「高橋さーん!」の声に振り向く。声の主はあさっての方向に「悪いんだけどさぁ⋯」と言葉を継ぐ。別の高橋を呼んだのだった。多い苗字だからよくあること。永遠の二強、佐藤と鈴木に次ぐ三番手が我が苗字。どこだったか、都内のどこかでよくある二世帯住宅の御影石の表札に【斎藤榮暢子吉倉榮】的な。的な、というのは・・・姓が異なり名が同じなのが目に入り「あれ」と思ったのだが、正確なnameは覚えきれず。兎に角ファーストネームが並んで「不思議だな〜」だけが頭に残った。で!例えば、家系図もちゃんとあって、代々当主は同じ名前を名乗る「家」で、けれども今時は多様性も進み、「父さん、僕は婿に入ります」と、長男が宣言!けれども古くなった家を彼が大学卒業の頃に将来を見据えて二世帯に建替済。なので一緒には住みますよというストーリーなのか。あ...同じ名前と届いたハガキ