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  • 枕草子を読んできて(136)その4

    124正月寺に籠りたるは(136)その42020.3.23日のうち暮るるに、詣づるは、籠る人なンめり。小法師ばらの、もたぐべくもあらぬ屏風などの高き、いとよく進退し、畳などほうと立て置くと見れば、ただ局に出でて、犬伏せぎに簾をさらさらとかくるさまぞ、いみじくしつけたるや。たはやすげなる。そよそよとあまたおりて、大人だちたる人の,いやしからずしのびやかなるけはひにて、帰る人にやあらむ、「その中あやふし。火の事制せよ」など言ふもあり。七八ばかりなるをのこ子の、愛敬づきおごりたる声にて、侍人呼びつけ、物など言ひたるけはひも、いとをかし。また三ばかりなるちごの寝おびれて、うちしはぶきたるけはひうつくし。乳母の名、母などうち出でたるも、たれならむと、いと知らまほし。◆◆日が暮れ始めるころに詣でるのは、これからお籠りする人...枕草子を読んできて(136)その4

  • 枕草子を読んできて(136)その3

    124正月寺に籠りたるは(136)その3誦経の鐘の音、「わがなンなり」と聞くは、たのもしく聞こゆ。かたはらによろしき男の、いとのびやかに額づく。立ち居のほども心あらむと聞こえたるが、いたく思ひ入りたるけしきにて、寝も寝ずおこなふこそ、いとあはれなれ。うちやすむほどは、経高くは聞こえぬほどによみたるも、たふとげなり。高くうち出でさせまほしきに、まして鼻などを、けざやかに聞きにくくはあらで、すこしのびてかみたるは、何事を思ふらむ、かれをかなへばやとこそおぼゆれ。◆◆誦経の鐘の音を、「あれは私のためのものだ」と聞くのは、頼もしく聞こえる。隣の部屋でかなりの身分の男が、たいへんひっそりと額をつけて拝んでいる。立ったり座ったりする様子もたしなみがあるように聞こえる、その人が、ひどく思い悩んでいる様子で、寝もしないで勤行に...枕草子を読んできて(136)その3

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