から3億年ほど前の石炭紀あたりの話。北のローラシア大陸(ユーラシア+北アメリカ)と南のゴンドワナ大陸(南アメリカ+アフリカ+インド+南極+オーストラリアなど)が衝突したとき引き起こされた。そうして出来たのが超大陸パンゲアである。さて、ローラシアとゴンドワナの衝突部分をみてみよう。現在の地形とはまるで異なるが、アフリカと北アメリカの東海岸そして西ヨーロッパからスカンジナビア半島が衝突して山脈を作った。これがだいたい石炭紀またはそれ以前に起こったという。現在でもこの造山帯あたりには山脈が連なっている。その後超大陸は分裂した。かつてのゴンドワナ大陸は南アメリカ・アフリカ・南極・インド・オーストラリアに分かれ、インドはユーラシア大陸に衝突、アフリ...スイスの地層地質の話
氷河が削った谷のラウターブルンネン。切り立った渓谷に囲まれている。ここに海水が流れ込めば「フィヨルド」となる。フィヨルドは氷河期に氷河によって削られた深い谷が、温暖化にともなって海面の上昇により形成された。いわば溺れ谷だ。日本の三陸海岸はリアス海岸と呼ばれるが、これはフィヨルドではなく単なる溺れ谷である。河川によって浸食した谷が海面上昇をうけて溺れ形成されたものだ。メカニズムはラウターブルンネンもフィリヨルドもリアス式海岸もさほどかわらない。一方シルトホルンに代表される「ホルン」だが、これはカールが3つ以上形成されると出来るものだ。カールとは日本の千畳敷カールに代表されるように、氷河がけずった丸い窪みである。鍋の底のような形状をしている。ある山に複数のカールができると、取り残された山は尖ってくるのだ。ラウ...ラウターブルンネンとシルトホルン
2009年とはずいぶん事情が変わっていた。今回の旅行はアパートメントに泊まり自炊をして滞在費をうかすというもの。驚くべきことに2009年のスイスフランは86円であったらしいが2023年6月現在においては153円。そして今日8月では162円となっている。さてスイスの道路だがトンネルが本当に多くなった。しかも新しい。そしてこの国ではスピード違反は1キロオーバーから取り締まられる。私も実はやってしまった。しかも面倒なのは罰金はレンタカー会社が立て替えてくれて、手数料を加えてカード会社から引かれると思いきや、罰金の支払いは自分でスイスのHPにある支払い用サイトからクレジットカードで支払わねばならない。取り締まりはオービスである。ピカっと光ったらおわり。私はルツェルンの高速道路上で光らせました。このルートを通る方は...スイス2023年事情
スタジオジブリの映画「君たちはどう生きるか」を観た。まるで難解なオペラを観たような気分になった。私の趣味がクラシック鑑賞なのでこういう言い方しかできないのが申し訳ない。オペラ作曲家であるワーグナーの「パルジファル」や「トリスタン」などが難解なオペラの代表で、ようするに初見ではさほど面白くは感じられないということを言いたいわけだ。だがスルメのように噛めば噛むほど味が出る。見れば見るほどわかってくる。人生の経験を積めば積むほどわかってくるという、厄介なつくりになっているのである。ということで私の現在における「君たちはどう生きるか」の感想は多分に的外れな考察が入っているものではあるが、そういう先入観を排除せずに以下に考察を書いていこうと思う。さっそく本題に入ろう。結論から先に言えば、この映画は主人公である真人の...映画「君たちはどう生きるか」を見て
今回は円安の厳しい環境の中での海外となった。1スイスフランは152円(2023年6月現在)。物価が高いスイスでアパートメントを借りて自炊をするプランを立て臨んだ。カヤックという旅行版価格ドットコムのようなサイトで、航空券とレンタカーならびに宿を予約した。今回は直行便。ロシア=ウクライナ戦争の影響で国際線はロシア上空を飛行できなくなったため、行きの便は画像赤線のような飛行ルートとなった。帰りの便はオーストリア→ハンガリー→ルーマニア→黒海→トルコ→ジョージア→アゼルバイジャン→カスピ海→カザフスタン→中国→日本というユーラシア大陸横断ルートとなった。北極付近上空。巨大な海氷に覆われており、氷の亀裂の間から僅かな海が見える。ウクライナ有事がなければ通ることのないルートだと思うと貴重な経験ともいえる。スイス旅行記2023年編
1:ニュージーランド旅行記2:ニュージーランド物価事情3:マウントクック国立公園その14:遊覧飛行マウントクック空港5:タスマングレイシャー・ニア・ザ・レイク6:クイーンズタウンその他7:バンクス半島とキャッスルヒルニュージーランド旅程目次
クライストチャーチから南東にあるバンクス半島。サミットロードをずっと走るとバンクス半島の山頂から湾を見下ろすことができる。この地は複合的な楯状火山が侵食されてできたもので。中央の湾はカルデラによって陥没したところに海水が流れてできあがったものらしい。もう一つはクライストチャーチから北西方向のアーサーズパスを目指す国道73号線の途中にあるキャッスルヒルのカルスト地形。クライストチャーチからキャッスルヒルまでは100㎞ほどあるが、十分日帰りで楽しむことができる。バンクス半島とキャッスルヒル
クイーンズタウンはTWIZELから車で約3時間。ここのロープウェイから山頂に登った展望台は絶景。マウンテンバイクをロープウェイに載せることもできるようだ。食事つきのロープウェイチケットもあるが、それを買わなくても展望台で軽食は買える。この町には国際空港があり、展望台からでも着陸態勢に入っている飛行機を見ることができる。ここで海外のSIMについて一言。NZのSIMは29NZ$で3GB。49NZ$で10GBというプランなどがある。これは30日間有効なのだが、通信の従量を使い切ってしまうと通信が完全に切れてしまうことに注意が必要だ。日本だと従量を使い切っても128KPBSくらいに通信速度が抑えられて使用することができるのだが、NZはそうではなかった。なので私は3GBのプランを2度契約することになり、結果的に高く...クイーンズタウンとその他
氷河ボートツアーの予約は現地ではなく、ハーミテージホテルにて受け付けている。クレジットカードのみである。このツアーは正味3時間ほど。午前と午後の部がある。個人的には午後の部の方がよいのではないか?マウントクックやタスマン氷河の天候は、私の行っていた2月の状況であれば、午前よりも午後の方が雲が晴れやすいような気もする。2月はサマータイム中であり、体感的には午後3時が一番暑く感じ日の入りは20時30分。登山であれば午前中から5~6時間かけて登れば昼過ぎなので午前中の登頂がよいだろうが、氷河ボートツアーは湖水が冷たいので午前中はいささかキツイかもしれない。ボートは最大4隻ほどでているのでツアーが満員で何日も取れないということはないだろう。1990年代にはこのボードの位置まで氷河がせり出していたというから驚きだ。...タスマン・グレイシャー・ビュー・ニア・ザ・レイク
マウントクック空港は国立公園内にある。空港内には2つの遊覧飛行の会社があり、利用したのはINFLITEというほう。もう一つ会社の値段体系はわからないが、たぶん似たような価格だと思う。遊覧飛行はヘリコプターかセスナ機かを選べるのだが、天候や人数によって変更になる。私はセスナ機でのタスマン氷河~マウントクック山を含めたコースを予約したのだが、当日の天候と風速と人数の関係があってマウントクック山のコースはナシとなり、機体もヘリコプターになった。もちろんその分の値段は割り引かれる。空港とTWIZELの町の距離は約60㎞だが、この国では郊外の一般道では制限速度が100㎞であり、加えて信号機や交通量も皆無に近いので40分もあればTWIZELから空港まで行けるのである。ヘリは操縦者も含めて6人。ヘリの助手席という一番い...遊覧飛行マウントクック空港
マウントクック山国立公園の最寄りはTWIZELという名前の町である。GOOGLEMAPでの位置は↑の画面の通り。画面右上がクライストチャーチの町で、画面の左下のハートのマークが2つある箇所がTWIZEL(トワイゼル)となっている。この町にはスーパー、ガソリンスタンド、そして貸別荘やモーテルなどの宿泊施設がそろっており、旅の拠点にするにはちょうど良い場所だ。マウントクック山の麓にもホテルはあるのことはあるのだが、麓にはスーパーがないので、結局買い出しはトワイゼルの町まで下向することになるし、ホテル料金も割高になる。こちらはマウントクック国立公園の拡大図。ハイキングコースのルートはかなりあるが、ここでは代表的なものだけ。①フッカーバレートラック。第1・第2・第3の橋を越えて、最終的にはマウントクック山を望める...アオラキマウントクック国立公園その1
2023年現在、この国ではキャッシュレスが進んでいるようだ。現金よりもクレジットカードでの決済を優先する。スーパーでの買い物やレストランでの支払いは現金でもできるものの、マウントクックのハーミテージホテルのカフェなどではキャッシュレスオンリー。オプショナルツアーの料金支払いもキャッシュレスオンリー。何よりも、ニュージーランドでは外貨両替をする場所が少なすぎる。ほぼ空港の両替場でしか受け付けていない。現地の大手の銀行で複数回チャレンジしてみたがダメだった。加えて外貨両替は手数料がかかるのでお得ではない。物価については日本よりもおおむね高い。特に高いものが外食である。レストランでメインディッシュを食べようものなら25~30$(2200~2700円)。ガソリンはレギュラー(unleaded91の油種)でリッター...ニュージーランド物価事情
南半球のニュージーランドに行ってきました。航空券はネットアプリのカヤックを使いました。https://www.kayak.co.jp/シーズンは夏なので、オークランド経由クライストチャーチ行きの代金は往復チケットで約17万円でした。シーズンオフなら11万くらいで行けると思う。円安が進む今日では、ホテルに外食という組み合わせは滞在費がかさむことになるので、貸別荘を借りて自炊をする計画にした。貸別荘も上記のカヤックというアプリを使って手配した。値段的には季節の変動や宿のグレードもあるから一概には言えないが、おおよそ家族4人で泊まるくらいの人数であれば、一泊1万~1万5千円には抑えられるだろう。ホテルと違って人数×値段ではなく、一棟貸しの値段であることにメリットがある。問題なのは入国の面倒さである。順を追って書...ニュージーランド旅行記
もう11年も前になる作品の感想を今年になって初めて見た。このアニメに関する解説や考察はネット上には無数にある。それほどこのアニメは、視聴者による解釈の幅が大きい作品であり、ストーリー上に関連する伏線やそうでない伏線なども非常に複雑に組まれた芸術的作品だと思う。このアニメに関して「これはどんな話ですか?」と他人聞かれたら答えに窮してしまう。以下に完全にネタバレを含む感想と個人的な妄想を交えた考察を書く。このアニメは表面的には「自己犠牲による愛」をテーマにしているように見える。実際に宮沢賢治の銀河鉄道の夜のテーマは「自己犠牲による愛」がテーマにもみえてしまう。しかし私の見方としてはそうではない。本編のアニメにおいて、愛が常に自己犠牲を伴うように勘違いされるのは、愛の行動には常に必死さが伴うからである。自分のこ...いまさら輪るピングドラム
1:ニュージーランド旅行記2:ニュージーランド物価事情3:マウントクック国立公園その14:遊覧飛行マウントクック空港5:タスマングレイシャー・ニア・ザ・レイク6:クイーンズタウンその他7:バンクス半島とキャッスルヒルニュージーランド旅程目次
クライストチャーチから南東にあるバンクス半島。サミットロードをずっと走るとバンクス半島の山頂から湾を見下ろすことができる。この地は複合的な楯状火山が侵食されてできたもので。中央の湾はカルデラによって陥没したところに海水が流れてできあがったものらしい。もう一つはクライストチャーチから北西方向のアーサーズパスを目指す国道73号線の途中にあるキャッスルヒルのカルスト地形。クライストチャーチからキャッスルヒルまでは100㎞ほどあるが、十分日帰りで楽しむことができる。バンクス半島とキャッスルヒル
クイーンズタウンはTWIZELから車で約3時間。ここのロープウェイから山頂に登った展望台は絶景。マウンテンバイクをロープウェイに載せることもできるようだ。食事つきのロープウェイチケットもあるが、それを買わなくても展望台で軽食は買える。この町には国際空港があり、展望台からでも着陸態勢に入っている飛行機を見ることができる。ここで海外のSIMについて一言。NZのSIMは29NZ$で3GB。49NZ$で10GBというプランなどがある。これは30日間有効なのだが、通信の従量を使い切ってしまうと通信が完全に切れてしまうことに注意が必要だ。日本だと従量を使い切っても128KPBSくらいに通信速度が抑えられて使用することができるのだが、NZはそうではなかった。なので私は3GBのプランを2度契約することになり、結果的に高く...クイーンズタウンとその他
氷河ボートツアーの予約は現地ではなく、ハーミテージホテルにて受け付けている。クレジットカードのみである。このツアーは正味3時間ほど。午前と午後の部がある。個人的には午後の部の方がよいのではないか?マウントクックやタスマン氷河の天候は、私の行っていた2月の状況であれば、午前よりも午後の方が雲が晴れやすいような気もする。2月はサマータイム中であり、体感的には午後3時が一番暑く感じ日の入りは20時30分。登山であれば午前中から5~6時間かけて登れば昼過ぎなので午前中の登頂がよいだろうが、氷河ボートツアーは湖水が冷たいので午前中はいささかキツイかもしれない。ボートは最大4隻ほどでているのでツアーが満員で何日も取れないということはないだろう。1990年代にはこのボードの位置まで氷河がせり出していたというから驚きだ。...タスマン・グレイシャー・ビュー・ニア・ザ・レイク
マウントクック空港は国立公園内にある。空港内には2つの遊覧飛行の会社があり、利用したのはINFLITEというほう。もう一つ会社の値段体系はわからないが、たぶん似たような価格だと思う。遊覧飛行はヘリコプターかセスナ機かを選べるのだが、天候や人数によって変更になる。私はセスナ機でのタスマン氷河~マウントクック山を含めたコースを予約したのだが、当日の天候と風速と人数の関係があってマウントクック山のコースはナシとなり、機体もヘリコプターになった。もちろんその分の値段は割り引かれる。空港とTWIZELの町の距離は約60㎞だが、この国では郊外の一般道では制限速度が100㎞であり、加えて信号機や交通量も皆無に近いので40分もあればTWIZELから空港まで行けるのである。ヘリは操縦者も含めて6人。ヘリの助手席という一番い...遊覧飛行マウントクック空港
マウントクック山国立公園の最寄りはTWIZELという名前の町である。GOOGLEMAPでの位置は↑の画面の通り。画面右上がクライストチャーチの町で、画面の左下のハートのマークが2つある箇所がTWIZEL(トワイゼル)となっている。この町にはスーパー、ガソリンスタンド、そして貸別荘やモーテルなどの宿泊施設がそろっており、旅の拠点にするにはちょうど良い場所だ。マウントクック山の麓にもホテルはあるのことはあるのだが、麓にはスーパーがないので、結局買い出しはトワイゼルの町まで下向することになるし、ホテル料金も割高になる。こちらはマウントクック国立公園の拡大図。ハイキングコースのルートはかなりあるが、ここでは代表的なものだけ。①フッカーバレートラック。第1・第2・第3の橋を越えて、最終的にはマウントクック山を望める...アオラキマウントクック国立公園その1
2023年現在、この国ではキャッシュレスが進んでいるようだ。現金よりもクレジットカードでの決済を優先する。スーパーでの買い物やレストランでの支払いは現金でもできるものの、マウントクックのハーミテージホテルのカフェなどではキャッシュレスオンリー。オプショナルツアーの料金支払いもキャッシュレスオンリー。何よりも、ニュージーランドでは外貨両替をする場所が少なすぎる。ほぼ空港の両替場でしか受け付けていない。現地の大手の銀行で複数回チャレンジしてみたがダメだった。加えて外貨両替は手数料がかかるのでお得ではない。物価については日本よりもおおむね高い。特に高いものが外食である。レストランでメインディッシュを食べようものなら25~30$(2200~2700円)。ガソリンはレギュラー(unleaded91の油種)でリッター...ニュージーランド物価事情
南半球のニュージーランドに行ってきました。航空券はネットアプリのカヤックを使いました。https://www.kayak.co.jp/シーズンは夏なので、オークランド経由クライストチャーチ行きの代金は往復チケットで約17万円でした。シーズンオフなら11万くらいで行けると思う。円安が進む今日では、ホテルに外食という組み合わせは滞在費がかさむことになるので、貸別荘を借りて自炊をする計画にした。貸別荘も上記のカヤックというアプリを使って手配した。値段的には季節の変動や宿のグレードもあるから一概には言えないが、おおよそ家族4人で泊まるくらいの人数であれば、一泊1万~1万5千円には抑えられるだろう。ホテルと違って人数×値段ではなく、一棟貸しの値段であることにメリットがある。問題なのは入国の面倒さである。順を追って書...ニュージーランド旅行記