・なんとなくまだ初回の雰囲気も覚えている。・・・気付いたらホテルで、覚えているのは背中まで攻めてくれたことくらい。これが所謂初回枕か・・・と天井を見ながらなんとなく歌舞伎町を味わったような気分になっていた。・「お店、行ってみようかな」ホストとして出会って好きになってしまったら、最低でも一度は店に行かなければいけないことはわかっていた。・ホス狂いの子たちは、その時を刹那的に生きている。目の前の人に人生フルベッド。時に通っている大学を辞めて、時に今の仕事を辞めて、時に地元を飛び出して、恋人でもないホストのために命を燃やす。・哲学者エリック・ホッファーのこの言葉を、私は時折思い出す。「他者への没頭は、それが支援であれ妨害であれ、愛情であれ妨害であれ、つまるところ、自分から逃げるための手段である」・誰かが呟いてい...「歌舞伎町モラトリアム」佐々木チワワ著”刹那に幸せを求めてしまう苦しさからの逃れ”