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  • 大沢在昌の『熱風団地』

    ◇『熱風団地』著者:大沢在昌2021.8角川書店刊大沢在昌らしく雑多な国籍の人々が登場する。。刃傷沙汰もほとんどない割とほんわかとしたソフトタッチの劇画風痛快譚である。東南アジアの小国”ベサール”という王国の王位継承問題がテーマ。主人公はフリーの観光ガイド佐抜克郎とベサール人元女性プロレスラーのヒナ。外務省系NPO法人「南十字星」という得体のしれない団体にベサール国の王子を探してくれと依頼される。佐抜が日本では数少ないベサール語を操れる人材だったからである。アシスタントとしてつけられた元女子プロレスラー”レッドパンサー”は佐抜が大ファンだった。二人は中国情報機関員、インド、ラオス、タイ、インドネシア、ヴェトナム、カンボジア、ベサール人など雑多な人々が住む「アジア団地」に住んでいるらしい王子探索に奔走する。...大沢在昌の『熱風団地』

  • 信州松代の旧駅舎を描く

    ◇長野電鉄屋代線の旧松代駅舎を描くclesterF8(中目)絵に描いたような空と山という表現があるが、実際この日の空は抜けるような青空だった。雲一つない真っ青な空と、雪をまとった白馬の山脈。それと対照的に廃線となって役目を果たせなくなった駅舎の寂しげなたたずまい。この駅舎は大正11年(1922年)開業当時のままで、平成24年(2012年)に廃線となってからもバス停の待合室などに利用されている。公衆電話ボックスと飲み物の自販機がある。北アルプスの北縁白馬山系は実は駅舎の左寄りに見える。信州松代の旧駅舎を描く

  • 湊かなえの『ダイアモンドの原石たちへ』

    ◇『ダイアモンドの原石たちへ』著者:湊かなえ2023.12集英社刊副題は「湊かなえ作家15周年記念本」とある。『告白』で作家デビューした作者湊かなえがこれまでに書いた小説作品29の紹介(各概ね3ページ)と、多大の影響を受けたという漫画家の池田理代子との対談、47都道府県サイン会ツアーの編集者レポート、ロングインタビュー「未来の小説家たちへ」、高校生のための小説甲子園、淡路島取材ドキュメント、年譜など多彩な誌面構成に加えて書下ろし短篇小説を添えた興味深い文庫本である。とくに「高校生のための小説甲子園」は作者湊が若い人に小説を書いてほしいという思いから始めた若い人限定の新人賞という試みで、題名の「ダイアモンドの原石たちへ」は作者の強い思いの表れか。(以上この項終わり)湊かなえの『ダイアモンドの原石たちへ』

  • キミ・カニンガム・グラント『この密やかな森の奥で』

    ◇『この密やかな森の奥で』(原題:TheseSilentWoods)著者:キミ・カニンガム・グラント(KimiCunninghamGrant)訳者:山崎美紀2023.11二見書房刊(二見文庫)日系4世の作者デビュ―2作目のサスペンス。とはいうもののサスペンスの盛り上がりは物語中段以降である。最初は大自然に抱かれた自活生活と父と子の深い愛情と強固な結びつきが語られるが、なぜ外界からの侵入者に対し強い警戒を怠らないか、15・6年前の事件が問わず語りに述べられる。その語り口はほぼ主人公クーパーの独白にちかい(最終段のエピローグだけ娘のフィンチが述懐する)。人物造形が優れていることから父と娘の互いの思いやりと固い絆がひしひしと伝わってくる。主人公元軍人のクーパーは結婚を間近にして交通事故で亡くなったシンディという...キミ・カニンガム・グラント『この密やかな森の奥で』

  • 松代藩主邸を描く

    ◇信州松代藩の旧藩主邸を描くclesterF6(中目)今は長野市であるが、旧松代町は戦国時代から北信濃の雄真田家が治めた。今も藩主の館が、旧真田邸として観光スポットとして公開されている。穏やかな日差しの差し込む部屋から庭の一隅が望め、日本人が好む長閑な雰囲気がなかなか捨て難く、写真に収め水彩画で再現してみた。江戸末期松代藩第九代藩主真田幸教が義母お貞の方の住まいとして建てたもので、明治初期まで真田家当主がお住まいになっていたということで、大大名ではないが名将真田幸村の名残をしのぶ縁にはなった。(以上この項終わり)松代藩主邸を描く

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