chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
tk
フォロー
住所
中央区
出身
未設定
ブログ村参加

2016/01/25

  • 『世界システム論講義』川北稔 ちくま学芸文庫

    近代世界システムとは、16世紀以降の歴史を世界的な構造として捉えようとする概念。資本主義の本質を歴史的に捉えることもできたので、読んでよかった。 近代世界システムとは、世界的な分業体制をとることで、それぞれの生産物を大規模に交換する体制のこと。 16世紀の東ヨーロッパでは、西ヨーロッパへの穀物輸出が激増したため、農奴の労働が強化された。今日の南北問題は、北の国々が工業化、開発される過程において、南…

  • 『「美食地質学」入門〜和食と日本列島の素敵な関係』巽好幸 光文社新書

    日本の食文化が地形や地質と関係していることを説明する。 日本列島は2500万年前にアジア大陸から分裂して、1500万年前に現在の位置まで移動した。日本列島が大陸から分裂したのは、太平洋プレートが沈み込んで上部マントルと下部マントルとの境界付近に横たわっていたものが浮き上がることで、マントル内の上昇流が生じたためと著者は考えている。 この時代に、もともと一つの火山列島だった伊豆小笠原マリアナと九州パラ…

  • 『新・世界から戦争がなくならない本当の理由』池上彰 祥伝社新書

    世界から戦争がなくならない理由は、成功と失敗を繰り返しているからであると池上さんは考えているようだ。 戦後、アメリカがソ連や社会主義を警戒したのは、モスクワで大使館勤務もしていたジョージ・ケナンが、アメリカの常識が通用しないソ連という国家は、世界制覇を目指して膨張していると言う長文の電報を送り、これを受けてトルーマン大統領はトルーマン・ドクトリンと呼ばれる共産主義封じ込め政策を発表したことがき…

  • 『国家と資本主義 支配の構造』佐藤優

    アースト・ゲルナーの「民族とナショナリズム」をテキストにして、現代の支配構造を解き明かす。学生への講義録なのでわかりやすいのではないかと思ったが、私には難しかった。 ゲルナーは、社会を前農耕社会、農耕社会、産業社会という三つの発達段階で分けて考える。前農耕社会は誰も読み書きができる者がいない時代、農耕社会は少数の者が読み書きできる時代、産業社会は全員が読み書きできる時代。 農耕社会では、政治…

  • 『エネルギーをめぐる旅』古舘恒介

    エネルギー問題について、文明史や環境史、産業革命と資本主義、熱力学の法則といった様々な視点から捉えることができる良書だった。 1865年、クラウジウスは熱エネルギーから運動エネルギーへの変換におけるエネルギー損失を説明するエントロピーという概念を考えた。高温槽から取り出される熱エネルギーの量と、運動エネルギーへ変換できずに低温槽へと捨てられる熱エネルギーの量は、両者をそれぞれの槽の温度で割った時、…

  • 『正義の教室 善く生きるための哲学入門』飲茶

    自由、平等(功利主義)、宗教の三つの価値観を主人公と3人の登場人物が議論を交わす形で話を展開していくので、わかりやすくてめちゃ面白い。 功利主義には、幸福度を客観的に計算できるのかという問題、身体的な快楽が本当に幸福だと言えるのかという問題、強権的になりがちになるパターナリズムの問題がある。 自由主義には、富の再分配の停止による格差の拡大や弱者が排除される問題、自己責任や個人主義の横行による…

  • 『日本史は逆から学べ 近現代史集中講義』河合敦 知恵の森文庫

    戦後史と大正デモクラシーがおもしろかった。 明治政府は、戊辰戦争や西南戦争の戦費を不換紙幣の増発で補ってきたため、貨幣の価値が大きく下がり、インフレーションとなっていた。1881年に大蔵卿になった松方正義は、増税や新税導入によって収入を増やし、経費削減を断行して支出を抑えて、政府に集まってきた紙幣を償却した。その結果、貨幣の価値は上がって、政府の財政は好転した(松方デフレ)。一方で、農産物の価格も…

  • 『漢字と日本人』高島俊男 文春新書

    漢字が日本に取り入れられた歴史がおもしろい。 漢字の音は、3〜6世紀の中国南北朝の時代につきあいのあった漢人の南朝から呉音が朝鮮や対馬を経由して入ってきた。平安時代の初めに、遣唐使が学んだ長安の漢語が正音として取り入れられた(漢音)。鎌倉・室町時代には、主に僧侶によって南宋、元、明の頃の漢語が伝えられた(唐音)。 呉音は、如来や供養、精進などの仏教関係、外科、小児科などの医学関係に残っている。…

  • 『陰謀論-民主主義を揺るがすメカニズム』秦正樹 中公新書

    陰謀論が発生する要因について、丁寧に分析されている。 ツイッターの利用は、むしろ陰謀論的信念の低さと関連している。多くの人が、自分自身はウェブ上の陰謀論やデマ情報には騙されないが、自分以外の多くの人はきっと騙されているだろうという「第三者効果」の認識が、ツイッターの利用頻度が高いほど感じる傾向にある。 世論調査で測定される意識や態度の一部には、社会的に望ましい方向に答えてしまう「社会的望まし…

ブログリーダー」を活用して、tkさんをフォローしませんか?

ハンドル名
tkさん
ブログタイトル
tkの読書日記
フォロー
tkの読書日記

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用