日本経済が低迷している理由について、著者の観点から解説されており、後の「ザイム真理教」や「書いてはいけない」の内容を先取りしている記述もある。 日本経済の空洞化は、日本企業が海外移転を進めた1986年以降、 外国資本が日本企業の株式保有を増加させた1990年のバブル崩壊以降、日本企業が外国資本に叩き売られた不良債権処理の3段階で進んだ。 日本には莫大な滞在した債権があり、海外投資を受け入れる必要などな…
2025年6月
日本経済が低迷している理由について、著者の観点から解説されており、後の「ザイム真理教」や「書いてはいけない」の内容を先取りしている記述もある。 日本経済の空洞化は、日本企業が海外移転を進めた1986年以降、 外国資本が日本企業の株式保有を増加させた1990年のバブル崩壊以降、日本企業が外国資本に叩き売られた不良債権処理の3段階で進んだ。 日本には莫大な滞在した債権があり、海外投資を受け入れる必要などな…
2025年6月
「ブログリーダー」を活用して、tkさんをフォローしませんか?
指定した記事をブログ村の中で非表示にしたり、削除したりできます。非表示の場合は、再度表示に戻せます。
画像が取得されていないときは、ブログ側にOGP(メタタグ)の設置が必要になる場合があります。
日本経済が低迷している理由について、著者の観点から解説されており、後の「ザイム真理教」や「書いてはいけない」の内容を先取りしている記述もある。 日本経済の空洞化は、日本企業が海外移転を進めた1986年以降、 外国資本が日本企業の株式保有を増加させた1990年のバブル崩壊以降、日本企業が外国資本に叩き売られた不良債権処理の3段階で進んだ。 日本には莫大な滞在した債権があり、海外投資を受け入れる必要などな…
人類の誕生以降の歴史とともに、とても多くの情報が整理されていて、議論の展開も丁寧。宗教の起源は狩猟採集時代の祝祭や儀礼にあること、軍事と祭祀が占有された時に国家が生まれたこと、儀礼を簡略化し、教義を中心として、個をターゲットとしたことで、民族や国家の枠を超えた世界宗教が生まれたことが説明されている。 著者は、ホモ・エレクトスの段階で、狩猟の成果を持ち帰って集団が全員で分配と共食をしていたとすれ…
著者は、7万年前に言語を獲得して認知革命が起きる前に、共感革命があったと推測している。そして、定住生活と文明の発達によって暴力が増していったと語る。 二足で立つと、上半身と下半身が別々に動くので、ぐるぐる回ってダンスを踊れるようになる。また、胸が圧力から解放されて、咽頭が下がり、さまざまな声を出せるようになる。言葉を獲得する以前の意味を持たない音楽的な声と、音楽的な踊れる体への変化によって、共…
言語は、物事を表す音としてのオノマトペが一般語に変化して発達するという。 最近の人は、非常に大きい失意や悲しみを「ぱおん」、可愛らしく泣く様を「ぴえん」と表現するらしい。 言語の中には、かつてオノマトペだったものが多い。「たたく」は「タッタッ」から、「ふく」は「フー」から、「すう」は「スー」から、「はたらく」は「ハタハタ」から、「カラス」は「カラ」から、「ヒヨコ」は「ヒヨヒヨ」からといった具…
コンピューターだけでなく、通信、放送を含む情報通信技術全般の歴史を俯瞰している。 フランス革命によって周辺諸国から警戒心と敵対心を抱かれたフランスは、腕木通信の情報網を構築した。 ウィリアム・F・クックが特許を取得した電信機が、1839年にイギリスの鉄道会社に採用された。サミュエル・モールスが発案し、アルフレッド・ヴェイルが完成させたモールス信号は、1844年にワシントン〜ボルチモア間で実用化された…
前半では、なぜ19世紀以降に劇的な経済成長が生じたかを、後半では、なぜ国家間に格差が生じたかを解く。 産業革命によってマルサスの罠から解き放たれたのは、工場化によって労働者への教育の必要性が高まり、子供を増やすよりも教育に金をかけることになり、人口増加率が低下したため。工業が成長した産業革命の後半になると、技能を持つ労働者の需要が大幅に高まり、労働者の生産性に影響する教育、訓練、技能、健康などの…
政治の世界では、日本がアメリカに従属することは、半ば公然となっているらしい。日本の政治のカラクリを単刀直入に明らかにしている。 アメリカの衰退は、1971年のニクソン・ショックあたりから表面化し、それを食い止めるために、一番言うことを聞きそうなところに、そのツケを回しはじめた。冷戦構造が終わった時点で、アメリカにとって日本はアジアのパートナーではなくなり、庇護する対象から収奪する対象になった。 …
著者は日本古代史が専門。人類の進化、神話・宗教・文明の誕生、精神革命、人類史の構造、現代史といったテーマを概観している。 司馬遼太郎は太平洋戦争中に兵役につき、なぜ日本がこのような戦争を起こしてしまったのか、国民の生命を軽視する陸軍がどうして生まれたのかという疑問に答えるために、終生学び続けた。 神話は、この世界がいかにして生まれたのか、我々人間がこの世界でいかに生きて行くべきかを教えてくれ…
やや難解だが、長期記憶やメタ学習が実現されていることを説明した部分は読みごたえがあった。 chatGPTが学習した情報の量は1兆文字、書籍で1000万冊相当分。 1948年、シャノンは情報量(情報エントロピー)と呼ばれる概念を導入した。ある情報がどれだけ予想していない驚くべき情報かを表し、起こりにくい事象が起きた場合は情報量が大きくなる。この情報理論によって、情報を数学的な枠組みの中で扱えるようになった。 …
タイトル通りの内容。 グルタミン酸とガンマアミノ酪酸(GABA)が脳内の信号送信の約80%を担っている。グルタミン酸は、ニューロンの活動を活発にして信号の連鎖的反応を始動させ、それまで結合したことのないニューロンの間に信号を送り、結合を促進する。GABAはその活動を抑える。 運動によってすべての神経伝達物質が調整される。ノルアドレナリンが急増し、脳を目覚めさせて働き出す。ドーパミンが放出されることによっ…
久しぶりにジャーナリズムの本を読んだが、真摯な態度で貫かれている良書だった。新聞の購読者が減ることにより記者の数も減らされていたり、読者の側も目に付きやすい情報に向いてしまうと社会への理解や関心がどんどん低くなることが心配だ。 日本では、日本ファクトチェックセンターやファクトチェック・イニシアティブがファクトチェック活動している。 真実の情報よりデマの方が6倍速く拡散する。後から誤情報を修正…
相変わらず知らなかったことがたくさん書いてあって、勉強になる。 優秀でエネルギッシュに見える著者も、9.11を目の当たりにした時は、人断ちを勧められるほど心が乱したそうだ。体感が麻痺して身体の声が聞こえなくなって不安になり、その穴を埋めようとしてさらに情報を折ってしまうループにはまり込んでいたという。 ショック・ドクトリンの手法は、米中冷戦時代に、捕虜のアメリカ兵を反資本主義に変えてしまう中国共…
この人は凄い。明石市長になるまでを描いた序章は、文章もうまいから小説のよう。ウルウルしながら読んだ。 漁師の家に生まれ、子供時代は、障害を持って生まれた弟を世話しながら過ごした。母親からは、弟の面倒を最後までみなければならないから、2人分稼げるようになれと言われ、精一杯勉強して東大に合格した。卒業後はNHKに就職したが、書店で石井紘基の本を手にし、仕事を辞めて選挙を手伝ったが落選。石井からは、司法…
近代世界システムとは、16世紀以降の歴史を世界的な構造として捉えようとする概念。資本主義の本質を歴史的に捉えることもできたので、読んでよかった。 近代世界システムとは、世界的な分業体制をとることで、それぞれの生産物を大規模に交換する体制のこと。 16世紀の東ヨーロッパでは、西ヨーロッパへの穀物輸出が激増したため、農奴の労働が強化された。今日の南北問題は、北の国々が工業化、開発される過程において、南…
日本の食文化が地形や地質と関係していることを説明する。 日本列島は2500万年前にアジア大陸から分裂して、1500万年前に現在の位置まで移動した。日本列島が大陸から分裂したのは、太平洋プレートが沈み込んで上部マントルと下部マントルとの境界付近に横たわっていたものが浮き上がることで、マントル内の上昇流が生じたためと著者は考えている。 この時代に、もともと一つの火山列島だった伊豆小笠原マリアナと九州パラ…
世界から戦争がなくならない理由は、成功と失敗を繰り返しているからであると池上さんは考えているようだ。 戦後、アメリカがソ連や社会主義を警戒したのは、モスクワで大使館勤務もしていたジョージ・ケナンが、アメリカの常識が通用しないソ連という国家は、世界制覇を目指して膨張していると言う長文の電報を送り、これを受けてトルーマン大統領はトルーマン・ドクトリンと呼ばれる共産主義封じ込め政策を発表したことがき…
アースト・ゲルナーの「民族とナショナリズム」をテキストにして、現代の支配構造を解き明かす。学生への講義録なのでわかりやすいのではないかと思ったが、私には難しかった。 ゲルナーは、社会を前農耕社会、農耕社会、産業社会という三つの発達段階で分けて考える。前農耕社会は誰も読み書きができる者がいない時代、農耕社会は少数の者が読み書きできる時代、産業社会は全員が読み書きできる時代。 農耕社会では、政治…
エネルギー問題について、文明史や環境史、産業革命と資本主義、熱力学の法則といった様々な視点から捉えることができる良書だった。 1865年、クラウジウスは熱エネルギーから運動エネルギーへの変換におけるエネルギー損失を説明するエントロピーという概念を考えた。高温槽から取り出される熱エネルギーの量と、運動エネルギーへ変換できずに低温槽へと捨てられる熱エネルギーの量は、両者をそれぞれの槽の温度で割った時、…
自由、平等(功利主義)、宗教の三つの価値観を主人公と3人の登場人物が議論を交わす形で話を展開していくので、わかりやすくてめちゃ面白い。 功利主義には、幸福度を客観的に計算できるのかという問題、身体的な快楽が本当に幸福だと言えるのかという問題、強権的になりがちになるパターナリズムの問題がある。 自由主義には、富の再分配の停止による格差の拡大や弱者が排除される問題、自己責任や個人主義の横行による…
戦後史と大正デモクラシーがおもしろかった。 明治政府は、戊辰戦争や西南戦争の戦費を不換紙幣の増発で補ってきたため、貨幣の価値が大きく下がり、インフレーションとなっていた。1881年に大蔵卿になった松方正義は、増税や新税導入によって収入を増やし、経費削減を断行して支出を抑えて、政府に集まってきた紙幣を償却した。その結果、貨幣の価値は上がって、政府の財政は好転した(松方デフレ)。一方で、農産物の価格も…
近代世界システムとは、16世紀以降の歴史を世界的な構造として捉えようとする概念。資本主義の本質を歴史的に捉えることもできたので、読んでよかった。 近代世界システムとは、世界的な分業体制をとることで、それぞれの生産物を大規模に交換する体制のこと。 16世紀の東ヨーロッパでは、西ヨーロッパへの穀物輸出が激増したため、農奴の労働が強化された。今日の南北問題は、北の国々が工業化、開発される過程において、南…
日本の食文化が地形や地質と関係していることを説明する。 日本列島は2500万年前にアジア大陸から分裂して、1500万年前に現在の位置まで移動した。日本列島が大陸から分裂したのは、太平洋プレートが沈み込んで上部マントルと下部マントルとの境界付近に横たわっていたものが浮き上がることで、マントル内の上昇流が生じたためと著者は考えている。 この時代に、もともと一つの火山列島だった伊豆小笠原マリアナと九州パラ…
世界から戦争がなくならない理由は、成功と失敗を繰り返しているからであると池上さんは考えているようだ。 戦後、アメリカがソ連や社会主義を警戒したのは、モスクワで大使館勤務もしていたジョージ・ケナンが、アメリカの常識が通用しないソ連という国家は、世界制覇を目指して膨張していると言う長文の電報を送り、これを受けてトルーマン大統領はトルーマン・ドクトリンと呼ばれる共産主義封じ込め政策を発表したことがき…
アースト・ゲルナーの「民族とナショナリズム」をテキストにして、現代の支配構造を解き明かす。学生への講義録なのでわかりやすいのではないかと思ったが、私には難しかった。 ゲルナーは、社会を前農耕社会、農耕社会、産業社会という三つの発達段階で分けて考える。前農耕社会は誰も読み書きができる者がいない時代、農耕社会は少数の者が読み書きできる時代、産業社会は全員が読み書きできる時代。 農耕社会では、政治…
エネルギー問題について、文明史や環境史、産業革命と資本主義、熱力学の法則といった様々な視点から捉えることができる良書だった。 1865年、クラウジウスは熱エネルギーから運動エネルギーへの変換におけるエネルギー損失を説明するエントロピーという概念を考えた。高温槽から取り出される熱エネルギーの量と、運動エネルギーへ変換できずに低温槽へと捨てられる熱エネルギーの量は、両者をそれぞれの槽の温度で割った時、…
自由、平等(功利主義)、宗教の三つの価値観を主人公と3人の登場人物が議論を交わす形で話を展開していくので、わかりやすくてめちゃ面白い。 功利主義には、幸福度を客観的に計算できるのかという問題、身体的な快楽が本当に幸福だと言えるのかという問題、強権的になりがちになるパターナリズムの問題がある。 自由主義には、富の再分配の停止による格差の拡大や弱者が排除される問題、自己責任や個人主義の横行による…
戦後史と大正デモクラシーがおもしろかった。 明治政府は、戊辰戦争や西南戦争の戦費を不換紙幣の増発で補ってきたため、貨幣の価値が大きく下がり、インフレーションとなっていた。1881年に大蔵卿になった松方正義は、増税や新税導入によって収入を増やし、経費削減を断行して支出を抑えて、政府に集まってきた紙幣を償却した。その結果、貨幣の価値は上がって、政府の財政は好転した(松方デフレ)。一方で、農産物の価格も…
漢字が日本に取り入れられた歴史がおもしろい。 漢字の音は、3〜6世紀の中国南北朝の時代につきあいのあった漢人の南朝から呉音が朝鮮や対馬を経由して入ってきた。平安時代の初めに、遣唐使が学んだ長安の漢語が正音として取り入れられた(漢音)。鎌倉・室町時代には、主に僧侶によって南宋、元、明の頃の漢語が伝えられた(唐音)。 呉音は、如来や供養、精進などの仏教関係、外科、小児科などの医学関係に残っている。…