対価

父が末期がんと告げられてからは、合格を喜んでる場合ではなく、家と病院を往復する生活になりました。救急車で運ばれる一日前から、背中の痛みが激しく立つこともできない状態で、病院にも行くことが出来ないので、救急車を呼んだ次第なのですが、あまりにも突然すぎて訳が分かりませんでした。検査結果を告げられるとき、黒い影があると言われたときに、これがガンだと言われる前に、なんとなく分かりました。でも、そうではあっ...

幸せの代償

大学受験はマイペースではありますが、順調に進み。気付けば金木犀の香りも薄れた初冬になっていました。たぶん、友達とかと一緒に頑張ってたなら、少しは受験エピソードがあるのでしょうが、一人でやっていたので、ほんとに淡々とするしかなかったです。今から思うと、よくやってたなと思います。寂しさも慣れてしまえば、それが日常なんです。季節はさらに進んで、センター試験がすぐそこのとこまで来ていました。正直、制服がい...

下向きながら、歩みは進み

偏差値30台からの大学受験ですが、狙うは私立の文系です。数学が壊滅的な人間でしたし、独学でしたので、国立は無理と判断しました。受験記みたいになるのは嫌なので、結果だけ言うと、2年の秋に30台だった偏差値は、一年後には60を超えていました。独学でもやればできるもんですね。そんなわけで頑張りの軌跡を綴っていきます。勉強するにあたって、まずはどれだけダレながらでも音楽を聴きながらでも、まずは勉強をする習...

外れモノ

通信制に編入して、しばらくは大きな動きはありませんでした。基本は家に引きこもって、手首を切って、心療内科に通う。そんな生活が続いていました。リストカットは長くは続きませんでした。確か手首を切っていたのは半年くらいだと思います。たぶん、自分の中での贖罪が落ち着いたから、切る意味がなくなったのでしょう。ただ、それ以降も太ももなど、すぐには見えない場所はたまに切っていました。恐らくですが、こういった癖は...

天国と地獄

私が少し通った高校は一言でいうならば、パッとしない人が集まる場所でした。真面目でも不良でもなく、無気力は人間の集まる場所、そんなところです。偏差値も低く、中学に通っていなかった私でさえ、すぐに成績上位に行くことができる。そんな場所でしたが、私にとっては久しぶりに学生としての役割が果たせる大事な機会でした。入学式の記憶はなぜか抜けてますが、特に何もなく終わった気がします。登校初日に学力テスト的なもの...